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shownet.conf_ 2023 マルチバンドで作る ShowNet Wi-Fi Interop Tokyo 2023 ShowNet NOCメンバ Wi-Fi担当 金子 直矢 宮 太地

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本セッションのアジェンダ ShowNet Free Wi-Fiについて 2023年の取り組み、見どころ ShowNet Free Wi-Fi構築・運用のベストプラクティス 2023年の運用結果について おわりに 2

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来場者、出展者、運用者へ無線LANサービスを提供 利用可能エリア HALL 8 HALL 7 HALL 6 HALL 5 HALL 4 HALL 3 HALL 2 HALL 1 (1F) 中央 エントランス ShowNet Free Wi-Fiとは:「触れるShowNet」 3 サービス対象エリア 幕張イベント ホール 国際 会議棟 1F & 2F • 展示ホール4~7 • エントランス・通路 • 国際会議棟1F・2F 2Fエントランス SSID パスフレーズ 2023shownet [ Wi-Fi6 サービス] from-messe 2023shownet-6e [ Wi-Fi 6E による6GHz帯サービス ] from-messe 2023shownet-operoaming [ OpenRoamingによる接続サービス ] 不要

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4 登場人物 CGN: 1台 VPN装置: 10台 PoEスイッチ︓28台 無線LAN AP: 78台 コントローラ: 8つ クラウド コントローラ:5つ 国際会議棟 2Fエントランス Life コントローラ 展示ホール4-7 = 130製品 絵(e.pdf)の中のWi-Fi AP Test Festa テスター: 1台

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2023年のWi-Fiテーマ 5 Wi-Fi 6E・Wi-Fi HaLowによる新しいコネクティビティ Wi-Fi NWのPreflightチェックとInflightモニタリング 繋いで試せる多種多様なWi-Fiアクセスポイント マルチバンドで作るShowNet Wi-Fi

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2023年のWi-Fi“裏”テーマ 「きれいな無線をもとめて」(2013)、あれから10年 https://www.f2ff.jp/interop/2013/noc/post.php “技術的な解決方法で無線LANをきちんと交通整理する” “Go to the next decade” 2013年当時着目していたこと 802.11ac, ビームフォーミング、電波遮断 10年後の今、Wi-Fi技術や構築・運用はどうなったか

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2023年の取り組み Wi-Fi6E・Wi-Fi HaLow PreflightチェックとInflightチェック 繋いで試せる多種多様なWi-Fiアクセスポイント 7

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2023年の取り組み マルチバンドで作るShowNet Wi-Fi 新しいコネクティビティ Wi-Fi6E、Wi-Fi HaLow Preflightチェックと Inflightモニタリング 繋いで試せる多種多様な Wi-Fiソリューション アンライセンスドに使える新しいWi-Fi ➡ さまざまな&高度なユースケースへの適応 構築前のAP検証と構築後のネットワーク運用監視 ➡ 見えない無線LANの運用に安心を “I know it works, because I saw it at Interop” ➡ 実際に繋いで試す、動いているのを見て識る

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マルチバンドな無線LANコネクティビティ 9 5GHz帯 5,180MHz〜 5,720MHz 5+6GHz帯 5,180MHz〜 5,720MHz + 5,925MHz〜 6,425MHz 2.4GHz帯 2,412MHz~2,472MHz 920MHz帯 915MHz~928MHz 5GHz帯 5,180MHz~ 5,720MHz 5GHz帯 5,180MHz~ 5,720MHz Wi-Fi 6E Wi-Fi HaLow 無線 ブリッジ 5GHz帯 5,180MHz〜 5,720MHz

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ShowNet会場の「電波の汚れ具合」(6/14) 10 2.4GHz帯 3チャネル: Bluetoothも厳しい混雑 5GHz帯 19チャネル: 出展社APが多数乱立 6GHz帯: 最大59チャネル, 日本では24チャネル分 日本ではまだ未開放 (35チャネル分)

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Wi-Fi6/6E(802.11ax)の高速化技術 11 レガシー端末フリーな6GHz帯で高速化技術をフル活用 など 両方向マルチユーザMIMO STA STA STA AP Uplink Downlink OFDMA 時間 時間 周波数 周波数 802.11ac 802.11ax 1024QAM 802.11ac: 256QAM 802.11ax: 1024QAM BSSカラリング AP AP STA 違うカラー: 受信感度を下げる 同じカラー 今後Wi-Fi7で4096QAMや320MHzボンディング、Multi Link Operationなども登場

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Wi-Fi 6E available / readyなAPを多数展開 ホール6, 7にて6GHz帯のWi-Fiサービスを展開 “2023shownet-6e”が見えればWi-Fi6E対応 life Wi-Fiも、Wi-Fi6E availableなAPで運用 12 Ciscoさま CW9136I, CW9166I (ホール7) Juniperさま Mist AP45 (ホール6) 見えるのはShowNetのSSIDのみ それぞれ160MHz幅をフル活用 6GHz帯のチャネル数: 24 [参考]5GHz帯のチャネル数: 19

