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初めてAWSを使うときの セキュリティ覚書 〜初心者支部編〜 2025/09/11 1

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2 こんにちは、臼田です。 みなさん、 AWSのセキュリティ対策してますか?(挨拶

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3 自己紹介 臼田佳祐(うすだけいすけ) ・クラスメソッド株式会社 / クラウド事業本部 シニアソリューションアーキテクト セキュリティチームリーダー 2021 APN Ambassador 2024 APN AWS Top Engineers (Security) AWS Security Hero (2023~) ・CISSP ・Security-JAWS運営 ・好きなサービス: Amazon GuardDuty AWS Security Hub Amazon Detective みんなのAWS (技術評論社) Amazon GuardDuty AWS Security Hub Amazon Detective

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4 セキュリティ初心者向けの内容 というわけで参加者アンケート!

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5 参加者アンケート 1. 普段からセキュリティに関わっている方 2. JAWS-UG初心者支部に初参加の方 3. JAWS-UGのイベント自体始めての方

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6 セッションの聞き方 思ったことをガンガンつぶやこう! ハッシュタグ: #jawsug_bgnr

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7 概要

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8 AWSセキュリティの基礎の話 AWSのセキュリティ対策をしていくには まず基礎が大切 初めての方もそうでない方も AWSとセキュリティの基礎を押さえよう

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9 本日の内容 初めてAWSを使うとき のセキュリティ覚書 〜利用者編〜を 抜粋して解説します 詳細は記事があるので 聞くのに集中しておk

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10 アジェンダ 1. AWSセキュリティとは 2. AWSセキュリティの基礎 3. 最初に知っておくAWSの安全な使い方

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11 1. AWSセキュリティとは

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12 AWSセキュリティ = AWS + セキュリティ セキュリティはすべての物事に 基本的に備わっている機能 AWSはたくさんのIT技術を活用しているので まずはIT技術の基礎を学習するところから始める 必要がある

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13 そもそもセキュリティとは すべての物事に基本的に備わっている機能 つまり、セキュリティが無いとそのものが破綻する 例えば、鍵のない家に住めますか? セキュリティは必要な機能 一方で、防犯カメラは必要ですか?警備員は? 必要なレベル感はある 守るべきものによってそれは変わる

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14 情報セキュリティの目的 ITのセキュリティは情報セキュリティという ITの目的はビジネス セキュリティの目的はビジネス(企業の場合)

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15 情報セキュリティの目的 守るべきものを守り、守るべきものにあったセキ ュリティ対策を行う 例えばビジネスの収益が少ない仕組みに高額なセ キュリティソリューションは必要ない

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16 なぜクラウドを使うのか 従来のオンプレミスと比較して すぐにリソース調達できる俊敏性 使った分だけ従量課金 様々な機能を組み合わせて作れる サイジング不要 展開・運用の自動化 など様々なメリットがある! 詳細は10の理由を参照

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17 2. AWSセキュリティの基礎

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18 情報セキュリティの3要素 • 機密性 • 守るべきものが第三者から見られないようにする • パスワード設定や暗号化で情報を守る • 完全性 • 守るべきものが破壊や改ざんされないようにする • ウイルスや不正アクセスによる改ざんを防ぐ • 可用性 • 守るべきものを必要なときに利用できるようにする • システム障害により使えなくならないよう対策する

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19 情報セキュリティの責任 情報セキュリティの責任は すべての人 が持たなければならない

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20 情報セキュリティの責任 具体的に考えてみる • 情報システムを使う人の責任は? • システムにログインするパスワードをメモした紙をうっ かり落としたりしたらダメ • 経営者の責任は? • 必要なコストを掛けてセキュリティ対策を行わせる責任 を持つ • 経営者が直接実施する必要はないが必要な時間やコスト を当てる必要がある • それぞれの範囲ですべての人が責任を持つ

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21 AWSにおけるセキュリティの責任 責任共有モデルで利用者と AWSで責任を持つ範囲を明 確化している AWSはプラットフォームと してのAWS自体のセキュリ ティに責任を持つ OS/ミドルウェア/アプリケ ーションの設定や維持運用、 その上に保存されるデータの セキュリティも利用者の責任

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22 AWSでできることは広い 様々なサービスがあり何でもできる これはメリットだが気をつけることも増える Amazon SES メールを送る Amazon S3 オブジェクトを 保管する Amazon RDS リレーショナル データベース

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23 AWSの特性からくるリスク 1. インターネットを経由して利用するサービスである ため、常に外部にさらされるリスクがある • 設定を誤ってしまうと、AWSのアカウント自体や、 AWS上に作成したリソースに第三者が侵入できる可能 性がある 2. 従量課金であるため、際限なく金銭コストを浪費し てしまうリスクがある • AWS上で非常によくある事故の例としては、1つ目のリ スクが顕在化し第三者がAWSアカウントに侵入した後、 大量のサーバーを作成されコインマイニングされる

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24 AWSにおけるリスクの低減・防止 この2つのリスクはいずれも、セキュリティの基本であ り原理原則の1つであるアクセス制御によってリスクを 低減し事故を防止できる アクセス制御は当たり前に感じられるかもしれませんが あたりまえのことを適切に実施することがセキュリティ の基本 しかし具体的にどう実現するかは知識と経験が必要

