Slide 1

Slide 1 text

積み重なった技術負債への挑戦 〜初手としての全社ゴト化〜 2026年09月17日 ※本資料は2026年8月時点の情報です

Slide 2

Slide 2 text

パーソルキャリア株式会社 テクノロジー本部 馬場 龍 写真 官公庁向けシステムのSEとしてキャリアをスタートし、その後 複数の企業でWeb/モバイルアプリ開発の現場で、エンジニア・ プロジェクト推進・組織マネジメントなどを歴任。 ECサイト/Webメディア/ゲームなど様々な領域を担当。 2025/02〜 パーソルキャリアへ入社し、dodaダイレクトなどの 法人向けサービス開発担当ゼネラルマネジャー就任。 その後、法人向けプロダクト開発部門の開発責任者、全社システ ム刷新の戦略統括・推進チームの主導に従事している。 © PERSOL CAREER CO., LTD. 2

Slide 3

Slide 3 text

会社概要 社 名 パーソルキャリア株式会社 本 社 東京都港区 創 業 1989年6月 資 本 金 1,127百万円 事業内容 経験者向け人材紹介(若手層・中堅層・ハイクラス層・エグゼクティブ層)、 新卒向け人材紹介、転職メディア、ダイレクトソーシング、副業・兼業・フ リーランス支援、キャリア自律支援、外国人材就労支援 従業員数 6,721名 (有期社員含む グループ会社出向中の者は除く 2026年3月1日時点) © PERSOL CAREER CO., LTD. 3

Slide 4

Slide 4 text

サービス概要 © PERSOL CAREER CO., LTD. 4

Slide 5

Slide 5 text

パーソルキャリアのオウンドメディアご紹介 パーソルキャリアのエンジニアブログです。“みんなの「はたらく」を テックでつくる”をコンセプトに、技術、組織、学びなど、さまざまな情 報を発信しています。 「techtekt (テックテクト)」 パーソルキャリアのデザイン組織のブランドサイトです。「デザインの力 で、はたらくを変え、社会を変えていく。」をステートメントとし、デザ インの価値を広める活動をしています。 「NUTION (ニューション)」 各社の現場で活躍しているITエンジニアやテクノロジー人材から、ITテク ノロジーに関するさまざまなテーマの事例や知見が学べる勉強会コミュ ニティです。 「TECH Street (テックストリート)」 © PERSOL CAREER CO., LTD. 5

Slide 6

Slide 6 text

01 技術的負債の積み上げに至るメカニズム 02 技術的負債からの脱却に向けた“全社ゴト”化 〜当社の場合〜 〜当社の挑戦・現在地点〜 © PERSOL CAREER CO., LTD. 6

Slide 7

Slide 7 text

01 技術的負債の 積み上げに至るメカニズム 〜当社の場合〜 © PERSOL CAREER CO., LTD. 7

Slide 8

Slide 8 text

急激な事業成長と派生サービスの拡張 長年培った膨大な「求人情報DB」 職業紹介 募集情報等提供 その他 短期ROIを目したクイックかつ安価なシステム拡張 © PERSOL CAREER CO., LTD. 8

Slide 9

Slide 9 text

責務の曖昧化と分散モノリスの誕生 意図せぬ共通DB化 システム間の責務が曖昧な構造へ… 職業紹介 募集情報等提供 その他 © PERSOL CAREER CO., LTD. 9

Slide 10

Slide 10 text

ナレッジ断絶と組織のサイロ化 【歴史的背景:ナレッジ断絶の推移】 〜2015年頃 2015〜2020年頃 2020年頃〜現在 ベンダー依存時代 (外部委託のみ) 内製化への挑戦 (ナレッジ断片化) 内製体制の拡大 (開発チーム分化) 並行して進行 【構造的結果:組織のサイロ化】 [人材紹介開発チーム] [心理的・構造的な壁] [求人情報チーム] 独立したナレッジ・仕様 (情報共有の断絶) 独立したナレッジ © PERSOL CAREER CO., LTD. 10

