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もうつまらないとは言わせない! 「わかりやすい」プレゼンを 作るために気をつけたいこと 2022/7/28 とりすーぷ

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自己紹介 •とりすーぷ • 株式会社バーチャルキャスト所属 • Unityエンジニア • 最近はメタバースを作ってます • UniRx/UniTask完全理解を出しました Illustrated by @shimadakan

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今回の内容 「わかりやすい」 と言われる技術プレゼンを作るために 私が気をつけていることを話します

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目次 •スライドを作る前の心構え •話の組み立て方 •スライドの作り方 •さらに上を目指すなら •発表のコツ •まとめ

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スライドを作る前の心構え

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何を目的にプレゼンをしてますか? 「なぜプレゼン発表するのか」 その目的は考えたことありますか?

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目的 (プレゼン発表を通じて) 自分の思いや考えを他人に伝えたい! これが「目的」

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「目的」と「手段」 目的は「相手に伝えること」 その手段として「プレゼン発表」を選んでいる

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プレゼンは「手段」 •「プレゼンすること」を目的にしない • 「相手に思いを伝える」が目的であるべき • 「プレゼンする」が目的になるとおかしなことになる • 「登壇数=偉い」って思想になったり… • 誰に何を伝えたいのか不明瞭な話を延々と続けたり… • その結果として「つまらない」プレゼンができあがる

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心構え 自分が伝えたい情報を、 どうすれば伝えたい人に届くのか これを真剣に考えよう

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考えるべきこと • 何を伝えたいのか • 主題は何?話が混ざったり結論がブレたりしてない? • 誰に伝えたいのか • 一番聞いて欲しい人は?その人が理解できる内容になってる? • どこで伝えるのか • 勉強会の趣旨に沿ってる?聞いて欲しい人が参加してる?

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何を伝えたいのか • 「自分は何を伝えたいのか?」をハッキリさせる • ブレると「何が言いたいの?」ってプレゼンになる • 「タイトル」もこれに沿った形になってる? • 話の着地地点は明確になってる?

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誰に伝えたいのか • 「この話を一番届けたい人」は誰? • 初心者?中上級者? • エンジニア?デザイナー?プランナー?学生?その他? • 聞いてくれた人全員?特定の誰か? • 不特定多数?身内? • その人たちが理解できるような説明内容になってる?

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どこで伝えるのか • 「ここはどういう場なのか?」を考える • 勉強会なら、その趣旨にテーマが合致しているか? • 自分が一番伝えたい人たちが場に参加しているか? • 場の空気感(真面目なのか、ゆるいのか)

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まとめ(スライドを作る前の心構え) 伝えたい情報が、伝えたい人に届くように、 どうしたらいいかを真剣に考えよう • 自分の中でテーマの軸をしっかり持って内容を考える • 「誰に届けたいのか」をハッキリさせる

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大事なこと 「わかってもらう努力」なしに 「わかりやすく」はならない そのために注力すべきポイントをこれから解説していきます

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話の組み立て方

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組み立ての順序 「一番言いたいコト(メイン)を決める」 メインを前提に「話題を列挙する」 順序を入れ替えて「話の筋を作る」

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1.「メイン」を決める • 一番の盛り上がりポイントを先に決めよう • このプレゼン中で一番盛り上がって欲しい部分はどこ? • 絶対にこの内容だけは覚えて帰って欲しい!という部分

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例 メイン:DOTSの素晴らしさを伝えたい! Unityのスゴイ機能のこと (あくまで例なので、DOTSについての詳細は今回どうでもいい) DOTS すごい

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2.話題を列挙する • 「メイン」を伝えるために必要な情報とは? • 何を伝えたら理解の助けになるかを過不足なく洗い出す • 概念を説明する • 比較する • 応用例を話す • 体験談を話す

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例 DOTS すごい そもそも DOTS とは? 今までと 何が違う の? どういう 仕組な の? 応用すると 何ができる の? 「メイン」を伝えるために必要な話題が いくつか思い浮かぶはず

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3.並び替えて話の筋を作る • 列挙した話題を並び替えて全体の流れを考える • 話が変に前後してないか? • ちゃんと一貫した話になっているか? • このタイミングでは大枠だけ決めればOK • 後の発表練習で削ったり並び替えが起きるので

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長丁場なら迷子にさせない工夫を • 話が長くなるなら「目次」を用意する • 全体像を共有しておく • 区切りを明確にするのもオススメ • セクションの区切りに 「扉スライド」「小まとめ」を入れる

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例 DOTS すごい そもそも DOTS とは? 今までと 何が違う の? どういう 仕組な の? 応用すると 何ができる の? 「起承転結」で組み立てた例

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テクニック 盛り上がりを先に!

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テクニック:盛り上がりを先に • 盛り上がりポイントを先に持ってきてもOK • 起承転結はキレイに見えるが「掴み」が弱い • 途中で飽きられると勿体ない! • 導入で「プレゼンに興味を持ってもらう」を意識!

