Slide 1

Slide 1 text

Web3・ブロックチェーン入門 全体像を掴むための

Slide 2

Slide 2 text

◼ 本資料は情報提供のみを目的とし、投資等の勧誘を示唆するものではご ざいませんことをご了承ください。 ◼ あくまでWeb3 / ブロックチェーン / NFTに興味を持った方のリサーチの 入り口となることを目的としているため各論の懸念事項など全てに対して 言及できていない点もご了承ください。 注意事項 @_KAYATO 2

Slide 3

Slide 3 text

目次 ◼ WEB1.0 ◼ WEB2.0 ◼ Web3 ⚫ ブロックチェーンとは ⚫ ブロックチェーンウォレットとは ⚫ ブロックチェーン~Web3まで ⚫ Web3によるWEB2.0の課題解決 ⚫ Web3における課題 @_KAYATO 3

Slide 4

Slide 4 text

“課題”と”解決策“を紐づけて理解しよう 新しい技術を理解するときは、 先行技術にどんな課題が発生しており、その課題をどうやって解決するか紐づけてみ ることで、その技術への理解が深まっていきます @_KAYATO 4

Slide 5

Slide 5 text

WEB1.0 ~ WEB3の大まかなトレンド WEB1.0 インターネットにより、世界中の情報を低コストで発信できるようにした (情報の民主化 / 一方通行の静的発信) WEB2.0 GAFA等のソーシャルメディア及びクラウドサーバー、スマートフォンの発展により、 ユーザー自身がサーバー構築しなくても気軽に双方向発信ができるようになった Web3 ブロックチェーンを使った分散型アプリケーション(Dapps)の登場により、 ユーザー自身がデジタル上の資産を自由に動かせるようになった @_KAYATO 5

Slide 6

Slide 6 text

WEB1.0 Web3・ブロックチェーン入門

Slide 7

Slide 7 text

WEB1.0の時代:レンタルサーバー×HTML直打ちでの発信 ◼ インターネットの最初期は、ホームページをアップ ロードするサーバーを時前で用意した上で、HTML と呼ばれるWebページを作成するための言語を 用いて情報発信をしていました ◼ 情報の民主化と呼ばれていましたが、一般層が情 報発信を行うにはまだまだ敷居が高い時代でした (ある意味今のWeb3におけるUXの悪さは当時に 近い印象) @_KAYATO 7 https://www2.kek.jp/ja/newskek/2002/sepoct/3w.html https://www.businessinsider.com/flashback-this-is-what-the-first-website-ever-looked-like-2011-6

Slide 8

Slide 8 text

WEB1.0の熱気:WindowsPC×ホームページブーム(自己発信ニーズ) @_KAYATO 8 https://urbanlife.tokyo/post/30026/ https://websitemap.sakura.ne.jp/monograph/monograph03.html#2-2 https://websitemap.sakura.ne.jp/monograph/monograph09.html

Slide 9

Slide 9 text

WEB1.0の課題:ハードルが高かった情報発信 1. 自前でサーバーを建てるか、レンタルサーバーを借りる 2. HTMLを使ってページをコーディング 3. FFFTPなどのソフトを使ってファイルをサーバーにアップロードする 多少プログラミング的な勉強やパソコンについての基本的な知識がないと、 ホームページで情報発信するハードルが高かった時代 @_KAYATO 9

Slide 10

Slide 10 text

Web3の現在地:WEB1.0における1998年代に突入 @_KAYATO 10

Slide 11

Slide 11 text

WEB2.0 Web3・ブロックチェーン入門

Slide 12

Slide 12 text

WEB2.0の時代:ソーシャルメディア×クラウド×スマートフォン ◼ WEB1.0時代の「情報発信の敷居の高さ」を克服し、一 般層も利用できるようにマスアダプションさせていっ たのがWEB2.0 ◼ ソーシャルメディアの登場により、ホームページを作 らなくても双方向の情報発信が行えるようになった ◼ クラウドサーバーの登場により、多くのユーザーがアク セスしても耐えられる構造ができた ◼ スマートフォンの登場によってインターネットにアクセ スするユーザーが増えた ◼ 一方でGAFAによるデジタル資産の囲い込みなど、分 断構造が生じるようになる @_KAYATO 12

