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https://foundx.jp/ Takaaki Umada / 馬田隆明 東京大学 FoundX(インセプションプログラム) https://foundx.jp/ スタートアップ・ フィット・ジャーニー Version 2

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2 に至るのが 初期のスタートアップの目標 Product/Market Fit

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3 Product/Market Fit に至ると 顧客が殺到して自分たちが追いつけない

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PMF している状態とは 製品を求める顧客が殺到して、会社のほうが事業成長の律速に なっている状況が Product-Market Fit の状態と言える。 4 顧客 顧客からの「買いたい」という 問い合わせで圧倒される サーバーを増強してもすぐに サーバーが止まる 人を採用しないと処理できないが、 採用が追いつかない 顧客からの機能要望などの リクエストに追いつけない 殺到 会社内部では問題が次々に起こる が、売上自体は急成長している

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5 PMF に辿り着く前は 山頂に向かって岩を押し上げる大変さ

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6 PMF に辿り着いた後は 事業成長の速度に追いつくために 山頂から転げ落ちる岩を追いかける大変さ

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PMF 前後の状況の違い PMF に至るまでは岩を押し上げ、至ってからは転がっていく岩 を追いかける、それが PMF の前後で起こることです。 https://openmoji.org/ (CC BY-SA 4.0) 7 PMF PMF 後の状況 • 顧客の機能リクエス トや問い合わせに圧 倒される • 人を雇わなければ追 いつけないけれど人 を雇うスピードも追 いついていない • 週次 10% 成長達成 PMF 前の状況 • 必死に頑張るが手 ごたえがない • 偽の希望で右往左 往する • 週次 1% 成長

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8 PMF かどうかの 疑問を持っている時点で PMF はしていない (PMF すると明確にフェーズが変わる)

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9 事業の成長に 苛立ちを感じるなら まだ PMF していない

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10 では PMF までには どんな段階があるのか?

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11 7 つの段階 で整理する

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① Market (市場選定) 12 Market その市場は 有望か?

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② Market/Strategy Fit (市場/戦略フィット) 13 Market Market Strategy Fit その市場は どんな戦略なら 獲得できるか?

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③ Strategy/Customer Fit (戦略/顧客フィット) 14 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit その戦略を実現するための 最初の顧客は誰か?

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そして参入するための Customer が決まると… 15 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer

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④ Customer/Problem Fit (顧客/課題フィット) 16 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit その顧客が 必死になっている 課題はあるか? Customer

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⑤ Problem/Solution Fit (課題/解決策フィット) 17 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit その課題は 何かの解決策で 解決できるのか? Customer

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⑥ Solution/Product Fit (解決策/製品フィット) 18 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit その解決策は 製品やサービスに 十分にできるか? Customer

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⑦ Product/Market Fit (製品/市場フィット) 19 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit その製品は 大きな市場から強く 求められているか? Customer

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この製品でのスケールアップと、戦略の次の段階へ 20 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit 戦略の次の段階へ Customer この製品での スケールアップへ

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21 スタートアップフィットジャーニーは 数年かけて急成長するための 重要な仮説を順に作り 検証を進めていくジャーニー

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フィット・ジャーニー = 一般的な仮説検証の順序 仮説を重要度順に並べたときの、一般的にやるべき仮説検証の 順序となっています(順番が異なる事業もあります) GTM = Go to Market の略です 22 順番 固定軸 検証対象 やること ① Market 市場の選定 ② Market Strategy 戦略の構築 ③ Strategy Customer 顧客の選定 ④ Customer Problem 課題の検証 ⑤ Problem Solution 解決策の検証 ⑥ Solution Product 製品化 ⑦ Product Market GTM の検証 重要な仮説から 順に検証していく

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23 ただし実際は各段階を 行ったり来たり (各段階での仮説行動で仮説の棄却と修正があるため)

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実際は行ったり来たりしながら進んでいきます この順序でまっすぐ進むわけではなく、各フィットは行ったり 来たりを繰り返しながら進んでいきます。 GTM = Go to Market の略です 24 順番 固定軸 検証対象 やること ① Market 市場の選定 ② Market Strategy 戦略の構築 ③ Strategy Customer 顧客の選定 ④ Customer Problem 課題の検証 ⑤ Problem Solution 解決策の検証 ⑥ Solution Product 製品化 ⑦ Product Market GTM の検証 課題がなかったから 顧客を変えよう GTM がうまくいかない から顧客を変えて やり直そう 技術がまだ成熟してない から市場から考え直そう 課題が解決できないから 課題を考え直そう

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スタートアップ・フィット・ジャーニーの全体像 スタートアップが急成長に至るための一般的な道筋(とその往 復)を単純化したものがこのジャーニーです。 25 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Customer

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どの段階にいるのかをチームで議論するときに役立つ こうした一連の流れがあると、今自分たちがどこにいて、何を するべきかが分かりやすくなります。 26 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Customer 今はこの段階だから顧客 インタビューに行こう!

