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デイリースクラムの”守破離” (日々をより楽しく有意義にするヒント) 佐藤 正大(@m3hiro3 | 株式会社ビットキー) 2023/01/12 - Regional Scrum Gathering Tokyo 2023

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佐藤 正大 株式会社ビットキー - Manager of VPoE Office - Manager of bitkey platform 佐藤 正大、写真 @m3hiro3 | まさひろさん

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佐藤 正大、写真 佐藤 正大 株式会社ビットキー ↑農業IoTスタートアップで PO 兼 SM ↑マーケティングSaaS スタートアップで  大規模スクラムに我流で挑戦 ↑SIer でウォーターフォールな開発

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佐藤 正大、写真 スクラムマスター、アジャイルコーチ的に、組織 設計やファシリテーションをしてきた経験をベー スに、”デイリースクラム”のお話しをします。 佐藤 正大 株式会社ビットキー ↑農業IoTスタートアップで PO 兼 SM ↑マーケティングSaaS スタートアップで  大規模スクラムに我流で挑戦 ↑SIer でウォーターフォールな開発

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私の個人的な想いとして、上記をよく考えます。 毎日の朝会 / デイリースクラム、毎週の振り返り / レトロスペクティ ブなどを、ポジティブに楽しく活発にすることは、生産性や効率を高 め、企業や個人・プロダクトの優位性を高めると思っています。 頻度の高いイベントこそ楽しく

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Discord、Twitter、はてぶ 等でコメントいただいた皆様、誠にありがとうございました…! 2022年10月に開催のXP祭りでは”振り返り”のお話をしましたので、もしよければ ←スライドがリンク   になってます ↓こちらからでも

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デイリースクラムの”守破離” (日々をより楽しく有意義にするヒント) 佐藤 正大(@m3hiro3 | 株式会社ビットキー) 2023/01/12 - Regional Scrum Gathering Tokyo 2023

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お話の前提 #0 もし会社のことを知りたくて参加/参照いただいてる 方がいらっしゃいましたら、大変申し訳ございません。 必要に応じてRSGT会場でのスポンサーブースへお越しい ただくか、カジュアル面談(資料末尾にリンク)からお声か けください。 こんなことを考えているスクラムマスターがいるよ という発表だと思っていただけますと幸いです。 1) Bitkeyのスポンサーセッションですが Bitkeyの事例は紹介していません

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『A SCRUM BOOK』という翻訳書が出版されていない 書籍を参照しています。 可能な限り文意に沿うように訳していますが、専門家の 方からはご指摘があるかもしれません。不安に思う部分 は、英語表現を残しています。 お話の前提 2) 翻訳(和訳)にツッコミがあるかも #0

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3) それ、もうスクラムじゃないじゃん というご意見があるかも お話の前提 特に、守破離の”離”ではいろんなパターンを紹介してま す。 デイリースクラムの枠、ルールを超えていると捉えられ る可能性もありますが、あくまで提案としてお聞きいた だけたら嬉しいです。 #0

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目線合わせ そもそも デイリースクラム とは?

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- デイリースクラムの⽬的は、計画された今後の作業を調整しながら、スプリントゴールに対する進捗を検査 し、必要に応じてスプリントバックログを適応させることである。 - デイリースクラムは、スクラムチームの開発者のための 15 分のイベントである。複雑さを低減するために、 スプリント期間中は毎⽇、同じ時間・場所で開催する。プロダクトオーナーまたはスクラムマスターがスプリ ントバックログのアイテムに積極的に取り組んでいる場合は、開発者として参加する。 - 開発者は、デイリースクラムがスプリントゴールの進捗に焦点をあて、これからの 1 ⽇の作業の実⾏可能な計 画を作成する限り、必要な構造とやり⽅を選択できる。これは集中を⽣み出し、⾃⼰管理を促進する。 - デイリースクラムは、コミュニケーションを改善し、障害物を特定し、迅速な意思決定を促進する。その結 果、他の会議を不要にする。 - 開発者が計画を調整できるのは、デイリースクラムのときだけではない。スプリントの残りの作業を適応また は再計画することについて、より詳細な議論をするために、開発者は⼀⽇を通じて頻繁に話し合う。 スクラムガイドへの記載

