Slide 1

Slide 1 text

テクニカルライターが 働きながら学べる大学院 澤井 真佑子 サイボウズ株式会社

Slide 2

Slide 2 text

澤井 真佑子 ▌2018年からサイボウズでテクニカルライター  マニュアルやヘルプを書く  製品のUIテキストを書く  それらを他の言語に展開する ▌前職はAIベンチャー(1年)、専業主婦(7年)など ▌2020年、ストラスブール大の大学院に入学

Slide 3

Slide 3 text

サイボウズ: グループウェアの開発・販売、 チームワーク研修など 中小企業グループウェア 業務アプリ作成プラットフォーム 大企業向けグループウェア メール共有システム 71,000社以上 21,000社以上 6,200社以上 11,200社以上

Slide 4

Slide 4 text

サイボウズのライティングチーム 4 開発本部 Garoon kintone Office ・・・ Writer Writer Writer Writer Technical Communication Team (テクニカルコミュニケーションチーム) 製品ごとの開発チームに属し、UIテキスト、マニュアル/ヘルプ、リリースノートなどの ライティングと翻訳を担う メンバー募集中!

Slide 5

Slide 5 text

今日のお話 ▌こんな人向け  働きながら大学院に通うことに興味がある人  テクニカルライターに必要な知識を体系的に学びたい人 ▌内容  実際に大学院で学んでいるテクニカルライターが、講座の 内容を具体的に紹介します

Slide 6

Slide 6 text

紹介する内容 ▌どんな大学院に通ってる? ▌先生、生徒はどんな人たち? ▌授業の形式、内容は? ▌英語でできるもの? ▌仕事に役立ってる?

Slide 7

Slide 7 text

大学院を知るきっかけ

Slide 8

Slide 8 text

未経験からテクニカルライターになって困ったこと ▌ 学ぶべきことが多い  Webに関する知識、コンテンツ設計、翻訳管理の手法… ▌ 一般的なやり方が分からない  翻訳管理など新しい仕事はトライアンドエラーになりがち。 他社はどうやってる? ▌ 英語の力不足を感じる  1人でやるのも大変。試験などの差し迫った目標があれば頑張れる気 がする

Slide 9

Slide 9 text

Twitterで大学院の存在を知る ▌2020年1月  Twitterで存在を知る ▌2020年3月  入学申し込み ▌2020年4月  受講開始!

Slide 10

Slide 10 text

紹介する講座 ▌ Master TCLoc  フランス、ストラスブール大学大学院の講座  専門:テクニカルコミュニケーション&ローカリゼーション  授業は全部英語  完全オンラインで、世界中から受講できる  時差のため、日本からだと録画視聴になることが多い

Slide 11

Slide 11 text

授業の構成 ▌民間(ドイツtekom社)のeラーニング  講義などはなく、8ヶ月間、ひたすら資料を読む  期末に試験があり、合格すると認定資格が与えられる ▌大学の講義  1つの講義の受講期間は約3ヶ月  ライブ授業が3,4回。すべて録画・公開される(日本の深夜が多い)

Slide 12

Slide 12 text

科目 2020 2021 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 tekom認定資格※ Localization Professional writing Web tools and languages Visual communication Project management Content Strategy 授業スケジュール ※tekom:ドイツのテクニカルコミュニケーションの団体

Slide 13

Slide 13 text

先生はどんな人たち? ▌実際に現場でその仕事をしている人が多い  コンテンツ戦略のコンサルタント、翻訳会社のPM など  実際に扱った案件を例示しながら講義が進む ▌アメリカやイギリス、ギリシアなどいろんな国からリ モートで講義する人が多い

Slide 14

Slide 14 text

生徒はどんな人たち? ▌属性  テクニカルライター、翻訳者、翻訳会社PM  これらにキャリアチェンジしたい人 ▌地域  フランスとドイツで約半分。その他ヨーロッパ諸国、北米、 南米、中東、アジア など。日本人は私が1人目

Slide 15

Slide 15 text

英語でできる? ▌入学時のレベル(私の場合)  英語で話しかけられたとき、何を言われてるかは分かる  英語のミーティングは半分くらい分かる  TOEICは800後半くらいだった ▌卒業に必要なレベル  口頭試験が何度かあるので、話す練習は必須  修論は、15-20枚程度の英文を書く必要がある

