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「観察」をチームで実践できるか!? チームの視座をレベルアップするための挑戦!

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自己紹介 👤吉野 正義(せいぎ) 🖥スクラムマスター 📣スクラムフェス神奈川 🎧Podcast「yoriyoku.fm」

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今日お話しすること スクラムチームがスクラムガイドに沿って自分たちで実践できるようになった時、 次はどのような成長を目指すか? そのために ● スクラムマスターが考えたこと ● 1つのチームで行なった挑戦 についてお話します

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私の立場 : スクラムマスターの交代でチームへJoin 前任のスクラムマスターは、長くチームに携わっていたこともあり、組織内で新 たな挑戦をするため、スクラムマスターをバトンタッチ

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チームの状態を観察

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スクラムイベントをガイド通りに進行し、プロダクト開発を行えている状態 Backlog Sprint Goal POからの要求リストがバックログ の形で一列に並んでいる スプリントゴールの設定と スプリントの計画ができている デイリーでスプリント ゴールの達成状況を確認 しつつ、細かな計画を行 えている ステークホルダーと進捗を 検査しながら今後に向けて の適応の相談を行えている アイディアを出してスプ リントごとにカイゼン している スクラムイベントは、全て開発者でファシリテーションしている

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スクラムイベントをガイド通りに進行し、プロダクト開発を行えている状態 Backlog Sprint Goal POからの要求リストがバックログ の形で一列に並んでいる スプリントゴールの設定と スプリントの計画ができている デイリーでスプリント ゴールの達成状況を確認 しつつ、細かな計画を行 えている ステークホルダーと進捗を 検査しながら今後に向けて の適応の相談を行えている アイディアを出してスプ リントごとにカイゼン している スクラムイベントは、全て開発者でファシリテーションしている めっちゃ良い!! スクラムマスターって必要なの??

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ふりかえりのアイディアからチームの状態を考えてみる アイディアの例 カイゼンアイディアは、単一の作業や特定のMTGのカイゼンなどが中心

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スクラムマスターとしての考察と仮説

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チームのスクラムマスターとして、考えたこと ● チームのカイゼン案も継続的に出ていて、様々なことにトライできている、 めっちゃすごい!(超絶大前提) ● 細かなお仕事の仕方は良くなっているように見えるけど、チームの プロダクト開発は良くなっているんだろうか?

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チームの段階を守・破・離で表現すると... 参考 : 実践 vs 理論!? 叩き上げのスクラムマスターが実践した手法を研究者が学術的に分析する! 今ここ

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守・破・離の前提として、プロダクト開発に向き合う 守・破・離はチームが顧客に、より高い価値を届けるため、 どのようにプロダクト開発を行うかの段階を定義している

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守・破・離の前提として、プロダクト開発に向き合う 守・破・離はチームが顧客に、より高い価値を届けるため、 どのようにプロダクト開発を行うかの段階を定義している 開発の仕方をより良く することだけではな く、どうやって顧客に より高い価値を届けら れるかにどんどん向き 合っていきたい

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スクラムマスターとして、気になることの例 ● チームが今取り組んでいるプロジェクトの終わり方はどうすれば良いのかな? ● 顧客に価値を感じてもらいながら事業の成功につなげるためには? ● ステークホルダーと必要なコミュニケーションは取れているのかな? ● プロダクトバックログは届けたい価値の順に並んでいるのかな? ● スプリントゴールが達成できなかった時、どうすれば良いのかな? ● チームの開発プロセスやサイクルは、今のままで良いのかな? ● チームが自己管理しながらプロダクト開発ができるようになるためには、どう すれば良いのかな? などなど...

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スクラムマスターとして、気になることの例 チームのことをめっちゃ考えているけど ● チームが今取り組んでいるプロジェクトの終わり方はどうすれば良いのかな? ● 顧客に価値を感じてもらいながら事業の成功につなげるためには? ● ステークホルダーと必要なコミュニケーションは取れているのかな? ● プロダクトバックログは届けたい価値の順に並んでいるのかな? ● スプリントゴールが達成できなかった時、どうすれば良いのかな? ● チームの開発プロセスやサイクルは、今のままで良いのかな? ● チームが自己管理しながらプロダクト開発ができるようになるためには、どう すれば良いのかな? などなど...

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● チームが今取り組んでいるプロジェクトの終わり方はどうすれば良いのかな? ● 顧客に価値を感じてもらいながら事業の成功につなげるためには? ● ステークホルダーと必要なコミュニケーションは取れているのかな? ● プロダクトバックログは届けたい価値の順に並んでいるのかな? ● スプリントゴールが達成できなかった時、どうすれば良いのかな? ● チームの開発プロセスやサイクルは、今のままでいいのかな? ● チームが自己管理しながらプロダクト開発ができるようになるためには、どう すれば良いのかな? などなど... スクラムマスターとして、気になることの例 事業や顧客、そのためのプロジェクトの成功についても考えています!