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- デイリースクラムの⽬的は、計画された今後の作業を調整しながら、スプリントゴールに対する進捗を検査 し、必要に応じてスプリントバックログを適応させることである。 - デイリースクラムは、スクラムチームの開発者のための 15 分のイベントである。複雑さを低減するために、 スプリント期間中は毎⽇、同じ時間・場所で開催する。プロダクトオーナーまたはスクラムマスターがスプリ ントバックログのアイテムに積極的に取り組んでいる場合は、開発者として参加する。 - 開発者は、デイリースクラムがスプリントゴールの進捗に焦点をあて、これからの 1 ⽇の作業の実⾏可能な計 画を作成する限り、必要な構造とやり⽅を選択できる。これは集中を⽣み出し、⾃⼰管理を促進する。 - デイリースクラムは、コミュニケーションを改善し、障害物を特定し、迅速な意思決定を促進する。その結 果、他の会議を不要にする。 - 開発者が計画を調整できるのは、デイリースクラムのときだけではない。スプリントの残りの作業を適応また は再計画することについて、より詳細な議論をするために、開発者は⼀⽇を通じて頻繁に話し合う。 スクラムガイドへの記載 💡こちらの読み合わせではなく、2017年版との比較から、目線合わせをさせてください

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スクラムガイド2017と2020の変更点 デイリースクラムの節に関する記述 2017 2020 文字数 958 465

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スクラムガイド2017と2020の変更点 デイリースクラムの節に関する記述 2017 2020 文字数 958 465 スプリントゴールに対する進捗の検査であること あり あり コミュニケーションの改善、障害物の特定を意図すること あり あり 迅速な意思決定を促進する場であること あり あり

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スクラムガイド2017と2020の変更点 デイリースクラムの節に関する記述 2017 2020 文字数 958 465 スプリントゴールに対する進捗の検査であること あり あり コミュニケーションの改善、障害物の特定を意図すること あり あり 迅速な意思決定を促進する場であること あり あり 15分、毎日、同じ場所・時間 あり あり

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スクラムガイド2017と2020の変更点 デイリースクラムの節に関する記述 2017 2020 文字数 958 465 スプリントゴールに対する進捗の検査であること あり あり コミュニケーションの改善、障害物の特定を意図すること あり あり 迅速な意思決定を促進する場であること あり あり 15分、毎日、同じ場所・時間 あり あり スクラムマスターがチームに対して促すこと あり なし

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スクラムガイド2017と2020の変更点 デイリースクラムの節に関する記述 2017 2020 文字数 958 465 スプリントゴールに対する進捗の検査であること あり あり コミュニケーションの改善、障害物の特定を意図すること あり あり 迅速な意思決定を促進する場であること あり あり 15分、毎日、同じ場所・時間 あり あり スクラムマスターがチームに対して促すこと あり なし 構成/進行方法はチームで決定して良いこと あり あり 構成/進行方法の例としての”3つの質問” あり なし

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スクラムガイド2017と2020の変更点 デイリースクラムの節に関する記述 2017 2020 文字数 958 465 スプリントゴールに対する進捗の検査であること あり あり コミュニケーションの改善、障害物の特定を意図すること あり あり 迅速な意思決定を促進する場であること あり あり 15分、毎日、同じ場所・時間 あり あり スクラムマスターがチームに対して促すこと あり なし 構成/進行方法はチームで決定して良いこと あり あり 構成/進行方法の例としての”3つの質問” あり なし

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1. 開発チームがスプリントゴールを達成するために、私が昨日やったことは何か? 2. 開発チームがスプリントゴールを達成するために、私が今日やることは何か? 3. 私や開発チームがスプリントゴールを達成する上で、障害となる物を目撃したか? ”3つの質問”

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変更の背景 - 変更の観点は、7つあると記載されています。”3つの質問”が削除された 背景は「指⽰的な部分を削減(Even less prescriptive)」という観点で 言及されています。 - スクラムガイドは時間が経つにつれて少し指⽰的なものになっていた。2020 年版では、指 ⽰的な表現を削除または緩和して、スクラムを最⼩限かつ⼗分なフレームワークに戻すこと を⽬的としている。たとえば、デイリースクラムの質問の削除、PBI(プロダクトバックログ アイテム)の属性に関する記述の緩和、スプリントバックログにあるレトロスペクティブの アイテムに関する記述の緩和、スプリントの中⽌のセクションの削減などを実施した。 💡スクラムを最小限・十分なフレームワークにするために、”3つの質問”は削除されたそうです

