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AKSのアップデートを手なずけろ! まず理解 そして実践 日本マイクロソフト シニアクラウドソリューションアーキテクト 真壁 徹

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最近、ポータルでAKSクラスタを作ると、推奨は… パッチバージョン、つまり1.27.xに 新しいバージョンが出たら自動 アップグレードする ノードVMの新しいイメージが 出たら自動アップグレードする

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街の声  「自動アップデートってインプレースですよね。辞めた先輩がインプレースだけはやっ ちゃダメって言ってました」  「うちはクラスタのBlue/Green方式でバージョンアップしてるよ。大変だから、や めたいけど!でも、何かあったら怖いから!」  「怖くて一度もアップデートしてません」

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3年前なら: 「わかります、ちょっと怖いですよね」 いま: 「最近、状況が変わってきてまして」

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AKSアップデート 最新状況をおさらいする

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AKSのアップデートは3種類ある • AKSメンテナンス(別称: AKSリリース) • 管理系機能やアドオンなどのソフトウェア更新 (パッチレベルの更新が対象。重大な更新は、Kubernetesアップグレードで行われる) • ほぼ週次で自動適用され、スキップできない(スケジュール指定は可能) • Kubernetesアップグレード(別称: クラスタアップグレード) • Kubernetesのマイナー/パッチバージョンのアップグレード • Kubernetesアップストリームは、マイナーは3~4か月、パッチバージョンは約1か月周期でリリースされる • パッチバージョンは内容次第で、AKSでは提供を見送ることがある • ターゲットバージョンや適用タイミングはユーザが決められる。自動化もできる • Nodeイメージアップグレード • NodeのOSやソフトウェアの更新 • Linux: ほぼ週次、Windows: ほぼ月次 • 適用タイミングはユーザが決められる。自動化もできる AKSが提供するアップデート手段は、 すべてインプレース(クラスタを動かし ながら、そのクラスタをアップデート)

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読んでいますか? ほぼ週刊 AKS Changelog AKS/CHANGELOG.md at master · Azure/AKS (github.com) • 事前に周知が必要な、影響の大きなアナウ ンス(機能の廃止など) • 新たに利用可能になるKubernetesバージョ ン、機能 • バグ修正内容 • 挙動の変更 • 管理系機能やアドオンなどのソフトウェア更 新内容 • 新たに利用可能になるNodeイメージ

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Kubernetesのバージョン 1.27.9 メジャー (上がったこ とはない) マイナー パッチ

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たとえば: Kubernetesアップグレードで行われること Node • まずAPI Serverなど、Masterで動くコンポーネントのアップグレードを行う • その後、Worker Node追加、新コンポーネント導入、Pod再作成を段階的に行う(ローリングアップグレード) • 既存Nodeで動くPodは退避(Evict)、新Nodeで再作成され、完了すると既存Nodeは削除される • アップグレード時間の短縮のため、一度に追加するNodeの数を増やせる(Surge)が、同時に再作成されるPodも増加し サービスレベルに影響するため、バランスを考慮する • 新Nodeは最新のイメージで作成される Master (不可視) Kubernetesコ ンポーネント リージョン コントロールプレーン 既存Kubernetesコンポーネント 新Kubernetesコンポーネント Node Kubernetesコ ンポーネント Pod (User) 最新Nodeイメージ

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各アップデートの詳細は 付録をご覧ください

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考慮すべき点の整理 種類 中分類 提供タイミング 強制適用 (※) 自動化可否 自動化スケジュール 制御可否 ノード 再作成 備考 AKSメンテナンス ほぼ週次 Yes Yes Yes No Kubernetes マイナー 年に2~3回 No Yes Yes Yes 破壊的変更の可能性 パッチ 月次(スキップあり) No Yes Yes Yes Nodeイメージ Linux ほぼ週次 No Yes Yes Yes Windows ほぼ月次 No Yes Yes Yes (※)サポート外のバージョンを継続利用し、それに高いセキュリティリスクが認められた場合、マイクロソフトはアップデートを強制適用する権利を有します

