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トランスパー ソナル心理学 ケン・ウィルバー 「インテグラル理論」 ミンデル 「プロセス指向心理学」 『トランスパーソナル心理学入門 人生のメッセージを聴く』諸富祥彦 『生きていくことの意味 トランスパーソナル心理学9つのヒント』諸富祥彦

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アジェンダ ● トランスパーソナル心理学とは ○ 心理学の潮流 ○ 意識変容を扱う心理学 ○ 人間性心理学 ○ つながり志向 ○ 般若心経 色即是空の 空の思想 ● ケン・ウィルバーの理論 ○ 自己進化する宇宙 ○ 根源的平等性 ○ 宇宙の自己進化と4象限 ● ライフサイクル論と自己変容論 ○ 人間の心の成長モデル ○ 円環のサイクル ○ 色即是空から 空即是色への転換 ● 3ステップ ○ パーソナル 個の確立 ○ トランスパーソナル 究極の真理 ○ パーソナル あるがままの自己と世界の肯 定 ● トランスパーソナルからパーソナルへの 具体的方法論 ○ ミンデルのプロセス指向心理学 ○ フランクル『夜と霧』 ● 社会変革とエコロジーとトランスパーソ ナル心理学

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心理学の流れ ● 第一の流れ ○ 行動主義心理学、科学的心 理学 ○ 内面の世界を考察対象から 除外 ● 第二の流れ ○ フロイトの精神分析、夢や 無意識を扱う深層心理学 ● 第三の流れ ○ 人間性心理学(ヒューマニ スティック・サイコロジ ー) ■ マズロー自己実現 ○ 実存心理学

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心理学 第四の潮流 何を扱うのか?

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心理学 第四の潮流 ● 第四の流れ ○ ヒューマンポテンシャルム ーブメント エサリン研究 所 ○ 変性意識状態=東洋宗教の 修行、瞑想、シャーマニズ ムの超成城な意識状態、覚 醒体験、神秘体験、宇宙意 識 ○ マズロー 自己実現→自己 超越

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人生の究極の問いに向き合う 心理学 「ほんとうの生き方」 「ほんとうの自分の人生」

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哲学や宗教で扱うテーマ 哲学:難しいなぁ 宗教:なんだか怖いなぁ

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意識変容を扱う 心理学

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意識変容は、広がり、世界の 変容をもたらす 変革の心理学

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トランスパーソナ ルとは?

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トランスパーソナル =個を超えたつながり

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個人としての自分 (パーソナル)を超 える(トランス) 自分中心から 意味と使命中心生き方 ● 従来 ○ 幸福追求 →自分の幸 福への執着、とらわれ の発生 →幸福が逃げ ていく ● トランスパーソナ ル心理学 ○ 自分人生与えられた意 味使命実現していく生 き方

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自分を 生きられない ● 自分がない、自分をだせない、 自分がわからない ○ まわりにあわせることを第一に考 え、自分をださないでいると、次 第に自分がなくなってしまう。あ wからなくあんってしまう ● 自分の暗さを向き合えない ○ 明るく元気で悩まずをふるまう ● 他人を拒絶できない。自分を 肯定できない ○ ついついまわりにあわせてしまう、 世間肯定の生き方 ● ひとりになれない。安心でき るつながりがない ○ 他者から拒絶されるのが怖い、孤 立するのが不安

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人間性心理学、 トランスパーソナ ル心理学の学者

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土台は 人間性心理学 ● 欲求の階層論 ○ アブラハム・マズロー ● カウンセリングの神様 ○ カール・ロジャーズ ● フォーカシングの創始者 ○ ユージン・ジェンドリン ● ゲシュタルト療法 ○ フリッツ・パールズ ● 夜と霧、ロゴセラピィ ○ フランクル

