Slide 1

Slide 1 text

現場とIT部⾨の橋渡しをして 3000⼈の開発者を救った話 NTTドコモビジネス株式会社 ⼩林 泰⼤ 2025/11/15 at BTCON JP 2025

Slide 2

Slide 2 text

⼩林 泰⼤ Kobayashi Yasuhiro whoami クラウド内線電話 →Webセキュリティ →脅威インテリジェンス共有 →研究開発部⾨のなんでも屋 →社内認証基盤のPdO 社内サイドワーク多数 👉 リモートワークハンドブック、 開発者ブログほか PCは筋⾦⼊りのThinkPad派 2

Slide 3

Slide 3 text

お知らせ 3 2025年7⽉1⽇より NTTコミュニケーションズは NTTドコモビジネスになりました これからもよろしくお願いします

Slide 4

Slide 4 text

チェックイン 4 どちらかといえば情シス部⾨の⽅✋ どちらかといえば事業部⾨の⽅✋ この3カ⽉に「反対側の部⾨」の⼈と話した⽅✋ いま「反対側の部⾨」の⼈といっしょに何かやっている⽅✋

Slide 5

Slide 5 text

きょうのテーマ 5

Slide 6

Slide 6 text

話、してますか? 6

Slide 7

Slide 7 text

⼀緒にやれてますか? 7

Slide 8

Slide 8 text

今⽇の内容 8 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する

Slide 9

Slide 9 text

経験したこと 9

Slide 10

Slide 10 text

時は2018年 10 ⾃らは技術開発部(当時)で、当時脅威インテリジェンス共有の仕組み を考えていた頃

Slide 11

Slide 11 text

2018年当時のPC環境 11 情シスは事務PCを提供 ➡ 2020年のコロナ禍でリモートワーク主体に転換できた⽴役者 ⼀⽅事業部は各⾃で開発PCを調達、展開

Slide 12

Slide 12 text

2018年当時のPC環境(続き) 12 開発エンジニアはPCの2台持ちに不満 ● 事務PCでは開発‧検証が難しい ● 社内のコミュニケーションは事務PC、開発‧検証作業は開発PC ● コミュニケーションと開発を1台でやりたい この時点で情シスには開発者向けの追加意識は特になし

Slide 13

Slide 13 text

いきなり対話がセットされる NTTグループのエンジニア向けイベントを企画する同僚が⽈く、 「前に⼈事部と対話会やったじゃん」 「次は情シスとやってみようよ」 ➡ コーナーとしてエンジニア対情シスの対話が設定される ⼩林「なんでそう変な⽅向にばかり思い切りがいいのよ」 13

Slide 14

Slide 14 text

無論荒れた エンジニア「なんとかして」 情シス「それはワガママ」 エンジニアがエンジニアのために開発・検証用 PC を整備した 話 - NTT docomo Business Engineers' Blog 14

Slide 15

Slide 15 text

荒れた場が解散した後 このイベントに部⻑レベルが居合わせた(呼んでいた) 「⾯⽩かったからあれの続きやってよ」 「情報セキュリティ部の技術トップも呼んでおいてあげるから」 🔜😇😇😇 (内⼼、呼んだところで意味あるか?と訝しんでいた) 15

Slide 16

Slide 16 text

渋々トーク エンジニア 「エンジニアは2台持ちが不満で」 「実際開発PCって特に会社管理してるわけでもないわけで」 「業務環境改善にもつながるし」 情セキのえらい⼈ 「開発PCの管理、実際できてないし、どうにかしたかったんだよね」 16

Slide 17

Slide 17 text

まじかよ 17

Slide 18

Slide 18 text

⼀致 18 情セキには管理不⾏き届きを怒られるものだと思っていた フタを開けてみれば、やりたいことは情セキとエンジニアで異なれど 「開発PCの統⼀した枠組みを作りたい」⽅向性は⼀致していた

Slide 19

Slide 19 text

情シス‧情セキ‧エンジニア再び集合 19 改めて3つの⽴場から会話する機会を設定することにした エンジニア‧情セキ「というわけです」 情シス 「できるならやってもいいですが、こちらに稼働‧予算はなく」 「事務PCとなじむ実装でお願いします」

Slide 20

Slide 20 text

それじゃ試しにやってみよう 事務PCと同等のセキュリティレベルを達成できるなら、との条件も 実際事務PCってどうやってますの?と情シスに聞くところから ➡ 先の対話で下地ができていたのでどんどん情報がもらえる 20