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(参考)v1 との違い 27

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スタートアップ・フィット・ジャーニーの version 1 ジャーニーの version 1 では、顧客から始まり、市場や戦略は 重視していませんでした(なくても IT 市場なら何とかなる時代でした) 28 Customer Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit ここがなかった (なくてもなんとかなった)

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Version 2 では「市場選定」「戦略」を追加 スタートアップでも市場や戦略が重要になりつつあるため、v2 ではそれらの段階を明示的に加えました。 29 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Customer

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Q. 30 PMF に至るまでの 各ステージで 何をすればいいのか?

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各フェーズの解説 31

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1. Market 市場選定 32

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1. Market 33 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Customer

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Market (市場) 選定でやること 34 達成目標 • 大きな市場、もしくは急激に成長しそ うな市場の特定 推奨される活動 • 有識者や投資家へのヒアリング • 足元の急激な変化の予兆の探索 • 海外のシード段階のスタートアップの 調査 Market 選定 ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 市場の特定 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし 推奨される 活動例 • 有識者や投資家への ヒアリング • 足元の変化の探索 • 海外のシード段階の スタートアップ調査

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35 巨大な市場 を狙うこと (もしくは『近い将来巨大になるであろう市場』を狙う)

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36 市場を間違えたら 高成長スタートアップとしての 成長可能性が極めて低くなる

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市場の「大きさ」「課題」「不確実性」を把握する 最初のステップでは市場を決めるための情報を集めるところか ら始める。特に以下のような 37 市場の大きさ 十分に大きな市場か & これから大きくなる市 場かどうかを考える。 ただし、抽象的すぎる 市場の切り取り方をし ないこと(例: 『製造 業』など) 市場レベルでの課題 市場レベルでの課題 (症状)を特定し、 • 課題の構造 • 起こっている理由 • 今後起こりうること などを把握する。 市場の不確実性 不確実性が高いからこ そ参入や成長が可能。 そのため、 • 短期的に過小評価さ れている可能性 • 大きく変化する可能 性 等の仮説を作る。

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「市場の変化」を考える 一部の要素の急激な変化やその二次影響を考えて、全体として 市場の変化を考えましょう。 38 技術 経済 政治 人口動態 生活・文化 環境・資源

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例)2010 年代にスマートフォンが起こした変化の連鎖 スマートフォンという技術革新が、人々の生活を変え、経済活 動の大きな部分がオンラインになり、スタートアップが急成長。 39 経済 政治 人口動態 生活・文化 環境・資源

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「短期」「長期」の両方を考える 市場選定には「短期」「長期」の両方の市場の変化を見た上で、 これらを行き来しながら市場を選定します。 40 短期的な市場変化 長期的な市場変化 短期的な変化に目を向ける。 • 参入戦略において重要 • ただしこれだけだとスモール ビジネスに留まりがち 長期的な変化に目を向ける。 • 事業の最大値を決める • ただしこれだけだと足元の事 業の土台が作りづらい

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41 長期的な変化の方向性と 短期的な急激な変化の 両方をチェックする (挑戦の時間軸を長く取れるなら大きな変化を重要視する)

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短期的な市場変化を見る方法 短期的で急激な変化や兆しを理解する方法として、以下のよう な活動があります。 42 ① 市場の調査 各市場の概況やプレイ ヤーを調査する。 • 広い視野で見ている 投資家等におすすめ の市場を聞く • 海外のスタートアッ プの具体例を調べる • 規制等の変化を見る ② 体験や見聞 一部の人しか知らない ようなことから、市場 の変化の予兆を掴む。 • 自分のいた領域での 急激な変化 • 最先端にいる人たち がしていること ③ 不確実性 新規性が高く、不確実 性が極端に高い市場や 技術を選ぶ。 • 2010 年前後の スマートフォン • 2025 年だと AI の 応用など

