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品質よもやま話 #17:バス停のその先へ LOVE会スピーチ 2020年10月15日 中野康雄

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最近NHK+というサービスを 良く使っている

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放映後1週間以内であれば ネットでいつでも見れるサービス

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これまではちょっと暇つぶしは もっぱらYoutubeだったが クロ現やニュース解説など 短い尺の質の高い番組が多いので ちょくちょく活用中

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それでちょうど一昨日 「プロフェッショナル 仕事の流儀」を 見た。

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人気番組なので社員の皆さんの中でも 見た方も多いのではないでしょうか?

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その回は路線バス運転手さん 結構珍しいチョイス

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とても謙虚な方でした。

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「私とかでよいのでしょうか?」 と終始やりとり 「自分は平凡が取柄の男です」と

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ただ1週間の密着でわかった そのプロフェッショナルは 平凡なんかではない 本物のプロフェッショナルだった

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小田原の狭い市街地を安全に切り抜け 酔わないように箱根の山道を揺れも 最小限に防ぐ抜群の運転技術 それもさることながら

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圧倒的だったのは その接客サービスです。

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いつもは沢山おりるはずの 駅前のバス停が近づくのに 降車ベルがならない →「降りる方はいませんか?」と アナウンスをしてあげる

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雨が降る日、ロータリーがあるバス停で 屋根があるところまで距離があった →建物の近くまで進んであげてから 扉を開ける

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電光掲示板の運賃表が トラブルで消えてしまった →真摯にひたすら乗客にお詫びし 一人づつ運賃を調べて対応 機械のせいなどのような言い訳は 一切言わない

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〇〇に行きたいのですが、 どこで降りたらいいですか? →お店の定休日まで知っている

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ご本人は そんなに特別なことをしているつもりはない そんな感じ

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何気ない所作ににじみ出る 圧倒的な本物感

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穏やかな表情からにじみ出る 畏怖を感じた

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そしてその感動を確かなものにしたのは そのプロフェッショナルのある言葉

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「バス停のその先を」

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バス停からバス停までを 機械的に運ぶのが我々の仕事ではないと

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なぜなら人はバス停に行きたいのではく 目的地に行きたいのだと

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自分達は その目的地に行く お手伝いをしているのだと

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その手段として バスを使っていただいているのだと

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高い運転技術だけに満足せず 安心や喜びをプラスできるか? それを常々考えていると

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結果、 同僚や乗客から名前があがるよう そんなバスの運転手さん あまり聴いたことがない

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バス停のその先に意識を持てなければ、 一流のバス運転手とは言えない

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ここにSE/コンサル/デザイナーなど プロフェッショナルサービスに 従事する者の極意があると思った

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我々の仕事も 何かを自己満足的に作って終わり ではない

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スケジュール通りに 不具合なく納品できたことを 我々は成功と呼んでいますが、 そこをゴールだと思って 本当によかったのでしょうか?

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そのシステムの結果、 お客様は何がしたかったのか? どういう成果を生みたかったのか?

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プロジェクトが炎上しないこと、 自分たちの仕事が計画通りに収まること 電車やバスが時刻表通りに着くのと同じく それはプロであるなら やれて当たり前ではないのか?

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もちろん「時刻表通り」を実現するためには 裏側でとんでもない方々の 技術や努力が下支えしているのは 間違いない

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ましてやシステム開発における顧客のレベルに 対する依存度の高さも考えると、 計画通りに納めることですら めちゃくちゃ大変な仕事であることは 理解しているつもり (だからこそ全社PMOをやっております^^)

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また顧客を思うがゆえという理由で、 要求を過剰に受けすぎることは 少しお子様の対応と言わざるを得ない

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ただ我々が目指すべき世界は どこであるべきなのか? それはまさに

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“先進性のある技術を通して、 顧客の問題解決と社員の幸せを創造し、 社会の未来発展に貢献する“

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ここに辿り着くには、 我々も「バス停のその先」を 意識した仕事をしない限り、 実現できないのではないだろうか?

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そのシステムの意味目的を理解した上で、 使う人の体験を最適化できるように チームのアイデアを総動員し、 本当に創るべきもの (システムや業務、組織、ルール)を 顧客と共に創り、 それを安定的に維持し育てていく

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その視座の高さや 本気の仕事振りに対して お客様は感動をして頂ける

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いま社内で 全員営業 という言葉を使っている

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技術に営業をやらせるとはどういうことだ?

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こういう理解をしてる方も いるかもしれません

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私がSE/コンサル/デザイナーの皆さんに 全員営業として期待していることは何か?

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究極的に言えばお客様から こう言われるような仕事をしてください ということ

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「あなたとまた一緒に仕事がしたい」

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立場によってはお客様の代わりに 上司や同僚かもしれない

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技術の皆さんにお願いしたいことの本質は ここにある

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その状態で、 「何か他の案件でも お手伝いできることありそうですか?」 ふとお客様に 一言聞いてくれるだけでいい

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そうした良質な関係の お客様やBPさんを増やしながら 定期的に会話をする機会を 意図的に創って欲しいということ

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技術の皆さんに 全く知らない会社のリストに対して テレアポしてください 飛び込みしてください という話ではない

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勿論いろいろな場合がありますが 誤解を恐れずに言えば この商売は本質的に 私はこう思っている

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0→1は営業の仕事、 1→10や10→100は技術の仕事であると

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単純にバス停まで運べばよいと思っている人と 乗車中の態度に気を配りながら バス停の先まで意識してくれる人 もし選べるなら 乗客はどちらのバスに乗りたいか? 答えは自明だ

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一見平凡なことを どんな場面でも妥協せずやり続けることは 決して平凡なことではないことを 番組は教えた

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陰ながら努力している姿を 顧客や上司は見ている

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スキルではなくその姿勢にこそ お客様からの信頼が生まれる

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「あなたとまた一緒に仕事がしたい」

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一人でも多くの人から そう言ってもらえるように 私も皆さんと共に頑張っていきたい

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そしてそうした評価のベースにある素養は

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自分から動く (そして誰かのせいにしない)

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あなたはどんな人と一緒に働きたいですか?

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早く行きたいなら、一人で行け 遠くまでいきたいなら、みんなで行け by アフリカのことわざ

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品質よもやま話 #17:バス停のその先へ LOVE会スピーチ 2020年10月15日 中野康雄 今日の感想など 遠慮なく気軽に ChatWorkもらえたら うれしいです