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この発表でお伝えしたいこと ● これまで開発してきた独自の動画配信システム ● OTT 業界の変化と ABEMA の課題 ● 今の取り組みとこれから目指していくこと はじめに 

TV 型視聴体験を作るシステム 

TV 型視聴体験 ● 放送スケジュールに従って 1 つの 24/7 ストリームに 映像や広告が流れてくる。 ● 「リニア TV」などと呼ばれる。 

TV 放送のための設備 ● 通常はオンプレミスな APC（自動番組制御）システムを運用する。 ● ABEMA でも ABEMA News チャンネルのみ、 六本木テレビ朝日で APC を運用している。 池上通信機（株） 「24時間ニュースネット配信サービス「 AbemaNews」向け自動番組送出・コンテンツ制作システムを納入」 https://www.ikegami.co.jp/archives/8009 

20 を超える ABEMA 独自チャンネル ● 20 チャンネル以上を自社運用 ● 多量のオンプレ APC とオペレーターの配備は非効率 

ABEMA は開局（2016 年）から番組制御をクラウド上で実現（ABEMA News を除く） クラウド番組制御 ストリーミング サーバー 広告サーバー CDN スケジュール ドラマ・アニメなど 生配信番組 VAST 広告 

映像ファイル ライブソース ベースバンド HLS・DASH 連結 エンコード・パッケージ 映像ファイル ライブソース HLS・DASH HLS・DASH トランスコード・パッケージ HLS・DASH 連結 一般的な TV チャンネルの変換フロー ABEMA の変換フロー ● ドラマやアニメ ・・・個別に事前処理 ● 生配信 ・・・ライブトランスコード 短期間で自社開発できた理由 マニフェストで結合 映像をベースバンド（非圧縮）で連結してからエンコードする。 低レイヤーの制御でチャンネルを作る。 エンコード済みの映像フラグメントを連結する。 高レイヤーの制御でチャンネルを作る。 

マニフェスト制御 #EXTM3U #EXTINF:7.26, segment-a-01.ts #EXTINF:4.83, segment-a-02.ts #EXTINF:6.54, segment-a-03.ts #EXTM3U #EXTINF:7.85, segment-b-01.ts #EXTINF:6.80, segment-b-02.ts #EXTINF:5.04, segment-b-03.ts #EXTM3U #EXTINF:4.83, segment-a-02.ts #EXTINF:6.54, segment-a-03.ts #EXT-X-DISCONTINUITY #EXTINF:7.85, segment-b-01.ts 放送スケジュール 番組ごとのマニフェスト ライブマニフェスト 

● マニフェスト制御でチャンネルを作る仕組みへかなり早くから取り組み、 サービスを 5 年以上運用してきた。 ● 最近は大手ベンダーが類似のサービスをリリースするケースが見られるが、 今のところ機能は限定的なものが多い。 【AWS の事例】 AWS Elemental MediaTailorの新機能Channel Assemblyで既存ソースから仮想チャンネルを立ち上げる方法 https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/how-to-use-channel-assembly-with-aws-elemental-mediatailor_jpmne/ ABEMA の独自性 

マニフェスト制御の活用 

● マニフェスト制御で広告も挿入している。 ● SSAI（Server Side Ad Insertion）と呼ばれる技術。 ● 広告ブロッカーの影響を受けにくい。 ※オンデマンドコンテンツは CSAI（Client Side Ad Insertion）を使っている。 サーバーサイド広告挿入 

● ライブストリームの SSAI でありながら、広告のターゲティングにも対応。 ● クラスタリング型とパーソナライズ型（※）に対応。 ※パーソナライズ型のみサードパーティ製品を導入 ターゲティング広告 クラスタリング型 パーソナライズ型 ベース マニフェスト 派生 マニフェスト 派生 マニフェスト 派生 マニフェスト ベース マニフェスト 派生 マニフェスト 派生 マニフェスト 派生 マニフェスト 派生 マニフェスト 「ABEMA」エンジニアに聞く、リニア放送における新広告配信システム https://www.cyberagent.co.jp/way/features/list/detail/id=24874 

● 番組によって海外配信可否の契約が異なる。 ● 派生のストリームで海外用に映像を差し替える。 海外配信 ベース マニフェスト 派生 マニフェスト 国内ユーザー 海外ユーザー 

