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法務相談 Bot を作るのに必要なのは 法律を調べることじゃなかった 2026-03-10 TSUDOI zacker 1

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自己紹介 zacker (石坂柾樹) X:@zackerms 株式会社ギフティ / エンジニア 趣味:個人開発 2

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テーマについて考えてみる 本当の課題はそこじゃなかった → 未知の問題に挑戦した + 本質に迫った 3

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背景 AI を活用して事業推進をしていく取り組みの一つ 法務チーム: 「よくある質問を Bot で回答できるようにしたい」 うまくいけば他の事業部に横展開できそう 4

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現状 〇〇というイベントで、「XX」 という内容のキャンペーンをやっています。 このキャンペーンが法律上問題ないか、ご確認をお願いいたします。 Slack チャンネルに法務相談が飛んできて、法務チームが日々回答している ゴール:法務相談に回答してくれる Bot を作る 5

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「とりあえず、法務相談を見てみ......ん???」 質問も回答も、何を言っているのかさっぱり分からない 法務知識がないから、なにを回答しているのかよく分からない 事業の法律に関する部分の内容なので、質問自体も難しい 俺は何をすればいいんだ......? 6

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とりあえずやってみよう 調査 → 回答 の 2 つのフェーズがありそう ギフティの事業でよく扱う法律を参照させて回答させよう (見ているものが一緒だったら、それなりの回答ができるでしょ) 7

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全然調査が終わらない! 1 ファイル 200 ページとか無理ゲーすぎる まったくうまくいかない 10分待ったのに回答が微妙過ぎる 8

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気付き ① そもそも調査の仕方が おかしいのでは? 9

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法務チームの考え方を聞いてみる ① 事実の把握 — 関係者は? 適用される契約は? お金の流れは? ② 検討 — そもそも検討すべきか? 法令・契約・ビジネス上の境目は? ③ 結論 — 上記をもとに要件に合致する結論を出す 法律を調べる前に、考えるべきことがかなりある。 10

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エージェントに組み込んでみた 情報の整理 調査事項の検討 足りない情報のフォローアップ質問 11

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これでいけるはず! 12

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あれぇ? 足りない情報を聞き出すところはできるようになった でも、調査が全く終わる気配がない 改めて、目的を振り返ってみる 13

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本当の目的は何か? そもそも「法律をもとに回答できる」は目的ではなく手段 もともとのゴールは「よくある質問を Bot で回答できるようにしたい」 そのための手段は「法律をもとに回答する」でなくてもいいのでは? 14

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気付き ② 「法律をもとに回答する」は 目的ではなく手段だった 15

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Bot で一次回答できるものは何か? Bot で答えられる内容と、答えられない内容がある 答えられるもの:よくある質問、明確な根拠があるもの 答えられないもの:法務チームも深く検討しないといけないこと → 過去に法務チームが出した回答を参照して答えればいいのでは? 16

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過去の法務相談 Slack を参照させてみよう 単純に Slack を検索させてもうまくいかない 検索対象が多すぎて調査が終わらない Slack 内で回答が完結していないことがある データを加工したらうまくいった 「Slack 内で回答がなされているか」でフィルタリング 質問・回答の要約 質問内容を分析して、よくある質問を洗い出し 17

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法務チームの反応 18

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やってみて分かったこと 未知の領域では、最初に見えている課題が本質とは限らない 現場の人と対話することが超重要 目的(ゴール)の精度を高めていく 19

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Thank you! 20