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長期的な変化の方向性見る方法 長期的な市場変化を捉えるための考え方の一例は以下の通りで す。 43 ① 大きな方向性 長期的な変化や、既に ある未来(人口動態) などを調べる。 • 政府資料を調べる • 長期で物事を考えて いる人の話を聞く • 長期で起こりうるこ とを議論する ② 不変性 人の不変的な性質に目 を向ける。 • 安く早く欲しい • 欲望の模倣 ③ あるべき姿 社会はあるべき姿に落 ちていくと考え、その 姿を考える。 • 理想的な視点 • 公益的な視点 • 長期的な視点

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市場の「調査」の悪いパターン、良いパターン 44 悪い活動例 ✖ 一人で考える(行動もしない) ✖ 深いデスクトップリサーチをし ていない ✖ 市場構造の理解に努めない ✖ 海外の企業調査を怠る、もしく はしない 良い活動例 ◎ VC や市場関係者にヒアリングを する ◎ 上場企業も含めて類似企業を調 査する ◎ 市場構造の調査を詳細に行う ◎ 同市場の海外のスタートアップ や上場企業の情報を徹底的に調 べる

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市場の「選定」の悪いパターン、良いパターン 45 悪い活動例 ✖ 今の市場規模だけを見る(将来の市 場規模や市場の変化のほうが大事) ✖ 「自分が今できること」を考え て市場の選択肢を絞る(小さな市場 を選びがちになる) 良い活動例 ◎ 将来の市場規模や市場の変化の 大きさを推定して選ぶ ◎ 自分ができなくとも、大きな機 会がある市場を中心に選ぶ ◎ 海外のスタートアップの動向も 把握する

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46 「今」ではなく 「未来」 を重視して考える

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47 あまり深くは考えず 「とりあえず不確実性に賭ける」 という賭け方もなくはないです (2010 年代のスマートフォンなど)

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2. Market/Strategy Fit まで 市場/戦略フィット 48

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Market 2. Market/Strategy Fit (MSF) までにやること 49 Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit MSF に至るまでに やること

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Market/Strategy Fit までにやること 50 達成目標 • 適切な中長期の事業目標を決める • 事業領域のルールとプレイブックを把 握する • 説得力のある勝ち筋の仮説を作る 推奨される活動 • 目標、価値、時間、資源の道筋をつけ るための壁打ち • 類似スタートアップの戦略調査 • 仮説リストと仮説マップを作る Market/Strategy Fit まで ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 中長期の事業目標の 決定 • 領域のルールとプレ イブックの仮説作成 • 勝ち筋の仮説の特定 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし 推奨される 活動例 • 壁打ち • 類似企業の戦略調査 • 仮説リスト・マップ の作成

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51 どの『山脈』に行くかを選ぶのが 『市場選定』なら……

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52 『登るべき山』という 『1 つの目標を決める』のが 戦略の一歩目

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たとえば ○○ 業界を刷新して 売上 500 億円 など

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54 「今できそうなこと」 に過度にとらわれず 「意味のある大きな目標」 を恐れずに設定する

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具体的にどの山を登るのか(目標)を決めたら… 55

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そこまで「どうやって登るのか」も戦略 56

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57 目標への 勝ち筋 の仮説=戦略

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58 ただしスタートアップは 単発の勝負の勝ち筋ではなく 長い登山の道のり全体での 勝ち筋を探す

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そして山を登るときには 59

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どのように登るのかを逆算で考える 60

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登り始めたら道順が違うことが分かることもあるので 61

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そのときは道順(仮説)を柔軟に変える 62

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新しい道順でもインパクトを達成できるかを逆算する 63

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64 登る道は最初から全ては見えないので… ある程度登り方を決めたら 覚悟を決めて登り始める (自分たちなら登る中で道を見つけていけると信じて)

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65 ※ 桁外れな成長市場なら 戦略なしに登り始めて 探索することで うまくいく場合もあります (ただし戦略なき探索は『運任せ』なので要注意)

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Q. 66 ではスタートアップの戦略で 考えるべきことは?

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「スタートアップの初期の戦略」の主な構成要素 まず目標(登るべき山)を定めます。 67 目標

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小さな目標(マイルストーン)に分割する 目標を分割して、事業目標のマイルストーンをざっくりと作り ます。 68 目標 それぞれの 段階での • 事業目標 • 技術目標 • 資源目標 などを想定する 1 2 3 4 5

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目標を中心にして… その上で目標を中心にして… 69 目標

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「スタートアップの初期の戦略」の主な構成要素 目標やマイルストーン達成のために「価値」「時間」「資源」 の 3 つの仮説を作り、参入から目標達成までの道筋を描きます。 70 価値 資源 時間 目標

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3 つはすべて関連し合っている それぞれは関連し合っているので注意しましょう。 71 価値 資源 時間 目標

