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まだ存在しない体験を ミッションから逆算で社会実装する 「プロダクトマネジメントのすべて」

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アジェンダ 1. はじめに - ミッションとプロダクト 2. LUUPの立ち上げからこれまで 3. LUUPとプロダクトマネジメントのすべて

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自己紹介 株式会社Luup CPO, 共同創業者 牧田涼太郎 株式会社Luup Product Manager 小城久美子 ● Luup共同創業 → マッキンゼー → 再びLuupにジョイン → CPOに就任 ● 担当は、ハードウェアも含むプロダクト全体 の戦略検討・意思決定と組織のマネジメント ● ミクシィ、LINE、Tably → 7月からLuup ● 担当は、ソフトウェアを中心としたユーザー 体験の構築 ● pmconf 運営、プロダクト筋トレ創立

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プロダクト紹介: 「LUUP」 電動マイクロモビリティ スマホアプリ ポート(LUUP専用の駐輪場) 電動アシスト自転車 電動キックボード 電動マイクロモビリティを、スマホひとつで借りて、 好きな場所から好きな場所まで移動できるサービス ユニバーサルな乗り物 (将来像)

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もしかしてLUUPって... 自転車やキックボードを借りるための ただのツール...?

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ツールとプロダクト pmconf 2020「自己流から一流プロダクトマネージャーになるために学ぶべきこと」 狭義のプロダクト(ツール) 
 広義のプロダクト
 ソフトウェアやハードウェア (解決策) モノだけではなく、 どんな世界をつくるのか?まで What: 狭義のプロダクト(≒解決策)
 誰を、 どんな状態 にしたいか 何で Core: プロダクトのビジョン


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もしかしてLUUPって... 自転車やキックボードを借りるための ただのツール...? Luupのミッションを達成するために、 移動という行為をより気軽で楽しいものにして、 人と街を豊かにするプロダクト!

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Luupのミッション 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる これまでの日本 Luupのミッションが達成された世界 完成度が高い鉄道中心の交通インフラ 移動のハブとなる駅周辺から発展 しかし、駅から遠い場所の発展は遅い... 街じゅうが移動のハブになる ワンマイルの新たな交通インフラ これまで行かなかった場所にも 人々が気軽に移動する世界 街じゅうが駅前のように発展!

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LUUPのつくる世界 「ごはんが美味しい国」日本 「移動が気軽な国」日本 「生活や街が豊かな国」日本 生活のスタンダードを底上げしたい

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LUUPのつくる世界 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 新たな 移動が 生まれる 人の 生活が豊か になる 街じゅう が豊かに なる 移動の ハードル を 下げる ↑ まずやる

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アジェンダ 1. はじめに - ミッションとプロダクト 2. LUUPの立ち上げからこれまで 3. LUUPとプロダクトマネジメントのすべて

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全てはここから...ワンマイルの移動に対する課題感 移動範囲の狭さ=マッチング率の低さに気づき断念 介護士版Uberやるぞ! 高齢化が進展する日本社会 ワンマイルの移動に課題が残る日本社会...? 元々の課題感 事業構想 断念 新たな課題感 ワンマイルの移動の課題を解決する方法がないかを模索する旅へ...

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アメリカ視察の衝撃: 電動マイクロモビリティのシェアリング

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アメリカ視察の衝撃: 電動マイクロモビリティのシェアリング 未知のプロダクトに 触れた実体験 街ゆく利用者に 突撃インタビュー そこかしこにモビリティがあり どこにいてもどこにでもラクに 移動できる「便利さ」を体感した 「楽しいから」という理由で 日常の移動に使っている人が多く 「ワクワク」の力を知った これを日本でつくろう!

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とりあえずつくる...前に立ち止まって「なぜ?」を徹底的に考えた 日本でつくろう! とりあえずつくる なぜつくるのか? ビルドトラップを回避 考え抜いた末に... ミッションが誕生!

