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Disabilityとデザイン
 2020/11/27
 @magi1125


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伊原 力也
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 ● freee株式会社 UX部 デザインリサーチチーム マネジャー
 ● HCD-Net 評議委員 / 認定人間中心設計専門家
 ● ウェブアクセシビリティ基盤委員会 WG1委員


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 HCD-Net

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 ウェブアクセシビリティ基盤委員会 | Web Accessibility Infrastructure Committee (WAIC)

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 伊原 力也: 本

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https://twitter.com/magi1125/status/1310580840909295617

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前置き
 デザインにおいて『障害と対峙する』という文脈で耳にする概念が
 いろいろあります。ノーマライゼーション、デザインフォーオール、
 バリアフリー、ユニバーサルデザイン、アクセシブルデザイン、
 インクルーシブデザイン、情報アクセシビリティなどなど……。
 それらはどのような立ち位置の違いがあるのでしょうか。
 また、それらはUXデザインや、HCD(人間中心設計)のプロセス、
 情報設計、UIデザインあたりとどういう関係性にあるのでしょうか。
 主にWebデザイン、クラウドアプリのデザイン、そのためのリサーチなどに
 取り組んできた経験を元に、整理と理解を試みます。
 
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前置き2
 ● 歴史的経緯の深堀りではなく、今日びの日本における語感について考えます
 ● Webアクセシビリティ以外はそこまで詳しくありません(ツッコミ歓迎)
 ● 専門用語をふつうに使っちゃいがちなので不明点あったらご質問ください
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本日の話
 ● Disabilityを取り巻くデザイン関連用語たち
 ● 用語同士の関係性と、周辺領域との関係性
 ● 私の思う「Disabilityとデザイン」
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Disabilityを取り巻く
 デザイン関連用語たち


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それぞれどんなイメージ?(1分思考)
 ● バリアフリー
 ● ユニバーサルデザイン
 ● インクルーシブデザイン
 ● アクセシビリティ
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バリアフリー
 ● いま存在する障害者・高齢者にとってのバリアをあとから除去する考え方、
 およびそれによって作られたモノや状況
 ● 退役軍人が健常者向けデザインの建築物が利用できないことに端を発する
 ● 建築や公共交通で言われがち
 ● 国内で最古参の概念(1974年に報告書『バリアフリーデザイン』が作成)
 ● バリアフリー法がある
 ● 特にあと付けの構造物のイメージ強い(主観)
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No content

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No content

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高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 - Wikipedia

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ユニバーサルデザイン
 ● 最初から多くの人が使えるものを作ろうという思想・プロセス・原則、
 およびそれによって作られたモノや状況
 ● 旧来のデザイン、およびあと付けであるバリアフリーへのカウンター
 ● 建築や公共交通から、有形プロダクトとか衣料とかにも波及
 ● 1985年にアメリカのロナルド・メイス氏が提唱(車椅子の建築家)
 ● 2005年に国土交通省が「ユニバーサルデザイン政策大綱」を定める
 ● 特に原則による検証とモノのイメージ強い(主観)


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No content

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The Center for Universal Design - Universal Design Principles

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「ユニバーサルデザイン政策大綱」について

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インクルーシブデザイン
 ● 除外(エクスクルーシブ)されているユーザーと共に、
 その課題に対して共に考えてデザインするプロセス
 ● 旧来のデザイン、バリアフリー、
 機能性と原則に基づき健常者が実施するUDへのカウンター
 ● 1991年にイギリスのロジャー・コールマン教授が提唱
 ● 最近はSDGsでインクルージョンが取り沙汰されている
 ● 特にプロセスやワークショップのイメージ強い(主観)


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No content

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2030アジェンダ

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アクセシビリティ
 ● アクセスできる度合い。高い=より多くの状況からアクセスできる
 ● ユーザーから対象物を見たときに立ち現れるもの。
 他と語感をあわせるなら「アクセシブルデザイン」になる
 ● 日本だと「アクセス」の語感から情報通信のイメージが強い
 ※それ以外にもアクセスはあるのでアクセシビリティもある
 ● 1999年にW3CからWCAG1.0が勧告
 ● 最近は平井デジタル相による「デジタル機器のアクセシビリティや
 UI/UXでデジタル格差を作らないことが重要だ」の発言などで注目を集める
 ● 特にWebやソフトウェアや端末、及びガイドラインのイメージ強い(主観)


