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開発基礎 開発工程と非エンジニアとエンジニアのコミュニケーション

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・一般的な開発工程を理解できること ・新規事業の開発の特性を理解できること ・開発者と共にプロダクト開発を進めるイメージを持つことができること ・良くあるプロダクト開発失敗例を知り、失敗確率を下げること 本講義のゴール

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自己紹介 ・2011-2014年: TIS株式会社(SIer) 基幹業務システムの導入コンサル ・2014-2021年:フリーランスのWebエンジニア TechCamp、ペライチ、ブクマ!の立ち上げなど ・YOJO Technologies(現職) エンジニアマネージャー兼エンジニア

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開発基礎 一般的な開発工程

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昔ながらの一般的な開発工程(V字モデル)

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使われないシステムを2億かけて作った話 ● 大手医療機器メーカー経営分析基盤構築の会計PM ● 経営陣とシステム要件定義 ○ 海外子会社30社の経営情報を集約して分析したい ○ 海外子会社からの情報収集基盤もないので構築したい ● 1年かけて分析基盤と子会社からの情報収集基盤作成完了! 運用・導入へ! =>いざ海外子会社に出向いて導入説明 =>大反発!!!(こんな面倒なことはできないと言われた)

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開発工程の最重要箇所は? ・前工程への後戻りは非常に難しい ・システムと業務の境界線に落とし穴が多 い ・事業・業務とシステムとのつなぎ役は皆 さんの力が必要です! ・各工程でのゴール・費用感・納期を開発 者と相談して進めればOK

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開発基礎 YOJOでの新規事業開発例の紹介

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YOJOの漢方事業紹介

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YOJOの漢方事業紹介

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● サプリを新たに販売してみてはどうか ○ 漢方のみで解決できる悩みは限られている ○ 解約の最も大きい理由は効果を実感できないから。漢方以外の商材があれば患者さんにより長く 使っていただけるのではないか。 ○ 漢方の市場に比べてサプリの市場は大きくより多くの患者さんに価値を届けることができるので は。 ● ユーザヒアリングの結果 ○ 現在、漢方を買ってもらっている方々の多くはサプリを YOJOで販売した場合に試してみたいと回答 してくれた! YOJOの新規事業開発事例

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企画・要件定義例(どんな価値を提供するのか)

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要件定義例(何をつくるのか:タスクフロー)

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要件定義例(何をつくるのか:タスクフロー)

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要件定義例(具体的にどう作るのか詰める)

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要件定義例(具体的にどう作るのか詰める)

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開発基礎 新規事業開発の注意点

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今日特に強調してお話ししたいこと ● MVPで小さく作ろう! ● まずは小さく自分で作ってみよう!

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新規事業の改善サイクル

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全ては仮説! ● 本当にYOJOの既存ユーザさんは興味を持ってくれるのか?(買っても良いなとお金を出して買うは 全然違う) ● ドラッグストアや既存のサプリサブスクサービスがある中で広告費をどの程度かければサプリ目当 ててでYOJOに登録してくれるのか、買ってくれるのか(儲かるのか) ● サプリを提案することでYOJOを退会する人たちがどれくらい減ってくれるのだろうか ● サプリメントの体質チェックや薬剤師さんとの相談にどの程度価値を感じてくれる? etc

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サプリをどのように調達するのか ● 最終的には漢方と同じように自社で分包し、調合したい ○ 実際に分包機を調査し見積まで実施 ● 既存分包機にカセットを取り付ければいけそう! →リース・買い切りでも約初期コスト 500万円

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サプリをどのように調達するのか ● 最終的には漢方と同じように自社で分包し、調合したい ○ 実際に分包機を調査し見積まで実施 ● 既存分包機にカセットを取り付ければいけそう! →リース・買い切りでも約初期コスト500万円 ● サプリメントメーカーに発注する ● サプリ成分の組み合わせを絞り最小ロットで必要 な検証数分だけ発注 ● 1個3000円からお願いでき、3万円分だけ発注

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サプリメントの体質チェックをどこまで作る?

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体質チェックアンケート ● LINEでメッセージを送ってみる ● 体質チェックはgoogleフォーム ● 結果説明も手動で送る! ● 決済は既存の仕組みに載せてしまう

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今日特に強調してお話ししたいこと ● MVPで小さく作ろう! ● まずは小さく自分で作ってみよう!

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システムは作って終わりではない ● 不具合が出ないシステムはこの世に存在しない ● 銀行のシステムであっても99.9%の可用性が限界

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サーバ費用はかかり続ける ● YOJOのサーバ費用は月30万ぐらい ● クラウドを活用しよう! ● 趣味程度であれば月数千円ぐらい ● ちゃんとしたサービスなら数万円 ● 大きくなってきたら10万円〜

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今日特に強調してお話ししたいこと ● MVPで小さく作ろう! ● まずは小さく自分で作ってみよう!

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意外とかかるクロージングコスト ● 使ってくれる人がいればクローズするコストがかかる ● ブクマ!を1人でクロージングしたが半年かかった ○ ユーザへの事前案内 ○ 課金などお金をとっていた場合は法務上様々な制約が ○ ポイントの返金 ○ 半年間かけてクロージング

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今日特に強調してお話ししたいこと ● MVPで小さく作ろう! ● まずは小さく自分で作ってみよう!

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開発基礎 開発の委託と費用感

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システム開発は高い! 外注 相場感:エンジニア1人月 100万円ぐらい   ・簡単なWebサービスやアプリ作るぐらいでも2、3人月ぐらい   ・初期保守コストその3割ぐらい   ・改善していくならば+α =>資金がないと難しいので調達とセット

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見積もりはずれるもの 3ヶ月の見積もり →5ヶ月かかる可能性 1週間の見積もり →1.5週間かかる可能性

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開発基礎 今日のまとめ

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今日のまとめ ● システム開発は複雑です! ○ システム開発しなくてもできるところから ○ まずは自分で試しに作ってイメージをつけることが大事 ○ そこから得られたサービス案を元にエンジニアと共に一緒に相談して作るものを定義して いけば良い! ○ システムがわからなくたって恥じることなくエンジニアに聞く姿勢と世の中に小さく価値を 提供しよう

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今日のまとめ ● まずは目の前の困っている人を1人助けてみ よう!