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街じゅうを 既に便利な場所だけ...”ではなく” 駅遠も含めたあらゆる場所において 「駅前化」する 少しの発展...”ではなく” 駅前くらいの大きな発展を起こす インフラをつくる 一過性のもの...”ではなく” 持続するインフラをつくる どうやって「なぜ?」を考え、ミッションを決めたのか 具体と抽象の行き来から つくりたい世界を考える つくりたい世界の決意を ミッションに据える 具 体 抽 象 ● 実体験で体感した感覚・衝撃 ○ どこでも移動できる便利さ ● インタビューから得たインサイト ○ ワクワクは移動の原動力になる ● 社会の成り立ち ○ 鉄道を基盤とした経済成長 ● 社会課題 ○ ワンマイルの移動手段不足

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ミッションから戦略への逆算 ミッション: 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 重要仮説 戦略: 何をどうやってつくるのか? ● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる (電動キックボードから始める) ○ ラクに移動ができる「便利さ」 ○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」 ● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する ○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」 ○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない ● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す ○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない 日本でも移動を「気軽 = 便利 x ワクワク」に することで、新しい移動が生まれる(はず)

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戦略が正しいかを確認するために答えを出したかった問い 1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか? 2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか? 戦略: 何をどうやってつくるのか? ● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる (電動キックボードから始める) ○ ラクに移動ができる「便利さ」 ○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」 ● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する ○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」 ○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない ● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す ○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない

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戦略が正しいかを確認するために答えを出したかった問い 1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか? 2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか? 戦略: 何をどうやってつくるのか? ● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる (電動キックボードから始める) ○ ラクに移動ができる「便利さ」 ○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」 ● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する ○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」 ○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない ● まず、規制の適正化を目指す ○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない 多くの自治体と実証実験を行い、規制の適正化に向けた動きは進んだが、 答えを出したかった問いについては進展がない状態が続いた 戦略の一部を短期的に変えて、 長期的に重要な問いの答えを探しにいく (ミッションはもちろんそのまま!)

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ミッションは変えずに、戦略の一部を短期的に変更した 1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか? 2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか? 戦略: 何をどうやってつくるのか? ● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる (電動アシスト自転車から始める) ○ ラクに移動ができる「便利さ」 ○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」 ● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する ○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」 ○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない ● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す ○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない 電動アシスト自転車

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...その結果、想定していたより多くのことが得られた 1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか? 2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか? 問いへの答え: 日常的に利用するヘビーユーザーが生まれるほど「便利」だった (ただし、生活圏とポートの位置がマッチした時のみ) 新たな気付き: 知ってるはずの街の魅力を知れるという未知の「ワクワク」があった

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その後... 電動キックボードのシェアリングの実証実験を開始!

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もう1つの問いにも答えが出せた 1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか? 2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか? 日本でも「ワクワク」する移動体験だった ● 電動キックボード開始前後で、登録ユーザー数やライド数は数倍に ● 一過性で終わることなく、日常の移動で継続的に利用されている

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ミッション達成のための重要仮説を3年越しに初期検証できた! ミッション: 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 重要仮説 戦略: 何をどうやってつくるのか? 日本でも移動を「気軽 = 便利 x ワクワク」に することで、新しい移動が生まれる(はず) ● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる (電動アシスト自転車と電動キックボードから始める) ○ ラクに移動ができる「便利さ」 ○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」 ● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する ○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」 ○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない ● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す ○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない

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ミッションを軸に、仮説と戦略を常にアップデートしていきます ミッション: 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 重要仮説 戦略: 何をどうやってつくるのか? ● 電動キックボードのシェアリングサービスをつくる (電動アシスト自転車と電動キックボードから始める) ○ ラクに移動ができる「便利さ」 ○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」 ● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する ○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」 ○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない ● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す ○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない 日本でも移動を「気軽 = 便利 x ワクワク」に することで、新しい移動が生まれる(はず) ? ?