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- スクラムガイド2020の変更点に対する 著者2名のQ&Aの記事があります - ”指示的な部分を削減”したことに際しては、「ルールブック」と「プレイ ブック」という考え方で補足しています(Jeff Sutherland氏)。 変更に際して

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プレイブックとして、『A SCRUM BOOK』 副題は、The Sprint of the Game (選手やチームがゲームで実行する可能性のあるプレーを説明する本) ルールブックとして、『The Scrum Guide』 副題は、The Rules of the Game (特定の仕事、組織、または分野で従うべき規則または行動基準) ルールブックとプレイブック

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ルールブックとプレイブック(アメフトの例)

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あえて”3つの質問”から考察 ”3つの質問”をベースにデイリースクラムを構成しているチームが多い と予想されるため、ここから考えることがデイリースクラムをよりよ くする近道になると考えています。 本発表では、”3つの質問”をベースに、守破離を考察します。

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Based on the three questions 破 離 守

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Based on the three questions 破 離 守

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守り:”3つの質問” に対する解像度を高 める

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- 解像度を高めるために、ルールブックではなくプレイブックを参照します プレイブックとしての『A SCRUM BOOK』 第29項に、”Daily Scrum”が記載されています プレイブックからみるデイリースクラム

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プレイブックからみるデイリースクラムの「必要性」 - スプリントプランニングで作成された計画は、すぐに陳腐化(obsolete)する - 作業の複雑さ、特性、サイズ、量、頻繁に変化する(時に分単位で…!) - 代替案、未知の知識、隠れたタスク、誤解された要件、依存関係、ブロッカーが出現する - だからこそ、少なくとも1日1回は、作業の再考(適応)が必要である - 個人の意思決定はすぐできるが、チームの意思決定はそうじゃない - チームで合意を得る(意思決定する)ことには、時間が必要だから - ある問題をチーム全体に提起する機会、時間を作るのも難しい - だからこそ、少なくとも1日1回は、作業の再考(適応)が必要である

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- スプリントゴールを達成できるか?を常に目的にする - ”3つの質問”の全てに「スプリントゴールを達成するため」と繰り返される - 開発チームがスプリントゴールを達成するために、私が昨日やったことは何か? - 開発チームがスプリントゴールを達成するために、私が今日やることは何か? - 私や開発チームがスプリントゴールを達成する上で、障害となる物を目撃したか? - 目的を達成するために - その日の新しい計画は、現実味のあるもの(grounded in reality)にする - より協力がしやすいチーム(a team that is more prone to cooperate)を目指す - 毎日の検査と適応において、立ち返るべきであり、チームとしてイメージを高めるべき プレイブックからみるデイリースクラムの「精神(ethos)」

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プレイブックからみるデイリースクラムの「副次効果」 - 効率を高める - 無駄な時間を減らす - 相互のタスクを知ることで、調整の機会を獲得する - 知識の共有と、知識のギャップの特定を促進する - チームの雰囲気や文化を好転させる - 全体の緊迫感を高める - 日々検証できている状況から、開発者同士の信頼と誠実さを促進する - 共通の体験により、開発チームの文化を強化する

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デイリースクラム、 しっかりとできてますか? 守破離の”守”の 目線合わせでした

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破 守 離 Based on the three questions

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破 守 離 Based on the three questions 達成と醸成

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破り:”3つの質問”に別 解釈を添える

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- ここから、独自の考察、提案です - デイリースクラムをよりよくするキーワードは「ストーリー」です それは、「ストーリー」としての解釈

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- ここから、独自の考察、提案です - デイリースクラムをよりよくするキーワードは「ストーリー」です - 視点は、3つあります 1. 私のストーリー 2. 私とあなたのストーリー 3. チームのストーリー それは、「ストーリー」としての解釈

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- ここから、独自の考察、提案です - デイリースクラムをよりよくするキーワードは「ストーリー」です - 視点は、3つあります 1. 私のストーリー ←これを一番丁寧に解説します 2. 私とあなたのストーリー 3. チームのストーリー それは、「ストーリー」としての解釈

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた そのアレしたことは 予定されていたこと? 差し込まれてしまったこと? 新しい発見や気づ きはあったの? 何が達成 できたの?