Slide 11

Slide 11 text

負債拡大の悪循環ループ 急激な事業成長による 成功体験 全体最適への投資 二の足 ナレッジ不足 技術負債 クイックかつ安価な (短期ROIの立つ) 既存システムの拡張 サイロ化・ 分散モノリス化の進行 © PERSOL CAREER CO., LTD. 11

Slide 12

Slide 12 text

負債のロックインと全体最適の頓挫 影響把握の困難が生産性を悪化させ、負債の核を固定化(ロックイン)する 生産性の悪化が、 より負債の核を固定化 俯瞰した 全体最適の頓挫 事業組織 負債 事業組織 事業組織 負債拡大が 影響把握の困難を生む 社内システム群 © PERSOL CAREER CO., LTD. 12

Slide 13

Slide 13 text

技術的負債の拡大・抑止のために必要なこととは? 個別〜全体で一貫したシステムオーナーシップの確立 適切なシステム設計 適切な組織構造 © PERSOL CAREER CO., LTD. 13

Slide 14

Slide 14 text

02 技術的負債からの 脱却に向けた“全社ゴト”化 〜当社の挑戦・現在地点〜 © PERSOL CAREER CO., LTD. 14

Slide 15

Slide 15 text

現場の限界:局所カイゼンと草の根連帯の壁 チームA(発起チーム) 各自努力に よる、局所 的活動期 全体のために一緒に直そう! 優先順位の壁 チームB(他事業) 草の根的な 連帯期 施策多数 事業施策で手一杯… ア プ ロ ー チ の 壁 チームC(他事業) 連携不安 解決手法の考え方が違う… © PERSOL CAREER CO., LTD. 15

Slide 16

Slide 16 text

「負債の縮退」だけでは半分である Q. 私たちは、どのような進化・成長を遂げたいのか? 守りのアプローチ 攻めのアプローチ 負債の拡大を止める・衰退させる ビジネスの進化・成長を遂げる マイナス (負債) + プラス (事業価値) 0(標準) 0(標準) これだけでは「半分」 (経営を動かす材料として不十分) 経営の投資意欲を引き出す 「もう半分の価値」 © PERSOL CAREER CO., LTD. 16

Slide 17

Slide 17 text

経営課題としてのエスカレーション To-Be(目指すべき 姿) お客様各位に寄り添った支援の強化 (Career SBU 2030 として表明) ミッション推進のための中期指針 ここが「経営課題」 現状と目指すべき姿の「ギャップ」 ・負債を解消・拡大させない ・人の力をブーストさせるデータ/AIの活用 As-Is(現状) 負債の拡大を止める・衰退させる ・技術的負債が肥大化している ・拡大し続けている © PERSOL CAREER CO., LTD. 17

Slide 18

Slide 18 text

Career SBU 2030とは? © PERSOL CAREER CO., LTD. 18

Slide 19

Slide 19 text

「IT中計2030」の策定と経営とのワンチーム化 ITの力で、中期経営計画全体をドライブする 【 IT中計 2030 】 守り 足枷(負債)の解消 × 攻め 成長ドライバーの推進 ①環境:腰を据えた「中期投資」の合意 ②責任:段階的な「成果・還元」の提示 経営と「共同責任」を負うパートナーになることが全社ゴト化の核 © PERSOL CAREER CO., LTD. 19

Slide 20

Slide 20 text

目指す方向性:独自データ ✕ AI 独自データ ✕ AI により、人がもたらすサービス提供価値を最大化 FY30までに… 工数削減 生産性向上 (AI活用・業務効率化) (マッチング精度向上) 約 40%削減 ※FY25比 約 1.4倍 ※FY25比 © PERSOL CAREER CO., LTD. 20

Slide 21

Slide 21 text

個別最適から「3層構造」の全体最適へ 縦割り構造から、アジリティとガバナンスを両立する「3層アーキテクチャ」へ ① 個別サービス・業務システム(高アジリティ層) 事業 A 事業 B 事業 C ② サービスプラットフォーム(共通基盤層) 共通マイクロサービス群 (認証・決済・顧客等) 個別改修アジリティを支える 共通ロジック ③ データプラットフォーム(全社データ・ガバナンス層) 全社統合データ ✕ 共有AIモデル基盤(全社データ利活用・統一ガバナンス) © PERSOL CAREER CO., LTD. 21