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アジェンダ 1. はじめに - ミッションとプロダクト 2. LUUPの立ち上げからこれまで 3. LUUPとプロダクトマネジメントのすべて

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これからのLUUPの課題 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 新たな 移動が 生まれる 人の 生活が豊か になる 街じゅう が豊かに なる 移動の ハードル を 下げる ↑ まずやる

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書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組 企業への貢献 Core ターゲットユーザー ペイン・ゲイン 市場分析 競合分析 Why ユーザー体験 ビジネスモデル ロードマップ What 設計・実装 GTM How UI 「誰」を「どんな状態にしたいか」 なぜ自社がするのか 指標 マイルストーン プロダクトの世界観 ミッション ビジョン メンタルモデル カスタマージャー ニー コスト構造 収益モデル 事業戦略 どのように実現するのか Refine ひとつ上の階 層の解像度を 上げられない か? Fit ひとつ上の階 層と整合してい るか?

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書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組 Core Why What How 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる
 移動の ハードル を 下げる ? 誰を、どんな状態にしたいか?

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これからのLUUPの課題 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 新たな 移動が 生まれる 人の 生活が豊か になる 街じゅう が豊かに なる 移動の ハードル を 下げる 日々のルーティ ン移動を置き換 える ルーティン以外 の生活圏の移動 を置き換える LUUPの便利な 初回体験を生み 出す ↑ まずやる

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[試行錯誤]どの「日々の移動」をメインターゲットにしたか ☓ ユースケース △ ユースケースの分解 ◯ 価値提案 ● 通勤 ● ジム ● 習い事 ● カフェにいく ● お散歩 ● 買い物 特定の場所に移動したい ✕ 行ったことがある場所へ ✕ 到着時間の指定がない 移動距離が徒歩2〜15分 ✕ 5分以上待ち時間や 余分な時間がある ✕ 同じ場所に週1回以上行く → 30分電車に乗って会 社に行くときはLUUPに 乗って欲しいのだろう か? → バス・電車・タクシー などすべての移動と競合 してしまい、戦略が曖昧 になる → 余計な時間を使わせな い短距離の日々の移動で あることが明瞭

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書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組 Core Why What How 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 移動の ハードル を 下げる 誰を、どんな状態にしたいか? 日々のルーティ ン移動をするひ と

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Whyに紐付いたWhat 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 移動の ハードル を 下げる 日々のルーティ ン移動を置き換 える ルーティン以外 の生活圏の移動 を置き換える LUUPの便利な 初回体験を生み 出す 交通ルールとLUUPのルールを正しくつたえる インフラとして空気のように簡単なライドフロー より便利で快適なハードウェア より分かりやすく使いやすいポート いつでも、どこでも、乗れる機体があること コストの低いオペレーション PM CPO ↑ まずやる

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Whyに紐付いたWhat
 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 移動の ハードル を 下げる ↑ まずやる 日々のルーティ ン移動を置き換 える ルーティン以外 の生活圏の移動 を置き換える LUUPの便利な 初回体験を生み 出す 交通ルールとLUUPのルールを正しくつたえる インフラとして空気のように簡単なライドフロー より便利で快適なハードウェア より分かりやすく使いやすいポート いつでも、どこでも、乗れる機体があること コストの低いオペレーション PM CPO 新たな価値を生み出す 非連続なジャンプ ・ユーザーの観察 ・アイディエーション すでに提案した仮説を 磨き込むグロース ・ユーザーの観察 ・定量的なデータ

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書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組とLUUP Core Why What How 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 移動の ハードル を 下げる 誰を、どんな状態にしたいか? 日々のルーティ ン移動をするひ と 交通ルールとLUUPのルールを正しくつたえる インフラとして空気のように簡単なライドフロー より便利で快適なハードウェア より分かりやすく使いやすいポート いつでも、どこでも、乗れる機体があること コストの低いオペレーション

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まとめ: まだ存在しない体験をミッションから逆算で社会実装する 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 新たな 移動が 生まれる 人の 生活が豊か になる 街じゅう が豊かに なる 移動の ハードル を 下げる ↑ まずやる

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