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FISCから学ぶ AWSセキュリティことはじめ 野村総合研究所 新井 雅也 JAWS-UG 初⼼者⽀部#22 Fin-JAWSコラボ会

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*OUSPEVDUJPO @msy78

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ FISCガイドラインをベースに AWSセキュリティ設計を俯瞰できる ! お伝えしないこと ! ・各AWSサービスの詳細内容や実装⽅法、テクニック (それを話すには時間が⾜りない…) 本⽇お伝えしたいこと

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン AWSとFISCガイドラインの関係性 FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する 本⽇のアジェンダ FISCガイドライン準拠の上でのユースケース まとめ

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ 本⽇のアジェンダ ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン AWSとFISCガイドラインの関係性 FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する FISCガイドライン準拠の上でのユースケース まとめ

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AWS x ⾦融と聞いて、 どのようなキーワードを思い浮かべますか?

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プライベートブラウジングモードでGoogleのサジェストを⾒てみると…

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プライベートブラウジングモードでGoogleのサジェストを⾒てみると… 法令遵守の観点が意識されている のか、準拠すべきルールがある? やはりセキュリティ要件を気にし ている?

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準拠すべきシステムのガイドラインが存在 ・⾦融機関がITサービスを提供する際の健全性評価の指標として、 FISCが『⾦融機関等コンピュータシステムの安全対策基準』を提供 ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン https://www.fisc.or.jp/ 参考: 設備関連 138項⽬ 技術関連 53項⽬ 運⽤関連 115項⽬ ・セキュリティ対策などの技術項⽬に加え、設備や運⽤に関する基準を提供 FISCガイドライン (第8版+追補改訂版)

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⾦融系サービスはFISCガイドラインの準拠が重要! (以前は⾦融庁の検査マニュアルにも記載があった)

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ 本⽇のアジェンダ ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン AWSとFISCガイドラインの関係性 FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する FISCガイドライン準拠の上でのユースケース まとめ

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セキュリティはAWSにとっても最重要項⽬の⼀つ AWSとFISCガイドラインの関係性 https://d1.awsstatic.com/International/ja_JP/Whitepapers/AWS_Security_Best_Practices.pdf ホワイトペーパー「 AWS セキュリティのベスト プラクティス ‒ 概要」より引⽤ アマゾン ウェブ サービス (AWS) のお客様にとって最も重要なこと は、情報のセ キュリティです。セキュリティは、偶発的または意図 的な盗難、漏洩、不整合、 削除からミッションクリティカルな情報 を保護する機能要件の中核部分です

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AWSからFISCガイドライン(第8版)に準拠したリファレンスガイドラインが提供 AWSとFISCガイドラインの関係性 https://aws.amazon.com/jp/compliance/fisc/ 参考:

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https://d1.awsstatic.com/whitepapers/jp/security/FISC_Document_20120824JP.pdf 引⽤: AWSが提供しているセキュリティリファレンス(⼀部抜粋)

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しかし、、

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AWS利⽤者側も対応が必要な項⽬が多数あり AWSとFISCガイドラインの関係性 https://aws.amazon.com/jp/compliance/fisc/ 参考: FISC 安全対策基準・解説書では、設備、運⽤および技術といった広範囲にわたるシステムの 安全性に関する管理策が⽰されています。お客様がAWS環境をご利⽤になる際には、責任共有 モデルに基づき、AWSの対応、あるいはお客様の対応等という形で責任の範囲を明確にした上 で、各要件に応じた対策や確認を実施する必要があります。 https://aws.amazon.com/jp/compliance/shared-responsibility-model/

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ 本⽇のアジェンダ ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン AWSとFISCガイドラインの関係性 FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する FISCガイドライン準拠の上でのユースケース まとめ

