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時系列解析入門    1章 時系列データの解析とその準備 Yoshifumi  Seki  (Gunosy  Inc)   2015.01.27

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1.1  時系列データ

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1.2  時系列の分類 •  連続時間時系列   – レコーダなどで連続的に記録されたデータ   •  離散時間時系列   – 1時間おきなど,ある時間間隔で観測されたデー タ   – 等間隔なものと不等間隔な物がある   •  殆どの場合は等間隔な離散時間系列データ のことを時系列データという

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1.2  時系列の分類 •  一変量時系列(univariate)   – 各観測時点で得られる情報が一種類   •  多変量時系列(mul?-­‐variate)   – 二つ以上の情報を同時に記録したもの

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1.2  時系列の分類 •  ガウス型時系列   –  時系列の分布が正規分布に従う   •  非ガウス型時系列   –  正規分布に従わない   •  この本で取り扱うモデルの多くはガウス型時系 列を仮定している   •  そのままでは扱えなくても,適切な変換を行うこ とによって銀地的にガウス型時系列として扱える 場合もある

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1.2  時系列の分類 •  線形時系列   – 線形なモデルの出力として表現できる   •  非線形時系列   – 非線形なモデルが必要

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1.2  時系列の分類 •  欠測値   – なんらかの理由により値が観測できなかったデー タ   •  異常値   – 観測している現象の異常な振る舞い,観測機器 の異常などにより起こる明らかに異常なデータ  

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1.3  時系列解析の目的 •  記述   – 図示   – 記述統計量を用いて特徴を簡潔に表現する   •  標本自己共分散関数   •  標本自己相関関数   •  ピリオドグラム   •  時系列データはデータの量が多いのでグラフ で表現される

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1.3  時系列解析の目的 •  モデリング   – 時系列の変動の仕方を表現するモデルを構築し, 確率的構造を解析すること   – 目的に応じて適切な時系列モデルを選択し,パラ メータを推定する

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1.3  時系列解析の目的 •  予測   – 時系列が互いに相関を持つことを利用し,現在ま でに得られたデータから今後の変動を予測する   – 推定されたモデルを利用して予測やシミュレー ションを行う  

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1.3  時系列解析の目的 •  信号抽出   – 目的に応じて必要な信号や情報を取り出すこと

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1.4  時系列データの前処理 •  非定常な時系列データを前処理によって定常 化する   a)  変数変換   b)  差分(階差)   c)  前期比,前年同期比   d)  移動平均

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1.4  (a)  変数変換 •  値が大きくなるとその分変動も大きくなることが ある   –  金額,  人数など   –  対数化すると分散が一様になったり,誤差分布が正 規分布とみなせる場合がある   •  確率や割合のような(0,  1)をとる時系列の場合に はロジット変換によって(-­‐∞,  ∞)をとる時系列に変 換できる   –  分布の歪が少なくなりモデリングが容易になることが 多い

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1.4  (b)  差分(階差) •  上昇,  下落のような顕著なトレンドをもつ場合 には差分系列を解析することがある   •  仮に直線の場合は時系列が定数になる   •  2次式の場合はさらにznの差分を求めること で2次成分と1次成分を除去できる    

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1.4  (c)  前期比,  前年同期比 •  経済データなどでよく用いられる   •  時系列データがトレンドT,  ノイズwの積で表現 され,  トレンドは成長率αで変化すると   •  ノイズの変化を無視できるとすれば成長率を 算出できる  

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1.4  (c)  前期比,  前年同期比 •  時系列が周期pの周期関数sとノイズwの積と して表される場合には   •  周期関数を除去できる

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1.4  (d)  移動平均 変動の激しい時系列を滑らかにする   元の時系列が直線とノイズの和で表されるとき     平均はa+bn,  分散はwの分散の1/(2k+1となる)