Slide 1

Slide 1 text

価値あるものをチームで届ける
 Scrum Fest Osaka 2021


Slide 2

Slide 2 text

自己紹介
 杉浦 大貴(@sugi_masataka)
 マネーフォワードビジネスカンパニー 
 経理財務ERP本部 プロダクト開発部 副部長 
 マネーフォワード クラウド会計Plus 
 プロダクトオーナー
 キャリア概略
 
 2015年4月
  一部上場企業の経理部に入社 
 2018年7月
  マネーフォワードに経理職でジョイン 
 2019年6月
  開発部に異動
 2019年8月
  京都に移住
  会計Plusプロダクトオーナーに


Slide 3

Slide 3 text

発見のプロセスで達成したいこと
 ✔ 作るものに価値があるか検証する
 (プロダクトマネジメント)
 
 ✔ 作ることにチームの認識が揃っている
 (プロダクトチームマネジメント)


Slide 4

Slide 4 text

・ 価値のないものを作りたくない!
 
 ・ 作ってから共有じゃ遅くない? 
 きっかけ


Slide 5

Slide 5 text

実践している発見のプロセス


Slide 6

Slide 6 text

なぜ事前にプロダクトを発見したいのか?
 
 ビジネスを成長させるループ 開発に入る前に 仮説の質を上げるには?

Slide 7

Slide 7 text

プロダクトを発見する3つのループ
 ユーザーを知るループ 内省のループ チームをつくるループ ユーザーインタビュー ユーザビリティテスト 業務理解・USM 喜怒哀楽 因果関係・時系列・文脈 売り込める自信 Burning Needs 量・質ともに 明らかに増える 最初は少人数から 巻き込む プロダクト チームマネジメント プロダクト マネジメント

Slide 8

Slide 8 text

チームの認識が揃うとは?
 参考:ピーター・M・センゲ, 枝廣 淳子(訳), 小田 理一郎(訳), 中小路 佳代子(訳)(2011)『学習する組織 


Slide 9

Slide 9 text

チームの認識が揃うとは?
 参考:ピーター・M・センゲ, 枝廣 淳子(訳), 小田 理一郎(訳), 中小路 佳代子(訳)(2011)『学習する組織 


Slide 10

Slide 10 text

ループは影響しあう


Slide 11

Slide 11 text

3つのループとビジネス成長のループ


Slide 12

Slide 12 text

3つのループとビジネス成長のループ


Slide 13

Slide 13 text

3つのループとビジネス成長のループ


Slide 14

Slide 14 text

3つのループをプロセスに落とし込む


Slide 15

Slide 15 text

実践している発見のプロセス


Slide 16

Slide 16 text

プロセス完了前に問いをいれる
 ロードマップ
 ・ビジョン、ビジネス目標につながっているか?
 
 USM
 ・ユーザーは誰か?ユーザーが得るアウトカムは何か?
 ・チームで共通理解を作れたか?
 ・ここで描いているものを作って自分で使いたいか?
 
 MVP
 ・ユーザーは誰か?ユーザーが得るアウトカムは何か?
 ・ここで描いているものを作って自分で売れるか?
 ・理想の状態へ繋げることができるか?


Slide 17

Slide 17 text

なぜ問いを使うのか?
 ✔ 「知らないことを知らない」という前提
 
 ✔ マンネリ、思い込みを防ぐため
 (プロセスに絶対はないが、問いは文脈を超えて使いやすい)
 
 ✔ 内省にも、チームの認識合わせにも使える
 参考:ハル・グレガーセン, 黒輪 篤嗣 (訳)(2020)『問いこそが答えだ!』安斎 勇樹, 塩瀬 隆之(2020) 『問いのデザイン 』
 


Slide 18

Slide 18 text

プロダクトビジョンに向かうまでの図解
 学習の方向をつけるため、ビジョンからはじめる


Slide 19

Slide 19 text

なぜ場を作るのか


Slide 20

Slide 20 text

チームをつくる良い場とは
 ✔前提を共有していること
 
 ✔平等であること
 
 ✔率直に本音で話せること
 
 ✔ 立場に固執しないこと
 
 ✔同じ目標、問題に立ち向かう仲間であること
 参考:ピーター・M・センゲ, 枝廣 淳子(訳), 小田 理一郎(訳), 中小路 佳代子(訳)(2011)『学習する組織 
 平鍋 健児 (著), 野中 郁次郎 (著), 及部 敬雄 (著) (2021)『アジャイル開発とスクラム 第2版』 


Slide 21

Slide 21 text

ビジョン作成ワークショップ
 共通認識を作る
 1. 前提知識を揃える
 2. 現状を分析する
 
 未来を考える
 1. 3年後のビジョンを考える
 2. ビジョンの検証
 3. ビジョンのコピーを考える
 4. ビジョンとのギャップ
 5. ネクストアクション


Slide 22

Slide 22 text

共通認識をつくる
 現状の認識を確認する問い
 今のユーザーはどんな人?
 今のユーザーペイン・課題は?
 メインにしているマーケットは?
 今我々がやっていることは?
 積み上げると今期末どうなる?
 競合はどんな価値を提供している? 
 似た別の価値を提供している製品は? 
 マクロの環境変化はどうなっている? 
 その他、伝えたいこと
 


Slide 23

Slide 23 text

未来を考える
 未来を考える問い
 3年後、誰に何をなぜ届けたい? 
 解決される課題は? 
 どういうストーリーでユーザーが変化する? 
 プロダクトの売り文句は? 
 検証する問い
 マクロの環境変化と合致している? 
 ビジョンを実現したい?わくわくする? 
 会社のビジョンと同じ方向を向いている? 
 アクションに落とし込むための問い 
 ビジョンとのギャップは? 
 実現のためにやることは? 
 ビジョンを浸透させるには? 
 


