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【スライド版】 AI活用の前に 「捨てる」ことに本気で取り組んだ話 〜月3000時間の削減を生んだ取り組み「すてるば」とは〜

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はじめに 全社的に生産性向上が課題となっている経営層やプロジェクト責任者の方へ 角田 剛史 / Takeshi Sumida 株式会社kubellパートナー 執行役員 CAO コーポレート&ピープルディビジョン長 ▼X @takeshisumida_ ▼note @takeshisumida_ 本スライドは、noteの記事に基づいて作成されています 詳しくはぜひnoteをご覧ください

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「捨てる」ことの意義 AI時代の今だからこそ、AIの活用の前にいらない業務はそもそも捨てた方がいい AIはある種の加速装置、本来不要なプロセスにAIを適用するのは、無駄な業務を高速回 転させるだけ。まずは徹底的に"捨てる"ことを行わないと、誰のためにもならない成果 物が、組織に量産、蓄積されかねない。 業務改善のフレームワークである「ECRS(イクルス)」でも、まずは廃止 (Eliminate)から始めることを説いている。これはAI時代においても不変。

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なぜ業務は増え続けるのか? 業務効率化の必要性は分かっていても、現場で捨てる判断を行うことは容易ではない 昔からこのやり方でやって いるから... さすがに無くすのはダメだ と思っていた... 以前に経営陣からお願いさ れて始めているので... 大前提、組織が拡大し、関係部署や人員が増えるほど、プロセスは自然と増えていく。 その上で、様々な心理的なブロックの存在により、業務は地層のように積み上がっていく。

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だからこそ経営が「捨てていい」と宣言することは極めて重要 それを仕組みに落としたものが、kubellで実施した「すてるば」という取り組み まずはCEOから、「いらないものを 捨てる」ことを宣言。 その上で、各部門から捨てたいもの を収集。 部門長が取捨選択した上で、役員以 上が会して、1日で捨てるものを全 て決める。 プロセス kubellには、「kubell-ba(kubellの 場)」という全社員が参加する月次 会議が存在。 そこから着想を得て、「いらないも のや昔からの慣習を手放し、次の挑 戦に向かう場」という意味を込め、 「すてるば(捨てる場)」と命名さ れた。 由来 削減時間: 3000時間超/月 (※全社員労働時間の約5%に相当) 削減インパクト(人件費換算): 1.3億円/年 ※定量面以外にも、いわゆる”謎ルール”が無 くなることによる、従業員の精神的負荷低減 の効果も。 成果

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改めて生産性とは? 結局は、インプットを減らすか or アウトプットを増やすか 生産性 = インプット(投入資源) アウトプット(成果) ● 定義 ○ インプット = ヒト、モノ、お金、時間など ○ アウトプット = 売上、付加価値、生産量など ● 生産性向上の2つの方向性 ○ インプットを減らす = より少ないコストでこ れまでと同じ成果を出す ○ アウトプットを増やす = 同じコストでこれま で以上の成果を出す 式にすると当たり前のように感じるが、現実的にはここが曖昧なまま議論が進むことは多い。アウトプット、イン プットの話が混在していたり、どう生産性を定義し、その向上を測っていくか、延々と議論して実際の削減アクショ ンが遅々として進まない、というのはあるある。 この公式の認識さえ揃っていれば、"捨てる"行為はすなわちインプットの減少であり、よっぽどアウトプットを損な わない限りは、どう考えてもやった方がいい。

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「すてるば」のプロセス まずは現場から積み上げ、最終的には経営陣で1日で一気に決める 【部・課】 洗い出し:   【部門】 一次選考: 【全社】 意思決定: 各部や各課単位で、提供されたフォーマット(後述)に記入。「とにかく細かいものでもいいから出 す」「他部署への要望もOK」とする。実施する組織の単位については、部門の大きさによるので、部 門長に一存する。 各部門の管掌執行役員が、部門内で「すてるば」を実施、案の中からどれを全社案件として上程する かの選別を行う。なお、自部門だけで完結できるものは、全社会議を待たずに即決・即廃止してもら う。 各部門の結果を持ち寄り、部門の管掌執行役員含む経営陣全員が参加する会議を実施。一次選考にお いて、内容的にダブっている案件もあるため、事前に運営事務局にて案件の精査を実施しておく。 その上で、部門の管掌執行役員が各案件の内容を説明、それに対して取締役の過半数が同意すれば廃 止決定、というルールで意思決定を行なっていく。 期間:約1.5〜2ヶ月(現場洗い出し1ヶ月 → 事務局整理・事前すり合わせ0.5〜1ヶ月)

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「すてるば」のフォーマット 「捨てるものある?」と漠然と聞いても非効率、共通フォーマットを用意し、各部門に配布&集約 部署名 捨てるもの 捨てる内容の詳細 削減時間/月 捨てる上での懸念、負の影響 捨てることで生じるデメリットを必ずセットで記載。 「削減効果 > デメリット」かどうかを経営陣が判断する材料になる。