Slide 22

Slide 22 text

IT戦略の全体絵と負債の段階的解消 4つのプラットフォーム刷新と「技術的負債解消」の完全同期 ① 顧客体験・業務の変革 doda / doda X / HiPro 等の顧客接点・アジリティ向上 ② 体験・業務の共通基盤 ④ AI開発プラットフォーム AI機能 独自LLM / 推薦アルゴリズム / AIエージェント データ(③)をAI化し①②へ強力注入 マイクロサービス化 / ドメイン共通ロジックの集約 データ提供 ③ データプラットフォーム 全社共通データ基盤 / データガバナンス統括 ①②の共通化 & 基盤刷新プロセス自体が「技術的負債の段階的解消」となる © PERSOL CAREER CO., LTD. 22

Slide 23

Slide 23 text

ビッグピクチャがもたらす「全社ゴト化」 拡大した負債解消は 経営の腰が重いと思っ たが、覚悟を決めてく れてありがたい 現場の試行錯誤から、 経営・全社を巻き込んだ ロードマップへの進化 困難で不安も多いが、 ここまで本気なら 協力してやってみるか STEP 3 全社ゴト化期 STEP 2 草の根連帯期 STEP 1 局所的活動期 壁と摩擦の発生 各自努力の限界 大局的ビジョンなき声かけ ワンチーム化 経営が覚悟を決める 目線が揃い、全社で動く 担当領域内での孤軍奮闘 © PERSOL CAREER CO., LTD. 23

Slide 24

Slide 24 text

逆コンウェイ的アプローチ:組織とシステムの一体デザイン 【従来】 負のコンウェイ法則(サイロ化 ✕ 複雑化) 壁 【これから】 逆コンウェイアプローチ(理想形からの逆算) 個別サービス層 壁 サービスPF層 逆コンウェイ的 アプローチ サイロ化組織(縦割り)が生む 「スパゲティ密結合システム」 データPF層 理想のシステムに合わせて 「アジリティ・ガバナンス組織」へ あるべきシステム構造に見合った「組織構造(チーム構成)」へ打ち替える © PERSOL CAREER CO., LTD. 24

Slide 25

Slide 25 text

ビジネスに向き合うエンジニアの覚悟 技術的負債の解消は、 エンジニアの「エゴ」であってはならない システム・コードの美しさ (技術起点のみの思考) 連結 事業成長 & 顧客体験 (ビジネス価値への直結) 事業戦略とシステム戦略を「一本の線」で繋ぐ覚悟 エンジニア自身がビジネス成果に責任を持つ姿勢が、経営陣の信頼と投資を引き出す © PERSOL CAREER CO., LTD. 25

Slide 26

Slide 26 text

本日のまとめ 01 個別最適の限界と、それがもたらす現実を直視した 02 投資の覚悟を引き出し、経営とワンチームになった 03 あるべき姿から「逆コンウェイ的」に組織とシステムをデザインした 現場の自助努力や草の根の連帯だけでは突破できない構造課題であることを認識する 「負債縮退」✕「成長投資」をIT中計として掲げ、経営課題として共同責任を負う 理想の3層アーキテクチャに合わせて、チーム構成そのものを打ち替えて実行力を担保する © PERSOL CAREER CO., LTD. 26

Slide 27

Slide 27 text

ご清聴ありがとうございました パーソルキャリア株式会社 / 馬場 龍 【免責事項】 本資料に含まれる技術情報は発表日時点のものであり、予告なく変更される場合があります。 実装や運用は自己責任で行ってください。 発表者および所属組織は、本資料に基づく行動の結果について一切の責任を負いません。 本資料に記載されている会社名・製品名などは、一般に各社の登録商標または商標、商品名です。 資料内では ©, ®, TM マークなどは表示していません。