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アップデートの自動化は AKSの運用負担を左右する

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自動アップデート(メンテナンス)構成 • 現在、3種類の自動メンテナンス構成を設定できる • AKSメンテナンス • default • Kubernetesアップグレード • aksManagedAutoUpgradeSchedule • Nodeイメージアップグレード • aksManagedNodeOSUpgradeSchedule • 適用する曜日、時間帯、頻度(日/週/月)を指定可能 • 避けたい日/時間帯も設定できる • ベストエフォートであることに注意。緊急や重大な更新が必要になった場合はそれが優先される 計画メンテナンスを使用して Azure Kubernetes Service (AKS) クラスターのアップグレードをスケジュールおよび制御する - Azure Kubernetes Service | Microsoft Learn

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aksManagedAutoUpgradeSchedule • スケジュールだけでなく、5つのアップグレードチャネルから適用内容を選択でき る • none(APIの既定) • 自動アップグレードしない • patch(ポータルの既定) • 最新パッチバージョンを自動で適用する(マイナーバージョンは変えない) • stable • 最新マイナーバージョン “-1”を自動で適用する • rapid • 最新マイナーバージョンを自動で適用する • node-images • 最新Nodeイメージを自動で適用する(Kubernetesのバージョンは同じ) • Nodeイメージアップグレードのスケジュールとチャネルを別途指定できるようになったため、いまはあまり使われない Azure Kubernetes Service (AKS) クラスターの自動アップグレード - Azure Kubernetes Service | Microsoft Learn Kubernetesアップグレード

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aksManagedNodeOSUpgradeSchedule • スケジュールだけでなく、4つのアップグレードチャネルから適用内容を選択でき る • none • 自動アップグレード、パッチ適用をしない(AKSは関与しない) • Unmanaged • OS機能を使ってパッチを適用する(AKSはNode作成時の設定のみ行う) • 再起動が必要なパッチが適用された場合は、手動もしくはkuredなどのツールでNodeを再起動する • SecurityPatch(プレビュー) • セキュリティ関連パッチのみNodeの仮想ハードディスクへ適用する • Nodeの再作成と比較し短時間での完了が期待できるが、適用時にNode停止を伴う • NodeImage(API/ポータルの既定) • 最新NodeイメージでNodeを再作成する • 前述のaksManagedAutoUpgradeScheduleで”node-image”を選択すると、このチャネルで固定される Nodeイメージアップグレード ノードの OS イメージを自動アップグレードする - Azure Kubernetes Service | Microsoft Learn

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AKSのアップデート戦略を 考える

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アップデートに関するトラブルの原因: 代表例 • 環境や設定 • Node追加に際し、CPUやIPアドレスがサブスクリプションの上限に達してしまう • PodDisruptionBudgetのmaxUnavailableを0にするなど、Drain/Evictを妨げる設定がある • アップデートを妨げるNSGルールがある • アップデート内容 • 廃止対象のKubernetes APIを使っており、アプリケーションが期待通り構成されない • リソース管理機能(cgroups)が更新され、特定の言語ランタイムでCPU消費が急増する • Node OSのアップデート内容にバグが含まれ、名前解決が機能しなくなる • アプリケーションの安全でない停止と起動 • Drain/Evictで削除した存在しないPodにパケットが転送されたり、処理中のリクエストがあるのにPodが削 除されたりする • Podの削除とネットワーク設定が非同期で行われるKubernetesの構造的課題 • 準備の出来ていない新Podにパケットが転送される

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プラットフォーム技術者の役割 • アップデートの戦略としくみ作りをリードする • 戦略と方針の決定 • 戦略の実装 • アップデートを妨げるリソースを「作れない」しくみを整える • Deployment Safeguardsなどを活用 • 例: PodDisruptionBudgetのmaxUnavailableが0のPodの作成を検知/拒否するポリシー • 廃止/非推奨APIが使われていないかチェックする • 問題の診断と解決機能 • 廃止/非推奨となるAPIの使用が検出される(1.26以降) • もし使用している場合、アップグレード操作は既定で拒否される(実行せず停止する)

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アプリケーション開発者の役割 • アプリケーションが安全に停止、起動できるようにする • グレースフルシャットダウンの考慮 • preStopフックでの待機、アプリケーションでのシグナルハンドリングなど • Readiness Probeの設定 • 準備ができた、とReadiness Probeが確認できる正常性エンドポイントも必要 • 呼び出す側もエラーハンドリングを考慮する • 再試行、サーキットブレーカー、タイムアウト • 丁寧なエラーメッセージ

