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1 ビジネスインテリジェンスと UXリサーチの統合 メルカリにおけるデータドリブンな プロダクト開発への取り組み 2020/3/7 @shaekzo

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2 株式会社メルカリ
 プロダクトマネージャー
 
 
 Naoki Shinbo
 ・構造計画研究所で機械学習のR&D、分析コンサルティング 
 ・リブセンスでAnalyticsチーム、UXデザインチーム立ち上げ 
 ・メルカリでデータアナリスト、UXリサーチャーを経て 
  現在はロジスティクス領域のPdM 
 
 ・専門は定性・定量のデータ分析と機械学習のUXデザイン 
 


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3 メルカリ

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4 個人が簡単に売買を行えるCtoCマーケットプレイス
 ●サービス開始日:2013年7月
 ●対応OS:Android、iOS ※Webブラウザからも利用可能 
 ●利用料:無料
 ※売れたときの手数料:販売価格の 10% ●対応地域・言語:日本・日本語基本仕様
 


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5 利用実績推移(JP/FY2020.6 第2四半期)
 867 1,289 1,544 GMV¹
 1,544億円
 単位:億円
 85 122 144 売上高
 144億円
 単位:億円
 964 1,236 1,538 MAU²
 1,538万人
 単位:万人
 FY 2018.6 2Q FY 2019.6 2Q FY 2020.6 2Q 出典:会社資料。JP版メルカリ事業の決算概況(FY2020.6 2Q)より。
 1. キャンセル等を考慮後の取引高の合計
 2. 四半期平均のMAU
 FY 2018.6 2Q FY 2019.6 2Q FY 2020.6 2Q FY 2018.6 2Q FY 2019.6 2Q FY 2020.6 2Q 5 


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6 本日話すこと メルカリにおけるBI・UXリサーチの取り組み 1 BIとUXリサーチを統合した分析への取り組み 2

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7 メルカリにおけるデータ活用

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8 ビジネスインテリジェンスとUXリサーチ BI UXR 定量 定性 ・KPI設計、モニタリング ・A/Bテスト設計、検証 ・サービス全体の分析 ・グロースポイントの発見 ・カスタマー理解 ・インサイトの発見 ・アイディアの仮説検証 ・ユーザビリティ評価

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9 BI分析の事例 新規SellerMAU Xxxxx users 既存SellerMAU xxxx users + SellerMAU xxxxx users Brand New   xxxxusers Buy-Sell転換 xxxusers NonBuyer xxxx users + + 継続出品 xxxx users 短期リピート xxxx users カムバック xxxxusers + + KPIを改善可能な粒度に分解

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10 BI分析の事例    フレーム    ポイント Coupon等を用いたCRMのPlan / Check に使用 ✓ シンプルに保つことに注力 ✓ このフレームをチーム全体で用いて意識統 一を図った ✓ CRMの施策のフレームワークの設計

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11 ペルソナ設計 属性調査 行動調査 UXリサーチのパターン    探索型 検証型 顧客の理解、課題・インサイトの抽出 仮説先行型の機能の事前評価や磨き込み ユーザビリティ評価 コンセプト評価 価値分析 KJ法、スペクトラム法   KJ法 KA法、上位下位分析 ストーリーボード プロトタイピング 課題や状況に応じてて探索型と検証型のリサーチを使い分けている

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12 探索型リサーチ

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13 出品促進のためのUXリサーチ 出品経験があるか? 購 入 経 験 が あ る か ? ②EC的利用 ①ロイヤル ③不用品処分 ④離脱候補 Yes No Yes No カスタマーを2軸で整理してセグメント単位で調査 ライフスタイル ☑ メルカリの利用文脈 ☑ 出品に対する意識構造 ☑ 物に対する価値観 ☑ ☑ etc...

