2021/01/23(土)に開催されたAgile Tech EXPO主催のイベント「Agile Tech EXPO - New Normal Agile Episode 1」にて発表する資料です。
株式会社ナビタイムジャパン小田中 育生OKR-based Scrum TeamOKR-based Scrum Team株式会社ナビタイムジャパン小田中 育生
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小田中 育生 (おだなか いくお)(株)ナビタイムジャパンVP of EngineeringACTS(研究開発) ルートグループ責任者経路探索の研究開発部門責任者としてGPGPUを活用した超高速エンジンやMaaS時代にフィットしたマルチモーダル経路探索の開発を推進移動体験のアップデートに携わりながら、VPoEとしてアジャイル開発の導入推進、支援を行う。著書「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」インプレス
我々はなぜここにいるのか
ナビタイムジャパンは「なぜここにいるのか」
人の目的地が変わったナビタイムジャパンプレスリリース「緊急事態宣言による交通量および目的地検索の変化を分析」よりhttps://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202006/30_5265.html
目的地への行き方も変化ナビタイムジャパンプレスリリース「緊急事態宣言による交通量および目的地検索の変化を分析」(2020/06/30) より https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202006/30_5265.html
世界が変わる。人々の課題が変わる。プロダクトが目指すべきものも変わる。
Go Toによる変化ナビタイムジャパンプレスリリース「『Go To トラベル事業』東京都追加による経路検索の傾向を分析」(2020/10/21) より https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202010/21_5301.html
再びの緊急事態宣言
変化が激しい!
「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」Lesson 42 プラクティスの習慣化 図表42-1 改変計画作り開発作成物レビューふりかえり朝会世界が変わっていくからこそ変化に適応するアジャイルが強い武器となる
コロナとか云々じゃなくもともと「問い直し」は必要
“根本的な問題は、組織にとって重要な意味を持つ外部の出来事が、多くの場合、定性的であって定量化できないところにある。 ”P.F. ドラッカー(1966). 経営者の条件 ダイヤモンド社第1章 成果をあげる能力は習得できる より
新しい出来事に対しては有効な定量的尺度が存在していない。定性的なところから出発する。
今の状況が落ち着けばお出かけ需要は高まるこれからは密回避が移動手段の選択肢に入ってくる定性的な外部の出来事から立てる戦略はあくまで”仮説”
最適解にたどりつくには反復が必要
透明性検査適応Back to Basic。スクラムで変化に向き合う。
とはいえ、これまでより変化が激しいのも事実
我々は変化の速度についていけるのだろうか
会社の目標個人の目標チームの目標会社、チーム、個人それぞれに目標がある
会社の目標個人の目標チームの目標これらは連動し変化した場合に伝搬する
会社の目標個人の目標チームの目標目標の変化がうまく伝搬しないことがある
なぜ?
「現状維持バイアス」知らないものや経験したことのないものを受け入れることへの心理的抵抗(Status quo bias in decision-making1988, Richard Zeckhauser,William O.Samuelson)
Whyへの共感なしに変化を伝搬させることは難しいWhy WhyWhy会社の目標個人の目標チームの目標
“人々が自らの行動を変える可能性は、次の3つの要因に左右される。(1)行動を「変えなければならない」理由をどこまで理解しているか。(2)どの程度「変えたいと思う」のか。(3)どの程度「変えられる」のか。”マーク・スティックドーン 、 アダム・ローレンス 、 マーカス・ホーメス 、 ヤコブ・シュナイダー(2020).This is Service Design Doingサービスデザインの実践 BNN第8章 実装 より
なぜWhyが変化したのか理由を理解していないと、現状維持バイアスが発生WhyWhyWhyWhyWhyWhy
チームの視点で眺める
スクラムチームの基本フォーカスはスプリント
プロダクトゴールスプリントの中にいながらプロダクトゴールを見据えて動く
そもそも目標って連動する必要あるの?
