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「楽楽精算」 15年の進化と未来への挑戦 〜経理の"楽"から、すべての働く人の"楽"へ〜 楽楽精算開発部 開発2課 課長 高波 顕二郎

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登壇者紹介 楽楽精算開発部 開発2課 課長 高波 顕二郎 2023年5月にラクス入社。 前職はSIerで放送局や製薬企業向けに経費精算システムを導入する案件に従事。営業提案からコ ンサル、要件定義などの上流工程と開発PMを担当。 ラクスでは楽楽精算の機能開発PMとして参画、現在は開発2課長としてエンジニアリングマネー ジャーを担当。 2


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楽楽精算とは? 経費・交通費・出張費・旅費・交際費など、お金にかかわる全ての 処理を一元管理できるクラウド型の交通費・経費精算システム 3 どんな製品? 経費精算 誰に? 経理、従業員 (従業員 50名~4,999名の企業) いつから? 2009年7月 (15年以上) 規模・売上? 約1.9万社以上 ARR 144億円 導入数シェア:41% 今後は? TAM:2,521億円 年成長率:+28%

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楽楽精算とは? 経費・交通費・出張費・旅費・交際費など、お金にかかわる全ての 処理を一元管理できるクラウド型の交通費・経費精算システム 4 どんな製品? 経費精算 誰に? 経理、従業員 (従業員 50名~4,999名の企業) いつから? 2009年7月 (15年以上) 規模・売上? 約1.9万社以上 ARR 144億円 導入数シェア:41% 今後は? TAM:2,521億円 年成長率:+28%

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楽楽精算とは? 法制度ニーズにより急成長 電子帳簿保存法の改正やインボイス制度により、システムによる対応のニーズが高まったことで 近年急成長を遂げたプロダクト 5


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楽楽精算とは? 開発組織も成長に合わせて進化 プロダクトの成長に合わせて開発のみの組織から役割分担組織に進化することで、 それぞれ専門性に注力した開発を行いプロダクトをスケールさせてきた 6
 PdM PD FE/BE AI QA IF/SRE Development 単一組織 役割分担組織

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楽楽精算とは? 15年間の運用実績と信頼性 7
 ● 1.9万社という利用顧客の急拡大に対応する可用性の高い製品 ● 市場要求に答えるために度重なる機能追加を行う中でも高い品質を実現する開発プロセス その一方で...

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楽楽精算とは? 成長がもたらした技術負債 8
 システムの複雑性 50機能 以上のモノリス デザインの負債 700画面 以上の旧デザイン システムの負債 150万行 以上のコードベース 100人以上のエンジニアやデザイナが15年かけて積み上げた技術負債は開発スピードの低下へ...

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楽楽精算とは? AIの進化によりバックオフィス業務もDXからAXへ 9
 人が経理業務を行うことをシステムが効率化するだけでなく、AIエージェントが自律的に経理業務 を行う世界観 稟議申請 領収書 クレカ明細 精算伝票 対話 結果の提供 AIエージェント この領収書の 精算をしておいて 精算伝票を 作成しました! 稟議どれだっけ... クレカの明細 来てるかな... 稟議申請 領収書 クレカ明細 精算伝票

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楽楽精算とは? AIの進化によりバックオフィス業務もDXからAXへ 10
 人が経理業務を行うことをシステムが効率化するだけでなく、AIエージェントが自律的に経理業務 を行う世界観 稟議申請 領収書 クレカ明細 精算伝票 対話 結果の提供 AIエージェント この領収書の 精算をしておいて 精算伝票を 作成しました! 稟議どれだっけ... クレカの明細 来てるかな... 稟議申請 領収書 クレカ明細 精算伝票 楽楽精算もまだまだ進化が必要!

