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「仕様駆動開発」と「 AI-DLC」 2025.09.16 (AI-Driven Development Life Cycle ) が導くAI駆動開発の新フェーズ

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Agenda 1 自己紹介 2 「仕様駆動開発」「AI-DLC」が生まれるまでの変遷 3 「仕様駆動開発」とは 4 「AI-DLC」とは 5 「仕様駆動開発」と「AI-DLC」を実践してみました 6 「AI-DLC」の導入方法 7 今日伝えたいメッセージ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 1

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011. 自己紹介 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 2

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岡村 匡洋 ‧株式会社MAKE A CHANGE / 代表取締役 ‧1982年⽣ ‧ITエンジニア、PMとして10年以上の経験を持つ ‧AI案件には2019年から携わっている ‧PMP(プロジェクトマネージメントの国際資格)取得済 ‧⾃社プロダクト SaaSのイクジット経験あり ‧ラッコ🦦、アメリカビーバー🦫 好き 著書 「ゼロからわかる⽣成AI駆動開発⼊⾨」 2025年1⽉発売 オカムラ X(Twitter)アカウント プロフィール © 2025 MAKE A CHANGE Inc.

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02 2. 「仕様駆動開発」「 AI-DLC」が 生まれるまでの変遷 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 3

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AI駆動開発の進化と課題の顕在化 バイブコーディングの熱狂 → 品質・保守性の課題へ 2024年 7〜12月 バイブコーディング 試行錯誤が続く 品質・保守性の問題 が顕在化 2025年 3〜6月 仕様駆動開発 / AI-DLCの提唱 2025年 7月 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 4 2022年 6月 リリース 2023年 リリース 現在のAI駆動開発に つながるツールが脚光を浴びる Cursor、BOLT.new、v0、Replit、 Lovable、Windsurfなど 🔥🔥🔥🔥🔥🔥 🔥

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新たな潮流の登場 バイブコーディングが抱える課題への2つの打ち手 「仕様駆動開発」 コードを書く前に仕様を厳密に定義し 実装のブレを防ぐ開発手法 AWSの開発ツール「Kiro」は仕様駆動開発を 強制する開発ツール 「AI-DLC」 (AI-Driven Development Life Cycle ) AWSが提唱するAI時代の新しい 開発ライフサイクル。 アジャイルをベースとして全体を AI中心に 再定義。サイクルを高速化する構想 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 5

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03 3. 「仕様駆動開発」とは © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 6

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仕様駆動開発の定義 “ コードを書く前に仕様を厳密に定義して、そこから テスト・実装・ドキュメントを派生させる開発手法 — KIROによる提唱(意訳) © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 7

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仕様駆動開発の定義 “ コードを書く前に仕様を厳密に定義して、そこから テスト・実装・ドキュメントを派生させる開発手法 — KIROによる提唱(意訳) © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 7 →実は仕様駆動開発という言葉が生まれる前からバイブコーダーではこれを自主 的に行なっている人は多数いた。Kiroがリリース時に「仕様駆動開発(Spec Driven Development)」と命名したことでメジャーな手法として浸透しはじめている

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開発アプローチの対比 仕様駆動開発はいきなり実装しない バイブコーディングの課題 • 「スケジュールアプリ作って」など  曖昧な指示で開始しがち • AIの解釈次第で成果物がブレる • バイブ(ノリ)で進めるので途中で  方向性が迷走しやすい • 手戻りが多く、品質が不安定 仕様駆動開発のアプローチ • 「何を実装するか」を 詳細に定義 してから  開発に着手 • 仕様書が常に正となる • 当初の想定と実装の乖離や迷走を防ぐ • 一貫性のある開発を行う © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 8

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044. 「AI-DLC」とは © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 9 (AI-Driven Development Life Cycle )

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AI-DLC: AI-Driven Development Lifecycle • AI駆動開発の発展により、 開発サイクルが急速に短縮 • AIの能力を最大化するため、 従来の開発手法やアジャイルの再定義 が必要という考え方 • AWSが2025年7月に構想を発表 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 10 AWSが公開したホワイトペーパー

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AI-DLCの3つのフェーズ 1. 着想 (Inception) 2. 構築 (Construction) 3. 運用 (Operations) © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11

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AI-DLCの3つのフェーズ 各フェーズで「AIが実行 → 人間が確認」のフローで進める 1. 着想 (Inception) Intent(ビジネス要件) の作成 ユーザーストーリー を作成 2. 構築 (Construction) Unit(Epic的なもの) から設計 実装 3. 運用 (Operations) これまでに蓄積した コンテキストを活用して デプロイ計画を実行 メンテナンスを実行 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11 Unit(Epic的なもの) に分割

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AI-DLCはアジャイルを再定義する 開発サイクルの高速化に対応する新しい単位 スプリント → ボルト 日単位の短いサイクルで開発を回す エピック → 作業ユニット AIが担当可能な細分化されたタスク を単位とする © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 12

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05 5. 「仕様駆動開発」と 「AI-DLC」を実践してみました © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 13

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仕様駆動開発は Kiroが提唱したのですが 実は・・・ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

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私はKiro使ったこと ありません 😭 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

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しかし! © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