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No content

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平井デジタル相、新設デジタル庁は「とてつもない権限」とスタートアップ精神で、まず IT基本法改正

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 バリアフリー
 ユニバーサル
 デザイン
 インクルーシブ
 デザイン
 アクセシビリティ
 ターゲット
 主に障害者・高齢者 
 できるだけ多くの人
 当事者とそれ以外
 障害者・高齢者を含 む多くの状況
 特徴
 あと付けでバリアを取 り除くものを用意する 行為
 最初から多くの人が 利用できるようデザイ ンする行為
 障害当事者を巻き込 みインサイトに基づき デザインする行為
 より多くのアクセスの 選択肢が提供されて いるかの度合い
 視点
 提供側の行い
 提供側の行い
 提供側の行い
 ユーザー側に立ち現 れるもの
 主な対象
 (イメージ)
 
 建築・公共交通
 建築・公共交通・有形 プロダクト
 特定イメージなし
 情報通信
 主なプロセス
 (イメージ)
 法的な要求をもとに 対応、チェックをクリ アする
 健常者がデザイン、7 原則に基づいて検 証、ユーザー評価
 ユーザー参加による ワークやプロトタイピ ング
 ガイドラインに基づい たデザインや実装、 試験の実施
 主なフェーズ
 (イメージ)
 インターフェース
 企画とインターフェー ス両方
 企画
 インターフェース


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周辺領域の解説
 ● UX:ユーザーの体験
 ● UXデザイン:ユーザーがうれしいと感じる体験となるように
 製品やサービスを企画の段階から理想のユーザー体験(UX)を目標として
 デザインしていく取組み方とその方法論 by 安藤昌也先生
 ● UI:ユーザーインターフェース
 ● UIデザイン:ユーザーインターフェースの具体的なデザイン
 


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「デザイン思考」と「HCD」のフレームワークからデザインプロセスを学ぶ(社内勉強会)

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 用語同士の関係性と、
 周辺領域との関係性


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実際はかなり入り乱れている


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UD批判


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 バリアフリー
 ユニバーサル
 デザイン
 インクルーシブ
 デザイン
 アクセシビリティ
 ターゲット
 主に障害者・高齢者 
 できるだけ多くの人
 当事者とそれ以外
 障害者・高齢者を含 む多くの状況
 特徴
 あと付けでバリアを取 り除くものを用意する 行為
 最初から多くの人が 利用できるようデザイ ンする行為
 障害当事者を巻き込 みインサイトに基づき デザインする行為
 より多くのアクセスの 選択肢が提供されて いるかの度合い
 視点
 提供側の行い
 提供側の行い
 提供側の行い
 ユーザー側に立ち現 れるもの
 主な対象
 (イメージ)
 
 建築・公共交通
 建築・公共交通・有形 プロダクト
 特定イメージなし
 情報通信
 主なプロセス
 (イメージ)
 法的な要求をもとに 対応、チェックをクリ アする
 健常者がデザイン、7 原則に基づいて検 証、ユーザー評価
 ユーザー参加による ワークやプロトタイピ ング
 ガイドラインに基づい たデザインや実装、 試験の実施
 主なフェーズ
 (イメージ)
 インターフェース
 企画とインターフェー ス両方
 企画
 インターフェース


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UDは実現できない?
 ● 右利き用ハサミに対し、どちらでも切れるハサミはUDか?
 ● そもそもハサミを握れなかったら使えないのでUDではない?
 ● 真の意味で誰もが使えるものを創造するのは人間には不可能
 ● UDは「できるだけ多くの人が利用可能であるデザインにすること」
 ● もともとあるものをどのぐらい拡張できるか?のチャレンジであり、
 個々の製品やサービスのカバー範囲を広げて円の重なりを作ること


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UDは中途半端?
 ● 右利き用ハサミに対し、どちらでも切れるハサミはUDか
 ● 右利きの人は右利き用ハサミのほうが概ね使いやすい
 ● 利用状況を特定したほうが効果を発揮しやすいのはある意味当然
 ● そこに対してバランスを変えても成立するか、
 その存在が特化型に対して別の方角からの価値を持つかが重要
 ● 中途半端でイマイチなものになるのは単純にデザインの失敗であり
 UDという概念の問題ではないのでは


