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© 2025 Loglass Inc. 2025.5.15  Hiroto Ryushima 分解し、導き、託す ログラスにおける“技術でリードする” 実践の記録 Techlead Meetup

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© 2025 Loglass Inc. Contents 1. 自己紹介 2. 分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 3. 実践から考える技術的リーダーシップ 4. まとめ

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© 2025 Loglass Inc. 01 自己紹介

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© 2025 Loglass Inc. Profile 龍島 広人 株式会社ログラス シニアソフトウェアエンジニア 2022年3月にログラスへ入社。 機能開発、新規事業開発、育休などを経て、現在はア プリケーション基盤チームに所属。 データベースの高速化や品質保証に関心があり、 パフォーマンス課題に継続的に取り組んでいる。 Hiroto Ryushima

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© 2025 Loglass Inc. 02 分解-再統合パターンでの 技術イネイブリング実践

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© 2025 Loglass Inc. 課題 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践

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© 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践

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© 2025 Loglass Inc. パフォーマンスセンシティブな参照機能 ● ユーザのデータ量、利用方法によってパフォーマンスが大きく変化 ● 仕様上オンラインで処理しなければならない内容が多い 機能開発は止められない ● ビジネスは急成長、新機能開発はスピード感が求められる ● パフォーマンス課題が大きな足かせとなってしまっていた 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 課題

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© 2025 Loglass Inc. 難易度が高く、アーキテクチャレベルで変更が必要な パフォーマンス課題にまとまった時間を取れない 課題をチームから分離して解決策を検証、意思決定 再統合して組み込むアプローチで解決 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 課題

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© 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー 課題の深堀り 切り離し フィーチャー チーム イネイブラー 技術検証 解決策の導出 フィーチャー チーム イネイブラー 知識伝播 実装 分解 導出 再統合 分解-再統合パターン 新しい価値提供 に集中 ここが難しい! 出典:偶有的複雑性と戦うためのアーキテクチャとチームトポロジー https://speakerdeck.com/knih/architectures-and-topologies?slide=55

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© 2025 Loglass Inc. 再統合フェーズの難しさ 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 検証、意思決定の中心にいなかったフィーチャーチームへの オーナーシップの醸成 新技術のキャッチアップの負荷

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© 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー 分解 導出 再統合 分解フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 課題を分離し、本質を掘り下げる ● フィーチャーチームに入り込み、課題への解像度を高めるフェーズ ● パフォーマンスが劣化するデータやクエリのパターン分析 ● ボトルネックを明らかにし、現行アーキテクチャの限界を見定める ○ 中長期ではどういった課題に発展しうるか? 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー 分解 導出 再統合 導出フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 解決策の探索と検証 複数案を探索し、意思決定への情報を集める 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 導出フェーズ パフォーマンス課題のため 定量情報を重視 実際に近いデータ、 クエリ傾向でPoC実装、性能検証 現行体験とのトレードオフを整理 PdM、CSとの対話、議論

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© 2025 Loglass Inc. 解決方法の意思決定 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 導出フェーズ 短期的な視点 今の課題が解決可能か? 中長期的な視点 今後の課題解決につながるか? 既にお客様影響が出ているため 早急に対応する必要があるが、 パフォーマンス、キャッチアップコスト 共に検証により可能と判断 分解フェーズでの調査から、 パフォーマンス課題は今後 より高度化する可能性が高い。 高いチューニング性が必要と判断 Rustによるクエリエンジンの実装

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© 2025 Loglass Inc. 意思決定の記録(ADR)を残す 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 導出フェーズ チャレンジングな意思決定 アーキテクチャ方針を明文化し、ADRとして合意形成 常に意思決定の理由にたち戻れるように 検証結果含め詳細なログを残す

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© 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー 分解 導出 再統合 再統合フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 再統合フェーズの難しさ(再掲) 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 検証、意思決定の中心にいなかったフィーチャーチームへの オーナーシップの醸成 新技術のキャッチアップの負荷

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© 2025 Loglass Inc. オーナーシップの醸成 ● 実装の主体はフィーチャーチーム ● イネイブラーはペアプロなどはするが主体にはならないように ● フィーチャーチームのオーナーシップがそもそも強い ● 導出フェーズのADRをベースに背景のキャッチアップ ○ 透明性の高いADRの効果 ● 新技術も書籍などから主体的に情報インプット ● チームで開発、運用、改善できるようにするという認識が揃っている 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 再統合フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 新技術のキャッチアップの負荷への対策 ● コア実装ではないがリリースまでに必要な部分を巻き取ることで フィーチャーチームが新技術のキャッチアップに集中できるように ● 例) 新旧アーキテクチャを比較する機能、性能テスト ● Shadow Testingの仕組みを実装フェーズから整備 ● 本番のトラフィックで同一の結果かつ高速に レスポンス出来ていることを確認 ● 安心して本番リリースに向かえるように 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 再統合フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 再統合フェーズの難しさ(再掲) 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 検証、意思決定の中心にいなかったフィーチャーチームへの オーナーシップの醸成 新技術のキャッチアップの負荷 コア実装をフィーチャーチームに委譲 & 元来のオーナーシップの強さ コア実装以外の部分を巻き取ることでチームがキャッチアップに集中

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© 2025 Loglass Inc. スムーズな知識伝播と実装、運用開始に成功 ● リリース前から自身はメイン業務を別に切り替えたが無事リリース成功 ● リリース後の拡張開発をフィーチャーチームのみで実現 ● 運用フローもフィーチャーチームのみで回せるように 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 再統合フェーズ

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© 2025 Loglass Inc. 03 実践から考える 技術的リーダーシップ

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© 2025 Loglass Inc. 今回の技術的リーダーシップのポイント ● 意思決定の透明性を高める ● ADR、詳細な検証ログ ● 実装自体はフィーチャーチームの責務として任せる ● 新しいアーキテクチャ、技術をチームのものにする ● キャッチアップのため足場を作る ● コア実装以外の技術的不安要素の取り除き ● 新しい能力獲得に集中できる環境を整える 03|実践から考える技術的リーダーシップ

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© 2025 Loglass Inc. 技術的フォロワーシップ 意思決定に対して主体的に動く能力、姿勢 ● ADR、検証結果から技術的有用性の理解、キャッチアップ ● 主体的なコア実装、運用フローの構築 03|実践から考える技術的リーダーシップ 技術リーダーシップとの組み合わせで高難易度課題の解決

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© 2025 Loglass Inc. 04 まとめ

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© 2025 Loglass Inc. まとめ ● 分解-再統合パターンで技術難易度の高いパフォーマンス課題を解決 ● イネイブリングにおける技術的リーダーシップのポイント ● 意思決定の透明性 ● チームにオーナーシップを委譲 ● キャッチアップに集中する足場づくり ● 技術リーダーシップとフォロワーシップによってより高度な課題解決 04 | まとめ

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© 2025 Loglass Inc.