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株式会社ナビタイムジャパン 小田中 育生 OKR-based Scrum Team OKR-based Scrum Team 株式会社ナビタイムジャパン 小田中 育生

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小田中 育生 (おだなか いくお) (株)ナビタイムジャパン VP of Engineering ACTS(研究開発) ルートグループ責任者 経路探索の研究開発部門責任者としてGPGPUを活用した超高速エンジンや MaaS時代にフィットしたマルチモーダル経路探索の開発を推進 移動体験のアップデートに携わりながら、VPoEとしてアジャイル開発の導入 推進、支援を行う。 著書「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」インプレス

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我々はなぜここにいるのか

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ナビタイムジャパンは 「なぜここにいるのか」

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人の目的地が変わった ナビタイムジャパンプレスリリース「緊急事態宣言による交通量および目的地検索の変化を分析」より https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202006/30_5265.html

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目的地への行き方も変化 ナビタイムジャパンプレスリリース「緊急事態宣言による交通量および目的地検索の変化を分析」 (2020/06/30) より https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202006/30_5265.html

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世界が変わる。人々の課題が変わる。 プロダクトが目指すべきものも変わる。

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Go Toによる変化 ナビタイムジャパンプレスリリース「『Go To トラベル事業』東京都追加による経路検索の傾向を分析」 (2020/10/21) より https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202010/21_5301.html

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再びの緊急事態宣言

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変化が激しい!

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「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」 Lesson 42 プラクティスの習慣化 図表42-1 改変 計画作り 開発 作成物 レビュー ふりかえり 朝会 世界が変わっていくからこそ 変化に適応するアジャイルが 強い武器となる

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コロナとか云々じゃなく もともと「問い直し」は必要

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“根本的な問題は、組織にとって重 要な意味を持つ外部の出来事が、 多くの場合、定性的であって定量化 できないところにある。 ” P.F. ドラッカー(1966). 経営者の条件 ダイヤモンド社 第1章 成果をあげる能力は習得できる より

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新しい出来事に対しては 有効な定量的尺度が存在していない。 定性的なところから出発する。

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今の状況が落ち着けば お出かけ需要は高まる これからは密回避が 移動手段の選択肢に 入ってくる 定性的な外部の出来事から 立てる戦略はあくまで”仮説”

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最適解にたどりつくには反復が必要

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透明性 検査 適応 Back to Basic。 スクラムで変化に向き合う。

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とはいえ、これまでより 変化が激しいのも事実

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我々は変化の速度に ついていけるのだろうか

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会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標 会社、チーム、個人 それぞれに目標がある

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会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標 これらは連動し 変化した場合に伝搬する

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会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標 目標の変化が うまく伝搬しないことがある

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なぜ?

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「現状維持バイアス」 知らないものや経験したことのないも のを受け入れることへの 心理的抵抗 (Status quo bias in decision-making 1988, Richard Zeckhauser,William O.Samuelson)

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Whyへの共感なしに 変化を伝搬させることは難しい Why Why Why 会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標

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“人々が自らの行動を変える可能 性は、次の3つの要因に左右され る。(1)行動を「変えなければならな い」理由をどこまで理解しているか。 (2)どの程度「変えたいと思う」のか。 (3)どの程度「変えられる」のか。” マーク・スティックドーン 、 アダム・ローレンス 、 マーカ ス・ホーメス 、 ヤコブ・シュナイダー(2020). This is Service Design Doingサービスデザインの実践 BNN 第8章 実装 より

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なぜWhyが変化したのか 理由を理解していないと、 現状維持バイアスが発生 Why Why Why Why Why Why

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チームの視点で眺める

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スクラムチームの 基本フォーカスはスプリント

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プロダクト ゴール スプリントの中にいながら プロダクトゴールを見据えて動く

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そもそも 目標って連動する 必要あるの?