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もっと話せること・考えられることはたくさんありそうだ けど、ふりかえりでは上がってこない ● スクラムマスター ● 開発者 では立ち位置が違う 参考 : サーバントワークス株式会社 スクラム概要図

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「視座」がスクラムマスターと開発者では違う 視座とは? ● 物事を見るときの立ち位置(立場)や姿勢のこと このチームにおけるスクラムマスターと開発者の視座についての考察 ● スクラムマスター ○ プロダクトゴールや、チームを取り巻く組織に対して目を向けて、プロジェクトがうまくい きそうかを考えていた ● 開発者 ○ 目の前のプロジェクトを全力で完遂させるために何ができるかに、フォーカスしているよう に見えた

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視座とは? ● 物事を見るときの立ち位置(立場)や姿勢のこと この時のスクラムマスターと開発者の違い ● スクラムマスター ○ プロダクトゴールや、チームを取り巻く組織に対して目を向けて、プロジェクトがうまくい きそうかを考えていた ● 開発者 ○ 目の前のプロジェクトを全力で完遂させるために何ができるかに、フォーカスしているよう に見えた 役割が違うので、フォーカスする 事柄が違うのは当たり前 「視座」がスクラムマスターと開発者では違う

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今のチームがよりレベルアップするには、 スクラムマスターの視座があると良いのでは? 今ここ 狙える 状態にしたい ※何が何でも「離」になろうとするわけではないが、 チームが必要であれば「離」にチャレンジできる状態にしておきたい

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Joe Justiceさんの講演を思い出す “テスラでは、スクラムを超えたスタイルとなり、自 分たちのやり方で開発をしている。その時には、ス クラムマスターが不要となった” Scrum Fest Mikawa 2023 Keynote “Agile at Tesla and SpaceX.”

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スクラムマスターを不要にするかはわからないが、 チームがスクラムマスターの視座を獲得することは 自分たちのプロダクト開発を良くするために、 きっと役に立つ!

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スクラムマスターの視座を 獲得する活動開始!

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チームメンバーが自分たちでチームを観察する役割を設定 通称 ● 「ふりかえりおじさん」 役割 ● 傾聴と観察を担当する ● チームを観察し、「気づき」や「疑問」を言語化する ● ふりかえりの場で、話題に上げる ● 担当したスプリントでは、イベントのファシリテータを担当しない

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ふりかえりおじさん導入にあたり、行なったこと ● 考えと実施したいことを、エンジニアリングマネージャー/前任スクラムマス ターに説明し、賛同を得た ● チームがどのようなステップにいて、次にどのような成長をして欲しいかを 自分の想いと一緒に伝えた ● 担当することになった人には都度1on1でMTGを開き、改めて細かな説明や 疑問点・不安なことの解消を行なった ● ふりかえりおじさんが出してくれた気づきや疑問には自分もめっちゃ向き合 う姿勢で個人の考えや意見を出した

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変化したこと ● ふりかえりでイベントや開発プロセスに対し、俯瞰して気になったことを伝 える付箋が上がってきた ● それに付随して、開発プロセスを良くしようとするNextも増えてきた

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今後の課題だと考えられること どうあるべきか?というToBeの要素を含む問いかけに行きつきやすい ● メンバー個人が、あり方/目指したい理想からブレイクダウンして回答するの は、練度やある程度の知見・理論を知っておく必要がある ● そのため、具体的なNextを出すことの難しさにつながっていそう 考えていること ● むきなおりやふりかえりを通して、今後の自分たちが目指す姿をチームで統 一することで、ありたい姿と現状からのギャップを考えやすい環境づくり ● スクラム・アジャイルの学び直しや他の開発事例を多く知っていくことで、 様々なNextの案を自分たちで出せるようにしたい

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今後この活動は続けていくのか? 永久的に実施することは考えていません ● チームが不要と判断できていたり、違う形が良い場合は無くしても良いと考 えています とはいえ、数週間レベルでチームの変化を期待するものでもありません ● チームの視座は、中長期にわたりゆっくりと変化していくものだと思います ● そのため、チームのできる範囲で無理なく良い形で挑戦は続けていけると良 いと考えています

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以上がスクラムマスターと チームの挑戦でした

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最後にお伝えしたいこと

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最後にお伝えしたいこと チームが視座を高く、俯瞰して見られるようになることにチャレンジしている事 例をお話しました ● 視座の高さはチームメンバーだけではなく、スクラムマスターも意識して獲 得していく必要があると考えています ● スクラムマスターもしくはリーダーを務めていられる方の視座を、チームに 展開することで、チームの成長につなげることができます ● スクラムマスターも視座を高めることを意識していきましょう!

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ご清聴ありがとうございました