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XR(AR/VR/MR) 領域を中心とした CES 2019 の技術動向 2019/01/23 Smartphone and Beyond 2019 vol.1 Mercari, Inc. 諸星 一行 a.k.a ikkou

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Mercari, Inc. R4D XR チームマネージャー ウェブ制作会社、ソーシャルゲーム関連会社を経て 2017年9月より現職。 開発者コミュニティ “xR Tech Tokyo” 運営責任者。 日本バーチャルリアリティ学会認定VR技術者。 めぐるーまーで雛乃木神社氏子。 CES の参加は 2018 に続き 2 回目のひよっこ。 諸星 一行 a.k.a @ikkou

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めぐるーまーで雛乃木神社氏子 とは 出典 (左) 東雲めぐさん : https://www.youtube.com/watch?v=tkY3e-xRMR4 (右) 雛乃木まやさん: https://www.youtube.com/watch?v=S4Pfc1O-_j8

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Topic 1 メルカリ R4D とスマートグラ スに最適化したプロトタイプ 版について

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R4D XR チームメンバー計6人で CES 2019 に参加しました。写真は Oculus Inc. の創業者である Palmer Luckey 氏と。

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“mercari R4D” 「mercari R4D(アールフォーディー)」は2017年12月に設立した、研究(Research)と4つ のD、設計(Design)・開発(Development)・実装(Deployment)・破壊(Disruption)を行動 指針として活動する研究開発組織です。 R4Dによる研究だけではなく、外部の企業・教育機関などと共同で基礎・応用研究を行 うことで、スピーディーな研究開発とメルカリグループでの事業化、そして社会実装を目 指しています。 現在はXR(AR・VR・MR)、AI、量子コンピューティング、ブロックチェーン、衛星データ活 用などの研究を実施しています。 今回はこのR4Dの中で XR(AR/VR/MR) 領域を専門とするチームで参加しました。

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なぜ CES 2019 に参加したのか? 出典: https://about.mercari.com/press/news/article/20181220_mercarir4d_smartglass/ 1. フリマアプリ「メルカリ」をスマート グラスに最適化したプロトタイプ 版を出展するため 2. メルカリにおける XR を推進する チームとして、実際に AR/VR/MR 関連のインプットを “直接” 得るため →百聞は一体験に如かず 3. 得られた情報を “一次情報” とし てアウトプットするため

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出典: https://www.youtube.com/watch?v=F5o1RSVSLSc フリマアプリ「メルカリ」をスマートグラスに最適化したプロトタイプ 版の出展

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会場である LVCC はネットワークが輻輳しがちということもあり Edge のみで処理する方式が功を奏しました。

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今回は Vuzix 社ブースの一画を間借りする形での出展となりました。

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出展: メルカリ、“指差し”で商品価格表示する新技術。 ARグラスから出品へ #CES2019 - https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1164217.html 技適の関係で “現時点” では実機デモをお見せできません。 気になる方は Impress Watch の記事をご覧ください。 左が私、右が開発者の柳澤

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チームとしてのインプットとアウトプット ● メルカリ R4D XR チームの #CES2019 まとめ #R4DCES https://togetter.com/li/1308273 ● Mercari CES 2019 報告会まとめ #mercariCES https://togetter.com/li/1311161 ● 写真で振り返る CES 2019 / Look back on CES 2019 https://speakerdeck.com/ikkou/look-back-on-ces-2019 ● 新デバイスから体験まで! XR関連トピックスの総まとめ!! https://speakerdeck.com/nkjzm/xin-debaisukarati-yan-made-xrguan-lian-topi tukusufalsezong-matome 現地では Twitter ハッシュタグ #R4DCES でリアルタイムツイートを実施しました。

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ラスベガス マッカラン国際空港 CES はこのゲートをくぐるところから始まります。

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● Tech East ○ Las Vegas Convention Center (LVCC) ■ North Hall ■ Central Hall ■ South Hall ○ Westgate Las Vegas ● Tech West ○ Sands Expo ○ The Venetian ○ Wynn 出展: Official Show Locations - CES 2019 - https://www.ces.tech/Show-Floor/Official-Show-Locations.aspx Locations

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● Westgate ○ DigiLens ● North Hall ○ 自動車関連, NVIDIA ■ 自動車関連に付随するAR/VRコンテンツ ● Central Hall ○ Sony, Qualcomm など大企業中心 ■ メルカリ × Vuzix ブースはこの Central Hall 15036 ● South Hall ○ Home Cinema, AR/VR & Gaming, DRONES, AI & Robotics, 3D Printing 等 Official Show Locations - CES 2019 - https://www.ces.tech/Show-Floor/Official-Show-Locations.aspx Tech East