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本セッションの目的 15年以上経費精算の課題に向き合い1.9万社の顧客基盤を生み出した楽楽精算が、 AI時代の今どんな挑戦をしているのか その開発戦略の全貌をお話しします! 11
   現在の取り組み 全ての"楽"を実現する改善    未来への挑戦    革新と技術戦略

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現在の取り組み:全ての"楽"を実現する改善 12

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全ての"楽"を実現する改善 これまで:経理業務の効率化に注力 13
 楽楽精算は、経理業務に寄り添いながら継続的な改善をすることで、導入からその後の運用・サ ポートまで「経理のストレスをなくし」効率化を実現してきた。具体的には... ● 設定のみで顧客業務を高いレベルで再現 ● 柔軟な申請チェック機能により差戻しを削減 ● 導入するだけで法制度(電子帳簿保存法・インボイス制度)へ対応可能  経理 担当者  承認者 申請者

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全ての"楽"を実現する改善 現在:申請者側のUI・UX改善に注力 14
 「経理担当者」だけでなく、経費精算業務に慣れていない申請者の入力負荷を下げることにも取り 組み全てのユーザーを「楽」に! ただし、経理の負荷とのトレードオフにならない機能設計を。 ● 領収書のプレビュー ● AI内訳予測 ● 領収書一括アップロード/スマホの連続撮影  経理 担当者  承認者 申請者

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全ての"楽"を実現する改善 現在:申請者側のUI・UX改善に注力 15
 「経理担当者」だけでなく、経費精算業務に慣れていない申請者の入力負荷を下げることにも取り 組み全てのユーザーを「楽」に! ただし、経理の負荷とのトレードオフにならない機能設計を。 ● 領収書のプレビュー ● AI内訳予測 ● 領収書一括アップロード/スマホの連続撮影 すべての経費精算ユーザーの「楽」を目指す  経理 担当者  承認者 申請者

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全ての"楽"を実現する改善 現在:UI/UXを根本から改善 16
 15年間のデザイン負債を解消するために、デザインシステムを導入し継続的にUI/UXを改善でき る開発体制を構築 ● デザインシステム策定: 楽楽シリーズのUI統一を図る取り組みを開始 ● 楽楽精算UIの刷新: 2025年度から段階的にUI刷新を実施 ● 継続的改善の仕組み: PD・FE・BEのスクラムチームを組成

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全ての"楽"を実現する改善 現在:UI/UXを根本から改善 17
 15年間のデザイン負債を解消するために、デザインシステムを導入し継続的にUI/UXを改善でき る開発体制を構築 ● デザインシステム策定: 楽楽シリーズのUI統一を図るためにデザイナとFEでスタート ● 楽楽精算UIの刷新: 2025年度から段階的にUI刷新とデザインシステムの導入を実施 ● 継続的改善の仕組み: デザイナ・FE・BEのスクラムチームを組成 デザインシステムとスクラムチームで UI/UXの継続的な改善へ

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未来への挑戦:革新と技術戦略 18

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革新と技術戦略 AI活用による抜本的業務効率化 AIの進化により、AIエージェントが経費精算を行なってくれる世界へ。 「楽楽精算」も経費精算AIエージェントの開発を開始(2025年内を目標 に新機能の第一弾リリースを予定)。 19


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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却 20
 15年モノのレガシーシステムから完全脱却は難しい(まだまだ製品成長も必要)... 一定の負債を受け入れつつ「レガシーな開発」からは脱却し開発生産性を上げていく戦略へ

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略① 〜新基盤〜 21
 レガシー基盤 新基盤 新機能開発 エンハンス開発 既存画面 新画面 利用ユーザ エージェント API 新しい楽楽精算のイメージ ● 新基盤を構築しモダンアーキテクチャで開発 ○ リファクタリングによる負債解消ではなく、 モダン技術基盤上で新機能(エージェント向 けAPIなど)を開発 ○ 主要機能にドメインモデルやオニオンアーキ テクチャを適用 ○ 一部の機能から、フロントエンドエンジニアと 協働してReactを用いたSPAを開発

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略① 〜新基盤〜 22
 レガシー基盤 新基盤 新機能開発 エンハンス開発 既存画面 新画面 利用ユーザ エージェント API 新しい楽楽精算のイメージ ● 新基盤を構築しモダンアーキテクチャで開発 ○ リファクタリングによる負債解消ではなく、 モダン技術基盤上で新機能(エージェント向 けAPIなど)を開発 ○ 主要機能にドメインモデルやオニオンアーキ テクチャを適用 ○ 一部の機能から、フロントエンドエンジニアと 協働してReactを用いたSPAを開発

