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2 幸畑団地にみる⻘森市の コミュニティ組織の 現状と課題、展望 ⻘森⼤学社会学部・社会調査実習デジタル班 ⽊村元稀・⾚坂⼤樹・野藤清太郎 地理院地図・幸畑団地付近

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2 幸畑団地 • ⼈⼝4,500⼈、世帯数約2,300世帯(2018年時点) • コンパクトシティ政策の対象地域︓ ⾼齢者の街なか居住/⼦育て世代の住み替えのモデル地区 • 2013年から⻘森⼤学を中⼼とした「幸畑プロジェクト」進展 • 単なる「⾼齢化と衰退の進⾏する郊外団地」ではない 空き家対策や新築住宅を通じて居住者構造が変化する地域

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2 幸畑団地連合町会と 幸畑団地地区まちづくり協議会 • ⼀定の協⼒関係 • 「幸畑ねぶた」(幸畑団地地区まちづくり協議会主催) ⇒ 連合町会8町会中、7町会が協⼒ • 清掃活動や地域の祭りで連携 • まち協は「町会の役割を代替するのでなく補完的な存在」 ★町会 ・⻘森市内に405町会(⻘森地区368、浪岡地区37) …21年間で6町会減少 ・加⼊率は79.8%(⻘森地区68.5%、浪岡地区73.1%) …21年間で11.0%減少

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2 幸畑団地におけるコミュニティ活動の デジタル化 • 「⻘森市スマートシティビジョン」等の政策(2025年3⽉) • 市主催の「はじめてのスマホ教室」 …定員20⼈に約80名の申し込み、多くが70歳以上 • 幸畑まち協︓公式ウェブサイト+Facebook+Instagram ⇒ 地域活動や⾏事に関する情報発信 • 以前は「幸畑=雪が多い地域」という印象 ⇒ 開設後に「最近さまざまな取り組みを⾏っている地域である」 他地域から「⾃分たちの団地でも同様の取り組みをしたい」いう声

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2 幸畑団地におけるコミュニティ活動の デジタル化の課題 • ⾼齢者や⼦ども︓スマートフォン・インターネット利⽤が難しい ⇒ アナログ⼿段を併⽤ ・掲⽰板への紙媒体掲⽰、QRコード付きチラシの配布など併⽤ • 特に⾏政からの情報はデジタル配信が中⼼ ⇒ ⾼齢者層に届きにくい • 緊急性の⾼い情報ー災害時、熊の⽬撃情報など ⇒ 伝達⽅法が⼗分とは⾔えない ★80歳以上の住⺠を対象としたLINEグループ新設(2025年度) ⇒ 36名参加(9⽉26⽇ヒアリング時点) ・詐欺被害防⽌の注意喚起、地域情報の共有、安否確認など

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2 住⺠側の取り組みに対する考察 • デジタル化︓地域活動の内容や雰囲気を内外に伝える役割 …地域に対する印象の変化、他地域からの反応 ⇒ 継続的な情報発信によって地域への関⼼が⾼まった結果 • デジタル利⽤の年齢層による差が⼤ ⇒ 情報の受け取り⽅に差が⽣じる可能性 • 幸畑団地地区︓デジタル化による不利益を⼩さくしようと努める …可能な範囲で参加を促す ⇒ ⾼齢者の不安に配慮 ★デジタル化を「⼈と⼈とのつながりを補う⼿段」として活⽤ ⇒ 他地域にも有効な視点︖

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2 市⺠協働推進課へのヒアリングから • 市⺠協働推進課:地域におけるデジタル化の必要性を認識 ・市役所内部の体制や⼈材⾯に課題 「市役所全体としてデジタル化に⼗分対応できていない」 • 市⺠協働推進課が、まち協の窓⼝(DX推進課は関与せず) • 市⺠からのデジタル⽀援ニーズは増加 ・「はじめてのスマホ教室」-LINEの基本操作 …⽉1回程度の開催を検討 • まちづくり協議会紹介ページを統⼀フォーマットで作成 ⇒ 事務作業の負担軽減 • 地域アプリの開発を検討

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2 ⾏政側の対応への考察 • デジタル化の必要性を認識 ⇒ 市⺠(特に⾼齢者)の不安への対応を意識 (スマホ教室への応募殺到…関⼼の⾼さ+不安) • まちづくり協議会紹介のフォーマット統⼀ • ⇒ 業務負担軽減 • ⇒ 地域ごとの特⾊が伝わりにくくなる︖ • 地域アプリ開発 ⇒ 利便性向上を期待/実際に利⽤されるか︖ ★「誰ひとり取り残さないデジタル化」 ⇒ 実現には「制度・ツールの整備」+「住⺠の実態把握」