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● Sands Expo ○ Level 1, EUREKA PARK ● AR/VR/MR エリアに 18ブースがまとまっていた ○ Level 2, BABY TECH, FAMILY & KIDS TECHNOLOGY, Wearable, Smart Home 等 ● The Venetian ○ Amazon, CES Innovation Awards ● Wynn ○ HTC VIVE Pro Eye / HTC VIVE Cosmos が 発表された HTC は CES に合わせて会場を設 けている ○ Rokid Official Show Locations - CES 2019 - https://www.ces.tech/Show-Floor/Official-Show-Locations.aspx Tech West

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Topic 2 AR/Smart グラスがアツい

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AR/Smart グラスがアツい ● CES 2018 では目立っていた VR 関連ブースが減少 ○ CES 2019 に合わせて HTC VIVE Pro Eye / VIVE Cosmos が 登場するなど、特筆すべきものが無かったわけではない ● 代わりに AR/Smart グラス関連ブースが大きく伸長 ● VR がお金にならない、打ち手がなくなった、という側面 の他、各社が進めてきた研究開発の成果がこのタイミン グに集中した可能性が高い

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XR 関連のブースは LVCC South Hall 1階に AR/VR & Gaming という形で集中していました。

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nreal light ● 中国発の nreal light は CES 2019 で突 然現れた大注目の AR グラス ● 元 Magic Leap 社のメンバーが開発に 関わっていることもあってかハードウェア の構成が似ている ● FoV 52° ● コントローラー有り ● SLAM 有り ● Snapdragon 845 ( = Google Pixel 3) ● 価格は $1,000 USD 程度とのこと

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Focals by North ● Alexa を内蔵していることもあってか Amazon ブースで出展していた Focals は 2018 年に発表されて話題になった Smart グラス ● コントローラー有り ● 既に実店舗でのみ $999USD で販売を 開始している

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これらがすべてではありませんが、多種多様な AR/Smart グラスを試し、そしてたまに “盛りながら” 自撮りしました。

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その他の要注目 AR/Smart グラス ● DigiLens Crystal ● Rokid GLASS ● Rokid Aurora ● PinMR 特に Rokid GLASS と Aurora は日本の VR メディアが取り上げ ていない要注目デバイス!

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Topic 3 HTC 社の VIVE Pro Eyeと VIVE Cosmosの登場

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Wynn では CES に合わせて HTC 社がブースを設けていました。このようなケースは他にも見られます。

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VIVE Pro Eye は CES 2018 で発表された VIVE Pro に tobii 製のアイトラッキングシステムが内包された特定用途向けの HMD です。 出典: HTC VIVE、「VIVE Pro Eye」、「VIVEPORT Infinity」、「VIVE COSMOS」をCES2019で発表 - https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000033579.html

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記者発表時には tobii 製であることへの言及はありませんでしたが、CES 本会場の tobii ブースでは tobii 製であることを謳っていました。 HMD 装着時に IPD の調整と視線方向のキャリブレーションが行われ、個人に最適化されます。 出典: https://twitter.com/nkjzm/status/1082815387484311552, https://twitter.com/nkjzm/status/1083090648029310983

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アイトラッキングによって何ができるのか? 1. NVIDIA RTX シリーズとの相乗効果により、フォービエイテッド・レ ンダリング(Foveated Rendering)を実現し、中心視野のみ高解 像度でレンダリングが可能に! 2. VR 空間における “真の” ヒートマップを取得可能に! 3. ゲーム用途では視線によるエイミングが可能に! 4. 話題の VTuber 文化において “自然な” 上目遣いやウインクなど が可能に!

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参考 “自然な” 上目遣いやウインクなどが可能になるとできること 出典 (左) バーチャルキャスト社によるデモ : https://www.youtube.com/watch?v=OupCnBUE860 (右) VIVE JAPAN によるデモ: https://www.youtube.com/watch?v=S4Pfc1O-_j8

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完全新型の HTC VIVE Cosmos は要注目ながらまだ公式情報が少ない HMD です。プロトタイプとなっていて実際に体験することはできませ んでした。パット見だとスタンドアローン型に見えますが PC 向けとのことです。

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CES 2019 所感

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CES 2019 所感 ● 2018 に続いて2回目の CES ながら、一定の違いを肌で体感 することができたので定点観測は必要 ● CES 2019 という時間軸において XR 領域で一番盛り上がり は AR/Smart グラスと言っても過言ではない ● 図らずも AR/Smart グラスの流れに乗る結果となったが、プ ロトタイプ版を出展したことは良かった ● XR 領域以外の全体感としては 5G, AI, Mobility (MaaS含む) と当たり前と言えば当たり前の領域が特に活気があった

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ご静聴ありがとうございました 質問等があれば @ikkou 宛に投げてください