Slide 13

Slide 13 text

WEB2.0:ガラパゴス化から脱出が遅れた日本マーケット @_KAYATO 13 https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1393/010/html/01_o.jpg.html https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000097076.html https://www.j-cast.com/2016/08/11274966.html?p=all https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/10/news138.html

Slide 14

Slide 14 text

WEB2.0の基本戦略:ネットワーク効果と囲い込み ◼ WEB2.0はネットワーク効果を参入障壁とするため、ユーザーの囲い込み戦略が取ら れていた ⚫ ネットワーク効果:同じプラットフォームやサービスを利用するユーザが増加することによって、それ自体の効用 や価値が高まる効果 ⚫ 囲い込み戦略:デバイス、ユーザーIDや決済、デジタルコンテンツの利用先を絞り込みすることで自社ネット ワークにユーザーを留めておく戦略 @_KAYATO 14

Slide 15

Slide 15 text

WEB2.0における課題 課題① 制限されたデジタル資産の移動 課題② フリーミアム×広告収益依存の深刻化 課題③ テックジャイアントによる検閲 課題④ オープンソースの貢献リターンが少ない @_KAYATO 15

Slide 16

Slide 16 text

WEB2.0の課題①:制限されたデジタル資産の移動 ◼ デジタル資産の囲い込み(二次流通ができない) ⚫ Kindleなど購入したデジタルアセットの囲い込み ⚫ ソーシャルゲームにおける個別アイテムのRMT(リアルマネー トレード)の禁止 → アカウント単位での規約違反売買 ◼ 個人情報やログイン認証の独占化 ⚫ 広告マネタイズのために個人情報を保持し続ける ⚫ Google認証 / Facebook認証 など各テックジャイアントが規格 を乱立し、自社プラットフォームへの囲い込を行っている @_KAYATO 16

Slide 17

Slide 17 text

WEB2.0の課題②:フリーミアム×広告収益依存の深刻化 @_KAYATO 17 https://tanpintsuhan.com/column127/ サービス運営においてテックジャイアントの広告収益依存度が高まる また収益優先の運営によって違法 / グレーゾーンの広告掲載の課題も

Slide 18

Slide 18 text

WEB2.0の課題③:テックジャイアントによる検閲(安全性の裏返し) ◼ AppStore / Google Playなどアプリ ◼ YoutubeやTwitter、Facebook等のコンテンツ ◼ 各プラットフォームにおける広告出向の掲載可否 不透明な掲載可否 ◼ SEOランキング ◼ AppStore / GooglePlay ランキング ◼ Amazon / PayPay / 楽天などECモールにおけるランキング ◼ 食べログ / カカクコム などランキングサイト ブラックボックス化しているアルゴリズム @_KAYATO 18

Slide 19

Slide 19 text

WEB2.0の課題③:グーグル八分 @_KAYATO 19 テックジャイアントは素晴らしいユーザー体験を提供している一方で、 彼らに嫌われてしまうとネットでのビジネス展開は極めて難しい状況に https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB%E5%85%AB%E5%88%86

Slide 20

Slide 20 text

WEB2.0の課題③: AppStoreによるリジェクト事例 @_KAYATO 20 https://livedoor.blogimg.jp/nekobata/imgs/4/1/415e331b.png http://i.meet-i.com/?p=47036 ユーザー保護の観点からAppStoreでは厳密なガイドラインを持った審査運用がされるため、 デベロッパーは日々リジェクトに戦々恐々としていた

Slide 21

Slide 21 text

WEB2.0の課題③: AppStoreによるリジェクト事例 @_KAYATO 21 Apple vs Epic Games(Fortnite)の1984 世代交代

Slide 22

Slide 22 text

WEB2.0の課題③: Youtubeにおけるアルゴリズム調整 @_KAYATO 22 アルゴリズムによってプラットフォームの健全さが維持されている一方で、 グレーゾーンや攻めたラインでのマネタイズが厳しい状況も https://yutura.net/news/archives/66255

Slide 23

Slide 23 text

WEB2.0の課題④:オープンソース貢献リターンが少ない @_KAYATO 23 ユーザーの目に見えない部分で大きな影響を持っているオープンソースでも その開発者に対しての経済的リターンをもたらせていない状況 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2105/12/news102_2.html https://www.publickey1.jp/blog/21/babel.html

