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インフラ構築をふりかえりでカイゼンする! - お互い何してるかわからないチームから、 モブ・ネットワーク機器コンフィグ作成をやるチームへ - BBSakura Networks 日下部 水規 1 スクリーンショット・ SNS投稿 OK 味変!

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自己紹介 ● 日下部 水規(くさかべ みずき) @n0mzk ● ● 北海道 小樽市在住 ● 7歳娘・4歳息子・1歳息子の母 ● 趣味: ピアノ ○ 娘と一緒に去年習いはじめました ○ 発表会に向けて練習中 2 スクリーンショット・ SNS投稿 OK カエルじゃないよ トカゲだよ

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● BBIXとさくらインターネットのジョイントベンチャー ○ BBIX: Internet eXchange などのネットワーク事業の会社 ○ さくらインターネット: データセンター事業・クラウド事業・ソフトウェア開発事業の会社 ● BBSakura: ソフトウェア開発力を生かしてネットワークサービスを作る! 開発・運用しているサービス : ● さくらのセキュアモバイルコネクト ● さくらのショートメッセージサービス ● OCX (Open Connectivity eXchange) ● BBIXお客様向けポータル 3 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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「石狩ラボ構築プロジェクト」紹介 ● ラボ = 物理ネットワークの実験・検証ができる環境を作るプロジェクト ○ データセンターにラックを借りて、ルータ・スイッチ・サーバを選定して、稟議を通して、購入、ネット ワーク設計、ラッキング、設定をする ● 背景 ○ 我々はソフトウェア開発力を活かしてネットワークサービスを開発・運用する会社である ○ ネットワークのことを知らないとサービスを作れない ■ 物理環境を触ること・ネットワークを構築することが知識を身につける最短方法 ○ 雑に触れる・壊しても許される物理環境によって、新しいプロダクトが生まれてきた ■ 社員がだれでも自由に触れる物理環境が、将来のプロダクト開発の土壌となる ● 自由に触れるラボを作ろう! ● 作るところも、ネットワークの経験の浅いメンバーでやろう! 4 「味変」要素: ソフトウェア開発じゃないプロジェクトにふりかえりを導入した話 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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プロジェクト始動 ● 2022年6月 メンバー参集、キックオフ ● それぞれ持っている"本業"と別で隙間時間にやるサブプロジェクト ● 週1回、1時間の定例会を開催 ○ 進捗状況確認・報告 ○ 調査中の項目の相談 ○ 次週のタスク確認 ● Jira でタスク管理しながら1週間スプリントを回す ○ 1週間のあいだに各自タスクを進めていく 5 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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時系列 ● 2022年6月 ○ 始動、キックオフ、プロジェクト運営方法決定 ○ 機器選定基準がわからず苦労、ラボでやりたいことが出てこない ● 8~9月 ネットワーク構成検討開始、最低限の目標決定 ○ それぞれ本業が忙しい、メンバーのコロナ感染などあり停滞 ○ 9月末から設計図を描き始め、ようやく議論らしい議論ができるように ● 10月末 方針転換 ○ スイッチの納期が長い、待っていたら年度もまたぎ、勢いが失われてしまう ○ 自宅に余っていたスイッチを使って仮の構成で構築することに ■ このスイッチは、数年前に夫から誕生日プレゼントでもらって余らせていたもの ● 11月 構築に向け調査・準備を加速 ● 12月 構築 ○ 「時間が余ったらふりかえりをやろう」 ← 初めて"ふりかえり"登場 6 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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初期構築 ● 失敗! ● 「これで通信できるだろう」と作っていたconfigを入れても通信できない ● その場でデバッグ ● 時間切れで解散 ● 打ち上げしてみたけど悔しい気持・モヤモヤで反省会モード ○ 解散後も Slack でつぶやきつづけるメンバーたち ○ Google Meet 立ち上げたら気付いたら朝 4時 ● 後日、プロジェクト始動から半年以上経って初めてのふりかえり! 