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① 価値 どのような価値を提供するかの仮説を価値提案やバリュー チェーンの観点から考えます(ポーターを参照) 72 価値 資源 時間 目標 • 価値提案 • バリューチェーン

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価値における「短期」と「長期」 「短期」「長期」の両方を考え、これらの両方を満たせる順序 を考えます。 73 短期戦略 長期戦略 短期的な価値を考える。 • 足元に解決するべき課題があ り、価値を生めるかどうか 長期的な価値を考える。 • 足元の課題解決が長期の課題 解決につながるかどうか • 足元の一手が、次や次の次に つながっているか

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② 時間 次に主に順序(参入から目標まで)と継続性を考えます。 74 価値 資源 時間 目標 • 順序 • 継続性

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最初の一手(事業)だけを考えるのではなく… 75 ● ○ ○ ● ● ● ● ○ ● この事業から 参入しよう これが現状の 市場だとして…

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攻める『順序』を考えるのが戦略の重要な一要素 ある程度の妄想とある程度の合理性で、自分たちの事業や打ち 手の順序と目標達成ができるかを考えておきます。 76 ● ○ ○ ● ● ● ● ○ ● この事業から 参入すると… ○ ● ○ ● ○ ● 次にこの事業が できるように なるので ● ● ● ● ● ● ○ ● ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ● ● ○ ● ● ● ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 市場の重要な 位置を取れて さらにこう 展開すると… 目標が達成 できるのでは? これが現状の 市場だとして…

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順序は逆算と順算との挟み撃ちをしながら検証する 常に逆算と順算との『時間的な挟み撃ち』を考えながら打ち手 を考えます。 77 ● ○ ○ ● ● ● ● ○ ● 目標達成のためには 本当にこの 参入方法で OK? ○ ● ○ ● ○ ● ● ● ● ● ● ● ○ ● ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ● ● ○ ● ● ● ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

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いわゆる「どのように登るのかを逆算で考える」 78

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③ 資源 どのように資源を調達し、育成しながら適合していくか、また 競合が模倣しづらいトレードオフを考えます。 79 価値 資源 時間 目標 • 調達 • 適合性 • トレードオフ

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資源についての仮説を作る 資金調達の計画など、資源についての大まかな仮説を立てます。 80 調達 • どのように資金調達 をするか • どのような人を採用 していくか 等を考えます。最初は 大まかな資本政策だけ で構いません。 適合性 • どのようなケイパビ リティを育てるか • それぞれの資源の相 乗効果はあるか 等を考えます。何を中 長期的な強みしていく のかを大まかに考えま す。 トレードオフ • 手元の資源をどこに 配分するか • 競合が模倣しづらい やり方か 等を考えます。どこか を尖らせることを考え ておくのが一つの手で す。

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④ 戦略を作る上で知るべき 2 つの環境情報の仮説 さらに事業領域を統べるゲームのルールとプレイブックの把握 も試みます(完璧でなくとも構いませんが、仮説を持ちます) 81 価値 資源 時間 目標 ルール プレイ ブック

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(参考)ルールとプレイブックとは? ルールとプレイブックを調べて、長期的な勝ち筋を考える土台 を作ります。作業仮説のレベルでも構いません。 82 ゲームのルール その領域がどういったルールで動い ているかを知ります。 • 何が勝利条件なのか • どうすればその勝利条件を満たせ るのか といったことが把握できていないと、 「勝ち方」が分かりません。 ゲームのプレイブック その領域やスタートアップのノウハ ウ集のことです。一般的な方法論を 知っておくことで、不要な失敗を避 けることができます。 ただしプレイブックに準じすぎると、 独自性のある戦略を描きづらくなる ので、どこかでプレイブックを逸脱 することも意識します。

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(例)C2C の例(フリルとメルカリ) ゲームのルール • C2C のサービスはネットワーク効果が強いので、先にユー ザーを多く取った方が勝ち(勝利条件) ゲームのプレイブック • 大規模なユーザー獲得の手法としてのテレビ CM https://note.com/horishou/n/nfdd6964c6d78 83

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Q. 84 戦略立案の段階で どのような活動を すればいいのか?