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概念の拡張


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 バリアフリー
 ユニバーサル
 デザイン
 インクルーシブ
 デザイン
 アクセシビリティ
 ターゲット
 主に障害者・高齢者 
 できるだけ多くの人
 当事者とそれ以外
 障害者・高齢者を含 む多くの状況
 特徴
 あと付けでバリアを取 り除くものを用意する 行為
 最初から多くの人が 利用できるようデザイ ンする行為
 障害当事者を巻き込 みインサイトに基づき デザインする行為
 より多くのアクセスの 選択肢が提供されて いるかの度合い
 視点
 提供側の行い
 提供側の行い
 提供側の行い
 ユーザー側に立ち現 れるもの
 主な対象
 (イメージ)
 
 建築・公共交通
 建築・公共交通・有形 プロダクト
 特定イメージなし
 情報通信
 主なプロセス
 (イメージ)
 法的な要求をもとに 対応、チェックをクリ アする
 健常者がデザイン、7 原則に基づいて検 証、ユーザー評価
 ユーザー参加による ワークやプロトタイピ ング
 ガイドラインに基づい たデザインや実装、 試験の実施
 主なフェーズ
 (イメージ)
 インターフェース
 企画とインターフェー ス両方
 企画
 インターフェース


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なんでもバリアフリー
 ● 出力結果だけみれば、
 すべてバリアがフリーになっているとも言える
 ● 昔から言われている言葉&街で見かける言葉なので
 それを使って表現しがち
 ● 壁を取り除くイメージがしやすいためか、
 『教育のバリアフリー』『Webのバリアフリー』
 『心のバリアフリー』のような援用もある


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なんでもユニバーサルデザイン(UD)
 ● 出力結果だけみれば、
 すべて従来よりユニバーサルなデザインになっている
 ● 昔から言われている言葉&街で見かける言葉なので
 それを使って表現しがち
 ● 広くあまねくの思想を載せやすい言葉だからか、
 『教育のUD』『情報のUD』など、無形のものにも適用されている
 ● もはや一般レベルではバリアフリーとUDはほぼ同義に使われている


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バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進|政策統括官(政策調整担当)

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UDとインクルーシブデザイン


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 バリアフリー
 ユニバーサル
 デザイン
 インクルーシブ
 デザイン
 アクセシビリティ
 ターゲット
 主に障害者・高齢者 
 できるだけ多くの人
 当事者とそれ以外
 障害者・高齢者を含 む多くの状況
 特徴
 あと付けでバリアを取 り除くものを用意する 行為
 最初から多くの人が 利用できるようデザイ ンする行為
 障害当事者を巻き込 みインサイトに基づき デザインする行為
 より多くのアクセスの 選択肢が提供されて いるかの度合い
 視点
 提供側の行い
 提供側の行い
 提供側の行い
 ユーザー側に立ち現 れるもの
 主な対象
 (イメージ)
 
 建築・公共交通
 建築・公共交通・有形 プロダクト
 特定イメージなし
 情報通信
 主なプロセス
 (イメージ)
 法的な要求をもとに 対応、チェックをクリ アする
 健常者がデザイン、7 原則に基づいて検 証、ユーザー評価
 ユーザー参加による ワークやプロトタイピ ング
 ガイドラインに基づい たデザインや実装、 試験の実施
 主なフェーズ
 (イメージ)
 インターフェース
 企画とインターフェー ス両方
 企画
 インターフェース


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UDにおけるユーザー評価
 ● UDは原則による検証感が強いが、アプローチのひとつとして、
 ユーザーによる評価はかねてより行われていた。
 ● それってインクルーシブデザインなのでは?
 ● インクルーシブデザインは、機能的な点を解決するだけでなく、
 感性品質なども含めて当事者インサイトに基づいて考える点が違うようだ
 ● インクルーシブデザインのほうが後発でカウンター要素があるので、
 もともとやっていたよ勢からすると同義に見える
 ● これはある意味UDもUXデザインも同じ


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インクルーシブデザインしたらUD?
 ● 障害当事者を巻き込んでデザインしたらアウトプットはUDになる?
 ● なるかもしれないし、ならないかもしれない。
 UDになるための成立条件がありそう
 ● ①:健常者向けのソリューションはあるがリードユーザーの課題は
 解決できていない状況がある
 ● ②リードユーザーの課題を解決することで
 多くの人の潜在課題の解決にもなるという構造を突き止める
 ● ③:それに対してリードユーザーを含めた多くの人に受け入れられる
 ソリューションが思いつき、それが実際に使われる状態にできる