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25 3. 最初に知っておくAWSの安全な使い方

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26 最初に知っておくべき3つのアクセス制御 まず初めは下記3つのアクセス制御から覚えよう 3.1. AWS環境へのIAMによるアクセス制御 3.2. S3に保存されているデータへのアクセス制御 3.3. EC2に対するネットワークのアクセス制御

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27 3.1. AWS環境への IAMによるアクセス制御

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28 AWSのセキュリティは IAMに始まり IAMに終わる by 臼田

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29 AWSアカウント • AWSアカウントはAWSアカウントID(12桁の数字) で識別する • AWSアカウントは論理的な境界となりアカウント間 の操作やデータの移動がデフォルトでできない AWS Cloud AWS Cloud S3バケット ユーザー デフォルトでアクセスできない

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30 2つのユーザー ルートユーザーに関するベストプラクティスは下記参照 AWSアカウントのルートユーザーのベストプラクティス - AWS Identity and Access Management

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31 IAMの4つのリソース • IAMユーザー • IAMグループ • IAMポリシー • IAMロール ロールだけ少し 分かりづらい

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32 IAMロールはAWSリソースが使う IAMロールは人と同 じようにEC2インス タンスやLambda関 数などのAWSリソー スが使う その人が「何をして いいか」を設定する のと同じように考え て作る ※例外あり

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33 AWSの2つの操作方法 それぞれ使うクレデ ンシャルが違う 目的に応じて使い分 ける

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34 IAM利用時のよくある事故 1番よくある事故: IAMユーザーのアクセスキー /シークレットアクセスキー をプログラムに直接埋め込み、 そのプログラムをGitHubな どパブリックな場所に公開し てしまう 公開後10分で攻撃が始まった 事例があります

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35 最初に知っておくIAMベストプラクティス • アクセスキーをプログラムに直接埋め込んではいけない • 認証情報をプログラムに直接埋め込んではいけない • 最小権限の原則を意識する • IAMユーザーには必ずMFAを設定する • IAMユーザーは一意に払い出す • 複数AWSアカウントで一人のIAMユーザーを複数発行しない • IDは集約管理する • アクセスキーは極力利用しない その他IAMのベストプラクティスについてより詳しく知りたい方はIAM でのセキュリティのベスト プラクティス - AWS Identity and Access Managementを参照

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36 3.2. S3に保存されている データへのアクセス制御

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37 S3のよくある事故 S3バケットはデフォルトでは非公開だが公開可能 アップロードミス/設定ミスで情報漏洩するリスクあり Webコンテンツ配信用 S3バケット Webコンテンツ 機密情報 ユーザー 機密情報保管用 S3バケット 機密情報 ユーザー 公開されたS3バケットに誤って 機密情報をアップロードする 非公開のS3バケットを 誤って公開する

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38 S3におけるデータのアクセス制御 S3のデータには2種類の アクセス制御が混在する • IAMによるアイデンテ ィティベースアクセス 制御 • S3によるリソースベー スアクセス制御

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39 最初に知っておくS3ベストプラクティス • データを分類し適切なアクセス制御を施す • 機密情報を扱うAWSアカウントを分割する • ブロックパブリックアクセスでS3バケットの公開を防止す る • バケットポリシーで最小権限を実現する • 重要なデータはバックアップを取得する • 機密情報など誰が閲覧・変更したかが重要なS3バケットで はアクセスログを記録する その他Amazon S3 のセキュリティのベストプラクティス - Amazon Simple Storage Serviceも参照

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40 3.3. EC2に対する ネットワークのアクセス制御

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41 EC2利用時のよくある事故 • EC2をパブリックなネット ワークに配置 • ネットワークのアクセス制 御を誤る 第三者にサーバーへの侵入を 許し、マルウェアに感染させ られたり、さらなる攻撃の踏 み台にされる場合がある

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42 EC2におけるネットワークのアクセス制御 VPC上で EC2など に利用で きるアク セス制御 は • SG • NACL

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43 最初に知っておくEC2ベストプラクティス • SSHを0.0.0.0/0で許可しない • 脆弱なプロトコルを利用しない • セキュリティグループのルールにはセキュリティグ ループIDを活用する • システムごとVPCレベルで分割する • 最新のパッチを適用する その他Amazon EC2 でのインフラストラクチャセキュ リティ /Amazon EC2 のベストプラクティス/VPC の セキュリティのベストプラクティスも参照

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44 まとめ

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45 まとめ • AWSとセキュリティの目的を理解する • ビジネスのためにクラウドを使い、ビジネスのためにセ キュリティ対策する(企業の場合) • AWSとセキュリティの基礎から理解する • 機密性・完全性・可用性を保つためすべての人が責任を 持って取り組む • AWSのアクセス制御からセキュリティを考える • 利用するものの原理原則を理解し適切に使う • AWSの情報はたくさんあるので調べてから使う

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46 おまけ

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47 管理者編もあるよ AWSの管理者側の方は こちらも参照してくだ さい https://dev.classmethod. jp/articles/aws-security- guide-for-beginners- admin/

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48 宣伝: AWSセキュリティの初心者向け勉強会 Security-JAWSでは定常的なAWSセキュリティ 学習の場としてmini Security-JAWSを開催しています だいたい隔週土曜日10-12時開催 https://s-jaws.connpass.com/