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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. スケーラビリティの課題解決に向けた ココナラのデータベース移行戦略 株式会社ココナラ 川崎 雄太 2024/06/13 大規模データベース移行の 技術的チャレンジと実践例

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 自己紹介(川崎 雄太) 2 川崎 雄太 Yuta Kawasaki @yuta_k0911 株式会社ココナラ システムプラットフォーム部 部長 / Head of Information SRE / 情シス / セキュリティ領域のEM SRE NEXT 2024のコアメンバー 最近の推し:K-POP、麺屋武蔵

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 3 ココナラの事業内容

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのエンジニア数の変遷 4 事業拡大に合わせて3年で約3倍の組織規模に成長 2020年 2023年 フェーズ 上場前 上場後 エンジニア数 20人強 70人強 リポジトリ数 45 170以上

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 5 Agenda ココナラで抱えていたデータベースの課題 課題にどう向き合ったか? 今後の取り組み 2 1 3

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラで抱えていたデータベースの課題 Chapter 01 6

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 「データベースの課題」といっても、 さまざまな切り口がありますよね🤔 ココナラでもたとえば、QCDの バランス確保やライフサイクルへの 追随で悩んできました😓 7

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ひとことで言うと、スケーラビリティが確保できていなかった 8 設定したKPIより、AWS RDSのSLAの方が低い KPIとして設定している目標はリクエ スト成功率が99.96%以上。 一方で、Amazon RDS(マルチAZ クラスタ)のSLAは99.95%となって おり、そもそも自社でコントロールでき ないところで、KPI達成が難しい状況 … イコール、意図せずKPIとして無理が ある設定になっていた。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. IOPS(1秒あたりのI/Oアクセスの数)も限界が迫っていた 9 このままだと、近い未来にIOPSの上限に抵触する Amazon RDSのインスタンスサイズは 適切なものを利用していたので、CPU やメモリなどは問題なかったが、 IOPSの上限に抵触しそうになっ た。 暫定的にデータベースのデータ量と無 関係にストレージを拡張すること で、IOPSの上限を上げていった が、一時しのぎであった。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 前述の課題に加えて、MySQL 5.7 EOL 対応も迫ってきた…😓 放っておいても数年後には限界を 迎えることも自明😭 本腰を上げたのが、2022年の春頃! 10

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 課題にどう向き合ったか? Chapter 02 11

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. Amazon Auroraへの移行 12 定めたKPIの達成に向けてAmazon Auroraを採用 Amazon Aurora(マルチAZクラ スタ)のSLAは99.99%なので、定 めているリクエスト成功率(99.96%) よりも高い。 また、IOPSの上限も撤廃されるた め、2つの課題を一気にクリアできる ことを期待して、Amazon Auroraへ 移行することを意思決定した。 Amazon Aurora Amazon RDS

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. DB移行は一大プロジェクトなので、マイルストーンを設定し、経営層と合意形成 13 MySQL5.7 EOL期限をデッドラインとして、計画を策定 経営層に「技術課題として、一番リスクと 難易度が大きいもの」とインプットするため に対応するタスクの整理と、マイルストーン 設定から着手。 MySQL5.7 EOL期限から逆算して、1年半が かりのプロジェクトを立ち上げ、ナレッジを 徐々に蓄積できるように5つのデータ ベースを影響が少ないところから順に対 応していく計画とした。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. メンテナンス時間削減を目的としたブルーグリーンデプロイの採用 14

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. Insight Database Testingを活用したSQLのテスト自動化 15 8億本ものSQLに対するテストを自動化するツールを利用

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. IOPS上限問題 抱えていた課題はどうなった? 16 SLO未達問題 EOL期限問題

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 今後の取り組み Chapter 03 17

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. データベース移行はやっぱり事前の準備が大事 18 集められる情報は集めて、自社としての最適解を見つける 「データベース移行」といっても、システム構 成やシステム特性によって、考慮するポイ ントはさまざま。 類似したアーキテクチャーを採用しているシ ステムの情報を参考に「自社のベストプラク ティス」を探すことが重要。 なんといっても、数年に一度は必ず訪れる イベント・・・

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. システムメンテナンスの無い世界を目指していきたい 19 無停止でメンテナンスイベントをこなす最適解を見つける クラウドサービスを使っている限り、「基盤の メンテナンス」は切っても切れないイベント になる。(全てがライブマイグレーションにな れば、みんなHappyだけど…) ココナラは「全てがそろうスキルマーケット」を 目指しているので、極力システムメンテナ ンスがない世界を実現するための机上 / 実機検証を続ける。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. データベースはどの企業でも利用してい るので、ナレッジを公開している企業は たくさんあります。 過去の知見や、AWS等のベンダーを 使い倒して、長きに渡るデータベース 移行を安全に乗り切りましょう!!😁 20

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