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日を踏まえての ”コレ”なの? 他の人の作業との 兼ね合いはどう? 何が出来上がるの?

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた どのような背景、 どういう状況で みつけたの? 誰にとっての 課題? (チームの課題で はあるが)

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた ストーリーあり

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日の朝の予定では + 帰りまでの実績では ストーリーあり 予実で考える。 予実の差分に発見があるはず。

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日の朝の予定では + 帰りまでの実績では ストーリーあり だから

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日の朝の予定では + 帰りまでの実績では ストーリーあり 今日はコレする (のがいいと思ってるが みんなはどう思う?) だから 予実からの気づきを 反映させる 他メンバーとの 調整の可能性を含む

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日の朝の予定では + 帰りまでの実績では ストーリーあり 今日はコレする (のがいいと思ってるが みんなはどう思う?) だから ただし

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日の朝の予定では + 帰りまでの実績では ストーリーあり 今日はコレする (のがいいと思ってるが みんなはどう思う?) スプリントゴールを 達成したい私には こんな課題がある だから ただし 前2つを踏まえる

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- ”私のストーリー”として解釈することで、予実からの発見があると考えてい ます。反対に、ストーリーがないと、”3つの質問”への回答は漫然としたも のになりがちかもしれません。 ”私のストーリー”として解釈する 昨日はアレした ストーリーなし 今日はコレする 課題みつけた 昨日の朝の予定では + 帰りまでの実績では ストーリーあり 今日はコレする (のがいいと思ってるが みんなはどう思う?) スプリントゴールを 達成したい私には こんな課題がある だから ただし 昨日の予定から始まるストーリー、予実からの発見がある

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まずは、私 昨日があって 今日がある だからX ただしY という ストーリー

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- ”私とあなたのストーリー”として解釈することで、気持ちが伝えやすくなる と考えています。 - 例えば、「イライラした」「悲しかった」という私の”負の感情のストーリー”は、スプリン トゴール達成に向けた課題といえます。積極的に伝えるべきです。しかし、他のメンバー(あ なた)が同じ気持ちでいるとは限りません。”私のストーリーと、あなたのストーリーは別で ある”と捉え、課題として伝えるのがよいと思っています。 ”私とあなたのストーリー”として解釈する

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- ”私とあなたのストーリー”として解釈することで、気持ちが伝えやすくなる と考えています。 - 例えば、「イライラした」「悲しかった」という私の”負の感情のストーリー”は、スプリン トゴール達成に向けた課題といえます。積極的に伝えるべきです。しかし、他のメンバー(あ なた)が同じ気持ちでいるとは限りません。”私のストーリーと、あなたのストーリーは別で ある”と捉え、課題として伝えるのがよいと思っています。 ”私とあなたのストーリー”として解釈する 負の感情の ストーリー

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- ”私とあなたのストーリー”として解釈することで、気持ちが伝えやすくなる と考えています。 - 例えば、「イライラした」「悲しかった」という私の”負の感情のストーリー”は、スプリン トゴール達成に向けた課題といえます。積極的に伝えるべきです。しかし、他のメンバー(あ なた)が同じ気持ちでいるとは限りません。”私のストーリーと、あなたのストーリーは別で ある”と捉え、課題として伝えるのがよいと思っています。 ”私とあなたのストーリー”として解釈する 負の感情の ストーリー 同じ感情である とは限らない

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- ”私とあなたのストーリー”として解釈することで、気持ちが伝えやすくなる と考えています。 - 例えば、「イライラした」「悲しかった」という私の”負の感情のストーリー”は、スプリン トゴール達成に向けた課題といえます。積極的に伝えるべきです。しかし、他のメンバー(あ なた)が同じ気持ちでいるとは限りません。”私のストーリーと、あなたのストーリーは別で ある”と捉え、課題として伝えるのがよいと思っています。 ”私とあなたのストーリー”として解釈する 負の感情の ストーリー 積極的に課題として伝える (感情は異なる前提で) 同じ感情である とは限らない

