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BRAINF_CKで15パズル 19 HN

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BRAIN F_CK の始め方 • コンパイラを落としたり作ったりしてもいいですが、インタープリタを使うのが個人的には 楽です。 • 「brain fuck インタープリタ」などと検索すると有志の作ったものがいろいろ出てきます。 • 以下、自分が用いているもの。(すべて有志の作ったものなので抵抗ある方は注意を) ・ウェブブラウザ上で動くインタプリタ(ステップ実行もでき、ちょっとしたテストには便 利) ※今回紹介するパズルのコードはまともに動かないので注意 http://www.usamimi.info/~ide/programe/brainfuck/index.html ・フリーソフト(windows用) http://www.4mhz.de/bfdev.html ページ中ほどのbfdev-1-4-7.zipをダウンロードして解凍してください。

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BRAINF_CKとは…? • 難解 プログラミング言語の一つ。 • 命令が8つしかなく、非常に簡潔に構成されている。

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サンプルコード • Hello world! のコード print(“Hello world!”) +++++++++[>++++++++>+++++++++++>+++>+<<<<- ]>.>++.+++++++..+++.>+++++.<<+++++++++++++++.>.+++.--- ---.--------.>+.>+.

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BRAINF_CKの長所 • 命令が8つしかない→初心者にも覚えやすい • チューリング完全 • コンパイラが軽い • 文字の可読性が高くなるように考えられている • 派生言語が沢山ある • AtCoderでも使える

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ATCODERで使ってみた • 問題文 X,A は 0 以上 9 以下の整数です。 X が A 未満の時 0、A 以上の時 10 を出力してください。 • 制約 0≤X,A≤9 入力は全て整数である • 入力 X A >,>,[-],>++++++++[<------<------>>-] <<[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ -<-[>[ ]]]]]]]]]]]]]]]]]]]] <[<] >> >+<[>-<[-]]>[+++++[>++++++++<-]>+.<] +++++++[>>+++++++<<-]>>-.

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ATCODERで使ってみた

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BRAINF_CKの全命令 • > ポインタをインクリメントする。ポインタをptrとすると、C言語の「ptr++;」に相当する。 • < ポインタをデクリメントする。C言語の「ptr--;」に相当。 • + ポインタが指す値をインクリメントする。C言語の「(*ptr)++;」に相当。 • - ポインタが指す値をデクリメントする。C言語の「(*ptr)--;」に相当。 • . ポインタが指す値を出力に書き出す。C言語の「putchar(*ptr);」に相当。 • , 入力から1バイト読み込んで、ポインタが指す先に代入する。C言語の「*ptr=getchar();」に相 当。 • [ ポインタが指す値が0なら、対応する ] の直後にジャンプする。C言語の「while(*ptr){」に相当。 • ] ポインタが指す値が0でないなら、対応する [ (の直後)にジャンプする。C言語の「}」に相当。 • それ以外はコメントとして無視される。 …Wikipediaより

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BRAINF_CKの仕組み 1 2 3 4 0 0 0 0 +->>+<,.[>]+

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テクニック集 • 掛け算…メモリを一つ余分に用いる (例)@の出力 方法1 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++. 方法2 ++++++++[>++++++++<-]>.

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テクニック集 • 値のコピー?(もとの場所の値は0になるので) [>+>+<<-] • メモリの値が0のところまでジャンプ [<] or [>] • If x [[-] if の中身] • If x=0: >+<[>-<[-]]>[- if の中身 ] • https://esolangs.org/wiki/Brainfuck_algorithms などを参照するのも良いかも

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(個人的)ポイント集 • コメントを多用(処理の概要、ポインタの現在位置) • コードの可読性を重視 • 使われているメモリの管理 • 判定時などに値がリセットされるかどうかの確認 • オーバーフローに注意(1メモリにつき1バイト) →それを利用する手も…? • コードをとにかく工夫する

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15パズルをやってみましょう • ドライブ内のファイル 「15パズル.txt」…これをコピーしてインタプリタに貼ることでプレイできます。 「15パズル日本語コメ付き.txt」 …上のものに日本語の注釈が入っているものです。 コード自体は同じですが、これをインタプリタに貼ると文字化けを起こします。 「15パズル安定版.txt」 …上2つはオーバーフローを用いていますが、エラーを起こすインタプリタもある かもしれないと思い、用いないverを作りました。ちょっと無駄が増えます。

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15パズルをやってみましょう • 仕様 A~Oで1~15の数を、「~」が空白部分を表しています。シャッフル機能やクリア 判定はありません。 • 操作方法 「w」…空白を上に動かす 「a」…空白を左に動かす 「s」…空白を下に動かす 「d」…空白を右に動かす