Slide 24

Slide 24 text

Web3 Web3・ブロックチェーン入門

Slide 25

Slide 25 text

ブロックチェーンを基幹技術とした ユーザー自身でデジタル資産を管理できるインターネット ※ここでのデジタル資産は自身の個人情報やログイン認証 など含む広義の意味 Web3とは何か @_KAYATO 25

Slide 26

Slide 26 text

WEB2.0とWeb3の構造的な違い @_KAYATO 26 サービスが契約している クラウドサーバー① サービスが契約している クラウドサーバー② アプリ① アプリ② プラットフォーム毎に分断しているためデジタル資産の移動ができない サービスが契約している クラウドサーバー① サービスが契約している クラウドサーバー② アプリ① アプリ② パブリックブロックチェーン デジタル資産の所有権情報がサービス横断のパブリックブロックチェーンに 刻まれている限り、ユーザーの意思でデジタル資産を管理できる ブロックチェーンの技術によって本当の意味でのデジタル資産の所有権という概念が生まれ、 サービスを超えたデジタル資産の移動ができるようになった

Slide 27

Slide 27 text

ブロックチェーン Web3・ブロックチェーン入門

Slide 28

Slide 28 text

デジタル資産(データ)の所有権を特定の国家や企業に 依存せずに管理できるデータベース ※データベース ≒ データの取引履歴 ≒ 取引台帳 ブロックチェーンとは何か @_KAYATO 28

Slide 29

Slide 29 text

デジタル資産(データ)の所有権を管理するデータベースとは @_KAYATO 29 「所有」 = 誰が何を持っているか データベース : 誰が誰にいつ何を譲渡したのかの履歴 いつ 誰が 誰に 何を 2022/06/09 Aさん Bさん 100万円 2022/06/09 Bさん Cさん 靴 2022/06/10 Cさん Bさん 靴 2022/06/10 Bさん Aさん 10万円 2022/06/11 Cさん Dさん カード 2022/06/12 Dさん Aさん 米 2022/06/12 Aさん Dさん 20万円

Slide 30

Slide 30 text

ブロックチェーン登場前の中央集権的なデータベースの管理 @_KAYATO 30 国家や銀行、取引所など何かしらの中央集権的な組織・団体が、 第三者として取引の成立を保証し、データーベースを管理していた

Slide 31

Slide 31 text

中央集権的な管理における課題 改ざん耐性 中央管理 ≒ 中央を乗っ取りすることで改ざんできてしまう (中央集権管理による単一障害点の発生) 安定性 中央管理でシステム異常が発生した場合、取引全体が停止してしまう (銀行のATM停止の例) 管理・取引コスト 中央集権管理を行うためにセキュリティや取引監視など管理コストが高く、 結果として取引手数料が高くなってしまう ※ また国際送金の場合は複数の中央集権管理の取引所を経由するためコストが高い 発展性 それぞれ中央集権管理しているシステムに互換性が低いため、 相互運用を行うための開発が難しく発展性に乏しい トレーサビリティ 中央集権管理によってデータベースの内容は非開示になっており、 その国家 / 企業などの組織外部の人は内容を確認・検証することができない @_KAYATO 31

Slide 32

Slide 32 text

ブロックチェーンのデータベースアプローチ @_KAYATO 32 中央で一つのデータベースを管理するのではなく、 全く同じ内容のデータベースを全世界のコンピューターで分散所有することで 改ざん / 安定 / コスト / 発展性 / トレーサビリティを解消した

Slide 33

Slide 33 text

ブロックチェーンの仕組み @_KAYATO 33 全てのコンピューターが同一の暗号化されたデータベースを持ち監視し合うことで 不正・改ざん・システムダウンに対する耐性を持っている 1. P2P:世界中で分散されたコンピューターによりシステムが運営さ れている(マシンリソースを貸し出すことにマイニングなど経済的 なインセンティブがある) 2. 暗号技術:全ての取引(ブロック)が暗号技術によってチェーン上 に連なっており、過去の取引改ざんが不可能に近い形でロックさ れている