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私のストーリーにある”負の感情”を大切に ただし”あなたのストーリー”と同一ではない

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- ”チームのストーリー”と解釈することで、レバレッジを高めることができる と考えています。 - 「喜びは2倍に、苦しみは2分の1に」。日本の結婚式で、よく言われることの一つです。 夫婦になることの心構えを説明した良い言葉だと思っています。チームでも同様です。 ”チームのストーリー”として解釈する

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- ”チームのストーリー”と解釈することで、レバレッジを高めることができる と考えています。 - 「喜びは2倍に、苦しみは2分の1に」。日本の結婚式で、よく言われることの一つです。 夫婦になることの心構えを説明した良い言葉だと思っています。チームでも同様です。 ”チームのストーリー”として解釈する 達成(喜び)はチームで称賛を

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- ”チームのストーリー”と解釈することで、レバレッジを高めることができる と考えています。 - 「喜びは2倍に、苦しみは2分の1に」。日本の結婚式で、よく言われることの一つです。 夫婦になることの心構えを説明した良い言葉だと思っています。チームでも同様です。 ”チームのストーリー”として解釈する 達成(喜び)はチームで称賛を 課題(苦しみ)はチームで考える

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喜びは N倍に 苦しみは N分の1 に それがチームのストーリー

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守 離 破 Based on the three questions 達成と醸成

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守 離 破 Based on the three questions 達成と醸成 ストーリー

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離れ:”3つの質問”から 観点を減らしたり加え たり

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- scruminc.のブログに「デイリー スクラム ミーティングで 3 つの質問がある のはなぜですか?」という記事があります。この中では”3つの質問”に変わ る構成/進行方法の例が紹介されています。 究極の質問 - “3つの質問”ではないパターン

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- scruminc.のブログに「デイリー スクラム ミーティングで 3 つの質問がある のはなぜですか?」という記事があります。この中では”3つの質問”に変わ る構成/進行方法の例が紹介されています。 - "Why is the top story not finished already?" - 最上位のストーリーが終わっていないのはなぜ? - "How can every person on the team help finish it today?" - 今日中に完成させるために、チームの一人ひとりがどうすればいい? 究極の質問 - “3つの質問”ではないパターン

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- scruminc.のブログに「デイリー スクラム ミーティングで 3 つの質問がある のはなぜですか?」という記事があります。この中では”3つの質問”に変わ る構成/進行方法の例が紹介されています。 - "Why is the top story not finished already?" - 最上位のストーリーが終わっていないのはなぜ? - "How can every person on the team help finish it today?" - 今日中に完成させるために、チームの一人ひとりがどうすればいい? 究極の質問 - “3つの質問”ではないパターン 💡上記のシンプルな質問から、フリーディスカッションをするのは、究極の”離れ”かもしれません

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- 先ほどの”破”で紹介したストーリーという考え方から派生させて、 ”4つ目の質問”として「チームへの提案/依頼はありますか?」と 加えるのをお勧めします ”4つ目の質問”としての「提案・依頼」

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- 先ほどの”破”で紹介したストーリーという考え方から派生させて、 ”4つ目の質問”として「チームへの提案/依頼はありますか?」と 加えるのをお勧めします ”4つ目の質問”としての「提案・依頼」 昨日はこうだった (予実を伝える) 今日はこうする (どうだろうか) こんな課題がある (発見した) だから ただし

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- 先ほどの”破”で紹介したストーリーという考え方から派生させて、 ”4つ目の質問”として「チームへの提案/依頼はありますか?」と 加えるのをお勧めします ”4つ目の質問”としての「提案・依頼」 昨日はこうだった (予実を伝える) 今日はこうする (どうだろうか) こんな課題がある (発見した) だから ただし だから 提案/依頼があります (こうしたらどう?)

