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#RAKUSMeetup ©2022 RAKUS Co., Ltd. サービスを陳腐化させない 組織だった技術刷新 2022.6.1 Isamu Suzuki

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#RAKUSMeetup 鈴木 勇 / @moomooya LTの売人(足を洗い気味) 株式会社ラクス 技術推進課 ● ガンプラ部 部長 ● 技術推進プロジェクト 旗振り ● 技術ロードマップ更新 主幹 ● 各チームのお悩み相談 プライベート ● 自宅ESXi管理者 ○ 先日マイクラサーバー再稼働した ○ 「書類、”共有”に入れておいた」 という一般的な家庭の会話 ● ボドゲデザイナー ● 写真展やったり ● 料理したり ○ 某Youtuberが経営してた店 より美味いらしい……

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#RAKUSMeetup 今日のお題 1. ビジネスの成功 2. システムの陳腐化 3. 技術刷新タイミングの逸脱 4. ではどうするか?

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#RAKUSMeetup ビジネスの成功→サービスの長命化 ● ビジネスの失敗→サービスクローズ ● ビジネスの成功→🎉長寿サービスの誕生🎉 エンジニアリングにとって   「作る」ことは大事   「続ける」ことはもっと大事(=大変)

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#RAKUSMeetup サービスが成功すると 成長期に利益を伸ばすため 大量の機能を実装する =技術的負債の蓄積

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#RAKUSMeetup 成熟期には顧客が多く 大規模な改修がしにくくなる 開発速度も余裕はない =システムの陳腐化

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#RAKUSMeetup

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#RAKUSMeetup 今回は 「システムの陳腐化」 について

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#RAKUSMeetup なぜ大規模な改修がしにくいのか ビジネスサイドと合意しながら進める開発だと  「良くなりそうだけど   良くならないかもしれない    でもきっと良くなる」 という開発項目は取り組みにくい。 本当は「○○を検証する」というタスクで予算確保できるとよい。 が、現実は厳しいことが多い。

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#RAKUSMeetup 不確定性がなくなれば解決する? 成果が見えていれば開発項目に取り込みやすい。 →サービス開発とは別に予算確保できる仕組みを構築 ※実際には全サービスで割り勘してるだけ 先行検証の仕組みが整った

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#RAKUSMeetup やりたいことは多い~理想と現実~ これで解決、とはいかない。 検証したい項目は無限にある。手当り次第やるわけにはいかない。 自社で「一番イケてないところ」から順番決めて取り掛かる。

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#RAKUSMeetup イケてない>>(超えられない壁)>>>やるとカッコいい イメージとしては   並に出来てる(コスト5) → イケてる(コスト3) 2改善 よりも   イケてない(コスト10) → 並に出来てる(コスト5) 5改善 を優先する。

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#RAKUSMeetup https://speakerdeck.com/moomooya/distribute-tasks

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#RAKUSMeetup 技術ロードマップ

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#RAKUSMeetup 何を検証していくかのロードマップ 事業の成長ペースやサービス特性、顧客特性、技術トレンドを考慮し て必要になる技術の優先度付けをしたもの。 3年先までを目処に毎年更新。 更新作業は社内のベテランエンジニアを総出で駆り出す。 →このロードマップに従って技術検証を進める

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#RAKUSMeetup 技術検証について 前提として「サービス開発の中で検証、導入検討する」のがベスト 技術ロードマップから拾いきれない部分を 先行検証プロジェクト(=「技術推進プロジェクト」)で別途対応。

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#RAKUSMeetup 技術推進プロジェクト

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#RAKUSMeetup 技術推進プロジェクトの実績 マイクロサービス 無停止運用 フレームワーク 匿名化情報 機械学習 認証認可 GraphQL ……

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#RAKUSMeetup プロジェクトのサイクル

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#RAKUSMeetup プロジェクトのサイクル 約8ヶ月間の準備期間 ● テーマの必要性検討 ● 人員の確保 ○ 各部署との調整 ○ 興味とテーマのマッチング

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#RAKUSMeetup 技術推進プロジェクトの様子~上期の例 ● 4~5月 ○ 顔合わせ ○ テーマについて調査 ● 6月 ○ 検証詳細を計画 ○ 検証環境の構築 ● 7~8月 ○ 検証実施 ○ 成果発表準備 ● 9月 ○ 成果発表 ● 人員 ○ テーマごとに2~3人 ■ リーダー1人 ● ベテランエンジニア ■ メンバー1~2人 ● 3年目以降くらい ● 時間、期間 ○ 週5時間 ○ 半期もしくは通年 ■ 3人 = 約2人月/半期 ● 実施 ○ チームごとに実施日を設定 ○ 実施日に集まって検証

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#RAKUSMeetup 技術推進プロジェクトでの検証成果 各テーマの検証成果は開発組織内に共有。 要否の判断も期待しているので ● 導入したいもの ● 導入の必要がないもの の両方とも出てくる。それもまた取り組みの成果。

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#RAKUSMeetup 検証成果はできる限り公開 あまり社内ではアピールしてないけど ”openess” に従って 検証成果はできるだけ公開。 国内Webサービス発展の 一助となれば。 https://tech-blog.rakus.co.jp/

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#RAKUSMeetup 本取り組み自体もオープンに テックブログでも記事にしていますが、今日話した仕組みについても オープンにしてます。 同じ悩みをもつ企業様で取り込む際の参考にしてもらえれば。 (その成果もオープンにしてもらえると嬉しい……) https://tech-blog.rakus.co.jp/entry/20211216/gisui

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#RAKUSMeetup こういった取り組みの注意点 開発組織全体の位置付けとしてはサービスの「技術刷新の促進」 サービスに反映されるまでは3~4年くらいかかります。 ● 大きな仕組み変更は年単位で計画している ● そもそも3年先の課題感を見越している 確信持ってじっくりやるのが大事 ※「認証基盤」の話は珍しい例

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#RAKUSMeetup ラクスでは…… 長寿サービスを衰退させないために 3年 以上 前から先手を打って 陳腐化を防ごうとしています。 というお話でした。

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#RAKUSMeetup Thank you for your watching. 🙂