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  1 Great flattening、 開発チームから見る景色 プロヒス2025 アフターイベント 2025年9月25日 株式会社TOKIUM プロダクト本部 開発部 岡本 匡弘 数ヶ月で経理AIエージェントをリリースするまで

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2 株式会社TOKIUM プロダクト本部 開発部 岡本 匡弘 Okamoto Masahiro 2024年 Webエンジニアとして中途入社 入社後、TOKIUM電子帳簿保存の開発を担当 現在は経理AIエージェント開発チームに所属

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会社概要 3

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会社概要 会社名 設立日 本社所在地 従業員数 代表取締役 株式会社TOKIUM 2012年 6月 26日 東京都中央区銀座6-18-2 野村不動産銀座ビル 12F 約240名 (2025年5月、正社員のみ) 黒﨑 賢一 TOKIUMの志   未来へつながる時を生む

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2016年2月 「TOKIUM経費精算」 創業以来、10年以上一貫して支出に関するサービスを提供。 TOKIUMシリーズは直近5年間で導入社数が6倍以上増加し、2024年7月に2,500社を超えました。 創業以来、「支出」に関するサービスを提供 累計導入社数 2,500社を突破 ※24/07末時点 製造 IT・情報通信 外食・食品 製造 建設・不動産 コンサルティング 金融・保険 法人サービス 小売 インフラ・物流 商社・流通 広告 広告・エンタメ 医薬・化学 2012年6月  創業 2020年9月 「TOKIUMインボイス」 2024年6月 「TOKIUM契約管理」 2022年1月 「TOKIUM電子帳簿保存」 2025年1月 「TOKIUM請求書発行」

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6 経理AIエージェントの提供を開始 2025年から新領域へ 2025年5月、AIとプロスタッフが連携し経理作業を代行する 「経理AIエージェント」の構想を発表 Ref: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000009888.html 2025年7月から順次提供を開始。メディア露出も。 …and more!!!

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TOKIUM開発部はAIツール使い放題!!! 7 AI 100K(AI百景) 対象:開発に従事するメンバー - 正社員 - 業務委託 - インターン Ref: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000362.000009888.html

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プロヒス本編のおさらい 8

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TOKIUM 開発部長による発表 9 先日のプロヒス本編 Ref:https://speakerdeck.com/staka121/zhong-jian-guan-li-zhi-wonakusitarahe-gaqi-kitaka-aishi-dai-nozu-zhi-bian-ge-to3tunoshi-bai

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発表サマリ 10 先日のプロヒス本編 AIエージェントの迅速なデリバリーのために組織改変を行った - AIエージェント開発チーム・AI基礎開発チーム等の新規組成 - EMの現場復帰 - 新卒メンバーをチームに受け入れ 数ヶ月で5つのエージェントをリリース🎉 (本編ではその裏であった失敗を共有しました)

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発表サマリ 11 先日のプロヒス本編 “Great flattening”の実践 スピードと効率性を重視し、管理職の階層を削減するアプローチ

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発表サマリ 12 先日のプロヒス本編 「起業家」とみなされた開発チームの当事者として 当時を振り返る

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開発チームからみた風景 13

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社長の一言 14 AIエージェント開発開始が決まり、 プロダクト開発チームと社長が会議を行った際の一コマ 社長(CPO兼務) 「SaaSも大事なんだが、AIエージェントに力を入れていきたい」 「各チームを会社とみなして、PdMは社長だと思ってやってほしい」

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社長の一言 15 社長 「各チームを会社とみなして、PdMは社長だと思ってやってほしい」 → オモロいこと言うなぁ

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社長の一言 16 「各チームを会社とみなして、PdMは社長だと思ってやってほしい」 ”Great flattening”なアプローチ

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リリースまでの壁 17 - 新規サービス、2ヶ月でリリースしてね - インフラ構築、チーム内で完結させてね - 新卒メンバーのメンタリングしてね

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リリースまでの壁 18 - 新規サービス、2ヶ月でリリースしてね - インフラ構築、チーム内で完結させてね - 新卒メンバーのメンタリングしてね → 私にとって全てが初めてのことでした 「チームのことは全てチームで完結する」のがGreat flattening

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AIエージェントとは何かよく分からないまま、色々触ってみた 2ヶ月でリリースしてね 19

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技術選定 20 2ヶ月でリリースしてね 触って行く中で仮説を立てた - プロトタイプはノーコードツール(n8n)で作る - 本格的な開発はFWを利用する(LangChain, Mastra…) - n8nの場合、コード管理や継続的改善が後々困難になりそう🤔 - みんな慣れてるTypeScriptで書くの良さそう 5月時点 何がベストか わかってない

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技術選定 21 2ヶ月でリリースしてね 触って行く中で仮説を立てた - プロトタイプはノーコードツール(n8n)で作る - 本格的な開発はFWを利用する(LangChain, Mastra…) - n8nの場合、コード管理や継続的改善が後々困難になりそう🤔 - みんな慣れてるTypeScriptで書くの良さそう → プロトタイプ作成により課題の早期発見 → FW利用により保守を見据えた継続的改善が可能な状態をキープ