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競合の戦略の情報収集 生成 AI などを活用しながら、類似企業の戦略をまず把握するこ とをお勧めします。 85 広めの調査 資金調達の情報や Web の記事を検索し、複数 社の大まかな動向を調 査する。 直接的な競合以外も含 めて 100 社程度は見た ほうが良い。上場企業 の情報も見る(最後は そこと比較される) 詳細は音声や動画 詳細な情報は CEO の インタビュー Podcast や動画のほうが詳細に 語ってくれていること が多い。 NotebookLM などで各 社の情報をまとめると 便利。 知財や補助金資料 技術情報は表に出づら いので、Lens などで競 合の知財を調べて知財 戦略を大まかに把握。 政府補助金の報告資料 等に詳細な技術が欠い てあることも多いため、 それもチェックする。

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テンプレート提供中 疑問・仮説リストと仮説マップを作る このビジネスをやるために「正解である必要がある」仮説を見 定め、その仮説を検証するための準備を行います。 https://review.foundx.jp/entry/hypothesis-list-template 86 疑問・仮説リストを作る 自分の持っている疑問と仮説をとに かく書き出し、疑問は検索や生成 AI で調査、仮説は重要なものを選 んで検証する。 棄却した仮説も含めて残しておくと、 これからの社員の参考にもなるので 便利。 仮説マップを作る 仮説の関係性をマップ化し、整理す るとともに「どの仮説がクリティカ ルなのか」「どの仮説を正解にすれ ば勝ちなのか」を整理する。

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87 仮説マップや仮説については 詳しくは『仮説行動』で

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88 初回の起業の場合 スタートアップの戦略を考えるのは難しいので 信頼できる人に 相談しながら進みましょう

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3. Strategy/Customer Fit まで (戦略/顧客フィット) 89

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Market 3. Strategy/Customer Fit (SCF) までにやること 90 Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit SCF に至るまでに やること

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Strategy/Customer Fit までにでやること 91 達成目標 • 長期戦略に合致した、参入戦略の策定 推奨される活動 • 参入事業の戦略の仮説を作る • 顧客リストを作る Strategy/Customer Fit まで ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 長期戦略に合致した、 参入戦略 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし 推奨される 活動例 • 参入事業の戦略の仮 説を作る • 顧客リストを作る

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「どうやって登るのか」の全体が長期戦略なら… 92

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一歩目のマイルストーンまでをどうするかを考える 93

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参入する事業の戦略を作る 参入する事業での戦略の詳細をある程度作ります。 94 価値 資源 時間 目標 • 価値提案 • バリューチェーン • 順序 • 継続性 • 調達 • 適合性 • トレードオフ

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顧客候補リストを作る 参入する事業で候補となる顧客像を定め、リスト化することで 検証がしやすくなります。 B2B の場合 • 具体的な顧客企業名 • 優先順位 B2C の場合 • リーチするコミュニティ • チャネル 95

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96 思考が煮詰まってきたら 行動(顧客のところに行く等) を 開始する合図 ※ ただし良い仮説がないと、行動しても 良いフィードバックが得られないので注意

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100 なお、ここまで考えた仮説は 大体間違っている ので必ず現場に行って検証・修正する

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4. Customer/Problem Fit まで (顧客/課題フィット) 101

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Market 4. Customer/Problem Fit までにやること 102 Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit 次のフィット に至るまでに やること

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Customer/Problem Fit までにやること 103 達成目標 • 顧客ニーズの発見と検証 • 創業チームの組成準備 推奨される活動 • 顧客インタビュー 50 件以上、顧客の 行動の写真撮影 500 枚以上 • 共同創業者候補との壁打ち、巻き込み • 受託やコンサルで課題探索など • 現場に 100 回行って顧客を知る、現 場で働く Customer/Problem Fit まで ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 顧客ニーズの発見と 検証 • 創業チームの組成 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし or MVP (LP 等) 推奨される 活動例 • 顧客インタビュー 50 件以上 • 共同創業者候補との 壁打ち&巻き込み • 受託開発で課題探索

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104 顧客の理解を深めて 解くべき課題を探ることが このフェーズのゴール

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105 つまり、顧客の バーニングニーズ を把握する(特に B2B)

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本当のプロダクトマーケットフィット / 顧客のBurning needsを解決する 106 バーニングニーズ とは 「髪に火がついてそれ以外のこ とを考えられなくなっている」 状態のこと Sequoia Capital

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107 ふわっとした抽象的なニーズは バーニングニーズ ではない 本当に今すぐ解決したい課題を 解像度高く選ぶこと

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108 そのために…

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109 既存の代替品 や競合を徹底 的に調査する

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110 顧客インタビュー をして回る

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111 顧客の行動の写真を 500 枚ぐらい持ち そのシーンの意味を ちゃんと説明できる 程度に顧客のことを 深く理解する