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FISCガイドラインを俯瞰するとセキュリティ/運⽤実装のポイントが⾒えてくる FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する ウイルス対策(脆弱性保護) FISCガイドライン (第8版+追補改定版) 本⼈確認 ファシリティ(建物/電源/空調/回線/⼊退室管理、等) 不正アクセス対策 運⽤体制や⼿順書の整備 データ保護(漏洩対策) 障害の早期発⾒と回復 (運⽤監視) ⼤規模災害対策(⼆重化等) 暗号鍵の管理 ソフトウェア管理 データバック アップ運⽤ 履歴管理 (アクセスログ/ 作業ログ…) 準拠が必要 (AWSリソースで対応) 準拠が不要 (AWSリソース外で対応) 凡例 セキュリティ/運⽤カットで集約した項⽬ リソース管理 抑⽌ 予防 検出 回復 AWSセキュリティ リファレンス

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ 本⽇のアジェンダ ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン AWSとFISCガイドラインの関係性 FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する FISCガイドライン準拠の上でのユースケース まとめ

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シンプルなALB+EC2+RDS構成で各FISCガイドライン観点で考察してみます FISCガイドライン準拠のユースケース

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NWやデータの暗号化はもちろん、データの内容によってはAppレベルで暗号化 FISCガイドライン準拠のユースケース データ保護(漏洩対策) ACM

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暗号鍵はKMSに集約させるケースが多い。保護レベル要件に応じてCloudHSMも検討 FISCガイドライン準拠のユースケース 暗号鍵の管理

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Systems Managerのインベントリ情報やリポジトリツールでSW全体を管理 FISCガイドライン準拠のユースケース ソフトウェア管理

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CloudWatchメトリクスベースでリソース管理 FISCガイドライン準拠のユースケース リソース管理

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AWSが提供する不正予防&検出系のサービスは割と⼿厚い印象 FISCガイドライン準拠のユースケース 不正アクセス対策

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ウイルス対策ソフトウェアはサードパーティ製を利⽤ FISCガイドライン準拠のユースケース ウイルス対策

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AWSレベルはIAM、Appレベルは⾃前で⽤意することが多い FISCガイドライン準拠のユースケース 本⼈確認

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マルチAZは必須、データ保持要件次第でマルチリージョン化 FISCガイドライン準拠のユースケース ⼤規模災害対策

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CloudTrail有効化は必須、他は要件に併せてCloudWatchやKinesis->S3など FISCガイドライン準拠のユースケース 履歴管理 (アクセスログ/作業ログ…)

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CloudWatchアラームをベースに通知実装が可能 FISCガイドライン準拠のユースケース 障害の早期発⾒と回復 (運⽤監視)

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FISCから学ぶAWSセキュリティことはじめ 本⽇のアジェンダ ⾦融系ITサービスを提供する上でのFISCガイドライン AWSとFISCガイドラインの関係性 FISCガイドラインからセキュリティ項⽬を俯瞰する FISCガイドライン準拠の上でのユースケース まとめ

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まとめ ・⾦融系ITサービスの健全性指標としてFISCガイドライン ・AWSでも上記に準拠する形でリファレンスを提供 ・FISCガイドラインをベースにAWSセキュリティ設計を俯瞰できる パブリッククラウドはインターネット越しの利⽤が前提 # どのようにして多層防御を⾏うか まずは、実装可能な項⽬をすべて洗い出してみることも⼤切 # その後、コストとのバランスで採⽤可否を判断

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FISCの最新版は第8版ではなく、実は第9版です! 最後に 2020年1⽉29⽇時点では、 AWSからFISCガイドライン第9版に関する リファレンスガイドが掲⽰されていない様⼦。 AWSさん、なにとぞ…!!

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ほんの少しだけ宣伝させてください… 最後の最後に… https://booth.pm/ja/items/1563844 僕のAWS師匠である佐々⽊さんがIAMに特化した本を出しました。 IAMを踏み込んで理解したい⽅、是⾮お⼿に取ってみてください。

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ご清聴いただきありがとうございました。