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盛り上がりを先にもってくる • デモや動画があったら最初に見せる • 出し惜しみはなし、驚きは最初に持ってくる • 先にモノを見せてるので後半の解説がすんなり頭に入る • あえて結論を先に話してしまう • 「これでパフォーマンスが200%改善しました!」 • オーディエンスの興味をグッっと引き込んでしまう

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例 DOTS すごい そもそも DOTS とは? 今までと 何が違う の? どういう 仕組な の? 応用すると 何ができる の? 盛り上がりやデモを先に持ってくることで 「わかりやすく」なることもある

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過去の事例 • Unity1week でつくったゲームにAIを実装してみる • https://learning.unity3d.jp/6279/

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話の流れ ①導入 ②完成品を見せる ③技術解説 完成品を先に見せることで、 興味を持ってもらいつつ 後半の解説を 理解しやすくしている

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まとめ(話の組み立て方) • 話す内容を先に考えてから順番を考える • 行き当たりばったり、思いつきで話を組み立てない • 「メイン」を軸に組み立てると失敗しにくい • 話を最後まで聞いてもらう仕掛けも大事 • 途中で飽きられると「つまらない」と言われる • 「興味を持ってもらうこと」も意識するとよい

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スライドの作り方

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スライドの作り方 • 何を気をつければ読みやすいスライドになるか? • 細かいTips集です

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おすすめの本 • 一生使える見やすい資料のデザイン入門 • https://www.amazon.co.jp/dp/484433963X 言いたいことだいたい この本に書いてあるよ

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自分が気をつけていることをいくつか紹介 • フォント • 背景色と文字色、アクセントカラー • 箇条書き、中央揃え • 文字の配置 • スライド1枚あたりの情報量 • 情報の出し方 • その他

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フォント • スライド全体でフォントは統一 • 読みやすいフォントを選ぼう • 自分は「Rounded M+」を最近よく使う

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背景色と文字色 • 背景は白か黒を基調にするのをオススメ • 背景が眩しいとツライ • グラデーションはデザインがムズい • ベースの文字色は白か濃いめのグレーがオススメ • 真っ黒はギラギラする • 濃いめのグレーだと文字が馴染む

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アクセントカラー • 文章のアクセントに使う色は厳選する • 「色」が持つ意味をスライド全体で統一する • ベース、メイン、アクセントで多くても「3色」 • 色による強調は「このスライドでこの文を優先して読んで!」 という場所にだけ使うべき

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箇条書き • 箇条書きは「情報の整理」に使える • 体系立てて情報を列挙しやすい • 慣れないうちは箇条書き多用でもいいと思う

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中央揃え 中央揃えで ドーンは 印象に残りやすい (ただし多用厳禁)

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文字の配置について • 文字を並べるときの注意点 • フォントサイズは気持ち大きめに • 行間幅は広めに • インデント幅は統一する • 長い文章は改行するポイントを考える • 下線やBoldやデカ文字は乱用しない

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スライド1枚あたりの情報量 • 1枚に情報を詰めすぎない • 1スライド1メッセージが目安 • スライドに「余白」をあえて作ろう • 「情報は追加でなく削減」を意識

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情報の出し方 1/2 オーディエンスはプレゼン中に 「与えられた情報」以上のことは 知らない/わからないと思ってスライドを作るべき 「これくらいの前提知識はあるはずでしょ」は全然当てにならない

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情報の出し方 2/2 • 説明は丁寧に、やりすぎくらいが丁度よい • スライド内で初出の単語や概念は解説をする • とくに重要な情報はしつこいくらい強調、繰り返す • 図や動画、具体例を載せる • 話を脱線させない、関係の無い話をして混乱させない • ただしスライド1枚の情報量は多くしすぎない

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その他 • 出どころの怪しい画像は使わない • ネットで拾ってきた適当な画像を使わない • 著作権的にアウトな画像も使わない • 素材集は規約などをちゃんと確認してから使おう • いらすとやは割りとゆるい • AdobeStockはたまにヤバいのが混ざってる

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実践 「やばいスライド」を用意したので これを改善してみます

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目玉焼きとは 目玉焼き(めだまやき)は、卵料理の1つで、 平坦な鉄板などに卵を割り入れて焼いたもので ある。黄身と白身が共に平円状となり、見た目 が目玉のようになることからそう呼ばれる。英 語でフライドエッグ(fried egg)と呼ばれるもの に近いが、油を引いた鉄板で焼かないものも目 玉焼きと呼ぶ場合もあるため、必ずしも同じも のを指す言葉ではない。(Wikipedia)

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目玉焼きとは 目玉焼き(めだまやき)は、卵料理の1つで、 平坦な鉄板などに卵を割り入れて焼いたもので ある。黄身と白身が共に平円状となり、見た目 が目玉のようになることからそう呼ばれる。英 語でフライドエッグ(fried egg)と呼ばれるも のに近いが、油を引いた鉄板で焼かないものも 目玉焼きと呼ぶ場合もあるため、必ずしも同じ ものを指す言葉ではない。(Wikipedia) フォントを統一!