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UXデザインとの接点


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 バリアフリー
 ユニバーサル
 デザイン
 インクルーシブ
 デザイン
 アクセシビリティ
 ターゲット
 主に障害者・高齢者 
 できるだけ多くの人
 当事者とそれ以外
 障害者・高齢者を含 む多くの状況
 特徴
 あと付けでバリアを取 り除くものを用意する 行為
 最初から多くの人が 利用できるようデザイ ンする行為
 障害当事者を巻き込 みインサイトに基づき デザインする行為
 より多くのアクセスの 選択肢が提供されて いるかの度合い
 視点
 提供側の行い
 提供側の行い
 提供側の行い
 ユーザー側に立ち現 れるもの
 主な対象
 (イメージ)
 
 建築・公共交通
 建築・公共交通・有形 プロダクト
 特定イメージなし
 情報通信
 主なプロセス
 (イメージ)
 法的な要求をもとに 対応、チェックをクリ アする
 健常者がデザイン、7 原則に基づいて検 証、ユーザー評価
 ユーザー参加による ワークやプロトタイピ ング
 ガイドラインに基づい たデザインや実装、 試験の実施
 主なフェーズ
 (イメージ)
 インターフェース
 企画とインターフェー ス両方
 企画
 インターフェース


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UD/インクルーシブデザインはHCD/UXデザイン?
 ● UXデザインにおけるHCD(人間中心設計)とユニバーサルデザインは
 兄弟のようなもの。ともに、多様である『人』を
 どうデザインの中心に据えるか?という発想から出来ている
 ● UXデザインのアプローチである「個別解から一般解へ」は、
 そのままインクルーシブデザインと言っていい
 ● UDやインクルーシブデザインを実施すると必然的に
 HCD/UXDを実施することになる。逆もまた然り。
 ※ただし「多様」「インクルード」の範囲について議論がある
 ● ユーザーの多様性に言及しているUX関連の和書は極端に少ない。
 知りうる限り、UX原論ぐらい


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エンジニアの立場で考える UXデザイン

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エンジニアの立場で考える UXデザイン

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エンジニアの立場で考える UXデザイン

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『UX原論』の刊行 – U-Site

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アクセシビリティを取り巻く議論


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 バリアフリー
 ユニバーサル
 デザイン
 インクルーシブ
 デザイン
 アクセシビリティ
 ターゲット
 主に障害者・高齢者 
 できるだけ多くの人
 当事者とそれ以外
 障害者・高齢者を含 む多くの状況
 特徴
 あと付けでバリアを取 り除くものを用意する 行為
 最初から多くの人が 利用できるようデザイ ンする行為
 障害当事者を巻き込 みインサイトに基づき デザインする行為
 より多くのアクセスの 選択肢が提供されて いるかの度合い
 視点
 提供側の行い
 提供側の行い
 提供側の行い
 ユーザー側に立ち現 れるもの
 主な対象
 (イメージ)
 
 建築・公共交通
 建築・公共交通・有形 プロダクト
 特定イメージなし
 情報通信
 主なプロセス
 (イメージ)
 法的な要求をもとに 対応、チェックをクリ アする
 健常者がデザイン、7 原則に基づいて検 証、ユーザー評価
 ユーザー参加による ワークやプロトタイピ ング
 ガイドラインに基づい たデザインや実装、 試験の実施
 主なフェーズ
 (イメージ)
 インターフェース
 企画とインターフェー ス両方
 企画
 インターフェース


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アクセシビリティはバリアフリー?
 ● 特定の人への対応ではなく、多様な状況への対応と理解している。
 なので違うけれど、違うと言いにくい側面がある
 ● WCAGやJIS等のガイドラインではタイトルで「障害者高齢者等」と
 言っていたり、受益者の筆頭に挙げていたりする
 ● 例えば機械可読性によって選択肢を提供する場合、本質的には
 ターゲットのイメージは必要がないはず(機械がなんとかしてくれるから)
 ● だが人は(主語デカ)想像できない使われ方に対して解が出せない。
 ゆえに対象をイメージする点で障害者高齢者が例示されがち
 ● UI利用者のパターンの意識づけとして障害者ペルソナを掲げたり
 既存ペルソナを拡張したりというアプローチが見受けられる


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表紙 | Just Ask: デザインプロセスを通じて取り組むアクセシビリティ

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book A Web for Everyone

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インクルーシブなペルソナ拡張 | Accessible & Usable