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トランスパーソ ナル心理学 心の病の治療というより、 さらなる心の成長 人生における大切な何かへの気 づきを目指すもの ● 壮大な思想家 ○ ケン・ウィルバー ● 呼吸法ホロトピックブレ スワーク創始者 ○ スタニスラフ・グロフ ● プロセス指向心理学 ○ (人生を自然の流れと捉え て気づきを得ていく) ○ アーノルド・ミンデル ● 魂の声をきく ○ ジェイムズ・ヒルマン ○ トーマス・ムーア

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つながり志向とは

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トランスパーソナル心理学は つながり志向の心理学

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物事の要素分解する捉え方に 異を唱えるもの

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すべての物事、生命現象は、 本来一つであり、つながって いる、と考える

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個を超えたつな がり 水平、垂直の両次元での”つなが り”へと自分を開き、自らを超え ていくことをとく心理学 ● 水平次元でのつながり ○ 人種・性別・思想信条の違いなど を超えた人と人とのつながり ○ 過去の世代や将来の世代とのつな がり ○ 生きとし生けるもの、大自然との つながり ● 垂直次元でのつながり ○ 自己の深層無意識やそれを突き抜 けた真実の自己とのつながり ○ 人間と人間を超えたものとのつな がり

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トランスモダン ● ポストモダン ○ 個々人の多様性を多様性としてあ るがままに肯定する ● トランスモダン ○ そのうえで、単に個人主義にはな らない ○ 国家(ナショナリズム)でもなく、 極端な個人主義でもない

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つまりどんなもの か?

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トランスパーソナル心理学と 般若心経

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色即是空の 空の思想 ● 色 ○ この世の形あるものの一 切は実は形なき「空」が とった仮の姿。逆に 「空」は「色」として世 界に姿を表している。 ● ケン・ウイルバー ○ 曹洞宗の鈴木俊隆老師の もとで座禅を学ぶ ○ 意識変容論で般若心経を 引用

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ケン・ウィルバー の理論

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ケン・ウィルバー ”進化する宇宙 =コスモス”

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人間の生死の意味は 宇宙の自己進化の流れ の中にある

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「人間は、われわれが”宇宙”と呼 ぶ全体の一部、時間と空間に限界 づけられた一部である。人間は、 自分自身、自分の思考や感情を他 のものから分離した何ものかとし て経験するが、それは一緒の意識 の錯覚である」アインシュタイン

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「トランスパーソナル 心理学は、 宇宙を中心に置く心理学」 アブラハム・マズロー

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「宇宙そのものが自己進化し ている」 =すべてのことが偶然の産物 とは思えない。自己進化の力 が働いている。 ケン・ウイルバー

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複雑性の科学が 指し示す方向性 自己進化する宇宙 ● 現代科学の潮流 ○ ”混沌そのものが新しい秩序の先駆け となる”プリコジン ○ ”自己組織化する宇宙”エーリッヒ・ ヤンツ ○ ”自己創出性(オートポイエーシ ス)”フランシスコ・ヴァレラ ○ 個人の心も社会も、自己創出的なシ ステムでお互いにある世界を共同創 造しつつ共進化する ニクラス・ル ーマン

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人間中心ではない 根源的平等性

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人間は”宇宙が みずからを見る眼” 使命と役割を自覚して、だか らこそ魂と精神性の修練に務 めるべき

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宇宙の万物は、大いなる働き そのものがとった様々な形。 だからこそ全てはつながって いる。むしろ、一つ

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道端の石ころだって、 すべてはつながっていて、 もともと同じ。 一つの働きそのもの。 これが根源的平等性

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万物の根源的 平等性の説明 万物は根源的に等しい、だけで なく、分離不可能で一つ ● ホログラフィ宇宙モデル ○ 物理学者デビッド・ボームが素粒 子の不思議な動きを説明するモデ ル ● 素粒子のレベルでは ○ あらゆる物質は”どこにも存在して いない”とも、”あらゆるところに 存在している”とも言える。 ○ 物質も精神もエネルギー ○ 万物は根源的に等しい、だけでな く、分離不可能で一つ ● つまり、色即是空 ○ 色、つまりこの世の形あるものの 一切は実は、それ自体でいかなる 実体ももたず、あらゆる形を脱し た”空”である

