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エンジン戦略における ブリッジエンジニアの役割 2019/6/6 吉本誠也

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吉本誠也 • 前職 • ウェブゲーム開発 • 2013年グリー入社 • ネイティブゲーム配属 • ハコニワ、天と大地と女神の魔法、武器よさらば等 自己紹介

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• 2013年頃、グリーとしてもネイティブゲームシフトしていく序 盤に作成していたアプリ • unity • Flash→lwf • SMY(StateMachine written in YAML) • サーバEN ハコニワ

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• マルチプレイRTS • unity • 2014年頃のスマホでも動くようにバトルの経路探索等ロジック 全般C++のバイナリをUnityで読み込んで使用 • UI、バトルロジック 天と大地と女神の魔法

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• ごりごりのアクションゲーム • Unity • バトルロジック、バトルUI 武器よさらば

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同一エンジンなのです! 実はこれ・・・

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同一のエンジンを使うことで 多くの開発人員が必要 開発工数の圧縮 多くの開発人員が必要 注力領域にフォーカス グリーには複数の自社エンジンが存在

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だがしかし ©️ WFS

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• 日々生まれ続けているゲームアプリ • 長年運用されクオリティを上げ続けてきたアプリ • 高いクオリティ、多くのコンテンツを有する状態でリリースし ないとヒットは生まれない アプリ開発レッドオーシャン時代

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• プロトタイプ8人で3ヶ月やって・・・ • アルファ期間20人で半年やって・・・ • ベータ期間30人で半年やって・・ • QA期間40人で1ヶ月やって・・ やっとリリース(1例) レッドオーシャン時代のアプリ開発は

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レッドオーシャン時代のアプリ開発は 多くの開発人員が必要 多くの開発人員 多くの開発人員が必要 柔軟な人数増強 他社様の力をお借りしましょう 注 1例です 動ける人員がすぐに 確保できない・・・

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共同事業モデル A社 グリー 最近の某開発事例

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共同事業モデル A社 : グリー 最近の某開発事例 共同事業モデル A社 :パブリッシャー、CS業務、版元交渉(IP監修) グリー:ゲーム開発責任、プロトタイプ作成、QA、コンサ ルタント及び実務サポート

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共同事業モデル A社 : グリー 最近の某開発事例 共同事業モデル A社 :パブリッシャー、CS業務、版元交渉(IP監修) グリー:ゲーム開発責任、プロトタイプ作成、QA、コンサ ルタント及び実務サポート グリー側では社内スタッフ、外部開発会社との開発体制の構築

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最近の某開発事例 • プロトタイプ3ヶ月 • アルファ期間2ヶ月 • ベータ期間7ヶ月 • QA期間2ヶ月 開発会社B社様 グリー グリー A社様 A社様 開発11ヶ月でリリース グリーの技術資産を活用しつつ 円滑な開発でリリースさせる 全職制での本開発

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最近の某開発事例 他所の技術を使って11ヶ月でリリース? グリー(ゲーム開発責任、QA、コンサルタント及び実務サポート) A社様(パブリッシャー、CS業務、版元交渉) 考えた企画は実装できるのか? B社様(全職制での本開発) 実装方法は他社特許にひっかからない?

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この座組みで問題になりやすいこと • グリーだけで企画を詰め切ることができない • 開発会社が既存技術の解読に時間が取られてしまう • パブリッシャーからへの返答に即答できない

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この座組みで問題になりやすいこと • グリーだけで企画を詰め切ることができない • 開発会社が既存技術の解読に時間が取られてしまう • パブリッシャーからへの返答に即答できない • 開発会社の技術的課題でのコミュニケーションコスト ブリッジエンジニアを入れましょう!

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ブリッジエンジニアが入ることで • 企画速度UP:既存のエンジンで何ができて、何ができないのか 瞬時にわかる • 実装速度UP:既存のデバッグ機能、マスタ構造、既存の実装に 精通していることでどこをどうすればすぐ実装できるかわかる。 開発会社の躓きポイントに気づきいち早く対策を講じることが できる。

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アルファ期間の業務例 • B社様会議室にてマスターデータ、デバッグ方法説明会 • B社様オフィスに吉本の席を用意してもらい、週2〜3作業 • B社様の開発にあたってひっかかる箇所のヘルプ 簡単に聞ける関係づくりの構築

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アルファ期間の業務例 • グリーアートチームの表情差分書き出しを簡略化したい →どういう形でやれば良いか社内で話しながらルール作成 →jsxで表情グループ以下の表情差分を切り出して配置

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アルファ期間の業務例 • グリーアートチームで作った地図をゲーム中に出したい →psdからjsxでpngとjsonを吐き出してUnity側で読み込み 会社間のやりとりを極力省く

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その結果 • 2ヶ月でアルファビルドの完成 • ホーム、クエスト、バトル、リザルトがさし代わり、別ゲーム に生まれ変わる

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ベータ期間の業務例 • 何にどれくらいメモリを使えるのかわからない →ベースエンジンのメモリ管理を参考に

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ベータ期間の業務例 • 特許問題でA社、グリー共に実装観点で問題ないかの確認を求 められる →資料を作成して説明し問題ないことを確認

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ベータ期間の業務例 • 開発会社のENに1機能の開発に2ヶ月の工数が必要と言われる →既存の機構を利用することで、一ヶ月でできることを説明し、 ヘルプにも入った • UIの組み込み要員が足りなくなった →prefabいじり続ける(便利機能の開発) • 開発会社から納期までに入れられない機能があると言われる →自ら実装

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その後もいろいろありつつ ©️ WFS

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なんだかんだで 多くの開発人員が必要 無事リリース!

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総じて • 自社だけでは開発コストがどうしても高くつく時代 • 自社の蓄積を活かしつつ、他社と共同して新しいプロダクトを 効率よく生み出していきたい 様々な人や技術をつなぐ ブリッジエンジニアが重要です

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ご清聴ありがとうございました ©️ WFS