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効果を最大化する6つのポイント 現場の声をしっかりと吸い上げつつも、現場任せにはしないことが肝要  現場の声をしっかりと拾う   上位レイヤーが知らない現場の業務は多数あるもの。現場のメンバーに落とさず、マネー ジャー以上などで検討しても、削減効果は最大化されない。細かいものでもいいので、とに かく現場から一旦なんでも出させることが重要。  事前の情報整理にこだわりすぎない   業務フローの整理、業務の棚卸しなどにこだわり過ぎない。整合性、網羅性等が気になり時 間がかかりがち。体感として不要と感じるものをどんどん挙げ、必要に応じて個別に業務フ ローを確認する方が、“捨てる”ことを決めるという行為においては、それこそ生産的。  組織長が適切に取捨選択を行う   あくまで生産性向上が目的なので、アウトプットがそれ以上に削がれるものであれば意味が ない。ボトムアップで集めつつも、全社への持ち込みに際しては、組織長がその適切さを、 事前に確認・選別しておく必要がある。  丸ごと捨てられるものをできるだけ挙げる   細かいものも含めて集めつつも、例えば会議の1つや2つ無くしたところで大して生産性は改 善しない。取り組み、プロセス、イベントなど、“丸ごと”捨てられるものはないか、同じく 組織長には、より高い視点を持ちつつ推進を行ってもらう必要がある。  業務効率化もOKとする   それは捨ててる訳じゃないという業務効率化にあたるものも複数上がってくるが、それもOK とする。捨てるという極端な方向で考えた結果、これまで出てこなかった有用な業務効率化 案が、このような活動を機に出てくる可能性は大いにある。  責任者、期日について明確化する   言いっぱなしにならないよう、全社すてるばの出席者の誰が責任者として推進するのかを期 日と同時に決める。逆にこの時点では方法論までは踏み込まない。議論が広がり過ぎると、 何十個もある捨てる候補に対する意思決定が時間内では完了しないため。

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大切なのは「捨てる」意思決定後の”実装” 実装をより確実に追いかけていくには、プロジェクトメンバーの構成も重要 この活動における肝は”実装”。「すてるば」のような全社会議を開催して終わりという、挙 げっぱなし、言いっぱなしの状態にせず、確実に、廃棄・効率化の実装を行っていかなけれ ば当然意味がない。 そのため、「すてるば」にて決めた案件の対応期日については、運営事務局が全てのタスク 管理を行い、その進捗を徹底的に追いかけている。 Tipsとして、そういった意味では、経営陣との接触機会の多さ、またいくかの案件について は経営会議等での決議事項になることも踏まえて、事務局のメンバーには、 経営企画やコーポレートの責任者クラスが入っていることが、 連携観点からも効率的だと考えている。

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実施頻度とタイミングについて 年1回、事業計画確定前に実施できるのが理想 kubellでは、「すてるば」を一過性のイベントとして捉えていない。事業環境が変われば、新しい無駄は必 ず生まれる。ある意味雑草と同じで、抜いても抜いても生えてくる、だからこそ、最低限年に一度、定期的 に草むしりを実施する必要があると考える。 実施タイミングとしては、来期の事業計画策定前がベスト。計画に、無駄な費用や人員が積まれてしまうこ とを回避でき、本当に必要なものに対しての投資のみが行われる前提にできるからである。 kubellでは1月から新年度が開始、前年12月の決議に向けて3ヶ月ほどで計画策定を行うことから、1ヶ月は 実装のためのリードタイムを取り、「すてるば」としては8月のタイミングで実施することにしている。 6月〜7月 アナウンス & 部門での案件収集 7月 事務局による情報整理、事前すり合わせ 8月 全社すてるばの実施 9月 すてるばで決定した案件の実装フォロー 10月〜12月 計画策定

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大事なのは実装、そして文化としていくこと 定期的に実施していくことを行いつつ、最終的には、「捨てる」ということを、組織の文化として根 付かせていく必要がある。 そのように組織の文化としていく上では、実施結果とその進捗を、全社会議の場でも共有していくこ とが合わせて肝要。例えばkubellでは、半期に一度の全社総会「kubell CAMP」や、全社員参加の月次 会議kubell-baにて、進捗状況や、また大所の施策が実装された際にその内容の個別アナウンスを行っ ている。 その甲斐もあってか、取り組み開始以降、日常の業務の中において、「この業務ってそもそもいる? すてるば行きでは?」のような会話が出るようになっている。 AIでできることが無限に増えるからこそ、やらないことを決められる組織が強くなる。本来いらない 無駄な業務をAIで高速回転させただけの、誰のためにもならない成果物を組織に量産・蓄積すべきで はない。 AI化を考える前に、まずは自分のカレンダーやToDoリストを見て、「この業務そもそもいるんだっ け?」と問いかけるところから始めてみてはいかがでしょう。 今回ご紹介したkubellの取り組みが、皆様の会社の生産性向上に対して、少しでも参考になっていまし たら幸いです。