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超えて含む 画像:インテグラル・ジャパン http://integraljapan.net/words/aqal.htm

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宇宙の自己進化 物質→生命→心→魂や精神 『進化の構造』『万物の歴史』 物理学、システム科学、新科学、人類 学、歴史学、西欧哲学、インド思想、 仏教思想、社会学、発達心理学を総動 員しケン・ウィルバーは説明 物質を”含んで超えて”生命が生み出 され 生命を”含んで超えて”心が生み出さ れ、 心を”含んで超えて”魂と精神”が生 み出されてきた、 宇宙の自己進化の仕組みの理解が 必要

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ケン・ウィルバーは 言う。生きる意味や 価値を紡ぎ出すには、 ただこの”万物の根源 的平等性”に着目する だけでは不十分

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画像:インテグラル・ジャパン http://integraljapan.net/words/aqal.htm

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ひとつの事象に四つの異なったアプローチを行い、ひとつの事象から四つの側面とそれらの相互 関係を見ていく 画像:インテグラル・ジャパン http://integraljapan.net/words/aqal.htm

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画像:インテグラル・ジャパン http://integraljapan.net/words/aqal.htm

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成長とは自己中心性の減少 差異化/超越の過程を通して、かつての私であったところの場を対象化する 画像:インテグラル・ジャパン http://integraljapan.net/words/aqal.htm

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成長とは自己中心性の減少 http://www.jcounselor.net/11interview/archives/2011/04/5644.html

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ケン・ウィルバー ライフサイクル論 と自己変容論

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人間の心の成長 モデル ● プレパーソナル ○ 個としての”自分”を確立する以前 の状態 ● パーソナル ○ 個としての”自分”を確立した状態 ● トランスパーソナル ○ 個を確立した後、さらにそれを超 えていく状態 ○ そして、プレパーソナル(未分化 状態)とトランスパーソナル(無 境界の意識状態)は異なる

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円環のサイクル 存在様式の変容論 ● 存在論(存在様式の変容論) ○ 誕生→人生→死→バルド(中間、 生、チベット仏教))→再生 ○ 仏教の四有= ■ 生有(誕生、母体から出 る) ■ 本有(この世の人生) ■ 死有(いのちが肉体から離 れる) ■ 中有(生まれ変わるまでの 間) ○ ウイルバーは「チベット死者の 書」を手がかりに論じる 生有 死有 本有 中有

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円環のサイクル 葉っぱのフレディの死生観 たとえ自分は死んでも、 この”いのち”そのものは永遠に 続く。 ● 葉っぱのフレディ ○ 冬が来て、死を恐れる葉っぱのフ レディに親友のダニエルは言いま す。変化しないものは一つもない。 春が来て夏になり秋になる。葉っ ぱは緑から紅葉して散る。変化す るのは自然なこと。そして、その 変化の一つとして死もあるのだけ ど、ただ「いのち」だけは永遠に 生きている。

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万物は絶えず変化するように 死さえもこの変化の一つでし かない。したがって、死は怖 くない。

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しかしだからこそ、私達は自 分のいのちをまっとうしなく てはならない。自分に与えら れた使命を役割をまっとうし なくてはならない。

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ウイルバーは、 このサイクルを人類の歴史全 体に、さらに宇宙規模に。 さらに重要なのは、意識の変 容論、自己成長論としても語 る。

