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AI時代に考える
 
 ビギナーエンジニア×スキルトランスファー
 
   との向き合い方

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自己紹介
 桑野 翔(くわの かける)
 ◯名前
 ◯所属
 クラスメソッド株式会社
 クラウド事業本部
 コンサルティング部
 ◯趣味
 ゲーム、写真撮影、ドライブ
 昨年末に琵琶湖一周してきました!


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まずはじめに...
 普段、生成AIツール使っていますか?


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まずはじめに...(続き)
 ・普段使いしない言語を触る時、お作法とかすぐ答えてくれる
 ・会議の音声を文字起こししてくれる
 ・文章をイラストにして理解を深めてくれる
 ・自分の考え方やある現象を一言で表せる言葉や理論を教えてくれる
 私は使っています!!


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まずはじめに...(続き)
 AIが出したいい感じの回答を他の人に
 共有したり、されたりすると
 その一方で...
 「これ、自分の考えとして伝わってる?」 
 「フィードバック、ちゃんと届いてる?」
 なんてことを思うわけです


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まずはじめに...(続き)
 ◯成果物をレビューした時のこと
  ・ぱっと見の体裁はとても綺麗(ところどころ統一感がずれている)
  ・理解が不正確な内容が多数
  ・恐らく生成AIを活用している(後から聞くとやはり使っている)
 そう思ったきっかけ
 どうすれば良くなるか、自分の経験と考えを交えて伝えた
 ↓
 あまり伝わっている感じがしなかった


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今日のお話
 ・生成AIツールを使うことが世の中の常識になってきた
 ・いろんな人が生成AIと触れ合っている
  →私の周辺にフォーカスするとエンジニアの方
 ・身の回りで生成AIが介入したアウトプットの割合が確実に増加
 そんな環境でビギナーエンジニアが
 効果的にスキルトランスファーに取り組むための方法 
 について考えたことを共有します!


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認識合わせ
 ◯ビギナー
  ・初級者、初学者のこと
  ・ある特定の領域で自分や他の考えに対して良し悪しが十分に判断出来ない
  ・経験年数は関係しない


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認識合わせ
 ◯スキルトランスファー
  ・業務や技術を引き継ぎ、蓄積した技術や知識を伝えること
  ・主体的に吸収しに行く(される側)
  ・吸収を補助する(する側) 
 単なる知識の受け渡しではなく、
 それらを活用するための判断基準を育てる


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AIがスキトラを難しくしている?
 こんな経験はありませんか?


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AIがスキトラを難しくしている?(続き)
 【される側】
  ・フィードバックをもらったけど、なんかピンとこない
  ・指摘されたので「その通り直せばいいか」と自己解決する
   →結果的に全然方向性が違っていた
 【する側】
  ・伝えたけど、響いている感じがあんまりしない
  ・「どうしてそう考えたんですか?」に対する答えが返ってこない
   →その人ではない誰かとやり取りしている感覚になる
 両者の間で何かがズレている。


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結論
 スキトラで効果を得たいなら、
 生成AIとの向き合い方を見直そう


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どうしてそうなるのかを考えてみた!
 ◯IKEA効果
  ・部分的にであっても自分で作ったものに愛着を持つ現象のこと
  ・裏を返せば、自分で作っていないものには愛着を持ちにくい
 生成AIで出した答えはこれらが欠如しやすい?
 ◯心理的オーナーシップ
  ・自分のアウトプットに対して抱く「これは自分のものだ」という意識
  ・この意識が弱いと、自分ごととして捉えづらい


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実際にこんな研究があるらしい
 「Writing with AI Lowers Psychological Ownership, but Longer Prompts Can Help」(2024年)
 ・AIを使って文章を書くと心理的オーナーシップが下がる
 ・ただし、長いプロンプトを書いた場合はオーナーシップが上がる
  →自分で考えてプロンプトに込めた分だけ「自分のもの」になる
 参加者にAIを使って短編小説を書いてもらう実験
  ・提示した3つの名詞を使ってプロンプトを作ってもらう
  ・モデルにはGPT-3.5 Turboが使われた


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実際にこんな研究があるらしい(続き)
 労力の大きさが心理的オーナーシップを強くする

