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チームによい提案をするには @kasumi8pon 2021/09/18 XP祭り2021

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自己紹介 @kasumi8pon いくつかの職を経たのち 2020/1/1 ~ ESM, inc で アジャイルな受託開発 2年目 約1年半で現在 5 つめのチーム

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チームに提案をしたくなるとき こんなことを考えた経験はありませんか? ● チームにアジャイルプラクティスを取り入れたい ● 最近流行ってる新しい方法を試してみたい ● 新しく入ったチームでこんなやり方をしてるけど、こっちの 方がやりやすくないかな? そのまま口に出してみたら、 あなたのチームはどういう反応をする?

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とあるチームでは… ① 「バージョンが古いまま止まっているライブラリが多くあるの で、定期的にバージョンアップ作業をやる時間をとりません か?」 「まとまった時間をとるのは難しいですが、少しずつ時間をとっ てやってみましょう!」 受け入れてもらえた

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とあるチームでは… ② 「プルリクエストやコミットメッセージに仕様についての情報が 少なくて、レビューが難しいです。こんなプルリクエストテンプ レートを使ってみませんか?」 「とりあえず使いたい人が使ってみましょうか」 その後結局定着せず わかってもらえなかった

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相手の反応とその理由を考える 「いいね!取り入れてみよう」 「よく知らないけど、とりあえずやってみよう!」 「うーん、忙しいんだけど…。時間取られたりしないかなあ?」 いろんな反応がある。理由を想像してみよう

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受け入れてもらえたケース ● バージョンアップの必要性はみんな認識していた ● やりたいけど時間が取れずできなかった ● 少しずつ進めるという方法が今のチームにあっていた

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受け入れてもらえなかったケース ● すでに長いことチームにいた人は、仕様をほとんど知って いるので必要性を感じてもらえなかった ● テンプレートを使うと記述量が増える

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いろいろな背景がある ● 提案された方法を知っているか ● その方法の効果を知っているか ● その効果がチームの現状に必要だと感じているか ● 現状を変えたいと思っているか ● 提案する側とされる側の間に信頼関係があるか 提案が受け入れられにくい環境でどうすればいいか?

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よりよい提案の方法を考えてみる

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3ステップで考えてみる 1. 提案の前に 2. 提案するとき 3. 提案が受け入れられた後も 番外編 ● 提案を受ける側としてできること

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提案の前に ● 提案が受け入れられやすい下地をつくる ○ 課題を共有する ○ 提案するタイミングをうかがう

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課題を共有する ● なんのために提案するかをわかってもらう ○ 現状に問題を感じているから ○ よりよい方向に進みたいから ● この気持ちが共有できていないと、提案を受け入れるの は難しい ● 課題を共有できていない状態の提案は、逆効果になる可 能性さえある

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課題を共有するには ● 自分が困っていることを伝える ○ 「○○に困っています」 ● 他のひとも困っているならば、それを引き出す ○ 「○○に困っていませんか?」 ● 問題対私たちの構図を目指す

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提案するタイミングをうかがう ● 同じことを提案するのでも、ときによって結果が変わりうる ○ 最近その提案によって解決できる課題に関する問題 が起きた ○ 信頼関係ができているかどうか

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提案するとき ● 課題と価値を伝える ○ 何を解決したい提案なのかを伝える ○ チームにとっての価値を伝える

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課題と価値を伝える ● どっちの方が受け入れられやすいだろう? ○ 「朝会やってみませんか?」 ○ 「最近コミュニケーションが取れていなくて、認識のず れから作業に手戻りが発生することがあって困ってい ます。認識のずれを減らすために、朝会を導入して、 毎朝チームの現状を共有してみませんか?」

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何を解決したい提案なのかを伝える ● 提案が通らなかったとき、原因がわかる ○ 解決したいことには同意だけれど、手段が受け入れら れないこともある ○ 手段がダメなら別の道がある ○ 別の道を閉ざさないために、目的を共有する

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チームにとっての価値を伝える ● それを導入することによる効果を伝える ● これまでに起こったことから具体例を挙げて、この問題が 解決できる、と伝える ● その立場の人が求めている効果を伝える ○ プログラマ、チームリーダー、プロダクトマネージャー... などなど

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提案が受け入れられた後も ● 提案の効果を計測する

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受け入れられた提案の効果を確認する ● 効果がなければ、それを認める必要がある ○ 手段にこだわりすぎない ○ 次につなげる ● 効果があっても、それを認める ○ チームにとっての成功体験 ● ふりかえりが効果の確認によい場になる

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提案を受ける側としてできること ● よい提案ができるように手助けする

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よい提案ができるように手助けする ● 否定から入らない ● 言葉が不足している場合は、情報を引き出す

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まとめ

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まとめ ● チーム状況によっては提案が受け入れられづらいことも ある ● 提案するときは、その前後もセットで考える ● 課題を共有することに重点を置く ● 自分が提案をうける側になった場合、よい提案になるよう に情報を引き出す