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2 デジタル回覧板に着⽬して • 電⼦回覧板︓「従来の紙の回覧板をデジタル化」 • 回覧板の受け渡し・受け取りをネット上で ⇒ より多くの家庭が町内会に参加︖ 継続︖ • 「⾃治会等における地域活動のデジタル化実証事業成果報告書」 総務省⾃治⾏政局市町村課(令和6年3⽉) ▽地域交流アプリ登録と発信(令和5年6⽉〜令和6年2⽉) …流⼭市:参加2,670世帯中、548世帯(20.5%) ⇒ 133%(1.3回閲覧/⼈平均) …河内⻑野市︓2,174世帯中432世帯(19.9%) ⇒ 43%(0.4回閲覧/⼈平均)

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2 デジタル回覧板に着⽬して ▽流⼭市 ・情報共有の効率化期待、ニーズ把握 ・役員から「オンライン会議を実施したい」 ・デジタル化の⽬的+ふさわしいものは︖ ・デジタルツールの早期実現は困難 ▽河内⻑野市 ・活動の効率化、役員負担軽減が期待 ・住⺠アンケートで8割以上がデジタル化賛成 ・⼤⾬による⼟砂崩れ…アプリで情報共有 ・継続的⽀援と予算確保が必要

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2 デジタル回覧板に着⽬して ▽幸畑団地地区まちづくり協議会ヒアリング ・「メリットとデメリットがある」 …詐欺などに利⽤される可能性も ⇒ 意義をはっきりさせる必要 ・アナログも同様に必要 ⇒ クマの出没に関する対応 …情報共有は「アナログの⽅が早い」 ・必要に応じデジタル・アナログを使い分け

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2 デジタル回覧板に着⽬して ▽⻘森市役所 ・導⼊している⾃治体は県内はない ・デジタルデバイドに配慮する必要性 …市役所は全体をみる⽴場 ▽⻘森市町会連合会・理事研修会(⾒学・⽀援) ・スマホを使いこなせている参加者はごく少数 ・使い⽅を教えると楽しそうに利⽤ …ネットやスマホを嫌悪しているわけではなさそう

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2 考察 ・先⾏研究︓活動を効率化、若者や若い世帯の加⼊につながる可能性 …実現には予算確保やニーズの明確化が必要 ・⻘森市︓デジタルデバイドが⼤きな障壁 …⽬的やニーズが把握できていない︖ ・導⼊には予算、使い⽅の説明などの課題 ⇒ 電⼦回覧板への切り替えでなく段階的導⼊、従来型と併⽤ ・⻘森市の⾼齢者のデジタル化は⼆分化︖ …全員がネットやスマホを嫌悪しているわけではない ⇒ スマホ利⽤の使いこなしの差は改善の余地

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2 参考⽂献 ・櫛引素夫・⻄⼭弘泰(2019)「空き家問題と地域再⽣をめ ぐる住⺠と⼤学の協働 ̶⻘森市・幸畑団地と⻘森⼤学の事 例から̶」『⽇本地理学会発表要旨集』2019 公益社団法⼈ ⽇本地理学会. ・総務省(2020)「地域コミュニティに関する研究会の報告 書の概要について」 ・国⽴国会図書館 調査及び⽴法考査局 ⾏政法務課 岩垣 京之介(2025)「⾃治会・町内会の現状と今後の在り⽅ (調査と情報―ISSUE BRIEF―No.1306)」 ・⻘森市市⺠部市⺠協働推進課(2021)「⻘森市地域コ ミュニティ・ガイドライン」 ・⻘森市市⺠部市⺠協働推進課(2024)「⻘森市地域コ ミュニティ活動事例集(令和6年度版)」 ・⻘森市ホームページ「まちづくり協議会」 ・⻘森市市⺠部市⺠協働推進課、「まちづくり構想推進事業」 ・⻘森市企画部DX推進課(2025)「スマートシティビジョン」 ・⻘森市市⺠部市⺠協働推進課(2025)「⻘森市地域 コミュニティ活動事例集・令和7年度版」) ・⻘森市市⺠部市⺠協働推進課(2025)「地域コミュニ ティ⽀援ガイドブック2025」 ・⻘森市企画部DX推進課「『はじめてのスマホ教室』に参加し ませんか︖」、 ・⻘森市認定まちづくり事業団体・幸畑団地地区まちづくり協 議会 ・総務省⾃治⾏政局市町村課(2024)「⾃治会等にお ける地域活動のデジタル化実証事業成果報告書」・千葉県流 ⼭市公式webサイト「常住⼈⼝と世帯数」 ・⼤阪府河内⻑野市公式webサイト「河内⻑野市の⼈⼝」 ・⻘森県⻘森市公式webサイト「⼈⼝・世帯数(住⺠基本台 帳)」