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システムの中にいる人に要因を聞いてもわからない
私たちは、自分自身の問題の原因を分析する場合、自分の都合のいいよ
うに解釈したがる。すなわち、よい結果、望ましい出来事については、
その要因を自己の内側(努力や才能)に求めたがる。逆に悪い結果、望
ましくない出来事については、外部環境や他社のせいにしたがる。(中
略)それなのに私たちは、相手が問題について語り始めるやいなや、
「それはなぜですか」とつい聞いてしまう。すると相手は、自分勝手な
安易な原因分析をその場で初めてしまう。(中略)つまり本当の原因を
知りたいのであれば、「なぜ?どうして?」と聞かない方がいい。「先
生、お腹が痛いんです」と言う患者に対して、医者が「どうしてです
か?」と聞くはずがない。(中略)「いつからですか?」「今朝何か食
べましたか?」という具合に問診、すなわち事実質問を重ねていく。
ー 和田信明/中田豊一. 途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法 より抜粋