Slide 1

Slide 1 text

メタル スタックチャン を作ってみた JLCPCB 3DPrintingサービスのSLM-316L ステンレスで スタックチャン M5GoBottom版を作ってみました。 2022/10/23 紅樹 タカオ

Slide 2

Slide 2 text

自己紹介 ⚫ 名前 タカオ(Takao) Twitter:@mongonta555 ⚫ 職業 スタックチャン職人(自称) M5Stackのドキュメント要員 ⚫ BOOTHでスタックチャンM5GoBottom版組み立てキットを頒布しています。 (100人を超えるスタックチャンが旅立ちました。) https://mongonta.booth.pm

Slide 3

Slide 3 text

「M5Stack沼人の日記」というブログでJLCPCBの 3DPrintingサービスに関する記事も書いています。 ・JLCPCBの3Dプリントサービスを使ってみました。 ・ユーザ登録の方法と注文を出す手順 ・レジンを3種類比較してみました。 ・SLA(レジン8228,レジンBLACK), SLS(Nylon 3201PA-F)を試してみました。

Slide 4

Slide 4 text

使用したモデル • #スタックチャン M5GoBottom版(M5Stackの基板に合わせたシェルを用いたタイプ)をベース に金属用に修正を加えました。 • ベースモデル スタックチャンのリポジトリで公開しています。 https://github.com/meganetaaan/stack-chan フォルダ:case/contributed/mongonta_case_for_SG90_and_M5GoBottomBoard • 金属版 自分のリポジトリの[metal_for_m5gobottom]ブランチに上げています。(※開発中) https://github.com/mongonta0716/stack-chan/tree/metal_for_m5gobottom フォルダ:case/contributed/mongonta_case_for_SG90_and_M5GoBottomBoard

Slide 5

Slide 5 text

①M5Stack固定ボルト穴(M3) Φ3.0mm → 3.3mm ②基板固定用ネジ Φ1.6mm → 1.8mm ③サーボホーン固定用ボルト穴(M2) Φ2.0mm → 2.2mm スタックチャン M5GoBottom シェル 金属用変更点(v1)

Slide 6

Slide 6 text

①サーボ固定用ボルト穴(M2) Φ1.9mm → 2.2mm ②サーボ固定用ボルト穴(M2) Φ1.8mm → 2.2mm ③ブラケット底面 1.0mm → 1.5mm スタックチャン M5GoBottom ブラケット 金属用変更点(v1)

Slide 7

Slide 7 text

①サーボホーン固定用 ボルト穴(M2) Φ2.0mm → 2.2mm スタックチャン M5GoBottom 足 金属用変更点(v1)

Slide 8

Slide 8 text

レビューで指摘された点 • 壁が薄いので変形・割れ・折れのリスクがありますとの指摘が ありましたが、リスクを許容するのでそのまま印刷してくださ いと返事しました。 → 壊れていても補償されないのでその点は自己責任でお願いい たします。

Slide 9

Slide 9 text

出来上がりの写真(第一弾)

Slide 10

Slide 10 text

出来上がりの写真(第二弾)

Slide 11

Slide 11 text

① ② ③ 1回目(下部が内側に歪んでいた。) ①奥行 43.5mm → 43.49~43.62mm ②幅 55mm → 上:54.94~54.99mm 下:54.00~54.15mm ③高さ 55.0mm → 54.94~55.03mm 2回目(下部が外側に歪んでいた。) ①奥行 43.5mm → 43.47~43.67mm ②幅 55mm → 上:55.15~55.62mm 下:56.31~56.55mm ③高さ 55.0mm → 55.10~55.17mm スタックチャン M5GoBottom シェル 金属版 出来上がり寸法

Slide 12

Slide 12 text

スタックチャン M5GoBottom ブラケット 金属版 出来上がり寸法 ① ② ③ 2回目のみ ①奥行 41.5mm → 41.66~41.86mm ②幅 35.4mm → 35.35~35.60mm ③高さ 39.5mm → 39.52~39.72mm

Slide 13

Slide 13 text

① ② ③ 1回目 ①奥行 50.0mm → 50.01~50.03mm ②幅 54.0mm → 54.02~54.10mm ③高さ 8.2mm → 8.12~ 8.22mm 2回目 ①奥行 50.0mm → 49.99~50.07mm ②幅 54.0mm → 53.39~54.09mm ③高さ 8.2mm → 8.17~ 8.22mm スタックチャン M5GoBottom 足 金属版 出来上がり寸法

Slide 14

Slide 14 text

第一弾 メタル #スタックチャン の組み立て • 内側に1mm程度歪んでいた のでM5GoBottomの基板を 挟んで寸法を修正しました。 • ネジは基板を固定する小さ いボルトは使わず、 M5Stackを固定するM3を3 本のみで固定しました。 • ブラケットはPLAで3Dプリ ントしたものを利用したた め問題なし

