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スモールビジネスを、 世界の主役に。 横路 隆 2023年4⽉16⽇

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ここに円に切り抜いた画像を入れてく ださい 横路 隆 Ruby City 松江育ち。学⽣時代からビジネス 向けシステム開発に携わり、ソニーを経て freee株式会社を共同創業。テクノロジーでス モールビジネスのありかたを再定義します。 CTO

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  本⽇、お話しすること

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  アジェンダ 1. なぜfreeeは⼤規模サービスを⽬指すのか 2. プロダクトチームのミッション 3. 世の中のベストプラクティスの変遷 4. 世の中の変化を味⽅につける、開発チームの考え⽅ 5. これからのチャレンジ

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  そもそも、なぜ freee は⼤規模サービスを⽬指すのか🤔

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ミッション:スモールビジネスを、世界の主役に。

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創業から変わらない、実現したい世界観

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ビジョン:誰もが⾃由に経営できる統合型経営プラットフォーム 注: 1. ERP:Enterprise Resources Planningの略称。日本語では、企業経営において点在するあらゆる情報を一箇所に集め、一元管理を行うシステムを指して一般的に「ERP」「ERPパッケージ」と呼ばれる ユーザーネットワーク 取引の効率化・活性化を実現 統合型クラウドERP(1) スマートで適切なアクションを実現 オープンプラットフォーム 多様なビジネス・経営ニーズに対応 1 2 3 電子稟議
 プロジェクト
 マネジメント
 経費精算
 債権債務
 管理
 会計
 人事労務
 契約
 固定資産
 請求管理


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前提:⽇本の企業のほとんどは、多様なスモールビジネス 中小企業 99.7% 0.3%

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10年でサービスもチームも⼤きくなったが、まだ2合⽬ プロダクト リリース freee会計 API公開 サービス 分割開始 チーム制 導入 クラウド ERP コンセプト発 表 マイクロ サービス化 開始 基盤投資 加速 プラット フォーム 元年 新規 プロダクト加 速 グローバ ル開発 freee 人事労務 freee 会社設立 freee開業 freee申告 freee finance lab設立 freee アプリストア freee プロジェクト管 理 freee カード Unlimited

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ビジョン実現には、まだまだピースが⾜りない! プロダクトラインナップを拡充し 統合型プラットフォームを更に進化 デジタル化 の加速 クラウド化 freee会計ユーザー 潜在顧客数 約 660万社(1) Excel etc. オンプレミス ユーザー ユーザネットワーク構築の ためにもシェアの拡大が必須 電子稟議
 プロジェクト
 マネジメント
 経費精算
 債権債務
 管理
 人事労務
 契約
 固定資産
 請求管理
 会計
 販売管理


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  ビジョン実現のための、プロダクトチームのミッション 世の中のベストプラクティスを駆使して、 スモールビジネスに最⾼の体験を最短で届け続ける

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普遍的な顧客価値を、時代に合わせて提供し続けるということ ● 例:Amazon ○ ビジョンは「何でも屋さん」 ○ クラウドサービスやECサイト を提供することではない ○ いまの時代のテクノロジーを 駆使して何でも屋さんをやろ うとしたら、今の形になった ● freeeも同じ ○ ビジョンは、クラウド会計を 提供することではない ○ freeeさえ使えば、スモールビ ジネスの経営ができて、ビジ ネスがうまくいく世界を作る https://www.amazon.co.jp/dp/1619690292

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追求する独⾃価値以外は、徹底的にベストプラクティスに乗る アートの世界
 サイエンス、エンジニ アリングの世界
 ● 独自価値の追求
 ○ プロダクトビジョン
 ○ 組織文化
 ● 世の中のベストプラクティスの実践
 ○ リーンスタートアップ
 ○ SaaS プレイブック
 ○ DevOps等のエンジニアリング


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  freeeの成⻑を⽀えた、世の中のベストプラクティスの変遷 ● 2012 - 2015 ○ B2Bでも、UXを重視したリーンな製品開発が波及 ● 2015 - 2019 ○ SaaSが定式化され、プレイブック化が進む ● 2019 - 2022 ○ DevOpsの科学が進み、開発速度と品質は両⽴させる時代へ ● 2022- ○ ⽣成AIも取り⼊れた、統合価値づくりと社内⽣産性の向上に注⼒

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2012-2015: B2BでもUXを重視したリーンな製品開発 ● 概要 ○ ユーザ体験を中⼼とした顧客価値検証のデリバリーの速さを重視す る開発スタイルや⽂化を、B2Bサービスづくりにも取り⼊れた ● 実践したプラクティス例 ○ OSSとクラウドインフラ(IaaS、PaaS)の活⽤ ○ デプロイ⾃動化とE2Eテストの導⼊ ○ カンバン開発の実践