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チーム構成(一部抜粋) 22 2ヶ月でリリースしてね Agent A Agent B Agent C Agent D Agent E(私) PdM + 開発者 UI/UX Agent SDK フロントエンド デザイン・実装 SDK作成 (+イネーブリング)

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チーム構成(一部抜粋) 23 2ヶ月でリリースしてね - Agentチーム(複数) - PdM + 開発者 - ビジネスロジックをエージェントに落とし込む - UI/UXチーム - PdM + 開発者・UI/UXデザイナー - AIエージェントのフロントエンドの実装 - Agent SDKチーム - CTO + 開発者 - 各Agentチームで使うSDKの開発 - Agentチームの開発を支援(イネーブリング)

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私のチーム構成 24 2ヶ月でリリースしてね - 私 - 開発全般のリード - PdM - エージェントやる前から、1年間同じチームで活動 - 企画や要件定義をリード - 25卒メンバー ※ 育成目的もあり少人数で構成 ※ 他チームの構成はこれに準じる形ではないです

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新卒メンバーのメンタリング 25 新卒のメンタリングしてね 新卒のメンターをやるのはほぼ初。日々試行錯誤しています - 朝会・夕会でのフォロー(PdMも協力してくれてすごく助かる!) - 出社日を合わせ、対面でのフォロー - ホワイトボードを活用 - 1on1の実施 - コードレビュー - 社内マネジメント研修の受講により、知識を注入

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新卒メンバーのメンタリング 26 新卒のメンタリングしてね AI時代のジュニアエンジニア育成 これだけでも30分くらいトークできそう 日々接する中で伝えていることの一例をご紹介

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「AIがやってくれるからなんでもOK」という誤解を解く 27 新卒のメンタリングしてね 私「ここの処理ってなんでこうなってるの?」 󰳕「AIを使って作成したので実はよくわかっていないかもしれないです」 →責務分割できていない、N+1、テストコードが書かれていない... →書き捨てであれば構わないが、チームでの中長期的な保守運用を見据えた 場合には通用しない可能性

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「AIがやってくれるからなんでもOK」という誤解を解く 28 新卒のメンタリングしてね 半期目標の一項目として設定 「AIが出力したアウトプットを適切に評価できるようになる」 達成に向けて、日々の業務でフォロー

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「AIがやってくれるからなんでもOK」という誤解を解く 29 新卒のメンタリングしてね アウトプット性能の計測のためのアドバイス →「LLMに渡したインプットとアウトプットを保存してみるといいかも?」 実装したコードについて質問をしてみる → どこの理解が曖昧か・不足しているかを対話によって引き出す (プログラミング言語文法?FW?ドメイン知識?設計方法?) 自ら調べ考えるよう習慣化、日々進化中!

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AWSを用いてインフラ構築を各チームで完結せよ 30 インフラ構築、自分でやってね 業務で1からインフラ構築やったことがない、Terraform分からない → 急いで「実践Terraform」を読みながらサンプルアプリ構築 → Claude Codeの力を借りながら、Terraformでインフラ構成を記述 インフラ詳しいエンジニアにレビューを依頼、 テスト環境と本番環境を構築できた (流れでCI/CD実装や監視の設定もシュッとやった)

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得られた学び 31 最初の壁を越えてみて - “Great flattening”の実践により、スピーディーにリリースができた - 多大にコーディングエージェントの恩恵を受けられた - これまでやってきたことは今後も通用、一層重要になる - 顧客のペインを理解(一番大事!ビルドトラップ危険) - 要求分析、要件定義 - 何を作り、何を作らないか - ソフトウェア設計、TDD、IaC、CI/CD、監視... - AIの暴走を防ぎ、自律的な活動を促す - 未経験分野にもチャレンジしやすくなった - 育成は課題もあるが、アウトプット量には寄与

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課題もたくさんある 32 最初の壁を越えてみて - エージェントの性能もっと上げたい - HITL(ヒューマンインザループ)作業の逼迫 - cf: https://note.tokium.jp/n/n5499d5f449ad - 作りたいエージェントが他にもあるけど、開発リソースが足りない - 翻って、SaaSの開発リソースも足りない

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課題もたくさんある 33 - エージェントの性能もっと上げたい - HITL(ヒューマンインザループ)作業の逼迫 - 作りたいエージェントがたくさんあるけど、開発リソースが足りない - 翻って、SaaSの開発リソースも足りない 課題解決が好きな人には最高の環境!!!

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プロダクト職種向けイベントのお知らせ 34 そんなことはさておき 寿司ときLTナイト ~AI×プロダクト開発最前線!AIを活用して頑張りたい・頑張ったこと共有LT会~ 日時: 2025/10/22(水) 19:30 〜 22:00@TOKIUM東京本社(銀座) 対象: ソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナー等、プロダクト開発に関わる全ての方

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35 That's all!! ご清聴ありがとうございました