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Claude CodeでKiroの仕様駆動開発 を再現するフレームワークがある! © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14 開発者:@gota_bara さん(神) GitHubに公開されていて無料で利用可能

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「claude-code-spec」による実践フロー コマンド実行 → AIが作業 → 人間が確認、というサイクルを繰り返す 1 仕様策定のベースを作成 : /kiro:spec-init "プロジェクト内容や実装の概要を記載 " 2 要件定義 : /kiro:spec-requirements [feature-name] 3 技術設計 : /kiro:spec-design [feature-name] 4 タスク生成 : /kiro:spec-tasks [feature-name] © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

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「claude-code-spec」による実践フロー 1 仕様策定のベースを作成 : /kiro:spec-init "プロジェクトや実装概要を記載 " の例 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

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「claude-code-spec」による実践フロー © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14 AIが要件定義書、各種設計書、タスク設計書などを生成してくれる

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「claude-code-spec」による実践フロー © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14 AIが作成、人間は確認、という役割分担 作りました! ありがと! 確認するね!

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実際に開発したアプリ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14 App Store にて公開中🎉

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実践して見えたメリット・デメリット メリット • 仕様書ベースで開発が進むので 手戻りが少なく堅実に進む • 実装の方向性がブレない デメリット • バイブコーディングより 開発速度は遅い • 必ずしも実装が成功する訳ではない • AI生成物のレビューと修正が大変 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 15

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仕様駆動開発の時間配分 面倒でもAIの生成物を隅々まで読み込み、しつこく修正を加えることが重要 仕様ドキュメントの確認・修正 80% 実装 コーディング 20% © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 16

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AI-DLCを実行できた範囲 1. 着想 (Inception) Intent(ビジネス要件) の作成 ユーザーストーリー を作成 2. 構築 (Construction) Unit(Epic的なもの) から設計 実装 3. 運用 (Operations) これまでに蓄積した コンテキストを活用して デプロイ計画を実行 メンテナンスを実行 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11 Unit(Epic的なもの) に分割 今回、実行できたのは このフェーズまで。

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以下のプロンプトはAI-DLCの実践で利用できま す。
 
 # セットアッププロンプト 
 「すべての文書は aidlc-docs フォルダに保存さ れます」
 「セッションを通して、事前に作業計画を立て、そ の計画を記載したmdファイルを作成してくださ い」
 「作業は計画の承認を得てから行ってください」 
 「作業計画は~~フォルダ、ユーザーストーリは~~ フォルダ、アーキテクチャおよび設計文書は~~ フォルダ、すべてのプロンプトは順序通り~~ファイ ルに保存してください」 
 (以下略)
 AI-DLCを実行できた範囲 1. 着想 (Inception) Intent(ビジネス要件) の作成 ユーザーストーリー を作成 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11 Unit(Epic的なもの) に分割 AI(CLAUDE.mdなど)には AI-DLCに特化したシス テム・プロンプトを設定する AI-DLCホワイトペーパーの最後に プロンプトが記載されています。

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免責事項: AI-DLCについてはまだ情報が少なく 今回のAI-DLCについては 「自己流」 +「チームではなく 1人」での 運用結果です。 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

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【補足情報】 GitHubがリリースした「 Spec Kit」でも仕様駆動開発を行 うことが可能です © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14 公式GitHub:https://github.com/github/spec-kit

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07 7. 今日伝えたいメッセージ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 20

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本日のまとめ 仕様駆動開発は 従来のAI駆動開発の課題を解決 する。「一貫性」を担保する開発手法 従来のAI駆動開発の弱点を補い、手戻りの少ない開発を可能にするが、 速度は犠牲 になる AI-DLCはAI時代の「開発速度」に対応すべく、アジャイルをベースにした 新しい開発サイクル AIによる開発サイクルの短縮化に対応するための新しい開発ライフサイクル 共通するのは「 Human in the Loop」 これからの開発は「AIが作業し、人間が確認・判断する 」というAIと人間が協業するスタイル である。 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 21

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AI駆動開発は 「仕様駆動開発」という 新しいフェーズを迎えている。 しかし、まだまだ進化していくと 考えられるので今後の動向を チェックしていきましょう 本日のまとめ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 21

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- “GPT-5-Codex”はコーディングに特化した LLMモデル - 現在、Codexで利用可能 - 少し試したところ、これまで仕様駆動開発にしないと実装で きなかったような複雑なタスクもワンショットで完璧に実装 - Codexで仕様駆動開発することで スピード問題が解決され ることが期待 or 仕様駆動開発自体が不要になる可能性 も? ※現在、Codexで仕様駆動開発できるフレームワークはない。自力で「仕様書作っ て」などで進めることは可能。 速報:9/15 OpenAIが”GPT-5-Codex”をリリース © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 21

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08 8. おまけ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 22

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弊社(株式会社 MAKE A CHANGE)の取り組みについて • AI駆動PM(プロジェクトマネジメント)にも注力しています • AI駆動開発者を集めた専門企業を目指します • AI駆動開発、AI駆動PM やりたい方はお声がけください! 23 コーポレートサイト オカムラ X(Twitter)アカウント

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ご清聴ありがとうございました。