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アップデートは理解を得やすいカオスエンジニアリングであり アプリケーションの回復性を確かめる絶好の機会である トール・マカベッチ

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みんなの役割 • アプリケーションを動かしてテストする • トラブルの多くは、事前にテストをしていれば認識、防止できたもの • 事前に机上で把握、対処できるのが理想だが、まあ漏れる • Kubernetesとその周辺の構成要素は多く、かつ変化するため、人間の認知能力を超えがち • 動かして試したほうが早く確実 • トレードオフを議論、調整する • アップデートを早く終わらせたい vs 影響範囲小さくじわじわ進めたい • maxSurgeやPodDisruptionBudget、Node Soak Time • 業務影響の小さな夜間や休日作業にしたい vs 対応できる人が多い平日日中にしたい • メンテナンススケジュール設定 • アプリケーション、サービスレベルの監視を確立する • アップデートの失敗がサービスレベルに影響するかを検知 • アップデートが失敗してもサービスレベルに影響がなければ、余裕をもって対処できる

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アップデート戦略サンプル① AKSの既定、推奨ベース

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AKSの推奨、既定を採用する • Kubernetesとエコシステム、AKSの成熟を背景にした戦略 • 年々、自動/インプレースアップグレードのリスクは下がっている • Deployment Safeguardsや問題の診断と解決機能など、リスクを減らす/対処する機能も拡充 • Kubernetesアップグレードは自動、チャネルは’patch’ • パッチアップグレード(最短で月次)の負担を軽減する • マイナーアップグレードはリスクを考慮し手動 • Nodeイメージアップグレードは自動、チャネルは’NodeImage’ • イメージアップグレード(最短で週次)の負担を軽減する • 急ぎで適用したいイメージがあれば、随時手動で適用 • スケジュールを工夫する • アプリケーションへの影響が小さい、もしくは有事に対応しやすい時間帯や曜日を指定 • “3 か月ごとに月の初日に”、 “2 か月ごとに最後の月曜日に”などの指定も可能

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インプレースアップデート失敗からのリカバリ (1/2) • 原因を取り除いてアップデートを再試行 • ロールバックではなく、アップデートを完遂する • バックアップから戻す/作り直すよりもシンプル • PodDisruptionBudegetの設定ミスなどは、原因がわかればすぐに解決できる • 「問題の診断と解決」機能などを活かし、原因の特定と解決を行う • エラーの原因が推測できる場合には、ポータルの概要画面に対処法へのリンクが表示される • 解決後、目標と同じバージョンにアップデートを再試行

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「問題の診断と解決」機能を活用 Azure Kubernetes Service (AKS) の問題の診断と解決の 概要 - Azure Kubernetes Service | Microsoft Learn New!!: チャット形式 (プレビュー)

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インプレースアップデート失敗からのリカバリ (2/2) • Azure Backup • クラスタリソース(Kubernetesの各種リソース)と永続ボリュームが対象 • ただし、Kubernetesのバージョンはバックアップを取得した際のバージョンに戻せない • つまり前バージョンに戻すには、前バージョンのクラスタを再作成し、そこに戻すことになる • 結局、短時間でリカバリするにはInfrastructure as Codeなど再作成のしくみが必要 • Infrastructure as Code(IaC) • BicepやTerraformなどIaCツールにより、迅速で再現性高くクラスタを再作成できるようにしておく • Kubernetesの各種リソースについては、マニフェスト再投入を自動化しておく • GitOpsも有効な手段 • 永続ボリュームを使わないステートレスクラスタにできると、運用の負担は減る(永続データはAKS外のマ ネージドサービスを使う) • 永続ボリュームを使わないクラスタでは、Azure Backupでのバックアップをしないケースが多い (IaC/マニフェストで環境の再現ができれば、必須ではない)