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意識の変容論 自己変容論 ● プレパーソナル→パーソナル →トランスパーソナル ● トランスパーソナルの中には ○ マインド(心)の段階 ○ ソウル(魂)の段階 ○ スピリット(精神/霊)の段階 ● 到達する地点 ○ 東洋の宗教的伝統において、空、 無、神、ブラフマン、無限、永遠、 宇宙などと呼ばれてきた絶対者と の合一体験。さらにはそれらとの 境界さえ消え去る「無境界」の状 態。形のない空がそのまま形ある この世界と一つであるという心理 への覚醒。色即是空、色即是色の 世界。

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死の瞬間に私達がそこに戻っ ていく、その何か。そのと き、”ほんとうの自分とは何 か”と問うならば、この何か こそそれであり、自分という ものの正体。

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ほんとうの自分 とは何者かとい う問いの答え 一切の形を拒む”いのちの働き” そのものこそ私の正体であり、 自分の本当の姿 この180度の転回がトランスパ ーソナルな自己変容 その地点から見ればもはや、私が 生きている、のではない。 私が生きている”私がいのちを持っ ている”のではない。 むしろ逆に、”いのちが、私してい る”。 一つの”いのちの働き”がまずあって、 それがあちらでは”花”という形、こ ちらでは”草木”という形、あそこで は”鳥”という形を撮っている。その 同じ”いのちの働き”の一部が今ここ では、”私”という形をとっている

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禅における覚りへの道 十牛図 第八図「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう)」のあと、第九 図では、川と岸辺に花咲く木。つまり、日常の世界への 往還のプロセスが示されている

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色即是空から 空即是色への転 換 ● 上昇の道の頂点 ○ この世の一切の形あるもの(色) が実は空であることを知る ○ 次に、その空は実は、その完全な 姿で、このよの一切(色)に顕現 していること。つまり空即是色へ と転換し、下降への道をたどり始 める。 ○ 完全なる空は、「すべての、そし てそれぞれの存在に平等に現れて いるから、万物は、その慈悲と思 いやりにおいてまったく平等に扱 われる。これは何か、上から下へ と見下ろすような意味において言 っているのではない。そうではな く、それぞれの存在はまったくあ るがままでスピリットの完全な顕 現だからである。(『進化の構造 2』)

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この世の一切、万物の多様性 を、そのあるがまま、そのま まの姿で”スピリット=空”の現 れとして受け入れ肯定し、そ の豊かさを享受するあり方。

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人生の一つ一つの出来事に魂 の現れを見てとる成熟した生 き方

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人生のどんなちっぽけなこと にも慈しみを感じ、魂を込め ていきていく。この世の溢れ んばかりの豊かさ、多様さを そのまま祝福し、抱きしめる

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3ステップで説明す ると

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3ステップ 0.プレパーソナル 生まれる (最初、乳児と母は一体) 1. パーソナル 個の確立 a. 個としての”自分”を確立する 2. トランスパーソナル 究極の真理 a. 自分を超えた”いのちの働き”に目覚める 3. パーソナル あるがままの自己と世界の肯定 a. 日常の中で、自分を超えた”向こうからの呼び声”をきく

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人間の自己成長のサイクル 自己探求・自己成長の3つの段階 Ⅰ.パーソナル 個の確立 混沌 プレパーソナル Ⅱ.トランス・パーソナル 究極の真理 Ⅲ.パーソナル あるがままの自己と世 界の肯定 Ⅰ.個としての”自 分”を確立する Ⅱ.自分を超えた”いの ちの働き”に目覚める Ⅲ.日常の中で、自 分を超えた”向こう からの呼び声”をき く ロジャーズらの人 間性心理学 ウイルバートランス パーソナル心理学 ヒルマン「魂の心 理学、ミンデルの プロセスワーク アサーショントレーニング、 ゲシュタルト療法 未完の行為、 マインドフルネス、プローブ からだの症状のワーク、人間関係 のトラブルのワーク、ワールドワ ーク フォーカシング

