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⾼⽊ 悟 2024年5⽉31⽇ 超複雑なドメインが絡む プロダクトにどう向き合っていくか

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2 高木悟
 プロダクトマネージャー 公認会計⼠/税理⼠ 会計業界出身のプロダクトマネージャー
 2011年公認会計士試験合格
 2011年〜2014年 新日本有限責任監査法人にて会 計監査
 2014年〜現在 freee(勤続10年)
 副業で会計事務所もぼちぼちやってます
 PdM歴は7年。税理士ということもあり「税」と名のつく プロダクトは色々と担当してきました。


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  私が担当している/してきたプロダクト 法⼈税を代表とした各種税⾦の申告 ができるプロダクト ターゲットは会計事務所、法⼈経理 確定申告‧インボイス‧電帳 個⼈事業主の所得税計算を⾏う確定 申告。インボイスにおける消費税申 告、優良電⼦帳簿等を担当。 freee会計の中での税⾦が絡む領域

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  01 複雑なドメインとは  02 チームの課題とその学び 03 要件定義の課題とその学び 04 複雑なドメインに向き合う⼈への 応援メッセージ ⽬次

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  01 複雑なドメインとは  02 チームの課題とその学び 03 要件定義の課題とその学び 04 複雑なドメインに向き合う⼈への 応援メッセージ ⽬次

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B to Bのバックオフィスプロダクト開発はドメイン理解が必須!

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そもそもドメイン理解には2種類ある ①法制度‧計算⾃体の理解 →例:法⼈税とは?所得税とは?インボイスと は?電⼦帳簿保存法とは? ②ユーザー業務の理解 →例:法⼈税を計算している会計事務所はどうい う業務フローになっているのか

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①法制度‧計算⾃体の理解〜法⼈税のケース

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②ユーザー業務の理解〜会計事務所のケース

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開発するためのドメイン理解の難易度が⾼すぎる →このテーマに約7年ほど向き合ってきた学びを PM視点で共有します

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  01 複雑なドメインとは  02 チームの課題とその学び 03 要件定義の課題とその学び 04 複雑なドメインに向き合う⼈への 応援メッセージ ⽬次

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チームの課題〜全員にドメイン理解を求めるのは酷 →特定の⼈が先駆者になりつつチーム全体の底上げも⾏うモデルへ 税務のバックグラウンドな い状態がほとんど。 開発する内容をまずキャッ チアップするだけでも⼤変 Eng /UX 税務のバックグラウンドは あれど、開発のバックグラ ウンドはない。 ドメイン理解以外にも⾊々 求められてしまうのはきつ い PM 税務のバックグラウンドな い状態がほとんど。 変更点が多いので変更箇所 を追っていくだけで⼤変 QA

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まずPMがドメイン理解の先駆者にたつ 〜①計算/法制度を理解する

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まずPMがドメイン理解の先駆者にたつ 〜②ユーザーの業務フローを⽣情報で理解する

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コード/デザインに落とし込 む時にやっぱり⾃分で理解 しないと出来ない。。 Eng /UX ⾃分はばっちりわかった! PRDに計算定義は書いたけ ど、これで良いのかな、、 PM ある程度、前提情報がない とそもそもテストに取り掛 かることも難しい。。 QA チームの課題〜特定の⼈だけが知ってるだけでは意味がない

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チーム全体の底上げをする 〜ドメイン勉強会を実施しチーム全員を巻き込む

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チーム全体の底上げをする 〜USMを実施し複雑な業務フローの理解をチームで⾏う

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チーム全体の底上げをする 〜不具合対応‧障害対応をチームで⾏う (同じ釜の飯を⾷う) バグチケットを チームで毎日 朝会で見る

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PM機能を「ピュアPM」と「ドメインスペシャリスト」 に分割する 開発優先度のジャッジ等、 ⼀般的なPMに求められる 機能を満たしていく ドメインスペシャリストを 活⽤し開発とのブリッジを ⾏う。 ピュアPM 法制度/計算/ユーザー業務 をチームで⼀番理解してい る存在となる。 主に要件定義に責任を持つ ドメイン スペシャリスト

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  01 複雑なドメインとは  02 チームの課題とその学び 03 要件定義の課題とその学び 04 複雑なドメインに向き合う⼈への 応援メッセージ ⽬次

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他プロダクトのPRD(要求定義書)を流⽤すると これはこれで必要だが、 計算の網羅性を担保できる ようなものではない

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ドメインが複雑(=計算が複雑)なプロダクトには スプレッドシート等で網羅性と関連性を重視することが⼤事 とにかく断⾯での要件定義にせず、多⾯的な要件定義を⼼がける

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法律が絡む場合は関連団体/サービスからの情報収集が命 常にアンテナを貼り続ける 複雑なサービスを開発している場合、意外と関連団体があることが多い。 その関連団体への加盟/参加を積極的に⾏い、情報収集をし続ける。

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  01 複雑なドメインとは  02 チームの課題とその学び 03 要件定義の課題とその学び 04 複雑なドメインに向き合う⼈への 応援メッセージ ⽬次

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僕⾃⾝めちゃくちゃ悩みました ①モチベーションが低下しやすく定着しづらい ②難易度⾼そうなので社内で敬遠されがち ③ユーザーからはボコボコにフィードバックされがち ④品質の要求⽔準が異常に⾼い

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ドメイン難易度が⾼いプロダクトは実はお得かもしれない ● ドメイン難易度が⾼いということ=参⼊障壁がとても⾼い ということ ● 開発頑張ってると、離れられない‧唯⼀無⼆のプロダクト にきっとなれている。 ● そして頑張り続けている開発チームは、いつのまにか 職⼈集団になっており、そのチーム⾃体が競争⼒の源泉に なる(良い意味で簡単に真似できない)

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複雑なドメインが絡む開発を楽しんで、 良いプロダクトを作っていきましょう!

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