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教える側が知らない プログラミングの3つのこと 2022/3/25 第一回プログラミング教育について話し合う会 LINE Fukuoka きしだ なおき

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テーマ ● プログラミング教育を考えるときは 教育の勉強もしておきましょう ● 既出なので「上手な教え方の教科書」 も読みやすいのでおすすめします

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プロになるJava ● プロになるのだ! ● Javaでプログラミングの 勉強をする本 – Not 「Javaの勉強をする本」 ● etc. floatやlongは扱ってない ● あと、オブジェクト指向をdisる本です – オブジェクト指向が、いかに現代のJavaで使えないか書いてます – オブジェクト指向は現代的プログラミングに対応できない (この話すると3日くらいかかるので略。プロJavaのP337読んで) – そろそろみんな(とくに教える側)オブジェクト指向から卒業しよう ● プログラミング教育の場面でしかオブジェクト指向という言葉は出てこない

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プロになるJavaの インストラクショナルデザイン ● 教える題材の構造ではなく理解の構造にしたがって教える – 教訓3 教える理由をはっきりさせる – 教訓4 成功の基準をはっきりさせる – 教訓5 標的行動を見せてやらせて確認させる – 教訓9 誤答を教える – 教訓11 学び手を知る – 教訓14 学ばせて、楽しませる 職業プログラマになる Swing 練習問題 JShell 今日の話

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3つのこと ● テキストを出すのは「プログラム」とは みなされない ● 逐次実行がわからない ● プログラミング能力は読み書き能力ではない

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テキストを出すのは 「プログラム」とはみなされない ● できごと – メモ帳+javacでfor文などを教える – Swingでウィンドウを出す – 「プログラムがうごいた!」 ● 目にみえる結果重要 – テキスト出力の意味はプログラムを理解しないと わからない – プログラムを理解したいのにプログラムの理解が必要

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逐次実行がわからない ● 通常目にする文章は状態が一定 – 適切な接続詞があれば順番に依存しない – 推理小説 ● 犯人Aという状態を徐々に明らかにしている ● 「プログラムが動く」ということがわからない – 目にみえる結果 – REPL – デバッガ

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プログラミング能力は 読み書き能力ではない ● 書き方読み方を教えただけではダメ – プログラミングの学習は知識の集成ではなく行為の習得 ● 文法を教えただけではプログラムは組めない – 「プログラムが動く」ということの理解が必要 ● エラーの読み方を教えただけではエラーは読めない – 「プログラムが動かない」ということの理解が必要 ● 結局、読み書きができないのではなくプログラムの動きが わかっていない ● 自分の動作への反応としての学習が必要 – なのでJShellの入力と実行結果を目にするだけと 実際に動かすときで、情報は変わらないのに理解の実感が違う – 大脳ではなく小脳への学習

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まとめ ● 教育への理解が必要 – プログラミング教育というときプログラミングの 特殊性に注目しがち。基本は「教育」 ● プログラミングを学習することの理解も必要 – 「わからない」の理解が必要 – 文字の読み書きにとらわれすぎない ● もちろんプログラミングの理解も必要