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How to navigate the evaluation board. 株式会社 B&B Lab. 代表取締役 眞崎康平 2023.10.24

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〇概要 ・設立 2018年1月 ・資本金 300万円 ・主な業務 IoT機器の開発 http://b-and-b-lab.jp/ 〇代表取締役 眞崎 康平(まさき こうへい) :ハードウェア開発担当 業務キャリア ・SONY半導体(鹿児島、熊本、福岡)で10年弱、イメージセンサ開発に従事 対応領域 画像処理ソフトウェア開発、ハードウェア制御(Visual C++, VBA) 製品評価手法開発(CCD/CMOSイメージセンサ) ハードウェア開発(アナログ、デジタル) ・風力発電パワーコンディショナ開発(4年) 九州大学 応用力学研究所との産学協働プロジェクトにて レンズ風車向けパワーコンディショナ(制御器)開発 大電力、高電圧回路設計 ・その他 医療ベンチャーetc. 〇共同設立者 中村 真理(なかむら しんり):クラウド、ファームウェア担当 業務キャリア ・バーテンダー ・診療放射線技師 ・ハイパーメディアクリエーター(自称) LINE API Expert

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評価ボードとは? (1/2) https://e-words.jp/w/%E8%A9%95%E4%BE%A1%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89.html 顧客の開発効率向上のために ・とりあえず動かせるもの (採用のための性能評価) ・リファレンス設計情報提供(お手本を提供)

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評価ボードとは? (2/2) ■半導体メーカー直販 https://www.analog.com/jp/products/ltc4015.html#product-samplebuy https://www.digikey.jp/ja/products/detail/analog-devices-inc/DC2039A/9664282 ■部品通販サイト (例:Digikey ) 主に企業向けに市販されているが、一般ユーザーも購入可能な場合がある。 ※但しそれなりにいいお値段 今回紹介の実例 ¥23,521 入手方法

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評価ボードの活用例( 1/2) 11:16 イ○ケン氏 1回目試作(両面基板) イ○ケン氏 2回目試作(4層基板) 毎度のドヤ顔の失敗例 (10:45) 1ch 降圧スイッチングレギュレータBD9E302EFJ EVK (ユーザーズ ガイド) https://fscdn.rohm.com/jp/products/databook/applinote/ic/power/switching_regulator/bd9e302efj_evk_001_ug-j.pdf 評価ボードのメーカーが提供する 設計例 →実際に動作させて設計の参考にする 使わない場合... 失敗の洗礼の餌食

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評価ボードの活用例( 2/2) 半導体データシートの設計例の注意事項をもとに忠実に作られ ・リファレンス設計(お手本) ・部品チョイス例 ・実動サンプル の役割もある。 ■データシート 7.0V~28V 入力、3A MOSFET 内蔵 1ch 同期整流降圧 DC/DC コンバータ https://fscdn.rohm.com/jp/products/databook/datasheet/ic/power/switching_regulator/bd9e302efj-j.pdf 評価ボードは 半導体メーカの設計部署の 腕の見せ所でもある。 →鵜呑みは禁物

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評価ボードの実例( 1/2) https://www.analog.com/jp/products/ltc4015.html#product-evaluationkit https://www.mitsubishielectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/d esign_support/parts/evaboard.html 三菱電機パワーデバイス評価ボード DIPIPM評価ボード(エアコンなどに使用する素子) リニアテクノロジー社(現 Analog Devices) 充電コントローラ →使ったことがある半導体デバイス の評価ボード例 しっかり技術力のあるメーカーは 評価ボードの出来も、開発関連ドキュメントの充実度合いも一流 (関連ドキュメント例) データシート / アプリケーションノート / 技術資料 / メーカ関係者著作の技術書

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テレビ東京系の日経提供の番組に登場 (矢印側の基板) ソニー株式会社のイメージセンサの撮像サンプル 画像として写真が登場 IMX253LLR/LQR, IMX255LLR/LQR 製品紹介 http://www.sony-semicon.co.jp/products_ja/new_pro/february_2016/imx253_255_j.html 評価ボードの実例( 2/2) 俺が設計 (ドヤw) →設計したことがある 半導体デバイスの評価ボード例

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評価ボードの実例 :LTC4015 充電コントローラ ( 1/3) 高性能だが、ICの使いこなしは初見殺しの無理ゲー

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評価ボードの実例 :LTC4015 充電コントローラ ( 2/3) バッテリー(リチウムイオン/リン酸リチウム/鉛) 太陽電池パネル 評価ボード(DC2039A) 評価対象IC (LTC4015) 負荷(例:インバータ) ICを基板に搭載したものを半導体メーカーが市販 ※周辺機器は別に準備が必要

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評価ボードの実例 :LTC4015 充電コントローラ ( 3/3) カッコいい 評価用 PCアプリも整備 PCとはUSB経由で接続

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屋外に設置できるように箱(防雨ボックス)に詰めました! → M5 stack を接続し クラウドにデータ送信 ここの苦労話を今回公開!

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繋ぐ方法 電気的インターフェイス

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使いこなすには評価ボードの回路図を ハックする必要あり

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評価ボードの回路図を元に、データシートから使いこなしをハック (抜粋) Lowのドライブ能力 →オープンコレクタの飽和電圧 High / Low の閾値は DVcc に依存する (30%/70%) I2C インターフェイス ピン(抜粋) M5Stackを回路と繋ぐ場合に I2Cインターフェイス用の電源(3.3V)を外部供給 の必要あり

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電気的インターフェイス ケーブル色はメーカで異なる 左 Grove 純正, 右 M5Stack SDA (3.3V IF) 5V スイッチング レギュレータ バッテリ端子 ※評価基板から引き出す 入力 5V出力 M5 Stack 電源 SCL (3.3V IF) 5V入力 3.3V 出力 GND 3.3Vレギュレータ GROVE コネクタ 電源もGROVEコネクタで供給 動作確認例 USBコネクタも もげやすいので一旦引き出す +12V

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繋ぐ方法 ファームウェア ロクな開発ドキュメントがない。。。。 営業経由で、メーカーの技術サポート に聞いてくれがよくあるパターン

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ソフトウェアインターフェイス 1.I2C ポートスキャンでHWの 動作確認 開発フロー Arduino +ESP32で開発 2.メーカー提供のArduinoライブラリ をESP32向けに改造 デバイスデータシートの 0x68の存在を確認する 3.書き込み前後のレジスタ設定をコンペア 肝の設定をハックしてソフト開発 3.PC用のソフトでUSB経由でレジスタを セット とりあえず、動かして評価! データシートで裏を取るという地道な作業

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M5Stack が繋がってデータが読めれば、、、、 後は丸投げw

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バッテリ電圧 太陽電池電圧 バッテリ電流 太陽電池電流 炎天下のフィールドで動作チェック! クラウドに投げてお決まりの grafanaで可視化、、、 ※でも間に合ってませんw

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結論 社畜 修羅コーサク 江戸パイン 使いこなしの道は ハードルが高い

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絶縁USB モジュール より電源供給 Appendix 評価ボード上の回路構成 I2C バスの電源はGPIOピンから 供給

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https://wiki.st.com/stm32mpu/wiki/GPIO_internal_peripheral 約0.3V電圧 落ちる 保護ダイオード で落ちた電圧が IC内で分配 USB未接続時の 評価基板搭載マイコンの挙動 →実質影響なし GPIOピン経由で マイコンに電源が 供給される →想定外の動作の可能性はあり ※ただしマイコン内の プログラムの制御が 競合しない条件下 Appendix