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15パズルのコード • +>+>+>+>++++[>++++<- ]+>[>++++>++++>++++>++++>+>>++++>++++>++++>++++>+>>++++>++++>++++>+++ +>+>>++++>++++>++++>>+<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<- ]+>+++>++++>+++++>++++++>------ >+>+++++++>++++++++>+++++++++>++++++++++>------ >+>+++++++++++>++++++++++++>+++++++++++++>++++++++++++++>------ >+>+++++++++++++++>++++++++++++++++>+++++++++++++++++>>------ >+>+>+>+>+>+[-<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<--.++>--.++>--.++>--.++>.>>--.++>-- .++>--.++>--.++>.>>--.++>--.++>--.++>--.++>.>>--.++>--.++>--.++>--.++>.>>>>>>,[- >+>>+>>+>>+<<<<<<<]>>++++++++++++[-<-------->]<->+<[>-<[-]]>[>>+++++[<+++++>- ]>>+++++[<+++++>-]>>+++++[<+++++>-]<<<<<<<<<<[<]<-[[>+<-]>+<]+>[<-]>>>[>]>>- ]>>++++++++++[-<---------->]<>+<[>-<[-]]>[>>+++++[<+++++>-]>>+++++[<+++++>- ]<<<<<<<<<[<]>----------[[<+>-]<++++++++++>]++++++++++<[>----------]>>[>]>>>>- ]>>+++++++++++[-<---------->]<----->+<[>-<[-]]>[>+++++<<<<<<<<[<]>>>>>>- [[<<<<<<+>>>>>>-]<<<<<<+>>>>>>]+<<<<<<[>>>>>>-]>[>]>>>>>>-]>>+++++++++++[- <---------->]<--------->+<[>-<[-]]>[<<<<<<<<<[<]<<<<<<-[[>>>>>>+<<<<<<- ]>>>>>>+<<<<<<]+>>>>>>[<<<<<<-]>[>]>>>>>>>>-]<<<<<<<<+]

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コードの説明 • 大まかな構造 1.初期設定 2.出力 3.入力とパズルの移動 4.2へループ

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メモリの主な利用状況 • 1~34 …パズルのマスに対応 • 35 …キーの入力値を一時的に格納 • 36~43 …入力値の判定など

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初期設定(パズルのマス) • パズルの4*4マスを6*6マスに拡張し、 中の4*4の正方形の部分をパズルのマス目 に対応させる。 • パズルのマス目にはパズルの番号+66 (ASCIIでA~Oの文字コード値+2に対応)、 右端には10(改行コード)、空白は0(参 照しやすい)、その他は1(1を引いて0に すればif判定しやすい)を代入する。 →現在地±1、6が上下左右に対応し、かつ、 端にあるかどうかの判定も楽にできる。

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初期設定 +>+>+>+>++++[>++++<-]+> [>++++>++++>++++>++++>+> >++++>++++>++++>++++>+> >++++>++++>++++>++++>+> >++++>++++>++++>>+ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<-]+ >+++>++++>+++++>++++++ >------>+>+++++++>++++++++>+++++++++>++++++++++ >------>+>+++++++++++>++++++++++++>+++++++++++++>++++++++++++++ >------>+>+++++++++++++++>++++++++++++++++>+++++++++++++++++ >>------>+>+>+>+>+>

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出力 • メモリのうち、パズルのマスに対応する部分と改行コードを出力する。 • このとき、パズルのマスに対応する部分は値を一旦ー2してから出力する。 →空白の部分を出力するため。(このとき、アンダーフローが起きて値は126になり、 チルダが出力される。) • アンダーフローを防ぐなら、パズルのマスには1~15を初期設定で入力しておき、出 力の際のみ毎回64を足すという方法もあるが…

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出力 <<<<<<<<<<<<<<<<< <<<<<<<<<<<<<<<<<<< パズルのマスの先頭まで移動 --.++>--.++>--.++>--.++>.>> --.++>--.++>--.++>--.++>.>> --.++>--.++>--.++>--.++>.>> それぞれ一旦2を引いて出力し、また2を足して戻す。 --.++>--.++>--.++>--.++>.>> 改行コードの部分はそのまま出力 >>>> メモリ35まで移動して判定へ

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入力と判定 • 入力はa(文字コード97)、d(文字コード100)、s(文字コード115)、w(文字コー ド119)のみ想定。それ以外の入力には、何の操作もしない。 1.入力値を4つのメモリにコピー 2.文字コードの若い順に処理する。入力値(をコピーした値)から97を引き、0だったら左移 動の可能性。 3.空白の左が欄外かどうか判定。1を引いて0になるかどうか調べればよい。0でないなら左の 値を現在空白のところにコピー。 4.これをd、s、wで繰り返す。

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入力と判定(Aの部分だけ抜粋) +[-,[->+>>+>>+>>+<<<<<<<] 入力値を4つのメモリに切り取りコピー >>++++++++++++[-<-------->]<- ↑のうち一つから97を引く >+<[>-<[-]]>[ それが0ならインデント内実行 …☆ >>+++++[<+++++>-] >>+++++[<+++++>-] >>+++++[<+++++>-] ↑でコピーした残りの3つ値に十分大きな値をいれてオーバーフロー防止 <<<<<<<<<<[<] 0(パズルの空白)まで飛ぶ <-[ 左の値が0じゃない(=欄外じゃない)ならインデント内実行 …※ [>+<-]>+<] パズルを移動 +>[<-]>>>[>] ※のときに左が欄外だった時、1だった値が0になっているので戻し、メモリ35まで飛ぶ >>-] ☆のときのifの残骸処理

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入力と判定部分の注意 ・dが押されたときの判定。値の右が欄外の時、そこのメモリの値は1でなく10なので、そこ も変わる。 >>++++++++++[-<---------->]< >+<[>-<[-]]>[ >>+++++[<+++++>-] >>+++++[<+++++>-] <<<<<<<<<[<] >----------[ [<+>-]<++++++++++>] ++++++++++<[>----------]>>[>] >>>>-]