Slide 34

Slide 34 text

ブロックチェーンのメタファー ≒ マトリョーシカ @_KAYATO 34 取引の履歴が暗号化された入れ子のブロックに格納されている。 1万回取引を行った後、1版最初の取引を改ざんしようとした場合、 最新のブロックの暗号から1万回暗号を解読し、1回目の取引を改ざんし、 さらに最新の1万回分のブロックへ暗号し直す作業をする。(しかも監視されながら) 最古の取引 最新の取引 https://kurashi-to-oshare.jp/goods/138633/ https://www.amazon.co.jp/dp/B07GSRVWVC

Slide 35

Slide 35 text

どれぐらい分散されて管理されているの? @_KAYATO 35 ビットコインの場合:15,000台のノードで運用されている

Slide 36

Slide 36 text

すべてのデータベースの容量ってめちゃくちゃ多いのでは? @_KAYATO 36 ビットコインのすべての取引データでも500GB以下

Slide 37

Slide 37 text

なぜみんなコンピューターのリソースを提供しているの? @_KAYATO 37 コンピューターリソースを提供する代わりにそのブロックチェーンのトークン(例BTC)が貰 える仕組み(≒マイニング)があるのでこぞって参加している

Slide 38

Slide 38 text

それって無限にインフレし続けるのでは…? @_KAYATO 38 供給量を徐々に減らしていく仕組みをとっており最終的には2100万枚で止まる (新規発行は無くなるがマイニング報酬として送金手数料が分配される) https://bitcoin.dmm.com/column/074

Slide 39

Slide 39 text

ブロックチェーンウォレット Web3・ブロックチェーン入門

Slide 40

Slide 40 text

暗号資産ウォレットでできること 40 @_KAYATO 送金 所持している資産(暗号資産やNFT)を送ったり受け取ったり することができる ログイン 暗号資産ウォレットを使うことでNFTマーケットプレイスなど ブロックチェーンを活用したサービス(dApps)にログインできる NFT購入 上記のログイン機能を使うことによって、 ウォレットに入っている暗号資産でNFTの購入ができる

Slide 41

Slide 41 text

暗号資産ウォレットとは何か 41 @_KAYATO • BitcoinやEthereumなどの暗号資産やNFTを管理するもの • 自分のウォレットの宛先を示す公開鍵と資産を動かす鍵である秘密鍵の2種類の鍵で成り立つ • インターネットに接続できるホットウォレットと接続していないコールドウォレットの2種類が存在 • ホットウォレットは手軽に活用できるが、ハッキングリスクも一定量存在する • コールドウォレットはネットワークから隔絶されているため、利用の不便さはあるがハッキングリスクを減らせる • 秘密鍵を知っていれば、公開鍵も復元できる • 暗号資産ウォレットを使うことで様々なブロックチェーン / Web3サービスにログインできる

Slide 42

Slide 42 text

公開鍵と秘密鍵の違い 42 @_KAYATO ◼ 世界中に公開されている財布の住所 / アドレス ⚫ 暗号資産やNFTを送るときに送り先として指定する文字列 ⚫ メールアドレスのようなイメージ ⚫ 資産を送って欲しいときに相手に教えるのはパブリックキー 公開鍵:パブリックキー ◼ 公開鍵に保存されている資産を送付するためのパスワード ⚫ 公開鍵に紐づいている暗号資産やNFTを送るときに必要な文字列 ⚫ 秘密鍵を知っている人はその公開鍵に紐づく資産を動かすことができる ⚫ 銀行口座のパスワードのイメージ ⚫ しかしパスワード違って変更することができない(公開鍵と対の存在であるため変更できない) ⚫ 秘密鍵は絶対に第三者に教えてはいけない 秘密鍵:プライベートキー

Slide 43

Slide 43 text

ホットウォレットの例:インターネット接続できるソフト 43 @_KAYATO

Slide 44

Slide 44 text

コールドウォレットの例:秘密鍵を保存する媒体 44 @_KAYATO USBでの保存 鉄板での保存 紙での保存

Slide 45

Slide 45 text

暗号資産取引所と暗号資産ウォレットの違い 45 @_KAYATO ◼ 暗号資産取引所 ⚫ 日本円などの法定通貨とBitcoin / Ethereumなどの暗号資産 を両替することができる場所 ⚫ ユーザーの代わりに取引所が暗号資産を管理 / 保管を行うカ ストディ業務を行う ⚫ bitFlyer / Coincheck / GMOコイン・・・ ◼ 暗号資産ウォレット ⚫ ユーザー自身が暗号資産を保有するために使うお財布 ⚫ 利用する暗号資産によって異なる規格のウォレットになる ⚫ Ethereum:METAMASK… ⚫ Solana:Phantom…