Slide 21

Slide 21 text

TWO WEEKS LATER 21

Slide 22

Slide 22 text

それっぽい実装ができる 22 情シス驚く(納期に) 「うちらがやったら3カ⽉とかかかるところでしたよ〜」

Slide 23

Slide 23 text

情シスの奮闘 このあたりから情シスの⾯々にもオーナーシップがみられるように オペレーションを作り込むところは情シスが⼀⼿に引き受けてくれた 23

Slide 24

Slide 24 text

できたもの 24

Slide 25

Slide 25 text

エピローグ オーサライズに時間を要したものの、リリースに⾄る 現在約3000台が運⽤中 何かの因果で、⾃分は25年4⽉から現ポジション(≒情シス)に異動 25

Slide 26

Slide 26 text

学び 26

Slide 27

Slide 27 text

学び 27 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する

Slide 28

Slide 28 text

学び 28 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する

Slide 29

Slide 29 text

⽅向性はだいたい⼀緒 個⼈レベルはともかく、組織レベルで特定の誰かの邪魔をしようとして いるケースはまれ ただHowや、道のりや、⼤事にしているものが組織ごとに異なる 組織が異なれど、相⼿のなぜやるかは理解できることが多い (同意はできなかったとしても) 29

Slide 30

Slide 30 text

同じIssueで考えてみても 今回のPC環境について挙げれば ● 開発者:事務PCでは開発ができない、2台持ちがめんどい、でも どこから変えたらいいのだろう ● 情セキ:会社が⼿を出せないPCで情報資産を扱ってほしくない ● 情シス:それはエンジニアのワガママでは? → 事情は理解できた、 けどとにかく⼿が⾜りない ➡ Issueの捉え⽅が⼈や⽴場で異なる 30

Slide 31

Slide 31 text

話さないことには分からない 31 推論のみでは妥結点を探ることすら難しい 得てして推論はバイアスを含む(「錯思コレクション」で検索) 話を聞きに⾏ってみよう ● 事業部だったらお客さまに ● バックオフィスならエンドユーザー(=事業部)に

Slide 32

Slide 32 text

話しに⾏かない理由 ● 否定されるかもしれない ● 単純に時間がない ● ⾏かなくても仕事が回っている ● …… 32

Slide 33

Slide 33 text

話しに⾏かない理由 ● 否定されるかもしれない(誰から?) ● 単純に時間がない(本当に?) ● ⾏かなくても仕事が回っている(ように⾒えるだけ?) ● …… ➡ 意外と思い込みかも? 動いた⼈のもとに仲間ができる💪 (Ask the speaker, 懇親会でお話ししましょう) 33

Slide 34

Slide 34 text

学び 34 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する

Slide 35

Slide 35 text

いっしょにやる 「やらせてください」→「できました」から情シスと信頼関係を築いた 同じ対象(問題)をいっしょにやるのが相互理解には⼿っ取り早い ➡ 「同じ釜の飯を⾷う」 35

Slide 36

Slide 36 text

情シスとして:張り切りすぎない 全部ひとりでやる必要はない:責任を共有する e.g. もしエンジニアが開発PC設計に参画していなかったら? ➡ できたものに「こんなの使えないよ!!」はありがち 想像で作るとろくなことにならない 36

Slide 37

Slide 37 text

責任の共有(続き) 「情シスさん、〜〜やってくれませんか」 「詳しくは分かりませんが、よかったら⼀緒にやりませんか?」 Takerを諫め、「情シスのせい」とは⾔わせないようにする ➡ 両者から切り出せる環境を作る 邪険にするから邪険にされる (話を聞く態度が通じれば、意外と要求にも乗ってくれるもの) 37

Slide 38

Slide 38 text

学び 38 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する

Slide 39

Slide 39 text

情シスの評価基準 加点がなくて減点だけの会社が多いかも 周囲はトライを応援してあげてほしい (例:途中から⼀緒に参加してくれた、オペレーション作ってくれた) できればそれを評価に⼊れてやって 39

Slide 40

Slide 40 text

バックオフィスのチャレンジを応援する 周囲がほめる ➡ 正しい振る舞いと理解する ➡ みんな真似るようになる ➡ バックオフィスがオーナーシップを取れるようになる ➡ 速く動けるようになる ➡ 会社のフロントが爆速になる ➡ お客さまに対する価値提供も速くなる(かも) 40

Slide 41

Slide 41 text

まとめ 41

Slide 42

Slide 42 text

まとめ 42 話さないことには分からない ➡ 事業部の⼈に、お客さまに会いに⾏こう いっしょにやる ➡ 「やりたい」と思うことを他⼈任せにしない バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する ➡ 会社であって、社会でもある

Slide 43

Slide 43 text

チェックアウト 来週、話しに⾏きたい⼈はいますか? 何かやりたいことはありますか?  それをいっしょにやりたい⼈の顔は浮かびますか? 43

Slide 44

Slide 44 text

44