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113 課題を解決できる 類似品や競合製品を 売ってみる

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114 などなど、とにかく 顧客の課題を把握して 顧客への洞察を深める まずは調査と顧客インタビューから始めるのがお勧め

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115 そして顧客への洞察を アイデア へと 変えるために…

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116 共同創業者候補と 壁打ちをして アイデアを研ぎ澄ます

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117 共同創業者候補との壁打ち は アイデアにも共同創業者探しにも有効 (早めに行うのがお勧め)

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118 ただし 顧客の深刻な課題が 大きな市場の課題に つながるとは限らない

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119 大きな市場や戦略につながる 「顧客」と「課題」かどうかを 随時チェックする

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Problem/Solution Fit まで 120

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Market 5. Problem/Solution Fit (PSF) までにやること 121 Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit PSF に至るまでに やること

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Problem/Solution Fit に到るまでにやること 122 達成目標 • 課題を解決できる解決策の検証 • 課題解決価値(お金を払ってくれる か)の検証 推奨される活動 • MVP の作成 • インタビューとセールスの繰り返し Problem/Solution Fit まで ステージ 自己資金 (or エンジェ ル、プレシード) 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 課題を解決できるか の検証(製品以外の 手段でも検証可) • 課題解決価値の検証 メトリクス (アウトカム) • 熱狂的な顧客を複数 人 製品開発 MVP (コンシェルジュ 型MVP 等) 推奨される 活動例 • MVP の継続的なリ リース • 顧客インタビューと セールスの繰り返し • 現場 100 回

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https://edp.esd.titech.ac.jp/resources/pitch-template/ を参考にした 123 この価値提案の文章を埋められるようにすること 【状況】という状況にいて 【課題】という課題を持つ 【顧客】向けの 【製品名】という 【製品ジャンル】です。 これには【利点】という利点があります。 【既存の代替品】とは違い 【差別化要素】が備わっています。 状況 課題 対象顧客 製品名 製品ジャンル 利点 既存の代替品・競合 差別化要素

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124 この領域に到るために…

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125 スケールしないことをして サービスを 自分の手で届けよう

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スケール しないこと をしよう https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Unclesamwantyou.jpg?uselang=ja 126

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127 コンシェルジュ MVP や ワーキングプロトタイプで 顧客にアウトカムを提供する

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ロジックモデルでの整理 ロジックモデルは以下のように活動から成果までの流れを整理 する。 128 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ ト/実装 アウトカム

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ロジックモデルの詳細 ロジックモデルのそれぞれの段階では以下のようなものが当て はまる。 129 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ ト/実装 アウトカム 開発された 製品や機能 製品によっ て顧客が得 る成果 (例: 時間削 減、省力化、 楽しみ) 社会的なイ ンパクト 製品開発の 作業 時間やお金、 人など

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顧客が欲しいのは製品ではなくアウトカム 顧客が本当に欲しいのは、製品自体ではなく製品を使って得ら れる「アウトカム」のほう。 130 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ ト/実装 アウトカム 顧客が本当に欲しいもの

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アウトカムに価値があるかの検証は製品がなくても可能 アウトカムの提供は製品完成前でも「スケールしないこと」を すると提供できる可能性がある。 131 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ ト/実装 アウトカム 完璧な製品ができたときと 同じアウトカムが手に入れば 顧客はお金を払ってくれるか? を手作業を通して検証する

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スケールしないことをしよう、PRの方法 132 例) 最初は自分たちでデリバリーしていた (顧客にとっては、ドライバーが配達しようと創業者が配達しよ うと、食事が届けられるというアウトカムは同じ)

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製品と同じアウトカムを手作業で提供する例 少し頭をひねれば、同じアウトカムを手作業で提供できる。 133 機械学習での推薦 自分たちで推薦してみる。 実践例) Magic レビューサイト レビューを集めてきて提供 する。ニュースレターなど で情報を送る。 実践例)Product Hunt マッチング 自分たちでマッチングして みる。あるいは自分たちが マッチングを受けた体で働 く。 実践例)Doordash、 HomeJoy、Lugg ロボット ロボットの代わりに人間が やってみる。 機械翻訳 コンピュータの代わりに人 間が翻訳する。 実践例)IBM

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134 解決策の試作品を提供すると バーニングニーズ なのかどうかの検証もできる

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135 未完成なソリューションでも 顧客がそれを前のめりに 買いたがってくれるのであれば バーニングニーズ