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- 先ほどの”破”で紹介したストーリーという考え方から派生させて、 ”4つ目の質問”として「チームへの提案/依頼はありますか?」と 加えるのをお勧めします ”4つ目の質問”としての「提案・依頼」 昨日はこうだった (予実を伝える) 今日はこうする (どうだろうか) こんな課題がある (発見した) だから ただし だから 提案/依頼があります (こうしたらどう?) 💡デイリースクラムに必要な”意思決定”を加速させるために、提案/依頼を質問に入れるのもアリです

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- 提案・依頼は、難しいもの、億劫なものと考えがちですが、意外とパターン は多くない気がしています。 - 「教えて」 →知ってる人はいませんか - 「一緒にやろう」 →ペアプロしましょう - 「議論しよう」 →誰と誰で議論するか決めましょう - 「確認して」 →POや、Managerに動いてもらおう - 「決めて/指示して」 →同上 - 「棚上げしよう」 →切り出して、チケットにしておこう 「提案・依頼」のパターン

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- 提案・依頼は、難しいもの、億劫なものと考えがちですが、意外とパターン は多くない気がしています。 - 「教えて」 →知ってる人はいませんか - 「一緒にやろう」 →ペアプロしましょう - 「議論しよう」 →誰と誰で議論するか決めましょう - 「確認して」 →POや、Managerに動いてもらおう - 「決めて/指示して」 →同上 - 「棚上げしよう」 →切り出して、チケットにしておこう 「提案・依頼」のパターン 💡提案する文化を醸成すると良いかもです。これらの構造化は、私もトライしてみる予定です。

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- 『Trillion Dollar Coach(1兆ドルコーチ)』という書籍にある一説です。 - Googleで毎週月曜に開催されるスタッフミーティングでは、一人一人が週末に何をしたか? という問いから話し始めるそうです。人間的に接することは、学術的に「社会情動的コミュ ニケーション」と呼ばれ、パフォーマンスと相関があるそうです。 - 目的は2つ。 1. チームメンバーが、家庭や仕事外の興味深い生活を持つ人間同士として、 お互いを知り合えるようにすること 2. 全員が特定の職務の専門家や責任者としてだけでなく、一人の人間として、 最初から楽しんでにミーティングに参加できるようにすること 「旅の報告から始める」

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- 『Trillion Dollar Coach(1兆ドルコーチ)』という書籍にある一説です。 - Googleで毎週月曜に開催されるスタッフミーティングでは、一人一人が週末に何をしたか? という問いから話し始めるそうです。人間的に接することは、学術的に「社会情動的コミュ ニケーション」と呼ばれ、パフォーマンスと相関があるそうです。 - 目的は2つ。 1. チームメンバーが、家庭や仕事外の興味深い生活を持つ人間同士として、 お互いを知り合えるようにすること 2. 全員が特定の職務の専門家や責任者としてだけでなく、一人の人間として、 最初から楽しんでにミーティングに参加できるようにすること 「旅の報告から始める」 💡スプリントゴールに直結しないとも思われるコミュニケーションを   あえて”質問”に加えることで、よい”離れ”を実現できるかもしれません

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”3つの質問”から、離れるアイデアを一考する

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守 破 Based on the three questions 達成と醸成 ストーリー 離

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守 破 Based on the three questions 達成と醸成 離 Nつの質問 ストーリー

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Based on the three questions 破 離 守 達成と醸成 Nつの質問 ストーリー

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立ち返り そもそも デイリースクラム とは?

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- スクラムは「経験主義」と「リーン思考」に基づいている。 - 経験主義では、知識は経験から⽣まれ、意思決定は観察に基づく。 - リーン思考では、ムダを省き、本質に集中する。 スクラムの理論 💡デイリースクラムは”意思決定”の場であり、毎日”本質”に立ち返る、立ち戻る場ですね。

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私の個人的な想いとして、上記をよく考えます。 毎日の朝会 / デイリースクラム、毎週の振り返り / レトロスペクティ ブなどを、ポジティブに楽しく活発にすることは、生産性や効率を高 め、企業や個人・プロダクトの優位性を高めると思っています。 頻度の高いイベントこそ楽しく

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頻度の高いイベントこそ、特別なものに

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デイリースクラムの”守破離” (日々をより楽しく有意義にするヒント) 佐藤 正大(@m3hiro3 | 株式会社ビットキー) 2023/01/12 - Regional Scrum Gathering Tokyo 2023 カジュアル面談・雑談・ワイワイ→