Slide 46

Slide 46 text

ブロックチェーンの存在により、 単一国家や企業など中央集権的な管理を必要せずに、 デジタル資産(データ)の所有権の証明が行えるようになった ↓ デジタル資産(データ)が関わる領域は、 ブロックチェーンのイノベーションが起こる ブロックチェーンによる所有権革命 @_KAYATO 46

Slide 47

Slide 47 text

ブロックチェーンからWeb3まで Web3・ブロックチェーン入門

Slide 48

Slide 48 text

ブロックチェーンが影響を及ぼす所有権の例 貨幣 仮想通貨 / 暗号資産 ビットコイン / ステーブルコイン ・・・ デジタルファイル デジタルデータの所有権の証明 NFT(Non-Fungible Token) 金融商品 株式 / 社債 / 不動産 DeFi(Decentralized Finance) / DEX(Decentralized Exchange) … 身分証明証 ワクチン接種証明 / チケット Decentralized Identity 意思決定の権利 投票 / 投票権の移譲 DAO(Decentralized Autonomous Organization) @_KAYATO 48

Slide 49

Slide 49 text

ブロックチェーンの登場からWeb3の流れ @_KAYATO 49 Bitcoin 2008 Ethereum 2013 DeFi NFT DAO 2018 / 2020 Ethereum Web3 2022 Web

Slide 50

Slide 50 text

① Bitcoin:ブロックチェーンにおける通貨の誕生 @_KAYATO 50 2009年 サトシナカモトによるビットコインの論文が発表される https://www.kk-kernel.co.jp/qgis/HALTAK/FEBupload/nakamotosatoshi-paper.pdf https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83 %BB%E3%83%8A%E3%82%AB%E3%83%A2%E3%83%88

Slide 51

Slide 51 text

① Bitcoin:ブロックチェーンにおける通貨の誕生 @_KAYATO 51 繰り返される規制がありながらも、ブロックチェーンにおける基軸通貨のポジションを確立 2014 国内取引所 マウントゴックスの経営破 綻 2017 改正資金決済法 (世界初の仮想通貨法律) 2018 各SNSによる広告禁止 バブル崩壊 2020年 コロナショックから 資金流入 2021年 テスラ大量購入 2021年 中国規制強化

Slide 52

Slide 52 text

② Ethereum:汎用性が高いブロックチェーンの誕生 ◼ ブロックチェーン上にプログラムを使った 取引契約を書き込むことができる機能 ⚫ 例) 10ETH支払いをしたら、ある場所の鍵を開ける ◼ 事前に設定された契約条件が満たされる と自動的に契約の執行がされる ◼ Ethereumが稼働し続ける限り、半永久的 に契約執行が可能なコードも作れる @_KAYATO 52 Ethereumのスマートコントラクトの登場により様々な条件での価値移転が可能となった →後に続くDeFi / NFT / DAOの技術基盤となる https://www.sbbit.jp/article/fj/40394#&gid=null&pid=1

Slide 53

Slide 53 text

③ DeFi × NFT× DAOの勃興(トークノミクス) DeFi Decentralized Finance スマートコントラクトを活用することで、 様々な種類のトークン(暗号資産)やそれらを取引するためのサービスが登場 NFT Non-Fungible Token 所有権をBitcoinなどのトークンだけではなく、デジタルデータそのモノに付与 するための規格が登場 DAO Decentralized Autonomous Organization スマートコントラクトを活用した株式会社に変わる新しい組織形態 トークンを株券のように活用することで、細部の意思決定まで参加できるようになる @_KAYATO 53

Slide 54

Slide 54 text

③-1. DeFi:ERC-20規格の登場(Ethereumにおけるトークンの多様化) ◼ ERC-20という規格がEthereumに登場したことによって、Ethereum上で様々 なトークン(暗号資産)を発行できるようになった ◼ Ethereum上で立ち上げを行うプロジェクトの暗号資産を株式のような形で配 布することが実現できるようになり、調達が盛んになる(ICOブーム) ◼ 暗号資産のボラティリティの高さが日常使いで不便なため、ステーブルコイン のようなドル建てのトークンも出現 @_KAYATO 54 https://medium.com/crypto-wisdom/erc-20-token-basics-for-crypto-beginners-231f988db36