ベクトルがバラつくと様々な不都合が生じる会社チーム個人選択と集中による相乗効果が生まれず費用対効果がよくない状況チームとしてまとまる必然性がなくチームワークが発生しない方向性がずれていると評価されないモチベーションが低い
会社チーム個人ベクトルが揃うと「組織」の潜在能力が発揮される相乗効果が生まれやすく費用対効果の向上につながるチームとしてまとまる必然性がありチームワークが課題を解決していく方向性があっているため評価されるモチベーションが高い
“境界を超えたコミュニケーションを促進するためにリーダーにできる行動は三つある。一つは共通の目標をフレーミングして、人々を一つにまとめ、コミュニケーションの障壁を乗り越えようとする意欲を高めること。次は… ”エイミー・C・エドモンドソン(2014).チームが機能するとはどういうことか 英治出版第6章 境界を超えたチーミング より
連動していたほうがよい
だから、全体のWhyへの共感を維持する仕組みが必要となるWhy WhyWhy会社の目標個人の目標チームの目標共感共感
問い変化に適応し組織に秩序をもたらしチームをイキイキとさせたい
提案:OKR-basedScrum Team
OKRという目標管理方法
階層間をつなぐOKRツリー
定性的な目標(O)の達成を定量的な指標(KR)で計測するOKR定性的 定性的 定性的定量的 定量的 定量的
OKRを通して共感を育む
会社のWhyが変化したときそれは自分たちのWhyと共感するか?Objectiveと適合するか?Why WhyWhy会社の目標個人の目標チームの目標
OKRを機能させるCFR(対話、フィードバック、承認)
対話でWhyに共感していくWhyWhyWhy会社チーム個人
対話を通して共感を育む…どうやって?
“決定が成果をあげるには必要条件を満足させなければならない ”P.F. ドラッカー(1966). 経営者の条件 ダイヤモンド社第6章 意思決定とは何か より
Oを満たす必要条件が変わったつまりKRが変わった、という仮説
外部からの変化を内部から見つめ、適応する組織の新しいOKRは自分たちのOKRと適合するかOK!YES組織のOを満たす組織のKRが変化した?NO変化の妥当性について組織と対話自分たちのOKRを更新YESNO
そして、OKRは双方向に作用する
透明性検査適応スクラムチームは検査と適応を繰り返す
意思決定結果戦略 ダブルループ学習結果から得られるフィードバックを意思決定(行動)だけではなく戦略自体の問い直しに活用する組織学習ハーバード大 クリス・アージリス教授により提唱適応は目の前の行動だけではなく戦略に対しても行う
学習結果からOKRを見直し対話を通して全体の目標にも作用していくWhy WhyWhy会社の目標個人の目標チームの目標
定量的指標であるKRを根拠とすることで、提案への納得感が増す定性的 定性的 定性的定量的 定量的 定量的
透明性検査適応スクラムチームは透明性を持つ。変化の理由を正しく伝えやすい
CFRによる対話の徹底とスクラムこれらが、会社・チーム・個人に深い共感をもたらす
なぜ、そうまでしてWhyを共有するのか。共感を深めるのか。
“オレは『納得』したいだけだ!『納得』は全てに優先するぜッ!!でないとオレは『前』へすすめねぇッ!『どこへ』も!『未来』への道も!探す事は出来ねえッ!! ”荒木飛呂彦(2006). STEEL BALL RUN 第8巻 集英社より
『納得』が現状維持バイアスを壊すWhyWhyWhyWhyWhyWhy
『納得』こそが変化へと適応する鍵
OKRを問い直し続けることで変化の中でも「自分事」であり続けられる
OKRと連動した“OKR-based Scrum Team” は激しい変化にも納得して向き合える
会社チーム個人納得することで共感が深まり人が、チームが、会社が”いきいき”する相乗効果が生まれやすい!いきいき!チーム感がすごくある!いきいき!やりたいことと求められてることが一致してる!いきいき!
“いきいき”とした組織こそが明日の世界を変える
Thank you!