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2015-2019: SaaSが定式化され、プレイブック化が進む ● 概要 ○ 海外が先⾏していたSaaSの定⽯を実践し、ユーザ層を広げユニッ トエコノミクスを改善しながら、顧客価値と事業の成⻑を⽀えた ● 実践したプラクティス例 ○ データ基盤の整備とメトリクスの可視化 ○ ミッドマーケット進出に伴う統制強化 ○ APIプラットフォームの構築‧公開 ○ デザインシステムの構築とマルチプロダクトへの導⼊

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(参考)SaaSのビジネスモデルとレバー ● 新規顧客あたりの売上規模を伸ばすことで、初期投資は嵩むが 後の売上と利益を飛躍的に伸ばせる。freeeは個人事業主から IPO準備企業までセグメントを拡大しにいった
 
 ● 年次がたつほど、新規顧客より既存顧客からの売上が大きくな る。離脱防止・アップ/クロスセル・プライシングで
 売上を飛躍的に伸ばせる


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2019-2022: DevOpsの科学が進み、開発速度と品質は両⽴させる時代へ ● 概要 ○ チームが⼤きくなっても、スタートアップのリリース速度と社会イ ンフラとして求められる品質の両⽴を⽬指せることが分かってきた ● 実践したプラクティス例 ○ カナリアデプロイ ○ Four Keysのメトリクス計測と改善活動 ○ フィーチャーフラグとA/Bテスト基盤 ○ ストリームアラインドチームへの移⾏開始

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2022-: ⽣成AIも取り⼊れた、統合価値づくりと社内⽣産性の向上に注⼒ ● 概要 ○ プロダクト⾯では、単体でも使いやすいし組合せて使うともっと便 利というものを爆速で作れる基盤づくりに⼤きく投資 ○ また、⽣成AIによる全社のオペレーション改⾰にも注⼒ ● 実践していくプラクティス例 ○ コンパウンドスタートアップとトップダウンの基盤投資強化 ○ 社内LLM基盤を公開し、全社員でLLMを試験中

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プロダクト横断の統合価値を⾼めるための、共通基盤へのテコ⼊れ

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全社でLLMを検証へ ● OpenAIサービス利⽤ガイドライン、SSOでのアカウント発⾏を整備 した上で、全社員がOpenAI APIを安全に使える社内基盤を⽤意

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  世の中の変化を味⽅につける、freee開発チームの考え⽅ ● 仕事で遊べ〜トップダウンすぎない技術選定〜 ● カッとなってシュッとやる開発⽂化 ● freeersが育つから、会社が育つ

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仕事で遊べ〜トップダウンすぎない技術選定〜 ● freeeのいまのところの⽅針 ○ ⼀度⼊れたら戻れない技術選定は全社トップダウンで選択肢を提⽰ ■ データベース、プログラミング⾔語、Webフレームワークなど ○ そうでなければ、現場判断で⼩さな導⼊のトライをしてみてOK ■ ※PSIRTチェックはあります ● うまくいったこと ○ 新しい技術を試す習慣がつき、成功体験でチームに⾃信がついた ○ デファクトの変遷に合わせて、10年で技術スタックがほぼ⼊れ替わった ○ その結果、⻑くいるメンバーも新しい技術で仕事をし続けられている ● うまくいってないこと ○ 全体に⼊れきるリーダーシップが難しく旧世代の技術が若⼲残り続ける ○ 標準化が追いついてないことが、⽣産性の⾜かせになることも

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カッとなってシュッとやる開発⽂化 ● 「こうなってたらいいのに!」と思い⽴ったときに、瞬発⼒を発揮し てその場でアウトプットしてしまうことを褒め合う⽂化がある ● 完成度は低くても、他⼈の情熱とそれが具現化されたアウトプットを ⾒ると、周囲の⼈の⼼が動き、それがチームや会社を動かす

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freeersが育つから、会社が育つ ● freeeは、⼈が育つからチームや会社が育つという思想で会社を運営 ● 複雑なドメインを扱うこともあり、習熟には時間がかかるので⻑く活 躍してもらうことが価値になる(悪い⾯もあり) ● ⼀⽅、⻑くいてもらう間に世の中の技術トレンドに置いていていかれ てキャリアを毀損する必要はない ● 顧客価値を深く掘り下げ、課題解決とベストプラクティスへのトライ をやり続けられたら、常にどこにいってもエンジニアとして⼀線級の 働きができるはず

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  これからのチャレンジ ● 実店舗を使った顧客理解と実践的プロトタイピング ● ベストプラクティスをつくり、発信するプレイヤーへ ○ テックブログやテックカンファレンスによるノウハウ共有 ○ OSSコミュニティへの貢献 ● 地⽅拠点も続々と拡⼤。沖縄は2⽉、札幌は6⽉に開設予定

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透明書店@蔵前 4/12 OPEN。顧客理解とプロダクトの実験場に

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ベストプラクティスをつくり、発信するプレイヤーへ

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地⽅拠点も続々と拡⼤。沖縄は2⽉、札幌は6⽉に開設予定

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スモールビジネスを、世界の主役に。

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