Slide 55

Slide 55 text

③-1. DeFi:DEXの登場(分散型取引所によるトークン売買の活性化) ◼ 様々なトークンが登場したことによって、色んな種 類のトークン同士を取引するニーズが生まれた ◼ bitFlyerやBinanceのような企業運営の取引所で はなくスマートコントラクトを活用して自動的に取 引成立させるDEX(分散型取引所)が登場 @_KAYATO 55

Slide 56

Slide 56 text

③-1. DeFiの多様化とTVL(預かり資産の増加) ◼ DeFiの預かり資産は1,000億ドルを超えている ◼ スマートコントラクト活用した様々な金融商品が日々生まれている ⚫ レンディング ⚫ デリバティブ @_KAYATO 56

Slide 57

Slide 57 text

③-2.NFT(Non-Fungible Token)の登場 @_KAYATO 57 EthereumのERC-721というNFTの規格が登場したことにより 全てのデジタルアセットに所有権を示すことができるようになった トークン種別 英語表記 日本語表記 説明 役割 具体的な事例 暗号資産 (通常のトークン) Fungible Token 代替性トークン 同じトークンが存在 する 通貨 / ポイント 10BTC / 20ETHなど 数字で量を示せるも のに付与する Bitcoin / Ethereumなどの暗 号資産 NFT Non-Fungible Token 非代替性トークン 同じトークンが存在 しない デジタルデータに対 して唯一無二の識別 子を付与する (個別ファイルを複 製してもオリジナル の所有者がわかる) デジタルアート / ゲーム内のアイテム / ブロックチェーンの ドメイン(DNS) / メ タバース空間の土 地 NFTはデジタルデータの所有権を示す技術で、そのデータの所有権が唯一無二のものであることを示す。 例え、参照先のデータを複製したとしても、ブロックチェーン上に刻まれた取引履歴にはオリジナルの所有者デー タが残り続ける。 (日本の法律ではデジタルデータは無形資産の扱いのため、法的な所有権は存在しない)

Slide 58

Slide 58 text

③-2.NFT(Non-Fungible Token)の登場 @_KAYATO 58 NFTはデジタルアセットに関わる全てに紐付けられるため、 これからも多様なユースケースでの利用が想定される デジタルアート ゲームキャラ / アイテム メタバースの土地 販促付録としてのNFT スポーツのハイライトシーン 広告の非表示権

Slide 59

Slide 59 text

③-2.NFT(Non-Fungible Token)の二次流通市場 @_KAYATO 59 デジタルアセットに所有権の概念が生まれたことで二次流通市場が生まれた また二次流通の販売ロイヤリティが作者に還元されるようになった

Slide 60

Slide 60 text

③-2.NFT(Non-Fungible Token)で盛り上がるPFP NFT @_KAYATO 60 NFT認証されたプロフィール画像の設定できるSNSが増加 PFP(Profile-Picture) 向けのNFTがトレンドに

Slide 61

Slide 61 text

③-3.DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは @_KAYATO 61 スマートコントラクトによるシステマティックなアプローチをとることで 株式会社と比較すると不特定多数のトークンホルダーが細部の意思決定まで参加できます https://nirolution.com/decentralized-autonomous-organization/ ブロックチェーン上で自律的に運営されている組織です。 DAOはスマートコントラクトを利用し、組織の運営内容を定義してい ます。 スマートコントラクトのソースコードを介することで、参加者の投票に よる意思決定や作業のプロセス、報酬などのルールを実装していま す。 トークンを所有する全ての人が投票権利を持ち、スマートコントラクト の記載されたルール変更へ投票で参加することができます。 またDAOへの貢献度によってトークンインセンティブが付与され自 律的に動く組織形態が作られています。

Slide 62

Slide 62 text

③-3.DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは @_KAYATO 62 有限会社としてDAOが法的に認められる存在となる地域が出てきた https://www.neweconomy.jp/posts/112086

Slide 63

Slide 63 text

③-3.DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは @_KAYATO 63 山古志村(人口800人の限界集落)ではデジタル住民券をNFTとして発行し、 DAO運用がはじまっている https://twitter.com/nishikigoiNFT/status/1534447863996235776/photo/1 https://twitter.com/nishikigoiNFT