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アクセシビリティとUD
 ● アクセシビリティはモノに対して提供形態が変化することを前提にした
 アクセスの選択肢。これを損なわないようにすること
 ※情報通信のイメージなのでWebやソフトウェアの多態性が想起される
 ● UDはひとつのものをなるべく多くの人が使えるようにしていく。
 ※建築やプロダクト発なのでハード制約があるイメージ
 ● とはいえ、ITにおいてアクセシビリティが発揮されている様子を
 「ひとつのものをなるべく多くの人が使えるようにしている」
 と言っても日本語的にはおかしくはない
 ● アクセシビリティもUDも、個々の広がりにより
 円の重なりを増やしていくことに変わりはない


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The Last of Us Part II: Blind playthrough (jp) part 01

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アクセシブルならインクルーシブデザイン?
 ● 特に情報通信のアクセシビリティ界隈でインクルーシブという言葉が
 4年前ぐらいから使われ始めた(※原因のひとりという自覚ある)
 ● ガイドライン主義のイメージが付きすぎた「アクセシビリティ」の
 言い換えとしてのインクルーシブ
 ● 「エクスクルーシブでない姿勢で、ユーザーをイメージしながら
 アクセシビリティの高いデザイン・実装を」というパターン紹介
 (巻き込み型のデザインプロセスの話は少なく、ユーザー評価が主)
 ● 昨今のデザインシステムでもインクルーシブという言葉が使われており、
 それの意味するところは上記に近いものがある


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インクルーシブデザインしたらアクセシブル?
 ● 障害当事者を巻き込んで企画したらアウトプットはアクセシブルになる?
 ● なるかもしれないし、ならないかもしれない
 ● アクセシビリティは企画とは別にUIレイヤーで担保するもの
 ● 企画がインクルーシブなものでも、それを提供するUIレイヤーが
 ガイドラインに基づいたデザインやユーザー評価を行っていなければ
 アクセシブルでない可能性が高い


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アクセシビリティを高めることはUXデザイン?
 ● UXの期間モデルには瞬間的UXがあり、そこにアクセシビリティは関わる、
 だからUXデザインでもあるという主張(かつてそう話していた)
 ● しかしそれは要はUIデザインであり、多様な利用状況に対してUIにより
 選択肢を提供する「客観的設計品質」である、という説明が腑に落ちている
 ● UXデザインは企画フェーズなので、そこでアクセシビリティというなら
 「ペルソナやゴールやジャーニーやユーザー要求」の検討において
 多様性を前提にした検討を行うかどうか、という話
 ● それはすなわちUDやインクルーシブデザインの話になってくるという理解


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エンジニアの立場で考える UXデザイン

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設計品質と利用品質(後編) – U-Site

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私の思う
 「Disabilityとデザイン」


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こういう組み合わせが良いのでは(SaaS編)
 ● 企画:インクルーシブデザインという名のUXデザイン
 ● 設計:「個別解から一般解へ」を体現できる情報設計
 ● 実装:アクセシブルなUI実装、ユーザー評価、API開放
 ● これらをさまざまなベンダーが協調して行う
 ● マクロに見たときに円の重なりとしてのユニバーサル性を作る前提を持つ


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by @junko_fujita

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freeeが挑戦するインクルーシブデザイン UXリサーチとアクセシビリティの交点とは?

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今後の課題
 ● まず出す→バリアフリー化→品質として定着→インクルーシブとなりがち
 ● 品質として定着→インクルーシブデザインにジャンプできるか?
 ● 初めからインクルーシブにできるのか?
 それがイノベーションの観点でも望ましいのか?


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参考リソース
 ● アクセシビリティという意味への問い
 ● 界面よもやま話 ──アクセシビリティの実装を解釈する
 ● 見た目の美しさとアクセシビリティのパラドックスの話から派生して、僕の脳内に出現したポエムをご紹介
 ● UX界隈(何処)におけるアクセシビリティの耐えられない軽さ
 ● アクセシビリティ/ユニバーサルデザインとUXの関係
 ● インクルーシブデザインのこと
 ● 第6回 「アクセシビリティ」とは?(前編):キーパーソンが見るWeb業界
 ● maybe that's about inclusive design
 ● 人の多様性を受け止めるインクルーシブデザイン
 ● 人と人、社会にある課題を解決する「インクルーシブデザイン」という考え方
 ● Manabu Ueno on Twitter: "アクセシビリティはマイナスをゼロにするような消極的なものではない


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