Slide 16

Slide 16 text

働きながらできる? ▌ほとんどの生徒がフルタイムの仕事をしている ▌私の場合  平日の夜は動画や資料でインプットする  週末や連休は提出課題に取り組む  英語自体の勉強も必要だったので、流暢な人に比べるとよ り時間が必要だった

Slide 17

Slide 17 text

個人的に良かった授業3選

Slide 18

Slide 18 text

Project Management ▌ 座学のほかに、実際に生徒4,5人でグループを作ってプロジェ クトを実行する ▌ プロジェクトで扱うテーマは、生徒が提案し、投票で決める  テーマの例: 「UIテキストのスタイルガイドを作る」「Word文書をCMS (MadcapFlare)に移行する」「論文執筆のマニュアルを作成する」 など

Slide 19

Slide 19 text

Project Management ▌ 私のチームのテーマ: 「Word文書をCMS(MadcapFlare) に移行する」  インド人、フランス人、コロンビア人、 日本人(私)の4人  Asana、Slackなどを使って進行  週1回、ミーティングでタスクの進捗状 況を確認

Slide 20

Slide 20 text

Localization ▌Localization関連だけで講義が3つある  CAT(翻訳支援)ツールの基礎知識  翻訳プロジェクトの進め方、ベンダーとの付き合い方  ソフトウェアの多言語ローカライズ

Slide 21

Slide 21 text

Localization ▌ 翻訳プロジェクトの進め方に関する講義  翻訳関連の用語や価格の算出方法などの解説  ケーススタディを通して、どのような事前準備をすれば問題を回避で きるか学ぶ ▌ 試験  先生と生徒の2人で20分間、ロールプレイをする  先生が顧客、生徒は翻訳会社PM。 適切な会話をして商談をまとめる

Slide 22

Slide 22 text

Localization ▌ ソフトウェアの多言語ローカライズの講義  Android Studio(Androidアプリの開発環境)を使い、アプリの多言 語化に関するトピック(string metadata, string pluralization, continuous localization など)を解説 ▌ レポート  多言語化されていないサンプルアプリを自分の環境にインストールし、 それを多言語化するために必要な準備をレポートにまとめる

Slide 23

Slide 23 text

How to create instructional videos ▌ソフトウェアの操作解説の動画を作る講義  Camtasia(動画作成ソフト)を使用  先生が実際に動画を作って見せる  違和感を持たれやすいポイントなど注意点の解説がありが たかった  最後に、生徒が動画を作って提出し、講評してもらう

Slide 24

Slide 24 text

その他 ▌今月(2021年9月)開講の授業も面白そう  Plain Language(平易な英語)  Content Strategy

Slide 25

Slide 25 text

実際、業務に役立ってる?

Slide 26

Slide 26 text

役立った講義の例 ▌ 動画作成についての講義  講義内容を要約し、社内で勉強会を開催  実際に動画を作り、ヘルプサイトに設置した ▌ Terminology(用語管理)の講義  用語管理の手法や、代表的なソフトウェアが紹介された  取り上げられた用語管理ソフト(TermWeb)をチームでも導入

Slide 27

Slide 27 text

周囲とのコミュニケーション

Slide 28

Slide 28 text

会社、チームとのコミュニケーション ▌ 開始時  時短勤務(週30時間)とし、業務時間外に学習  授業料は自己負担 ▌ 途中から  大学院に限らず、誰でも1日1時間程度は自己学習にあてて良いことに した(実際にやるのは難しいが)  授業料の大部分を会社負担にしてもらった

Slide 29

Slide 29 text

やってみてよかったこと

Slide 30

Slide 30 text

▌(やりきれば…)修士号が取得できる ▌仕事に必要な知識を体系的に学べる ▌専門家に直接教われ、視野が広がる ▌同じ職種の人とグループワークなどで交流できる ▌英語はかなり鍛えられる ▌転職活動で有利な気がする 期間中に希望の転職を叶える人もちらほら

Slide 31

Slide 31 text

最後に:採用してます! TCチームに興味を持った方へ 募集要項 https://cybozu.co.jp/company/job/recruitment/list/technical_writer.html カジュアルにお話しするのも大歓迎! チームメンバーにDMください😀😀 あて先: @naoh_nak @mayukoat 「サイボウズ テクニカルライター」で検索すると 下記の募集要項にアクセスできます👀👀