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略① 〜新基盤〜 23
 レガシー基盤 新基盤 新機能開発 エンハンス開発 既存画面 新画面 利用ユーザ エージェント API 新しい楽楽精算のイメージ ● 新基盤を構築しモダンアーキテクチャで開発 ○ リファクタリングによる負債解消ではなく、 モダン技術基盤上で新機能(エージェント向 けAPIなど)を開発 ○ 主要機能にドメインモデルやオニオンアーキ テクチャを適用 ○ 一部の機能から、フロントエンドエンジニアと 協働してReactを用いたSPAを開発

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略① 〜新基盤〜 24
 レガシー基盤 新基盤 新機能開発 エンハンス開発 既存画面 新画面 利用ユーザ エージェント API 新しい楽楽精算のイメージ ● クラウドネイティブオンプレミスの実践 ○ 新基盤ではk8sを導入しマイクロサービス化 を実施 ● 今後は、競争優位性の高い既存機能を移植し負債 の縮小へ

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略① 〜新基盤〜 25
 レガシー基盤 新基盤 新機能開発 エンハンス開発 既存画面 新画面 利用ユーザ エージェント API 新しい楽楽精算のイメージ ● クラウドネイティブオンプレミスの実践 ○ 新基盤ではk8sを導入しマイクロサービス化 を実施 ● 今後は、競争優位性の高い既存機能を移植し負債 の縮小へ 移植

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略① 〜新基盤〜 26
 レガシー基盤 新基盤 新機能開発 エンハンス開発 既存画面 新画面 利用ユーザ エージェント API 新しい楽楽精算のイメージ ● クラウドネイティブオンプレミスの実践 ○ 新基盤ではk8sを導入しマイクロサービス化 を実施 ● 今後は、競争優位性の高い既存機能を移植し負債 の縮小へ 移植 システム負債を受け入れながら 製品成長と並行して改善を

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略② 〜AI駆動開発〜 27
 コード・ドキュメントの読み書きはAIで、エンジニアは設計と意思決定に ● 開発チームでのAIエージェントの導入率は100%、生産性の改善は50%を超える領域も ● 複雑で膨大なコードベースをリバースエンジニアリング、難読性の問題を解決し技術負債の上で も開発を効率化 ● 生成した設計ドキュメント+ルールファイルから、機能の実装はAIエージェントにドラフトを作成 させTry&Errorの時間を最小化 ● MCPサーバを作成し、レガシーなドキュメントも活用してシームレスなAI開発を実施

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略② 〜AI駆動開発〜 28
 可読性の低いコード 設計書作成ルール 生成された設計ドキュメント 例) 複雑で膨大なコードベースをリバースエンジニアリングする 人間の認知負荷「低」

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革新と技術戦略 レガシー開発からの脱却を実現する技術戦略② 〜AI駆動開発〜 29
 例) GoogleDriveMCPを作成し、スプレッドシートの情報の入出力を可能に GoogleWorkspaceAPIを利用して、drive上のファイルを検索・閲覧・編集できるMCPサーバ GoogleDriveMCP(自作) 公式MCP API Google Drive API Google Sheets API Google Docs API Google Slides API Google Drive API 検索 ◯ ◯ 閲覧 ◯ △ 編集 △ × 公式MCPはReadOnlyで検索特化。スプレッドシートは最 初のシートしか読めない、PDFを読めない等の制限あり。 スプレッドシートで作成された定義書(レガ シーなドキュメント)から情報を読み取りプロ グラムに反映させることができ、よりシームレ スにAIを活用した開発が可能。

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まとめ:すべての働く人の"楽"へ 30

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まとめ AI時代における挑戦と開発戦略 31
 製品機能にも開発にもAIを取り入れることで、さらなる製品成長を目指していきます ! ● AI活用による抜本的業務効率化 ● UI/UXを根本から改善 ● 戦略的な技術負債対応 ● AIを活用した開発 

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まとめ すべての働く人の楽へ 楽楽精算開発が目指すもの ● 15年で培った経費精算ドメインの知見とAI技術の活用によって新しい経費精 算体験を提供し、経理担当者の楽だけでなく申請者の楽も実現 ● サービス間の連携も強化し、楽楽精算だけでなく全てのバックオフィスに関わ る人の楽を実現(今後の展望・・・) ● AIツールを使ってレガシー開発から脱却しエンジニアの楽を実現することで、 「すべての働く人の楽」へ 32


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ご清聴ありがとうございました。 33