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生成AI使いたくなる動機考えてみた!
 ◯最小努力の法則
  ・最も少ない労力で済む方法を無意識に選択する心理的・行動的な原則
  ・最適解ではなく、そこそこいい感じの情報で満足する
 ◯ファスト&スロー
  ・人間には2つの思考がある
   ・システム1 = 簡単で直感的な思考。基本こっちが対応してくれる。
   ・システム2 = 複雑、論理的な思考。疲れるので必要な時だけ対応する。
  ・脳が疲れないように、直感的な思考で簡単に対応するのが好き


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生成AI使いたくなる動機考えてみた!(続き)
 生成AIは 
 「楽に」「それっぽい答え 」を出してくれる  →楽をしたい人間の本能を叶えてくれる夢の技術
  →ただし、心理的オーナーシップは下がる


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じゃあどうしよう
 Q.スキトラのゴールってなんだったっけ?
 ◯このゴールを意識していないと...
  される側:答えをもらって終わりになる
   する側:アウトプットを評価して終わりになる
 A.単なる知識の受け渡しではなく、
 それらを活用するための判断基準を育てる


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じゃあどうしよう【される側】
 出したアウトプットに対する質問について、 
 自分の考えを持って返せる状態にしておく 
 ◯生成AIツールはアウトプットを手助けする手段にすぎない
  ・使っても使わなくてもどちらでも良い
  ・ただし、上の状態を作れることが前提


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じゃあどうしよう【される側】(続き)
 ◯プロンプトに自分の考えを込める
  ・自分の仮説を持って生成AIに尋ねる
  ・生成AIの回答を自分で言い換えて確認する
  ・納得するまで繰り返す
 労力をかけた分だけ「 自分のもの 」になる
 それが難しいなら...


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じゃあどうしよう【される側】(続き)
 生成AIツールを 禁止するのも選択肢の1つ 


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じゃあどうしよう【する側】
 単にアウトプットを評価しただけで終わらせない 
 ◯考えるヒントを伝える
  ・良し悪しの判定をするだけじゃない、理想に近づけるために問いかける
  ・「なぜこう書いたのか」を引き出す
 ◯時間がかかることを受け入れる
  ・単に情報を渡すのではなく「自分で判断する力」を育てなければならない
  ・深掘りには時間がかかる


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じゃあどうしよう【する側】(続き)
 1. 問いかけ方を工夫する
  △ この部分、間違っているよ(評価)
  ◯ この部分、どうしてこんな感じにした?(引き出す)
 
  △ この部分、AIで出した?(詰問)
  ◯ どのように解釈してこうなった?(理解の確認)
 理解の整理を呼びかけ、解釈を伝えてもらう


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じゃあどうしよう【する側】(続き)
 2. 答えを渡さない
  △ 正解をそのまま伝える
  ◯ 正解を導き出すための観点やヒントを伝える
 
  例 「〇〇という観点で見直してみて」
  例 「△△という場合だとどうなる?」
 考えるきっかけを用意する


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じゃあどうしよう【する側】(続き)
 3. 本人の言葉で説明してもらう
  ・「この部分、つまりどういうこと?」と聞き、要約してもらう
  ・「もっと簡単な言い回しで説明できる?」と言い換えしてもらう
 
  
  
 説明が難しい = まだ自分のものにできていない可能性


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じゃあどうしよう【する側】(続き)
 4. アウトプットを一緒にレビューする
  ・AIの回答を「叩き台」として一緒に見る
  ・AIの回答に対するお互いの解釈を確認する
  ・評価者ではなく、伴走者としてアウトプットの過程を一緒に経験する
  
 
 ペアプロンプティング というのが今後流行しそう


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ペアプロンプティング(仮)について
 
 ペアプログラミング
 ペアプロンプティング
 ドライバー
 コードを書く人
 プロンプトを考え、書く人
 ナビゲーター
 コードの内容を指示する人
 考えを引き出し、問いかける人
 やること
 一緒にコードを作る
 一緒にAIとやり取りする
 AIとの対話を重ねて思考を整理する
 ペアプログラミング的プロンプティング手法
 プロンプトを考えるハードルはコードを書くより低い
 →ナビゲーターはI/Oからドライバーの考えを引き出す力が求められそう


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まとめ
 スキトラで効果を得たいなら、
 生成AIとの向き合い方を見直そう
 【される側】自分の考えを持って返せる状態に
 【する側】 考えを引き出し、問いかける
 【共通】  同じゴールを見ていること


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