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14 出品促進のためのUXリサーチ 出品経験があるか? 購 入 経 験 が あ る か ? ②EC的利用 ①ロイヤル ③不用品処分 ④離脱候補 Yes No Yes No A B C D ①利用状況による分類 ②ペルソナ設計 施策1 ③施策件検討 施策2 施策3 施策4 ユーザインタビュー や行動観察などから セグメントを更に 分類してペルソナ化 ペルソナ単位で施策の アイディエーションを実 施

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15 未出品Buyerリサーチ 購入のみのカスタマーの出品転換施策 のためのUXリサーチを実施 カスタマージャーニー・ペルソナの作 成と出品インサイトの抽出

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16 仮説検証型リサーチ

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17 コンセプト評価の事例

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18 売れるかチェック機能 <売れるかチェック機能> 過去の商品データ から相場を表示 写真からAIが商品を 自動推定 出品アイテムの表示 ※現在一部の方に試験的に提供中

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19 コンセプト評価フロー デプスインタビュー×5人を3サイクルしてターゲットとコア機能と体験の見定め ①機能検討 ②コンセプト評価 ③データ分析 ④利用文脈の理解 ⑤プロトタイピング ⑥ユーザテスト    コンセプトの設計 UI/UXの設計

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20 コンセプト評価フロー デプスインタビュー×5人を3サイクルしてターゲットとコア機能と体験の見定め ①機能検討 ②コンセプト評価 ③データ分析 ④利用文脈の理解 ⑤プロトタイピング ⑥ユーザテスト    コンセプトの設計 UI/UXの設計 自信がもてるまで サイクルを回す

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21 ユーザビリティテスト事例

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23 事例:Mercari Post 売れた商品が人を介さずに発送できる無人投函ボックス ドラッグストア コンビニ 駅構内 様々な場所に設置予定 ☑ ☑ ☑

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24 事例:Mercari Post ダンボールで作成したモックでユーザビリティテストを実施 記録係 × 1 機械を代替する人 × 1 ※裏側に入って手動で伝票発行する人 インタビュアー × 1

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25 Mercari Post ユーザビリティテストの結果、様々な課題を発見 ・伝票の貼り付け方で迷いが生じる ・投函口が高いので恐る恐る投函 ・バーコード読取り画面に到達できない

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26 BIとUXRの統合

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27 BIとUXRの分析プロセスの統合 BI UXR BIとUXRは相互補完関係にある 問題が発生している原 因や構造の特定や文脈 の把握が得意 問題が発生している場 所の特定や施策インパ クトの見積もりが得意

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28 BIとUXRの分析プロセスの統合 目標設定 1 2 3 4   課題特定   施策設計 効果測定 BI BI&UXR UXD BI どの指標を改善する べきかのか? その指標はどこ で発生している 何の問題を解決 すれば改善する のか その問題はどう すれば解決でき るのか 施策の効果はど れくらいあったの か

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29 出品者数増加施策のケース

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30 どの指標を改善するべきか?(BI) 出品経験があるか? 購 入 経 験 が あ る か ?  EC的利用     ロイヤル  不用品処分  離脱候補 Yes No Yes No ①セグメントの規模感の調査 出品転換率 平均出品間隔 ②出品数増加に寄与する指標の設計 ③改善インパクト・難易度の算出 ☑ ☑ 出品継続率 ☑ 指標改善時の効果シミュレーション ☑ ☑数値改善の難易度の予測 ☑ 対象UUの把握

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31 指標を上げるにはどこを改善するべきか?(BI) 写真撮影 出品ボタン押下 説明文 配送方法 価格  出品 改善箇所によってその後リサーチや施策の方向性は大きく変わる 出品情報入力の UI/UXの改善 出品における 予期的UXの改善 そもそも出品に関する動き をしていない 出品しようとしたが途中に阻 害要因があって離脱 課題   改善の方向性 ファネル

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32 アンケート×行動ログで定性調査対象を決定 行動ログデータ活用による高精度なrecruiting アンケートによる課題の概要把握(not recruiting) ・出品に興味をもっているカスタマーの割合 ・出品のブロッカーになっている要素 (梱包・発送・コミュニケーションなど ) ・登録からの経過日数 ・直近の購買行動 ・累積購買件数など 1 2

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33 ペルソナ・ジャーニー・価値マップの構築(UXR)

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34 アイディエーション&エバリュエーション(UXR) ①機能検討 ②コンセプト評価 ③データ分析 ④利用文脈の理解 ⑤プロトタイピング ⑥ユーザテスト    コンセプトの設計 UI/UXの設計

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35 効果測定(BI) リリースした機能や施策に意図通りの効果が得られているかを検証 適切なA/Bテストの設計 正式機能としてのローンチ or 改善 or クローズの判断 統計的検定による効果検証 ☑ ☑ ☑

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36 まとめ メルカリでは定量・定性データの両方をプロダクト開発に活かしている BI・UXリサーチは相互補完関係にあり、組み合わせることで精度高い リサーチが可能になる BI・UXリサーチは関係性は密接なっていくと予想される