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Photo by Dave Thomas, released under the Attribution Creative Commons license. http://www.paulgraham.com/bio.html 136 「今すぐこれを欲しがるのは 誰だ?」 「誰も聞いたことのない二人 だけのスタートアップが作っ たクソみたいなバージョン 1 でさえ使うほどに、これを欲 しているのは誰だ?」 もし答えられないのなら、そ れはおそらく悪いアイデアだ。 Paul Graham “How to Get Startup Ideas” 参考 Masa Kakinoki さん訳『スタートアップのアイデア を得る方法』

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137 お金を払ってくれるぐらいの コミットメントでないと バーニングニーズとは言えない ( 顧客の「欲しい」という言葉は信じないこと)

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138 ソリューションの作り方は 別スライドの 「MVP の作り方 」を参照

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スケール しないこと をしよう https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Unclesamwantyou.jpg?uselang=ja 139

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https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/gx_startup/gx_startup.h tml?ref=climatetech.jp 140 ディープテックの場合 技術スペックを特定して LOI やオフテイク契約 の準備をする 経産省に雛形あり

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Solution/Product Fit まで 141

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Market 6. Solution/Product Fit (SPF) までにやること 142 Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit SPF に至るまでに やること

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Solution/Product Fit に到るまでにやること 143 達成目標 • 製品開発可能性検証 • 製品体験全体の検証 • セールス方法の検証 推奨される活動 • コア機能を素早くローンチ • 顧客と話す(セールスする、サポート する) Solution/Product Fit まで ステージ シード資金調達前後 売上達成目安 0 ~ 2,000 万円(年) 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 製品開発可能性検証 • 製品体験全体の検証 • セールス方法の検証 メトリクス (アウトカム) • 売上 (LOI) や DAU • その他の先行指標 製品開発 少人数の顧客に愛され る Working Prototype 推奨される 活動例 • 素早くローンチ • 顧客と話す(セール ス、サポート)

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スケールしない ことの一部を 徐々に製品化 していこう https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Unclesamwantyou.jpg?uselang=ja 144

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スケールしないことをしよう、PRの方法 145 例) 最初は自分たちでデリバリーしてそのプロセス に習熟してから、その作業の一部を 徐々にソフトウェア化していった

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146 No Code ツールなどでは足りなくなってくるため 製品化していくために エンジニアが必要 (できれば共同創業者)

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未完成な製品 なので自分で サポートをし よう https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Unclesamwantyou.jpg?uselang=ja 147

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148 そして 愛される プロダクト体験 を作ろう

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Product/Market Fit まで 149

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Market 6. Solution/Product Fit (SPF) までにやること 150 Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit PMF に至るまでに やること

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Product/Market Fit に到るまでにやること 151 達成目標 • 価格の検証 • 市場の規模の検証 • 成長チャネルの検証 • ビジネスモデル検証 推奨される活動 • ローンチ(何度も) • チャーンの削減 • チャネルの実験と最適化 Product/Market Fit まで ステージ シリーズ A 前 売上達成目安 1 ~ 1.5 億円(年) 従業員数目安 できる限り少なく ビジネス上の 達成目標 • 価格の検証 • 市場の規模の検証 • 成長チャネルの検証 • ビジネスモデル検証 メトリクス (アウトカム) • LTV と CAC • 製品独自の KPI 製品開発 顧客に愛されて口コミ が起こる製品 推奨される 活動例 • ローンチ(何度も) • チャーンの削減 • チャネルの実験と最 適化

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152 製品改善とビジネスモデル検証を ただただ早く回し続ける

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153 製品を何度もローンチして 完成度を上げていく

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PMF までは スケール しないこと https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Unclesamwantyou.jpg?uselang=ja 154

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まとめ 155

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156 に至るのが 初期のスタートアップの目標 Product/Market Fit

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スタートアップ・フィット・ジャーニーの全体像 スタートアップが急成長に至るための一般的な道筋(とその往 復)を単純化したのがこのジャーニーです。 157 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Customer

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その他のジャーニー 160

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顧客開発のジャーニー (Steve Blank) リーンスタートアップの前身となった顧客開発のプロセスは PMF 後ぐらいまでをカバーするモデル。 アントレプレナーの教科書[新装版] 161 顧客実証 Customer Validation (有償販売と拡張性の確認) 顧客発見 Customer Discovery (ニーズの確認) 組織構築 Company Building (本格販売) 顧客開拓 Customer Creation (市場参入、需要開拓) ピボット 自分という仮説が顧客の 課題を解決するかどうか を検証するフェーズ • 仮説の記述 • 仮説の検証と洗練 • 製品コンセプトの検 証と洗練 • 確認 顧客発見で検証されたア イデアで成長できるかを 検証するステージ • 販売の準備 • エバンジェリスト ユーザーへの販売 • 企業と製品のポジ ショニング 実証したビジネスモデル を実行して需要を開拓、 顧客を獲得する • 市場投入の準備 • 企業と製品のポジ ショニング • 製品の市場参入 • 需要開拓 ビジネスモデルを本格的 に展開していくために組 織化するステージ • メインストリーム顧 客基盤の構築 • 文化の課題 • 機能別部門への移行 • 即応性の向上 1 2 3 4