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インプレースアップグレードの代替戦略(Blue/Green) AKS クラスターのブルーグリーンデプロイ - Azure Architecture Center | Microsoft Learn • クラスタの前段にゲートウェイ/プロキシを置き、新旧クラスタ(ブルー/グリーン)を切り替える • 新バージョンのクラスタの試験を十分に行ったうえで切り替えられる • 切り替え後に新クラスタが安定したら、旧クラスタは削除しコストを抑える • なるべくデータをクラスタ内に置かず、クラスタ外のサービスを活用する

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Blue/Green クラスタアップグレードの要点 • IaC、アプリ配布やテストの自動化が整備されていないと、負担は大きい • リスクが低いといって、安易に選択しない • むしろその作業が新たなリスクを生む可能性もある • まずインプレースアップグレードを検討し、リスクを許容できない場合に Blue/Greenアップグレードを選ぶ • インプレースを基本方針としても、後からアップグレード内容に応じて Blue/Greenを選択できるようにしておくと安心 • 前もってクラスタの前段にプロキシ/ゲートウェイを配置しておく • 追加クラスタを作れるだけのIPアドレスレンジを確保 • アップグレードに限らず、「クラスタの設計を見直したい = 作り直したい」ケースでも有用(よくある)

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アップデート戦略サンプル② 事前検証のしくみ化

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Upgrade Stage: Staging 本番とは別のクラスタでの事前検証をしくみ化する • 事前検証から本番適用へのフロー、手段を確立する • ステージング/検証環境を先にアップデートし、十分に検証できる時間を設ける • Azure Kubernetes Fleet Managerの更新オーケストレーション機能が有用 • クラスタをグループ化し、アップデート後に待機時間を設定できる • たとえば3日待機する設定にすれば、本番適用前に3日検証できる • 問題が見つかった場合、途中で停止できる Azure Kubernetes Fleet Manager アーキテクチャの概要 | Microsoft Learn Upgrade Group: Staging Wait Upgrade Stage: Production Upgrade Group: Production begin end 都合のよいタイミングで開始 (API/CLIで自動化も可能)

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重要: 自動テスト • ステージングへの事前適用期間で、問題に気づけるか • 開発環境をアップデートし、開発者に気づいてもらうやり方もあるが、不確実 • 何かしら、自動的に検証するしくみの導入を推奨 • 網羅的なE2Eテストは不要 • たとえば、KubernetesやNodeのアップデートで、UIの一部だけが壊れることは稀 • Podが起動しない、通信できないなど、わかりやすく壊れる • 主要なフロー、正常性エンドポイントのチェックで良しとするケースも多い • ステージング、検証環境を自動・継続的にテストする • 商用と同様の合成監視を行うアイデアもある • 商用の合成監視構成をコピーして、監視先をステージングに向ければいい • 監視とは、継続的なテストとも言える

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まとめ

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24x365で動いているあのサービスも、AKSを使っている • Office 365 • Teams • Bing Copilot • GitHub Copilot • Xbox • OpenAI ChatGPT

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まとめ  いまは「アップデートが大変」から「できるだけ自動化して楽をする」への転換期  知識がドキュメントとして公開され、支援機能やツールも整ってきた  Kubernetesコミュニティもバージョンアップ体験を気にかけている  自動化とリスクをトレードオフとせず、両立させる  リスクを理解し、受け入れ可能なラインを議論、合意する  自動化しつつリスクを下げるしくみを作る  自動化は、はじめの一歩を踏み出す勇気が重要  はじめからすべてを自動化する必要はなく、部分的、段階的に取り組み、経験と能力、自信を得る  慣れてしまえば どうということはない

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付録 AKSアップデートの詳細

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AKSメンテナンス

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AKSメンテナンスで行われること Node 管理系機能 /アドオン • 各リージョンに、新たに利用可能な管理系機能/アドオンやイメージが追加される • 管理系機能/アドオンが、自動でAKSクラスタに適用される • 新Nodeイメージは、自動でAKSクラスタに適用されない(適用タイミングはユーザが選択する。後述) • ほかのアップデートと違い、Nodeの再作成は行われない Master (不可視) 管理系機能 /アドオン Pod (User) リージョン コントロールプレーン 既存管理系機能/アドオン 新管理系機能/アドオン 既存Node OSイメージ 新Nodeイメージ