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802.11ahによる映像伝送実験 920MHz帯を用いて会場内約120mの距離で映像伝送 60m 原田産業様 AP-100AH 802.11ah対応AP 原田産業様 BR-100AH 802.11ah対応ブリッジ RICOH様 Meeting360 映像ソースに利用 サイドビューにて 来場者に展示

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Wi-Fi NWのPreflight/Inflightチェック 見えない無線ネットワークを無事に運用するには、 構築前と運用中の「チェック」が重要 「ShowNetの過酷な環境で生き抜けるWi-Fi製品か?」 「Wi-Fi NWはユーザに十分なサービスを提供できているのか? どこを改善できるのか?」 PreflightとInflightの観点でコントリビューション製品を活用 14

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Preflightチェック — “AP Test Festa” 東陽テクニカ/Spirentさま OCTOBOXを用いてAPをテスト 15 電波暗箱 評価 ターゲット “コンバットプルーフ”なことを 確認してから運用に突入

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AP Test Festa: TR-398テスト 16 Broadband Forumが策定 https://www.broadband-forum.org/download/TR-398.pdf 無線LANに特化した15のテスト 複数端末を模擬し実戦的に検証 ShowNetでは以下のテストを実施 Maximum Connection Test Maximum Throughput Test Multiple STAs Performance Test Multiple Assoc/Disassoc Stability Test 催事中も不定期にテスト AP Test Festa環境 催事中の展示

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Inflightチェック — 運用者への寄り添い • 見えないWi-Fiを、「見せる」「管理する」ソリューションを多数活用 • “遠隔・広大・分散”なWi-Fi NWの把握・問題分析の自動化 17 Juniperさま Mist AI Ciscoさま DNA Center TP-Linkさま Omada Controller NECさま Net Meister Fortinetさま FortiGate 4801F Ruijieさま Cloud System パトライトさま NHV 左: life Wi-Fi APへの疎通 右: バックヤードWi-Fiの混雑

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多種多様な無線LANソリューション 18 Juniper Networks さま AP45 Huawei さま AirEngine 6761-22T H3Cさま WA7539 Cisco Systems さま CW9166I-Q CW9136I-Q TP-Link さま EAP650-Outdoor EAP610-Outdoor Fortinet さま FortiAP 431F NEC さま QX-W1130 Yamaha さま WLX222 Ruijie Networks さま RG-AP880-AR フォーバルカエルワークさま Ubiquiti Networks Access Point U6 Enterprise Cisco Systemsさま CW9166I-MR ※ 点線エリアはShowNetオペレータ専用のWi-Fiサービス 国際会議棟 1F 国際会議棟 2F 国際展示場 ホール7 国際展示場 ホール4 2F連絡通路

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その他AP,ベンダも6E ready多数 19 Ruijieさま RG-AP880-AR 2Fエントランス H3Cさま WA7539 会議棟1F TP-Linkさま EAP610-Outdoor EAP650-Outdoor 会議棟2F YAMAHAさま WLX222 バックヤード フォーバルカエルワークさま U6 Enterprise ホール7,life Ciscoさま CW9136I, CW9166I ホール4山側 華為技術日本さま AE6761-22T ホール4海側 NECさま QX-W1130 ホール5 Fortinetさま FortiAP 431F ホール6 Juniperさま Mist AP45 6E ready 6E/7 ready 6E ready 6E served 6E served vendor ready vendor ready vendor ready

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OpenRoamingによるコネクティビティ SSID/パスフレーズ入力不要かつWPA2/3のセキュアな接続 Cisco様 Cisco Spaces / Catalyst APにてホール7中心に提供 20 OpenRoaming SSID in 6GHz帯 6/14 11:53のホール7接続状況 会場内看板での案内 Rogue APのリスクが高いイベントWi-Fi向けの技術を適用

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Wi-Fiネットワークを支える有線網 NOCラックからL2トンネルでホール全体へL2延伸 会場全域でシームレスにローミング可能なWi-Fiを実現 21 L3の境界 RTX1300 RTX1300 RTX1300 RTX1300 RTX1300 RTX1300 RTX1300 SRX1500 RTX1300 ヤマハ様 RTX1300 POD-NOC間をL2延伸 リモート拠点 コアスイッチ ゲートウェイ 会議棟頭スイッチ ShowNet バックボーン 会議棟 Wi-Fi L2 RG-S6120 センタ拠点 FXCX9526F

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赤線部分: mGig / 10GbE UTPでAP, SW間を接続している箇所  これまでと同じUTPでPoE、そしてWi-Fi6Eの広帯域化をサポート Wi-Fiネットワークを支える有線網 ホール4-7 会議棟1F・2F

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ShowNet Wi-Fi 設計と構築のベストプラクティス 取り組みの裏側 23

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Wi-Fiの規格・製品が変わっても... • 新たに得たチャネルを無駄にしないために 🙅🙅“汚れた”無線 🙅🙅クライアントの偏り 🙅🙅有線区間の複雑化 ・配線制約とのバランス ・APの電力需要とPoE SWの供給 ・キャプティブポータルとの相性 ・Sticky Client問題による エリアスループットの低下 ・頻繁なロスによる通信断 ・公衆Wi-Fi、モバイルルータ、 Bluetoothとの干渉 ・DFSによるチャネル移動