Slide 64

Slide 64 text

④ Ethereumの課題を克服するためのマルチチェーン共創/競争 @_KAYATO 64 取引量の拡大&ユースケースの多様化に伴いEthereumでカバーしきれない需要が生まれた ハイスペックチェーン間の競争 / 役割特化したチェーン同士での共創時代へ突入 ■ Ethereumが抱える課題 1. 大量のトランザクションを消化できない(秒間15件) 2. DeFi/NFTの登場により取引需要があがったことで取引時のガス代が高騰した 3. 1~2の課題が個別利用ケースでの新規参入する際のハードルになる ■ Ethereumの課題に対するアプローチ A:Ethereumに接続するサイドチェーンで課題解決する(Layer2) ┗Arbitrum / Polygon / Immutable X B:Ethereumに変わる全く新しいチェーンで課題解決する ┗Solana / Avalanche / Cardano C:役割別の特化チェーンを作る ┗Internet Computer(ICP) / Filecoin / Arweave D:マルチチェーンを前提として各チェーンとつなげるためのチェーンを作る ┗Polkadot / Kusama / Cosmos https://www.reddit.com/r/solana/comments/ms0hfn/solana_vs_ethereum_vs_binance_smart_chain_vs/

Slide 65

Slide 65 text

④ Ethereumの課題を克服するためのマルチチェーン共創/競争 @_KAYATO 65 様々なチェーンが絡み合いながら複雑なエコシステムを形成しはじめている Web3のインフラとしては特定のチェーン1強の状況を作れていない (相互運用性が大事なフェーズ) https://i.redd.it/8kfvum5arnm71.png

Slide 66

Slide 66 text

Web3に戻る Web3・NFT入門

Slide 67

Slide 67 text

⑤ Web3時代の到来 @_KAYATO 67 コンテンツ / ユーザーを囲い込むことを企業戦略としていたWEB2.0とは 正反対の共創関係を作るサービスが生まれるトレンドへ

Slide 68

Slide 68 text

Web3はカウンターカルチャー @_KAYATO 68 サイファーパンク宣言を源流とし 中央集権化されたWEB2.0に対するカウンターカルチャーがある https://jp.cointelegraph.com/news/happy-birthday-bitcoin-and-dont-forget-about-cypherpunks-keiser https://blog.blockchain.bitflyer.com/n/nbed0f71a5fc2

Slide 69

Slide 69 text

WEB2.0における課題(再掲) 課題① 制限されたデジタル資産の移動 課題② フリーミアム×広告収益依存の深刻化 課題③ テックジャイアントによる検閲 課題④ オープンソースの貢献リターンが少ない @_KAYATO 69

Slide 70

Slide 70 text

Web3におけるソリューション 課題① 制限されたデジタル資産の移動 → ブロックチェーンによるデジタル資産に対する所有権の付与 課題② フリーミアム×広告収益依存の深刻化 → トークノミクスを活用した新しいマネタイズ 課題③ テックジャイアントによる検閲 → DAOによる分散型のガバナンス(Community is King) 課題④ オープンソースの貢献リターンが少ない → プロトコルレイヤーはトークノミクスによりマネタイズが可能に @_KAYATO 70

Slide 71

Slide 71 text

① ブロックチェーンによるデジタル資産に対する所有権の付与 @_KAYATO 71 WEB3.0ではユーザーがコンテンツの所有権を持っており、 その取引をサービス外でも自由に行うことができます https://visionaryart.io/nft/marketplace-comparison/

Slide 72

Slide 72 text

① ブロックチェーンによるデジタル資産に対する所有権の付与 @_KAYATO 72 ブロックチェーンにおける「wallet」を鍵として、 ユーザーがアカウントの所有権を持つ時代に

Slide 73

Slide 73 text

② トークノミクスを活用した新しいマネタイズ @_KAYATO 73 サービス利用費としてのトークン手数料だけでなく、 ステークホルダーを巻き込んだトークノミクスでマネタイズが可能 https://twitter.com/ta_ka_sea0/status/1473552422496657412/photo/1 https://www.global.jcb/ja/press/2019/201908300001_others.html