映像ファイル ライブソース ベースバンド HLS・DASH 映像ファイル ライブソース HLS・DASH HLS・DASH HLS・DASH 一般的な TV チャンネルの変換フロー ABEMA の変換フロー ● ファイルソースは事前に高画質な 2-Pass エンコードが可能。 ● 番組ごとにビットレートやフレームレートを変更可能。 （アニメのアップコンバートやフレームレート変換が不要） 番組ごとのエンコード 1パスエンコード 2パスエンコード 1パスエンコード 

苦労した点 

● 当初からあった HLS に加えて DASH へ対応した。（2017 年前半） ● 各ソースごとに DASH 用の MP4 生成とマニフェスト生成が必要になった。 DASH 対応 DASH 対応の影響はパッケージャのみ。 DASH のためにソースの系統ごとの対応が必要。 「AbemaTV の MPEG-DASH 対応」https://qiita.com/sunfish-shogi/items/008b3da9309b08465604 映像ファイル ライブソース ベースバンド HLS・DASH 連結 エンコード・パッケージ 映像ファイル ライブソース HLS・DASH HLS・DASH トランスコード・パッケージ HLS・DASH 連結 一般的な TV チャンネルの変換フロー ABEMA の変換フロー 

● モバイル回線のためのより低いビットレートを追加した。（2017 年後半） ● 各ソースごとにエンコード設定を更新、既存データを追加エンコードした。 エンコード設定更新 エンコーダーの設定に新しい帯域を追加するのみ。 ソースごとにエンコード設定の追加が必要。 処理済みの映像ファイルは低画質の追加対応が必要。 「インターネットテレビ局「 AbemaTV」にて新機能「通信量節約モード」の提供を開始」 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=20992 映像ファイル ライブソース ベースバンド HLS・DASH 連結 エンコード・パッケージ 映像ファイル ライブソース HLS・DASH HLS・DASH トランスコード・パッケージ HLS・DASH 連結 一般的な TV チャンネルの変換フロー ABEMA の変換フロー 

これからの取り組み 

● 次世代コーデックが実用化され始める。 ○ NETFLIX TECH BLOG「Bringing AV1 Streaming to Netflix Members’ TVs」 ○ NHK 技研公開2021「VVC (Versatile Video Coding)」 ● 高画質化、 4K の需要が高まる。 ○ NETFLIX TECH BLOG「Optimized shot-based encodes for 4K: Now streaming!」 ● 低遅延化の需要が高まる。 ○ developer.apple.com「Enabling Low-Latency HLS」 ○ Akamai Blog「CMAF と CMAFを使用した低遅延 Live 配信の実現」 ● あらゆる技術のクラウド化が進む。 ○ AWS メディアサービス ○ VOS360 Live Streaming Platform | Cloud Live Video | Harmonic ○ Veset: The true cloud linear channel management platform ABEMA を取り巻く業界の動向 

番組制御のマネージドサービス 映像ファイル ライブソース ベースバンド HLS・DASH 連結 エンコード・パッケージ 映像ファイル ライブソース HLS・DASH HLS・DASH トランスコード・パッケージ HLS・DASH 連結 一般的な TV チャンネルの変換フロー ABEMA の変換フロー いくつかの OTT ベンダーは クラウド番組制御を充実させつつある。 例）AWS, Harmonic, Veset 

配信フローのレイヤー分解 映像ファイル ライブソース ベースバンド HLS・DASH 連結 エンコード・パッケージ 次の ABEMA の動画配信 HLS・DASH HLS・DASH マニフェスト装飾 マニフェスト制御で何でもやる「スーパーストリーミングサーバー」のレイヤーを分解。 適度にマネージドサービスを導入して、より高レベルな機能や品質・性能に注力する。 マネージドサービス 自社ソフトウェア 

● 技術導入の敷居を下げる。 ○ 次世代コーデック導入や低遅延、 更にその先に来る技術へ持続的に対応できる体制へ ● 開発効率の最大化 ○ クラウドサービスの充実で業界のベースアップが加速 ○ 貴重な専門人材をより効果的なところへ 適切なソリューションを導入して土台を整え、 その先の進化を作っていく。 動画業界で勝ち抜くために 

● マニフェスト制御で TV チャンネルを実現、SSAI も自社開発した。 ● マネージドサービス導入を土台に次のレベルを目指す。 ● これからも続く動画業界の変化と向き合っていく。 まとめ 

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