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ShowNet Free Wi-Fiのベストプラクティス 過酷なInterop Tokyo 会場環境で戦うためのノウハウ ☑ AP / Wi-Fiの特性を知る ☑ 提供する場を知る ☑ 徹底したシンプル化を図る “知彼知己百戦不殆” - 「孫子-謀攻」

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モノを知る: APの場合 • 静的な特性の例 APの管理方式 (単体? コントローラ? クラウド?) サポートしている同時接続数 アンテナの特性 取り付け方法 • 動的な特性の例 実際にサポートしている接続端末数 最大端末数で接続時の実効スループット 接続台数増加時のスループット低下 ? AP Test Festaで 実力を確認

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例: アンテナ特性の把握 • APのアンテナパターンと実際のカバレッジ • 例: フォーバルカエルワークさま U6 Enterprise データシートのアンテナパターン(5GHz) APを上から見た場合 APを正面から見た場合 「APを上から見た場合」でシミュレート 設置方法を踏まえたカバレッジの想定

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場を知る: 無線空間設計のための事前情報 • 綿密な事前現地調査の実施 • 構内配線の位置・種類・疎通 • APが置ける場所、置き方、見通し • AP/SW間の配線の仕方、経路 • キャリアWi-Fi、設備Wi-Fiの有無 • チャネル使用率、空き具合

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場: “汚れた無線” ShowNetにおけるベストプラクティス • 催事日以降、さまざまな無線デバイスが多数混在 チャネル使用率が軒並>80% 出展者もAPを持ち込むため 5GHz帯も軒並混雑 2.4GHz帯 5GHz帯

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事前のサイトサーベイ • 避けるべきチャネルを把握 • 本番のチャネル設計の参考情報として活用 周囲のAP、各チャネルのエアタイム使用率を計測 使っても大丈夫 or 避けるべきチャネルを一覧化 事前の現地にてサーベイ 少なくとも既設Wi-Fi・キャリアWi-Fiを避ける

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場と機材の特性を踏まえた配置設計 イベント会場の制約の中、ベストな配置を検討 31 事前のサーベイ APの仕様・アンテナ特性

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マルチコントローラ間のチャネル管理 マルチベンダ構成はShowNet独特の環境 可能な限り1エリア=1コントローラとしつつ、間は調停 32 Cisco様エリア Juniper様エリア Fortinet様エリア Huawei様 NEC様エリア ・各コントローラで、チャネル、 エアタイム使用率、接続数、 トラフィック量を監視 ・DFSによるチャネル移動や、 他局の干渉・可用帯域の減少 を契機に調整 ・自局同士や他局の混雑チャネル のかぶりを回避 (左図:色は自局のチャネル)

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シンプル化によるラピッドデプロイ • イベントWi-Fi構築はデプロイが肝 • シンプル化で、時間内に確実にデプロイ 無線区間 有線区間 ・APを「必要十分」に配置 ・できるだけ高い位置からサービス ・「低レートの禁止」「端末間通信の禁止」で BUM over Wi-Fiを抑制 ・PoEスイッチを増やしすぎないAP配置 ・LAGはスイッチ間の上流のみ ・可能な限りUTPで配線 無線区間 有線区間

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運用結果 35

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接続クライアント数 (6/16 09:00-18:00) 36 会議棟の一部を除く 参考: 2022年はホール+会議棟にてMAX 664 09:00 18:00 13:00 avg: 1155端末 / max: 1896端末 15:23 MAX

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Wi-Fi 6E / OpenRoaming接続クライアント数(6/16) 37 09:00 18:00 13:00 OpenRoaming 6GHz帯 09:00 18:00 13:00 2023shownet-6eへの接続数

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来場者Wi-Fi トラフィック量 (6/16) 38 ダウンロード アップロード 09:00 18:00 600Mbps 300Mbps avg: 124.28 Mbps / max: 456.56 Mbps 13:00 09:00 18:00 13:00 300Mbps 200Mbps 100Mbps avg: 34.2 Mbps / max: 253.13 Mbps xg-0-1.rgs6120.noc#N1-0にて計測 参考:2022年はavg down ~52 / up ~30 Mbps

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おわりに 39

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2023年のShowNet Wi-Fi まとめ 今年はShowNetにおけるWi-Fi6E元年 広域にイベントWi-Fiで6GHz帯をサービスした日本初の例︖ 昼間の混雑時でもスループットは非常に安定 とはいえ、まだまだ普及途上 ギリギリで技適が間に合わなかったAPが多数… 6GHz帯クライアント数は全体の1%程度︓iPad Proなどごく一部 Wi-Fi6で導入された新技術がいよいよ試される Wi-Fi5以下の端末との共存が不要な帯域 新技術が本領を発揮できる設計と運用がより重要に 40

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ご協力いただいたコントリビュータの皆様 41

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