Slide 24

Slide 24 text

議論の流れ
 議論は収束する前に停滞する
 参考:マイケル・リューリック, パトリック・リンク, ラリー・ライファー, 今津 美樹 (訳)(2019)『デザインシンキング・プレイブック 


Slide 25

Slide 25 text

やってみて...
 ✔オンラインは本当に難しい...!
 
 ✔10時間の議論、、でも本音が出た
 
 ✔ 向いている方向が揃い、アイデアが増えた


Slide 26

Slide 26 text

ロードマップを元にしたプロダクト優先順位付け
 ✔ロードマップは戦略のプロトタイプ
 
 ✔ビジョン、ビジネス目標に辿り着くための
 コミュニケーションの道具
 
 ✔ 詳細な日付を入れず、ざっくりとした
 時間軸で会話する
 参考:C. Todd Lombardo, Bruce McCarthy, Evan Ryan, Michael Connors(2017)『Product Roadmaps Relaunched 


Slide 27

Slide 27 text

ロードマップのボード
 ボードの構成
 ビジョン
 テーマ
 ビジネス目標
 ロードマップ
 ユーザー価値・ビジネス価値の認識はあっ ているか?
 依存関係はないか?
 ざっくりの見積もりは?
 事前にユーザーとコミュニケーションは必 要か?
 届けたい順番の認識はあっているか? 


Slide 28

Slide 28 text

やってみて...
 ✔ビジネス・開発の認識の齟齬が減る
 
 ✔リソース効率のロードマップは見栄えが良いが、
 ユーザーに価値が届くのは遅かった
 
 ✔ユーザーとのコミュニケーションに使って
 戦略の妥当性を確認できる


Slide 29

Slide 29 text

開発着手前にエピックの共有
 ✔USM・MVP・デザインでスコープの共有
 
 ✔ストーリーの枚数でリリース目安の共有
 
 ✔トレードオフスライダーの認識を揃える


Slide 30

Slide 30 text

エピック共有のボード
 ユーザーストーリーマッピング 
 MVP
 デザイン
 トレードオフ
 スライダー


Slide 31

Slide 31 text

やってみて...
 ✔USMだけでは伝わらなかった...
 
 ✔ソリューションが変わるアイデアが出ることも
 
 ✔必要ならリスクを前に潰すため、場を待たない
 (USMの場に招待、スプリントレビューや定例でも機会を見て共有)


Slide 32

Slide 32 text

レトロスペクティブ
 ✔良いプロセスが良いプロダクトを作る
 POもプロセスを作っており、同じチームの一員
 
 ✔ユーザー価値、ビジネス価値を
 意識した視点の共有
 
 ✔自己組織化したチームになるための重要プロセス


Slide 33

Slide 33 text

レトロスペクティブのボード
 KPT形式
 うまくいって継続したいことは何か? 
 うまくいかず課題を感じるものは何か? 
 新しくトライしたいことは何か?
 ルール
 個人攻撃禁止
 やり方
 1. 付箋を書き出す
 2. 付箋の共有
 3. 投票
 4. 投票理由の確認・対話/議論
 5. ネクストアクション
 ベロシティ等の 情報はSlackで 共有


Slide 34

Slide 34 text

やってみて...
 ✔POが孤独にならないためにも大事
 
 ✔チームで価値を最大化するという意識
 
 ✔チームの文化ができていく


Slide 35

Slide 35 text

開発に入る前に価値を検証することで、
 無駄なものを作るリスクを減らす
 
 発見のプロセスにチームを巻き込むことで、
 リリース後も含めたビジネスの成功率を上げる
 
 場を作ることで、POの独断孤立を防ぎ、
 透明性高くチームの方向性を作る
 まとめ


Slide 36

Slide 36 text

参考書籍
 プロセス全体
 『プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける』 
 『INSPIRED』『デザイン思考が世界を変える』 
 『ジョブ理論』『WHYから始めよ』 
 ビジョン
 『学習する組織』『ストーリーとしての競争戦略』『ビジネス・フォー・パンクス』 
 ロードマップ
 『Product Roadmaps Relaunched』 
 ユーザーインタビュー 
 『リーン顧客開発』『マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書』 
 USM・MVP
 『ユーザーストーリーマッピング』 
 事前検死
 『失敗の科学』『ゲームストーミング』 
 スクラム
 『エッセンシャルスクラム』『アジャイル開発とスクラム』『失敗の本質』 
 問い
 『問いこそが答えだ!』『Wait, What?』 
 ワークショップ
 『問いのデザイン』『ゲームストーミング』