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時系列解析入門    2章 共分散関数 Yoshifumi  Seki  (Gunosy  Inc)   2015.02.17

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2.1  時系列の分布と定常性 •  ランダムな現象の特徴を捉える手段   – 平均   – 分散   – ヒストグラム   •  時系列の場合にも上記は有効か?  

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2つの時系列を指標で比較する 船舶の横揺れ

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ヒストグラム 全く異なる2つの時系列が同じような特徴を持ってしまう

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 縦軸をy_n,  横軸をy_n-­‐2にした散布図 方向角速度は相関がないが,   横揺れは2期前の値と強い正の相関があることがわかる

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縦軸をy_n,  横軸をy_n-­‐4にした散布図 方向角速度は4期前の値と強い負の相関があることがわかる

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2.1  時系列の分布と定常性 •  時系列解析においては時間的な関連を無視 してy_nの分布だけを調べても時系列の特徴 は捉えられない   •  y_nとy_[n-­‐k]の同時分布を見て関連を調べる 必要がある  

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•  平均値関数   – 時系列をyn  =  {y_1,  …,  y_N}とするとき,  y_nの期待 値   •  自己共分散   – 時系列y_nと時刻をkだけシフトしたy_{n-­‐k}との共 分散   – k  =  0ではy_nの分散関数Var(y_n)  

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•  平均や共分散が時間をシフトしても変化しな い場合を考える   – そうでない場合は8章以降   •  lを時間のシフト量を表す任意の変数とする   •  上記のような時系列を弱定常という   – lシフトした時の同時分布が等しい時を強定常とい う

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2.2  定常系列の自己共分散関数 •  定常性を仮定すると平均値関数は時刻に依 存しない一定の値となるので平均μと呼ぶ   •  共分散は時間差だけに依存する量となるの でC_kと表せ,  自己共分散関数ともよばれる   – k  =  0  のときは y_nの分散に等しい   – 偶関数で|C_k|  <=  C_0が成り立つ   – kはラグとも呼ぶ

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2.2  定常系列の自己共分散関数 •  y_nとy_{n-­‐k}の相関係数をラグkの関数とみな したものを自己相関関数と呼ぶ   •  定常時系列の場合にはVarは一定でCov0に なるので以下のようにもかける  

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例:  白色雑音 •  以下の条件をみたすときホワイトノイズとよば れる   – 自己相関関数が常に0=>全く相関がない

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自己共分散関数と自己相関関数の推定 •  定常時系列が与えられた時推定値は次の式に より求められる   •  標本平均,  標本自己分散関数,  標本自己相関関 数とよばれる

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船舶の方向角速度の自己相関関数 •  近い値については強い相関が ある   •  振動しながら急速にゼロに近 づく   •  若干の周期性はあるが,  遠くな ると相関がなくなりランダム性 が強まる  

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2.3  多変量時系列と散布図 •  散布図によって変量間の関係を把握すること ができる   •  他の変数とも時間遅れの関係をみる必要が ある   – すべての組み合わせを散布図にしなければなら ない?   •  相互共分散関数と相互相関関数が便利であ る

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•  図2.3を貼る

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2.4  相互共分散関数および相互相関関数 •  多変量時系列   •  平均ベクトル   •  i,  jとの共分散関数  

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•  l  ×  l  行列の相互共分散関数   •  相互相関関数