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目玉焼きとは 目玉焼き(めだまやき)は、卵料理の1つで、平坦 な鉄板などに卵を割り入れて焼いたものである。黄 身と白身が共に平円状となり、見た目が目玉のよう になることからそう呼ばれる。英語でフライドエッ グ(fried egg)と呼ばれるものに近いが、油を引 いた鉄板で焼かないものも目玉焼きと呼ぶ場合もあ るため、必ずしも同じものを指す言葉ではない。 (Wikipedia) 強調色の使い方を 改善

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目玉焼きとは • 目玉焼き(めだまやき)とは • 卵料理の1つ • 平坦な鉄板などに卵を割り入れて焼いたもの • 黄身と白身が共に平円状となり見た目が目玉のようになることか らそう呼ばれる • 英語でフライドエッグ(fried egg)と呼ばれるものに近い • だが油を引いた鉄板で焼かないものも目玉焼きと呼ぶ場合もある • そのため必ずしも同じものを指す言葉ではない。 • wikipediaより 箇条書きにして 整理

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目玉焼きとは • 卵料理の1つ • 鉄板などに卵を割り入れて焼いたもの • 語源:見た目が「目玉」みたいになるから Wikipediaより 不要な情報を 削除!

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目玉焼きとは • 卵料理の1つ • 鉄板などに卵を割り入れて焼いたもの • 語源:見た目が「目玉」みたいになるから Wikipediaより

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まとめ(スライドの作り方) • スライド全体でデザインルールを統一しよう • 統一感があるだけでだいぶ見やすくなる • 最初は他人のデザインテンプレートを真似してみよう • 情報量は駆け引き • 1スライドに情報を詰めすぎない! • ただし重要な情報は端折らない!

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さらに上を目指すなら

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感情を揺さぶろう! オーディエンスの 「自分もやってみたい!」 という気持ちを呼び起こす発表ができれば 技術プレゼントしては成功

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「自分もやりたい」を呼び起こす オーディエンスの能動的な行動を引き起こす プレゼンこそが 「わかりやすいプレゼン」の到達点 だと自分は思う

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「自分もやってみたい」へつなげるために • 「真似したい!」と思える情報を提供してあげよう • 「なにそれ自分もやってみたい!使ってみたい!」 • 「自分だったらこういう応用ができそう!」

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「真似したい」と思わせるために • 具体例や応用例を多く提示する • 抽象的な例よりも具体例の方がわかりやすい • 例:この仕組みを応用したら○○という機能が簡単に実装できた • 「答え」よりも「手法/考え方」を共有する • 「手法や考え方」は真似ができるし、応用が効く • 例:サンプル実装は「どういう意図で実装したか」を掘り下げる • 例:「困ったときはどのワードでどこを調べればいいか」を共有する

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発表のコツ

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発表(登壇)までにするべきこと • 機材の確認 • スライドのアス比、ケーブル、会場のネット環境の有無… • 発表練習 • 最低2回は音読して練習、それを踏まえてスライドの調整 • リハーサル • 主催やオーディエンスに迷惑をかけないためにも絶対に参加 • 実際に登壇する • オーディエンスの存在を意識して、気持ちゆっくりに喋る 次の講演と被る部分があるので、 ここでは軽く触れるくらいにします

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機材確認 • 登壇時の環境を確認しておこう • オフライン?オンライン? • 画面のアスペクト比 • 必要なケーブル(HDMI?Type-C?) • インターネットは使える?

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発表練習 • 最低2回は音読で練習 • スムーズにひっかかりなく話せるまで練習する • 説明に違和感があるならスライドを調整 • 大きくスライドを削ったり、順序を入れ替えたり • タイマー横目に、時間配分も覚えておく

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リハーサル • 事前のリハーサル • 勉強開始の数日~数十分前に実施される • 機材チェックや段取りの確認 • トラブル防止のためにも絶対に参加すること! • 遅刻→ぶっつけ本番→機材トラブルでgdgd、は実際ある

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登壇 • オーディエンスの方をできるだけ見る • 画面ばかりみながら喋らない • 伝えるべき相手であるオーディエンスをちゃんと見る • オンラインの時はコメント欄などを見る • 気持ちゆっくりに喋ってちょうどいい • 本番は緊張で早口になりがち

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まとめ(発表のコツ) • 事前準備をしっかりしよう • 発表の場を設けてくれた主催、参加してくれた人たちに 失礼の無いように • 発表練習はマスト!最低でも2回は音読! • オーディエンスを意識して発表しよう • 自分の話を聞いてくれる人たちに、 ちゃんと伝えることを意識して喋る

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まとめ

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まとめ • 「わかってもらうための工夫」を全力でやろう • この努力なしに「わかりやすい」は成し得ない • 今回説明した手法を駆使しよう • 「オーディエンスの感情」を動かせれば大成功 • 話を聞いた人が「自分もやってみたい」という気持ちになるか • 人が何かを始める「きっかけ」になるようなスライドを作ろう

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おわりに 「自分でも理解できた!」 「自分も真似したい!」 こういうスライドを目指して試行錯誤していきましょう!