Slide 15

Slide 15 text

• 外側に1~1.5mm程度歪んで いたのでM3のねじ止めは2か 所のみにしました。 • GoBottomの基板を付けると サーボの動きが悪くなったの で分解なし版にしました。 • シェルとブラケットの間に隙 間が無く30分格闘してやっと ハマる。 →サーボの軸が折れそうだっ た 第二弾 フルメタル #スタックチャン の組み立て

Slide 16

Slide 16 text

後加工した箇所 • M1.6,M2,M3の穴数か所にバリがあったので、鉄工ドリル刃で 加工 小さい穴だとバリは有り得るので加工の準備はしておいた方が良いかもし れません。(かなり硬いので十分注意しながらドリル刃を使いましょう) M1.6の穴はドリル刃が無かったのと、折れそうなので諦めました。 • 頭に付けるHATがハマらなかったのでヤスリで削った。 これは寸法調整で小さくしておき何か挟んで調整すれば対処できます。

Slide 17

Slide 17 text

メタル #スタックチャン の体重

Slide 18

Slide 18 text

第三弾、改良版のv2 shell シェルが2回とも歪んでしまったため、改良点を洗い出して変更 を加えました。

Slide 19

Slide 19 text

1.歪み防止に梁を追加 2.ブラケットと合わせやすい ようにサーボホーン固定部分 の形状を変更 シェルの改良点①

Slide 20

Slide 20 text

3.四隅のガイドを無くした。 シェルの改良点②

Slide 21

Slide 21 text

出来上がりの写真(第三弾)

Slide 22

Slide 22 text

① ② ③ ①奥行 43.5mm → 43.49~43.65mm ②幅 55mm → 55.07~55.32mm ③高さ 55.0mm → 55.10~55.30mm 第三弾 改良版シェル 金属版 出来上がり寸法

Slide 23

Slide 23 text

• M3ネジ四隅は問題なく固定 できた。 • 梁を追加した分さらに剛性が 増し、ブラケットがハマらな くなった。 →サーボホーンを薄くして対 応。 • 後加工は無し (サーボホーンのみ) 第三弾 改良版シェルの組み立て

Slide 24

Slide 24 text

改良版シェルで動いている様子

Slide 25

Slide 25 text

まとめ

Slide 26

Slide 26 text

メタルスタックチャン をJLCPCBに出してみた感想 • ネジやボルトを通す穴は直径を+0.3~0.5mmぐらい拡げたほうが安全 緩い場合は調整できるが、狭いと後加工できません。 • 薄い壁のコの字型ケースは変形する可能性大。 スタックチャン のシェル(壁厚1.8mm)は2回発注しましたが両方とも歪んでいました。 → 梁の追加やサポート材の設計で対処できる可能性あり • シェル以外の部品に歪みはありませんでした。 • 寸法や厚みは歪んだ部分を除くと大体元の寸法より大きくなり-0.06mm~ 0.67mm程度の誤差があります。

Slide 27

Slide 27 text

金属プリントを出す際の注意(1/2) • プラスチックの柔らかさを利用して組み立てる部品の場合、ギリギリの寸法で出すと遊 びが無いので組み立てが大変。 →金属同士を組み合わせる際は、接続部分に隙間を作成し、スペーサーを使って調整す るようにした方がいいかもしれません。 • 金属パーツとプラスチックパーツを組み合わせればある程度はそのままの設計で行ける。 例、シェルと足を金属、ブラケットをプラスチックなど ※ その際、プラスチックは削れることに注意 • 木ネジでタッピングはできないのでボルトとナットの組み合わせで固定できるように設 計変更が必要

Slide 28

Slide 28 text

金属プリントを出す際の注意(2/2) • 壁厚は1.5mm以上(3.0mmあれば変形リスクは減りそう) • ネジやボルトで使用する穴は2.0mm以下のものは厳しい 後加工でヤスリも使いづらくドリルも折れる可能性大

Slide 29

Slide 29 text

値段 パーツ 体積(㎤) 値段($) シェル 12.56 39.30 足 17.55 54.96 送料(*) 7.87 合計 102.13 パーツ 体積(㎤) 値段($) シェル 12.56 39.08 足 17.55 54.69 ブラケット 13.61 42.36 猫耳HAT 3.22 10.32 LCD HAT 6.08 18.99 StickV HAT 6.95 21.75 送料:Fedex 21.44 合計 208.63 ※ 後日、Fedexから請求があり、別途¥2,500 税関での消費税(¥1,500)と手数料 (¥1,000) ・第一弾 メタル スタックチャン ・第二弾 フルメタル スタックチャン * Economical Global Direct Line パーツ 体積(㎤) 値段($) シェル 12.7 39.04 送料(*) 4.52 合計 43.56 ・第三弾 シェル改良版 * Economical Global Direct Line $146.45

Slide 30

Slide 30 text

ご清聴ありがとうございました https://protopedia.net/prototype/2345 #スタックチャン はオープンソースの コミュニケーションロボットです。 気になった方は↓