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2025/09/16 仕様駆動開発とAI-DLCが導くAI駆動開発の新フェーズ

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September 17, 2025

2025/09/16 仕様駆動開発とAI-DLCが導くAI駆動開発の新フェーズ

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September 17, 2025
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  1. Agenda 1 自己紹介 2 「仕様駆動開発」「AI-DLC」が生まれるまでの変遷 3 「仕様駆動開発」とは 4 「AI-DLC」とは 5

    「仕様駆動開発」と「AI-DLC」を実践してみました 6 「AI-DLC」の導入方法 7 今日伝えたいメッセージ © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 1
  2. 岡村 匡洋 ‧株式会社MAKE A CHANGE / 代表取締役 ‧1982年⽣ ‧ITエンジニア、PMとして10年以上の経験を持つ ‧AI案件には2019年から携わっている

    ‧PMP(プロジェクトマネージメントの国際資格)取得済 ‧⾃社プロダクト SaaSのイクジット経験あり ‧ラッコ🦦、アメリカビーバー🦫 好き 著書 「ゼロからわかる⽣成AI駆動開発⼊⾨」 2025年1⽉発売 オカムラ X(Twitter)アカウント プロフィール © 2025 MAKE A CHANGE Inc.
  3. AI駆動開発の進化と課題の顕在化 バイブコーディングの熱狂 → 品質・保守性の課題へ 2024年 7〜12月 バイブコーディング 試行錯誤が続く 品質・保守性の問題 が顕在化

    2025年 3〜6月 仕様駆動開発 / AI-DLCの提唱 2025年 7月 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 4 2022年 6月 リリース 2023年 リリース 現在のAI駆動開発に つながるツールが脚光を浴びる Cursor、BOLT.new、v0、Replit、 Lovable、Windsurfなど 🔥🔥🔥🔥🔥🔥 🔥
  4. 新たな潮流の登場 バイブコーディングが抱える課題への2つの打ち手 「仕様駆動開発」 コードを書く前に仕様を厳密に定義し 実装のブレを防ぐ開発手法 AWSの開発ツール「Kiro」は仕様駆動開発を 強制する開発ツール 「AI-DLC」 (AI-Driven Development

    Life Cycle ) AWSが提唱するAI時代の新しい 開発ライフサイクル。 アジャイルをベースとして全体を AI中心に 再定義。サイクルを高速化する構想 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 5
  5. 仕様駆動開発の定義 “ コードを書く前に仕様を厳密に定義して、そこから テスト・実装・ドキュメントを派生させる開発手法 — KIROによる提唱(意訳) © 2025 MAKE A

    CHANGE Inc. 7 →実は仕様駆動開発という言葉が生まれる前からバイブコーダーではこれを自主 的に行なっている人は多数いた。Kiroがリリース時に「仕様駆動開発(Spec Driven Development)」と命名したことでメジャーな手法として浸透しはじめている
  6. 開発アプローチの対比 仕様駆動開発はいきなり実装しない バイブコーディングの課題 • 「スケジュールアプリ作って」など  曖昧な指示で開始しがち • AIの解釈次第で成果物がブレる • バイブ(ノリ)で進めるので途中で

     方向性が迷走しやすい • 手戻りが多く、品質が不安定 仕様駆動開発のアプローチ • 「何を実装するか」を 詳細に定義 してから  開発に着手 • 仕様書が常に正となる • 当初の想定と実装の乖離や迷走を防ぐ • 一貫性のある開発を行う © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 8
  7. AI-DLC: AI-Driven Development Lifecycle • AI駆動開発の発展により、 開発サイクルが急速に短縮 • AIの能力を最大化するため、 従来の開発手法やアジャイルの再定義

    が必要という考え方 • AWSが2025年7月に構想を発表 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 10 AWSが公開したホワイトペーパー
  8. AI-DLCの3つのフェーズ 各フェーズで「AIが実行 → 人間が確認」のフローで進める 1. 着想 (Inception) Intent(ビジネス要件) の作成 ユーザーストーリー

    を作成 2. 構築 (Construction) Unit(Epic的なもの) から設計 実装 3. 運用 (Operations) これまでに蓄積した コンテキストを活用して デプロイ計画を実行 メンテナンスを実行 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11 Unit(Epic的なもの) に分割
  9. Claude CodeでKiroの仕様駆動開発 を再現するフレームワークがある! © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14

    開発者:@gota_bara さん(神) GitHubに公開されていて無料で利用可能
  10. 「claude-code-spec」による実践フロー コマンド実行 → AIが作業 → 人間が確認、というサイクルを繰り返す 1 仕様策定のベースを作成 : /kiro:spec-init

    "プロジェクト内容や実装の概要を記載 " 2 要件定義 : /kiro:spec-requirements [feature-name] 3 技術設計 : /kiro:spec-design [feature-name] 4 タスク生成 : /kiro:spec-tasks [feature-name] © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 14
  11. AI-DLCを実行できた範囲 1. 着想 (Inception) Intent(ビジネス要件) の作成 ユーザーストーリー を作成 2. 構築

    (Construction) Unit(Epic的なもの) から設計 実装 3. 運用 (Operations) これまでに蓄積した コンテキストを活用して デプロイ計画を実行 メンテナンスを実行 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11 Unit(Epic的なもの) に分割 今回、実行できたのは このフェーズまで。
  12. 以下のプロンプトはAI-DLCの実践で利用できま す。
 
 # セットアッププロンプト 
 「すべての文書は aidlc-docs フォルダに保存さ れます」


    「セッションを通して、事前に作業計画を立て、そ の計画を記載したmdファイルを作成してくださ い」
 「作業は計画の承認を得てから行ってください」 
 「作業計画は~~フォルダ、ユーザーストーリは~~ フォルダ、アーキテクチャおよび設計文書は~~ フォルダ、すべてのプロンプトは順序通り~~ファイ ルに保存してください」 
 (以下略)
 AI-DLCを実行できた範囲 1. 着想 (Inception) Intent(ビジネス要件) の作成 ユーザーストーリー を作成 © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 11 Unit(Epic的なもの) に分割 AI(CLAUDE.mdなど)には AI-DLCに特化したシス テム・プロンプトを設定する AI-DLCホワイトペーパーの最後に プロンプトが記載されています。
  13. - “GPT-5-Codex”はコーディングに特化した LLMモデル - 現在、Codexで利用可能 - 少し試したところ、これまで仕様駆動開発にしないと実装で きなかったような複雑なタスクもワンショットで完璧に実装 - Codexで仕様駆動開発することで

    スピード問題が解決され ることが期待 or 仕様駆動開発自体が不要になる可能性 も? ※現在、Codexで仕様駆動開発できるフレームワークはない。自力で「仕様書作っ て」などで進めることは可能。 速報:9/15 OpenAIが”GPT-5-Codex”をリリース © 2025 MAKE A CHANGE Inc. 21