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AKS Release-Tracker AKS Release Status (azure.com) リージョン別にAKSリリースの 適用状況が分かる リリースの順序や進捗がわかる ペアリージョンでの同時リリー スを避けている(Japan East/Westなど)

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Kubernetesアップグレード

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Kubernetesアップグレードで行われること Node • まずAPI Serverなど、Masterで動くコンポーネントのアップグレードを行う • その後、Worker Node追加、新コンポーネント導入、Pod再作成を段階的に行う(ローリングアップグレード) • 既存Nodeで動くPodは退避(Evict)、新Nodeで再作成され、完了すると既存Nodeは削除される • アップグレード時間の短縮のため、一度に追加するNodeの数を増やせる(Surge)が、同時に再作成されるPodも増加し サービスレベルに影響するため、バランスを考慮する • 新Nodeは最新のイメージで作成される Master (不可視) Kubernetesコ ンポーネント リージョン コントロールプレーン 既存Kubernetesコンポーネント 新Kubernetesコンポーネント Node Kubernetesコ ンポーネント Pod (User) 最新Nodeイメージ

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Kubernetes マイナーバージョンアップの影響 kubernetes/CHANGELOG/CHANGELOG-1.27.md at master · kubernetes/kubernetes (github.com) 機能の廃止や非 推奨化 1.26 -> 1.27の場合 APIの変更 • 「マイナー」の語感に反し、機 能の廃止や非推奨化など、 APIの変更が含まれる • 破壊的な変更が含まれるか 否かは、リリースされるまでわか らない • リリースされたら、リリースノート に目を通し、テストしておくこと が望ましい

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Kubernetes/AKSマイナーバージョン関連スケジュール K8s バージョン アップストリームのリリー ス AKS プレビュー AKS GA サポート終了 プラットフォームのサポー ト 1.24 2022 年 4 月 2022 年 5 月 2022 年 7 月 2023年7月 1.28 GA まで 1.25 2022 年 8 月 2022 年 10 月 2022 年 12 月 2024 年 1 月 2 日 1.29 GA まで 1.26 2022 年 12 月 2023 年 2 月 2023 年 4 月 2024年3月 1.30 GA まで 1.27* 2023年4月 2023 年 6 月 2023年7月 2024 年 7 月 (LTS は 2025 年 7 月まで) 1.31 GA まで 1.28 2023 年 8 月 2023年9月 2023年10月 1.32 GA まで 1.29 2023年12月 2024年2月 2024年3月 1.33 一般提供まで • おおよそ3~4か月で新バージョンが利用可能になる • 最新のGAバージョンと、その前の2バージョンがサポートされる(N-2) • N-3もサポートされるが、脆弱性や不具合の修正はプラットフォーム(Azure)に関するものに限られる • よって、年に1~2回のアップグレードを計画しておく • AKSにはLTS(2年サポート)もあるが、アドオンやエコシステムのソフトウェアがサポートを打ち切る可能性がある。また、いず れアップグレードは必要。先送りでむしろリスクが高まる可能性は考慮する Azure Kubernetes Service (AKS) でサポートされている Kubernetes のバージョン。 - Azure Kubernetes Service | Microsoft Learn

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Kubernetesパッチバージョンアップ • パッチバージョンアップ = 修正プログラムの適用 • APIや機能仕様は変わらないので、マイナーバージョンアップほど影響は大きくない • セキュリティ関連の修正を含むため、リリース後の速やかな適用を推奨 • パッチバージョンのサポート対象は N-2 • 新しいパッチバージョンのリリース後、最も古いバージョンはサポート対象から外れる Azure Kubernetes Service (AKS) でサポートされている Kubernetes のバージョン。 - Azure Kubernetes Service | Microsoft Learn サポートされるバージョンの一覧(パッチ は間が飛ぶことがある) 1.25の新たなパッチバージョン がリリースされると、1.25.6が 削除される

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Nodeイメージアップグレード

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Nodeイメージアップグレードで行われること Node • 最新のNodeイメージを使って、Nodeを追加する • 既存Nodeで動くPodは退避(Evict)、新Nodeで再作成され、完了すると既存Nodeは削除される Master (不可視) リージョン コントロールプレーン Node Pod (User) 最新Nodeイメージ