Slide 74

Slide 74 text

③ DAOによる分散型のガバナンス(Community is King) @_KAYATO 74 トークンホルダーを巻き込んだコミュニティ運営をできるかがサービス立ち上げの肝に WEB2.0 Contents is KING ↓ Web3 Community is KING https://crypto-spells.medium.com/?p=55b8e027e2d9

Slide 75

Slide 75 text

④ プロトコルレイヤーはトークノミクスによりマネタイズが可能に @_KAYATO 75 アプリケーションよりも、より多くのアプリケーションで利用されるプロトコルを作る方が 経済的リターンが大きくなる世界 https://medium.com/coinmonks/fat-protocol-and-value-capture-over-time-part-1-of-2-51c7e7d0ca34 ◼ WEB2.0まではアプリケーションレイヤーが 広告マネタイズによって巨額の収益を得て いた ◼ Web3において優秀なプロトコルを作ると利 用費としてのトークン収益が入ってくる

Slide 76

Slide 76 text

WEB2とWeb3の参入障壁の築き方の違い @_KAYATO 76 自社プロダクトに囲い込みをするのではなく、LEGOや積み木のように コンポーザビリティ(複数の要素や部品などを結合して、構成や組み立てが可能な要素) が高いサービスを提供しステークホルダーと共にコミュニティを作り上げ、 エコステムに無くてはならない存在になることがWeb3においては重要 WEB2.0:ネットワーク効果と囲い込み Web3:コンポーザビリティとコミュニティ

Slide 77

Slide 77 text

Web3の課題 Web3・NFT入門

Slide 78

Slide 78 text

カスタマーサポートが存在しない市場 78 @_KAYATO ◼ BitcoinやEthereumなどのパブリックブロック チェーンは、特定の企業などが中央集権的に運営 しているサービスではありません ◼ 故に、そこでの失敗やミスをフォローしてくれるカ スタマーサポートのようなものは存在しません

Slide 79

Slide 79 text

取り返しがつかないことの事例 79 @_KAYATO • MetaMaskのシークレットリカバリーフレーズを紛失し、資産にアクセスできなくなる • 誰もシークレットリカバリーフレーズの再発行はできない • 暗号資産の送付先のアドレスを間違えてしまう • 送金した事実の取り消しをすることはできない • 詐欺に引っかかり資産を奪われてしまう • 奪われた資産も遡って払い戻しされることはない

Slide 80

Slide 80 text

ブロックチェーン界隈で大事な”DYOR”マインド 80 @_KAYATO https://note.com/_kayato/n/nf93f01d8096a

Slide 81

Slide 81 text

日本におけるブロックチェーン参入障壁 81 @_KAYATO ◼ 日本の法律上の参入障壁 ⚫ トークンセール時の売上課税(原価0の100%売上計上) ⚫ トークン期末保有時における含み益課税 ⚫ パブリックチェーン開発における国際競争力の低下 ⚫ 取引所 / NFTビジネスなどエコシステムのアプリケーションレイヤー(上モノ)参入しかできない状況 ⚫ トークノミクスを活かそうとするプロジェクトはシンガポール / ドバイなど海外法人での設立が増加 ◼ 上場企業における参入障壁 ⚫ 暗号資産ウォレット所有する際のリスクケア体制の構築 ⚫ 管理ツールに乏しく新しいブロックチェーンウォレットを上場企業のガバナンスに対応させるまでの時間軸が長い ⚫ ストックオプション的なトークン付与など新しい人材採用へのインセンティブ設計への対応(採用優位性の担保) ⚫ 既存組織構造があるためDAOなど新しい組織形態への適応難易度が高い ⚫ レピュテーションリスク ⚫ ① 有事の際の既存事業への影響 ⚫ ② クリプトネイティブ / 原理主義者からの厳しい目線

Slide 82

Slide 82 text

補足資料 82 The Power of PowerPoint - thepopp.com ◼ ブロックチェーン&WEB3.0の歩き方(調査ノウハ ウ / 情報ソースなど) ⚫ https://note.com/_kayato/n/nf93f01d8096a ◼ 暗号資産ウォレット入門(MetaMaskの入門~ NFTの購入~詐欺の注意事項など) ⚫ https://speakerdeck.com/kayato/an-hao-zi-chan- uoretutoru-men-metamaskfalseru-men-nftfalsegou-ru- zha-qi-falsezhu-yi-shi-xiang-nado