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ベクトルがバラつくと 様々な不都合が生じる 会社 チーム 個人 選択と集中による相乗効果が生まれず 費用対効果がよくない状況 チームとしてまとまる必然性がなく チームワークが発生しない 方向性がずれていると評価されない モチベーションが低い

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会社 チーム 個人 ベクトルが揃うと 「組織」の潜在能力が発揮される 相乗効果が生まれやすく 費用対効果の向上につながる チームとしてまとまる必然性があり チームワークが課題を解決していく 方向性があっているため評価される モチベーションが高い

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“境界を超えたコミュニケーションを促進 するためにリーダーにできる行動は三つ ある。一つは共通の目標をフレーミング して、人々を一つにまとめ、コミュニケー ションの障壁を乗り越えようとする意欲を 高めること。次は… ” エイミー・C・エドモンドソン(2014). チームが機能するとはどういうことか 英治出版 第6章 境界を超えたチーミング より

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連動していたほうがよい

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だから、全体のWhyへの 共感を維持する仕組みが必要となる Why Why Why 会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標 共感 共感

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問い 変化に適応し 組織に秩序をもたらし チームをイキイキとさせたい

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提案:OKR-based Scrum Team

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OKRという目標管理方法

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階層間をつなぐOKRツリー

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定性的な目標(O)の達成を 定量的な指標(KR)で計測するOKR 定性的 定性的 定性的 定量的 定量的 定量的

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No content

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OKRを通して共感を育む

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会社のWhyが変化したとき それは自分たちのWhyと共感するか? Objectiveと適合するか? Why Why Why 会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標

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OKRを機能させるCFR (対話、フィードバック、承認)

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対話でWhyに共感していく Why Why Why 会社 チーム 個人

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対話を通して共感を育む… どうやって?

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“決定が成果をあげるには必要条件 を満足させなければならない ” P.F. ドラッカー(1966). 経営者の条件 ダイヤモンド社 第6章 意思決定とは何か より

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Oを満たす必要条件が変わった つまりKRが変わった、という仮説

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外部からの変化を 内部から見つめ、適応する 組織の新しいOKRは 自分たちのOKRと適合するか OK! YES 組織のOを満たす 組織のKRが変化した? NO 変化の妥当性に ついて組織と対話 自分たちのOKRを 更新 YES NO

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そして、OKRは双方向に作用する

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透明性 検査 適応 スクラムチームは 検査と適応を繰り返す

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意思決定 結果 戦略 ダブルループ学習 結果から得られるフィードバックを 意思決定(行動)だけではなく 戦略自体の問い直しに活用する組織学習 ハーバード大 クリス・アージリス教授により提唱 適応は目の前の行動だけではなく 戦略に対しても行う

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学習結果からOKRを見直し 対話を通して全体の目標にも作用していく Why Why Why 会社の 目標 個人の 目標 チームの 目標

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定量的指標であるKRを 根拠とすることで、提案への納得感が増す 定性的 定性的 定性的 定量的 定量的 定量的

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透明性 検査 適応 スクラムチームは透明性を持つ。 変化の理由を正しく伝えやすい

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CFRによる対話の徹底とスクラム これらが、会社・チーム・個人に 深い共感をもたらす

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なぜ、そうまでしてWhyを 共有するのか。共感を深めるのか。

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“オレは『納得』したいだけだ! 『納得』は全てに優先するぜッ!! でないとオレは『前』へすすめねぇッ! 『どこへ』も! 『未来』への道も! 探す事は出来ねえッ!! ” 荒木飛呂彦(2006). STEEL BALL RUN 第8巻 集英社 より

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『納得』が現状維持バイアスを壊す Why Why Why Why Why Why

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『納得』こそが 変化へと適応する鍵

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OKRを問い直し続ける ことで 変化の中でも 「自分事」であり続けられる

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OKRと連動した “OKR-based Scrum Team” は 激しい変化にも納得して向き合える

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会社 チーム 個人 納得することで共感が深まり 人が、チームが、会社が”いきいき”する 相乗効果が生まれやすい!いきいき! チーム感がすごくある!いきいき! やりたいことと求められてることが 一致してる!いきいき!

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“いきいき”とした組織こそが 明日の世界を変える

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Thank you!