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Ⅰ.自分の人生 の”主人公”とな る プレパーソナルからパーソナル へ 個としての”自分”の確立 ● アサーショントレーニング ○ 相手の権利を認めながら自分の主張を する。ノーというべきときに伝わる仕 方で自分の言い分を伝える姿勢とスキ ル ○ 「私は~できない」から「私は~しな い」へ。私は自分の人生の主人公であ る主体性の感覚を強める ● ゲシュタルト療法 未完の行為 ○ トラウマの物語を発見し、向き合い、 過去へのとらわれから抜け出す。そし て、その物語性を自覚し、主観的な解 釈ないし意味付けと認識する。 ● マインドフルネス ○ 心身のちょっとした変化に注意を向け、 それを自己発見に生かす ● ハコミセラピィ プローブ ○ いたわりの言葉がけ ○ 自分の心の傷を探っていく

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Ⅱ.自分を超え た”いのちの働 き”に目覚める パーソナルからトランスパーソ ナル 自分とは何かについての感覚の 変容 ● 自分を離れたところから自分 を見る”眼”を養う ● フォーカシング ○ うちなる自分の声を聞く ○ 例)悲しみとの脱同一化と悲しみ とのつながり ■ 私の内側で私の一部が悲し んでいる、と認める。そし て、私の内側のその分が何 を言いたがっているか、そ の”言い分”に耳を方向け、メ ッセージをうけとっていく ○ カール・ロジャーズと弟子ユージ ン・ジェンドリン成功するカウン セリングにおいて、クライエント が自分の心の中でやっていること のエッセンスを取り出したもの

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Ⅲ.自分を超え た向こうから の”呼び声”を聴 く トランスパーソナルからパーソ ナルへ 再びこの日常世界へと降りてき て、毎日の出来事の一つ一つに 心を、魂を込めて生きていく ● ヒルトン、ムーア”魂の心理学” ○ 元型ユング心理学 ○ ”~に狂った””~に取り憑かれた” というとき、本質的な何かがこの ように降りてきて人の心を捉えた と考える ○ 運命の感覚 ○ 自分の仕事を”たまたま与えられ た”仕事とみなすのではなく、たと え小さな仕事でも、その仕事と自 分の間に、目に見えない力やご縁 の力を感じることができれば、一 つ一つの仕事に慈しみを感じ、丁 寧に取り組むことができるように なる

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運命論ではない。 運命の力が働い ていると考える ● 「たまたま適性があったから この仕事についた」「たまた ま適齢期に条件があったから この人と結婚した」と”割り切 って”考える事によって、心を 込めて生きていくのに必要な 何かを失ってしまう ○ ”たまたま”の背後に動いている”割 り切れない力”の側から人生を捉え 直すと、様々な出会いが、何かと ても大切な”授かりもの”のように 思え、慈しみの気持ちが湧いてく るはずです

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その具体的な方法 ミンデルのプロセ ス指向心理学

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ミンデルの プロセス指向心 理学 曖昧で微細な身体感覚を重要視 するロジャーズ派のカウセリン グやフォーカシング、また、 からだを動かすゲシュタルト療 法や心理劇にそれぞれに似てい る ● 入手可能なあらゆる手がかり を活かして、可能な限りの”気 づき(アウェアネス)”を獲得 し、人生のプロセスを自覚的 に生き抜いていくための総合 的なアート(技芸) ● 気づきを伴い、今この瞬間瞬 間を完全に生きる ● 身体症状への取り組み ○ 症状で苦しめられている自分と、 その症状を作り出している何かも 実は自分の一部である ○ そのため、症状の作りての側に立 ってみるとヒントが得られる

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量子力学を背景 に据えた心理学 ミンデルはマサチューセッツ工 科大学(MIT)大学院で物理学 専攻 ● 場の量子論、波動関数 ● 量子波 ○ 目に見えない次元の動き ○ 物質化以前の動き ○ それが私たちの心や身体に影響を 与えている ● タオイズム(道教) ● プロセスとは ○ 宇宙の道(タオ)