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東京工業大学 EDP Toolkit のジャーニー 初期のプロトタイプまでを解像度高く、方法を適切な順序でカ バーしている。 https://edp.esd.titech.ac.jp/toolkit/ 162

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MIT の Disciplined Entrepreneurship MVP ぐらいまでのビジネス寄りの考え方をステップで紹介して いる。ただし直線的なプロセスではないので注意。 ビジネス・クリエーション 163 1. 市場を細分化する 2. 足がかり市場を決める 3. エンドユーザーとは? 4. 足がかり市場の規模 は? 5. 潜在顧客をイメージす る 6. 製品のフルライフサイ クルを知る 7. 製品仕様を視覚化する 8. 製品価値を数量化する 9. 見込み客10人を見つ けよう 10. 事業のコアを定義する 11. 戦略的ポジショニング とは? 12. 意思決定者の調査 13. 顧客の獲得プロセス は? 14. 次の市場規模を算出す る 15. ビジネスモデルを設計 する 16. 価格体系を決める 17. 足がかり市場の収益を よむ 18. 顧客への販売プロセス を見直す 19. 顧客獲得コストを算出 する 20. 新ビジネスの仮説と は? 21. 主要な仮説を検証する 22. 製品・サービスは実用 最小限に 23. 顧客が代金を払ってく れるか再検証 24. 製品の成長戦略を練る

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165 色々な段階がある 自分にあったものを選ぼう

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更なる文献 • スタートアッププレイブック • スケールしないことをしよう • スケールしないことをしよう、PRの方法 • 東京工業大学 EDP Toolkit • PMF(プロダクトマーケットフィット)の大切さと実例、はか り方、見つけ方: 基礎編 • FoundX Review の PMF タグ 166

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FoundX の紹介 167

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FoundX とは 168 東京大学 FoundX は東京大学 産学協創推進本部の下部組 織です。東京大学 本郷キャンパスの近くに 3 つの施設を構 え、起業志望者向けのプログラムを複数提供しています。 投資は行いませんが、無償での個室貸与やプログラムの提 供、起業家コミュニティへの参加を支援します。 興味 情熱 Fellows (6 か月) Pre-Founders (6 か月) Founders (9 か月) 共同創業者 の説得 有利な 資金調達 フル コミット ビジネス 実績 初契約 初売上 製品開発 と改善 助成金や コンテス ト 賞金の獲 得 Review, Resource, School 試行 錯誤 アイデア の種 検証された アイデア 起業家の 基礎知識 &スキル プロト タイプ 顧客イン タビュー

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FoundX の提供する起業家支援プログラム & リソース 主に東京大学の卒業生向けに、無償のスタートアップ支援プロ グラムや学習リソースを提供。 169 チーム向け Founders Program 事業と起業家の成長を、コ ミュニティを通して達成す るプログラム。個室を無償 で最大 9 か月間貸与。 個人向け Studio Program 特定の領域のアイデアでア イデアを育てるためのプロ グラム。 学習リソース FoundX Review 平日ほぼ毎日更新し、ス タートアップのノウハウ情 報を提供。カテゴリ別のま とめは FoundX Resource。 FoundX Online School 動画形式でスタートアップ の基礎を学べる。

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スライド著者 & FoundX 運営 馬田隆明 (東京大学 FoundX ディレクター) University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトでの Visual Studio のプロダクトマネージャーを経て、テクニカルエバンジェリス トとしてスタートアップ支援を行う。スタートアップ向けのスライド、 ブログなどの情報提供を行う。 サイト: https://takaumada.com/ 170 スタートアップの 方法論の基礎 Amazon (2017年3月) 起業環境の重要性と アクセラレーター の設計方法 Amazon (2019年4月) スタートアップの 公共や規制との 付き合い方 Amazon (2021年1月) スタートアップに ついてのスライド Slideshare SpeakerDeck

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171 https://foundx.jp/ ご応募お待ちしています