7 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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ふりかえり ● 「初期構築のリカバリを成功させる」ためのふりかえりを実施 ● 「うまくいかなかった」を共有しているのでふりかえりのモチベーション高 ● 「いいふりかえりにするぞ」とファシリテーションのモチベーションも高 ● チェックイン ● ふりかえりの目的を合意する ● 目的に対する懸念と希望 ● 信号機 before ● タイムライン ● タイムラインに沿って、「ここがよかった」 「ここがよくなかった」「こうしていればよかった」 のふせんを貼る ● 信号機 after ● チェックアウト 8 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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ふりかえりで出た意見 ● 技術面について ○ 検証が足りない ○ 最初の目標から欲張りすぎた、もっとシンプルな構成を目指せばよかった ○ 知識や情報の共有ができていなかった ● プロジェクト運営について ○ お互いのタスクの内容を理解していない ■ 構築作業中も他メンバーがなにをしているのかわからない ○ 本業と並行して新しいことを学んで推進するのは負荷が高い ○ 一人でタスクを取る自信・時間の余裕がない ○ 遠慮がある、「やりたい」「やりたくない」の主張がない、「やってもいいです」が多い ○ 結局いつも同じ一部のメンバーだけがタスクを取ることになる ○ 実はずっと課題に感じていたけどこのタイミングまで言えなかった ○ 意見を言う、相談するような関係性ができていなかった 9 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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ふりかえりをやってみて ● ふりかえりをやってよかった! ○ リカバリ構築までにやるべきことが明確になった ○ チーム・プロジェクト運営の問題点がわかり、改善策が出てきた ○ 思っていたこと・感じていたことを話すための場を設定することは大事 ■ そのための場が用意されないと言えないことがある ● もっと早いタイミングでふりかえりすればよかった ○ そうすれば上記のようなことがもっと早いタイミングでわかったはず ● なぜこのタイミングまでふりかえりができなかったのか? ○ チームビルドできていなかったから? ○ 明確な区切りがなかったから? ○ 1週間スプリントは回していたが、サブプロジェクトで 1週間は短かすぎた? 10 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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ふりかえり後 ● リカバリに向けて再始動 ● すぐアクションにうつせるものはうつした ○ みんなのこのプロジェクトに対する気持を聞く ○ 定例会の曜日・時間・進行役を変えてみる ○ それぞれが持っている情報を資料にまとめる、共有する ○ 仮想実験環境を整備する(追加ライセンスの購入など) ● 一人でやりますとは言えないタスクは複数人でやる ○ モブ・ネットワーク機器コンフィグ作成 ○ 早い、知識共有できる、プロジェクトから離れている期間があっても追い付ける 11 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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ふりかえり後、リカバリ構築へ ● ふりかえりやってよかった!出てきた課題に取り組めている!効果が出ている!が チームで共有されている ● 毎週のふりかえり導入 ○ 定例会の最後に5分だけ、「よかったこと」「課題だと感じてること」を同時編集で記載 ○ リアルタイムに反応・返信しながら、音声でも話しながら ○ 「これが遅れています」「手伝います」「一緒にやりましょう」が生まれる ● ふりかえりで出た課題に対応するようにタスクを作って進める ○ 事前検証を実機でやる ○ 構築手順・検証項目を作り、共有し、レビューする ● そして3月末、リカバリ構築、成功! 12 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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あらためて、ふりかえりを経て進めてみて ● インフラ構築にもふりかえりは有効! ● あたりまえのことがやっぱりだいじだとわかった ○ チームビルドだいじ ○ ふりかえりの場、だいじ ○ 時間を割けないサブプロジェクトだからこそ短いスパンでの共有がだいじ ■ 経験がない領域で試行錯誤する段階ではとくに ○ 失敗の経験を共有するのもだいじ 13 スクリーンショット・ SNS投稿 OK

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俺たちの戦いはこれからだ! ● ラボプロジェクトはまだまだ続く ○ 仮構成を脱してホワイトボックススイッチを入れる予定 ○ 新しいメンバーも募集中 ○ 利用事例も: 私の本業で、プロダクトを作るための実験をラボでやる予定 ● まだまだ新しい状況で試行錯誤が続く ○ これからもふりかえりをくりかえして、自分たちのパタンランゲージを見つけていく ○ パタンランゲージをチームに浸透させて改善していく ○ それらをできる人をふやしていく 14 To Be Continued スクリーンショット・ SNS投稿 OK