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プロセス指向心 理学とは ● 私たち一人一人がこの人生で 果たすべき自らの役割 ● 生きる意味(フランクル) ● 宇宙の進化プロセスにおける 人間の使命(ケン・ウィルバ ー) それを発見するための具体的な方 法

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プロセス指向とは

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この人生、この世界を包んで いる大きな流れを信じ、それ に心を開く。そうすれば、プ ロセスそのものが必要なもの すべてを運んできてくれると いう態度

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それは、この人生、この世界 の”プロセス”への絶対的な信 頼。自分自身への信頼である と共に他者への信頼でもあり、 この世界、この宇宙そのもの への信頼でもある

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この人生、この世界で起こる すべてのことには意味がある。 病気、不運、否定的な出来事 にも大切な意味があり、それ にしっかりと関わることで、 私たちの魂は耕され、人生が 豊かになっていく。

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全てのことに意味 がある。 では、どうする?

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この人生、この世界で起こる すべての事にしっかりと目を 向ける。すべてのことに開か れた態度をとる。

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しあわせが手に入った、自己 実現できたと思えた途端、 なぜか”むなしさ”が襲ってく る幸福のパラドックス。 では、どうするのか?

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自分の希望や願望を実現する のではなく、”自分がこの世 に生まれてきたことの意味と 使命”を実現しながら生きる

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どんな時も、人生には意味が ある。なすべきこと、みたす べき意味が与えられている。

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あなたを必要とする”何か”が あり、あなたを必要とする” 誰か”がいる。

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そして、あなたに発見される のを”待って”いる。

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私たちは、常にこの何か、誰 かによって必要とされ、それ を発見し実現するのを待って いる存在

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ナチスの強制収容 所での体験をまと めた『夜と霧』 ”私の人生に最も影響を与えた本”ベスト10。 アメリカ国会図書館調査、1991年

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収容所で生きる希 望を失い自殺を決 意しかけた囚人に フランクルが問い かけた言葉

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「人生にもう何も期待できないと思 っているかもしれません。ガス室に 送られるくらいなら、自ら命を断つ ほうがマシと思われても少しも不思 議ではありません。」

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「けれど、その一方で、人生のほう はまだ、あなた方に対する期待を捨 ててはいないはずです。”あなたを 必要とする何か”がどこかにあり、” あなたを必要としている誰か”がど こかにいるはずです。そしてその” 何か”や”誰か”はあなたに発見され るのを待っているのです。」

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この言葉を聞いて、二人の囚人は自 殺をとりやめたといいます。自分と の再開を待っている娘がいること、 ある科学の著作シリーズが自分の手 によって完成されるのを待っている ことに気づいたからです。

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このような思いほど、 私たちの生きる勇気と エネルギーをかきたて てくれるものはない フランクルのメッセージ 「どんなときも人生には意味があ る。自分を必要とする”何か”があり、 自分を必要とする”誰か”が必ずいて、 自分に発見されるのを待っている。 そして自分にも、その”何か”や”誰 か”のために、できることがある」

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社会変革、エコロ ジーとこの心理学 との関わりは?

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私、世界、地球 を不可分とみな し同時進行で働 きかけていく トランスパーソナル心理学の最 大の特徴 ● トランスパーソナル心理学の 最大の特徴の一つは、単に個 人の心の問題に対象を限定し ない。 ● 「私の癒やし」と「世界の癒 やし」「地球の癒やし」を不 可分とみなし、同時進行で働 きかけていく

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本来の姿を感じ ること、それが 社会変革に 人と人のつながり、大自然とのつ ながり、宇宙とのつながり、すべ てがバラバラに分断された現代社 会の中で傷ついた私たちの心や魂 の乾きを癒やすことができる。私 たちをその本来の姿に連れ戻すこ とができる。 そして、同時にそれは世界の癒や し=社会変革や地球の癒やしにも つながっていく大きなムーブメン トの基本コンセプトになる