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困難を「一般解」で解く 2025-03-05 技術参謀たちの戦略図 〜リーダーシップという選択肢と彼らが選んだ企業の魅力〜 藤原俊一郎 @fujiwara

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自己紹介 @fujiwara (X, GitHub, Bluesky) さくらインターネット クラウド事業本部(2025/02〜) 面白法人カヤック(〜2025/01) ISUCON 優勝4回 / 運営(出題)4回 github.com/kayac/ecspresso github.com/fujiwara/lambroll

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Staff Engineerの4類型 Tech Lead チームを導く Architect 設計で方向性を示す Solver 困難な問題を解決する Right hand 経営陣と技術陣をつなぐ

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Staff Engineerの4類型 Tech Lead Architect Solver Right hand 自分はどれか強いていえば、Solver (もちろん全員被る領域はある)

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Solver = 困難な問題を解決する、火消し 困難な問題とは例えば… パフォーマンスチューニング 障害対応 セキュリティインシデント対応 コンポーネントの適切な使い方をする これが実は意外と難しい 運用における諸問題 (ログ、監視、アラート、デプロイ、etc) エンジニアリングや運用における困難 = 要因が単純ではない、複合的

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やってきたこと 現場で出会った困難な問題を解決する 単にその場で解決するだけではなく、レバレッジの効く形で解決するのがベター レバレッジの効く形とは… そのプロジェクト/プロダクトに閉じていない解決法を見つける それを実装 / 導入 / 啓蒙する → 他のプロジェクト/プロダクトにも効く(みんなうれしい)

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実例1: ログをAmazon Redshiftに取り込む 2015年ごろ fluent-plugin-redshift を使っていて運用が辛かった (最初に入れた Lobi というプロダクトで自分が…) fujiwara/Rin ( 26) で置き換え → 他のタイトルやログ基盤にも導入    

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実例2: オートスケール環境でのスケーラブルなデプロイ 2014年ごろ (Lobiで) EC2でオートスケールがしたかったが、rsyncベースのデプロイでは困難 fujiwara/stretcher ( 249)を開発 → 他タイトルにも適用できた。コスト削減効果大

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実例3: ECS / Lambda のデプロイ そろそろコンテナ/FaaSを本格導入したかった2017年ごろ Amazon ECS: そもそもデファクトなデプロイツールがなかった kayac/ecspresso ( 892)を開発 大変世間の皆様のお役に立っているようです AWS Lambda: apex/apex を使っていたが… 2019年にEoL → fujiwara/lambroll ( 385)を開発 ecspresso 同様の使い勝手になるように便利にしていった

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ECS → Lambda でスケール速度改善+コスト削減 2024年 アクセスのスパイクが鋭い+予測困難なマイクロサービス ECS ではオートスケールが追いつかない fujiwara/ridge ( 63) を使って Lambda に置き換え アプリのコードは変更なし スパイク耐性が大幅にアップ(突然10倍きても平気) コストも大幅に削減 デプロイフローの変更は最小限 ecspresso / lambroll が同じ思想で作られているので 同じように使える

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Staff Engineer の役割 広い範囲に技術で影響力を及ぼせるのが Staff Engineer Solver = 困難な問題がある現場でその問題を解く 可能であれば 「一般解で解く」 ある現場で解いた問題は、他でも簡単に解けるようになる 解法が OSS なら社内だけではなく、世間でも解けるようになる ジュニアエンジニア = 自分の困難を解決できる シニアエンジニア = チームの困難を解決できる Staff Engineer = 会社/業界の困難を解決できる

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「最強のSREイネイブラー」by Songmu https://junkyard.song.mu/slides/fujiwara-tech-conference/#27