【登壇資料】 プロダクトマネージャーカンファレンス 2021 〜非連続な環境、非連続な変化、非連続なプロダクト〜 2021/10/26 TrackA 13:55-14:40
まだ存在しない体験をミッションから逆算で社会実装する「プロダクトマネジメントのすべて」
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アジェンダ1. はじめに - ミッションとプロダクト2. LUUPの立ち上げからこれまで3. LUUPとプロダクトマネジメントのすべて
自己紹介株式会社LuupCPO, 共同創業者牧田涼太郎株式会社LuupProduct Manager小城久美子● Luup共同創業 → マッキンゼー→ 再びLuupにジョイン → CPOに就任● 担当は、ハードウェアも含むプロダクト全体の戦略検討・意思決定と組織のマネジメント● ミクシィ、LINE、Tably → 7月からLuup● 担当は、ソフトウェアを中心としたユーザー体験の構築● pmconf 運営、プロダクト筋トレ創立
プロダクト紹介: 「LUUP」電動マイクロモビリティ スマホアプリ ポート(LUUP専用の駐輪場)電動アシスト自転車電動キックボード電動マイクロモビリティを、スマホひとつで借りて、好きな場所から好きな場所まで移動できるサービスユニバーサルな乗り物(将来像)
もしかしてLUUPって...自転車やキックボードを借りるためのただのツール...?
ツールとプロダクトpmconf 2020「自己流から一流プロダクトマネージャーになるために学ぶべきこと」狭義のプロダクト(ツール) 広義のプロダクト ソフトウェアやハードウェア(解決策)モノだけではなく、どんな世界をつくるのか?までWhat: 狭義のプロダクト(≒解決策) 誰を、どんな状態にしたいか何でCore: プロダクトのビジョン
もしかしてLUUPって...自転車やキックボードを借りるためのただのツール...?Luupのミッションを達成するために、移動という行為をより気軽で楽しいものにして、人と街を豊かにするプロダクト!
Luupのミッション街じゅうを「駅前化」するインフラをつくるこれまでの日本 Luupのミッションが達成された世界完成度が高い鉄道中心の交通インフラ移動のハブとなる駅周辺から発展しかし、駅から遠い場所の発展は遅い...街じゅうが移動のハブになるワンマイルの新たな交通インフラこれまで行かなかった場所にも人々が気軽に移動する世界街じゅうが駅前のように発展!
LUUPのつくる世界「ごはんが美味しい国」日本「移動が気軽な国」日本「生活や街が豊かな国」日本生活のスタンダードを底上げしたい
LUUPのつくる世界街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる新たな移動が生まれる人の生活が豊かになる街じゅうが豊かになる移動のハードルを下げる↑ まずやる
全てはここから...ワンマイルの移動に対する課題感移動範囲の狭さ=マッチング率の低さに気づき断念介護士版Uberやるぞ!高齢化が進展する日本社会ワンマイルの移動に課題が残る日本社会...?元々の課題感事業構想断念新たな課題感ワンマイルの移動の課題を解決する方法がないかを模索する旅へ...
アメリカ視察の衝撃: 電動マイクロモビリティのシェアリング
アメリカ視察の衝撃: 電動マイクロモビリティのシェアリング未知のプロダクトに触れた実体験街ゆく利用者に突撃インタビューそこかしこにモビリティがありどこにいてもどこにでもラクに移動できる「便利さ」を体感した「楽しいから」という理由で日常の移動に使っている人が多く「ワクワク」の力を知ったこれを日本でつくろう!
とりあえずつくる...前に立ち止まって「なぜ?」を徹底的に考えた日本でつくろう!とりあえずつくる なぜつくるのか?ビルドトラップを回避考え抜いた末に...ミッションが誕生!
街じゅうを既に便利な場所だけ...”ではなく”駅遠も含めたあらゆる場所において「駅前化」する少しの発展...”ではなく”駅前くらいの大きな発展を起こすインフラをつくる一過性のもの...”ではなく”持続するインフラをつくるどうやって「なぜ?」を考え、ミッションを決めたのか具体と抽象の行き来からつくりたい世界を考えるつくりたい世界の決意をミッションに据える具体抽象● 実体験で体感した感覚・衝撃○ どこでも移動できる便利さ● インタビューから得たインサイト○ ワクワクは移動の原動力になる● 社会の成り立ち○ 鉄道を基盤とした経済成長● 社会課題○ ワンマイルの移動手段不足
ミッションから戦略への逆算ミッション: 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる重要仮説戦略: 何をどうやってつくるのか?● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる(電動キックボードから始める)○ ラクに移動ができる「便利さ」○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない日本でも移動を「気軽 = 便利 x ワクワク」にすることで、新しい移動が生まれる(はず)
戦略が正しいかを確認するために答えを出したかった問い1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか?2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか?戦略: 何をどうやってつくるのか?● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる(電動キックボードから始める)○ ラクに移動ができる「便利さ」○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない
戦略が正しいかを確認するために答えを出したかった問い1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか?2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか?戦略: 何をどうやってつくるのか?● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる(電動キックボードから始める)○ ラクに移動ができる「便利さ」○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない● まず、規制の適正化を目指す○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない多くの自治体と実証実験を行い、規制の適正化に向けた動きは進んだが、答えを出したかった問いについては進展がない状態が続いた戦略の一部を短期的に変えて、長期的に重要な問いの答えを探しにいく(ミッションはもちろんそのまま!)
ミッションは変えずに、戦略の一部を短期的に変更した1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか?2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか?戦略: 何をどうやってつくるのか?● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる(電動アシスト自転車から始める)○ ラクに移動ができる「便利さ」○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない電動アシスト自転車
...その結果、想定していたより多くのことが得られた1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか?2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか?問いへの答え:日常的に利用するヘビーユーザーが生まれるほど「便利」だった(ただし、生活圏とポートの位置がマッチした時のみ)新たな気付き:知ってるはずの街の魅力を知れるという未知の「ワクワク」があった
その後... 電動キックボードのシェアリングの実証実験を開始!
もう1つの問いにも答えが出せた1 日本でも電動キックボードは「ワクワク」する移動体験を届けられるのか?2 たくさんのポートで、どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」を実現できるのか?日本でも「ワクワク」する移動体験だった● 電動キックボード開始前後で、登録ユーザー数やライド数は数倍に● 一過性で終わることなく、日常の移動で継続的に利用されている
ミッション達成のための重要仮説を3年越しに初期検証できた!ミッション: 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる重要仮説戦略: 何をどうやってつくるのか?日本でも移動を「気軽 = 便利 x ワクワク」にすることで、新しい移動が生まれる(はず)● 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスをつくる(電動アシスト自転車と電動キックボードから始める)○ ラクに移動ができる「便利さ」○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない
ミッションを軸に、仮説と戦略を常にアップデートしていきますミッション: 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる重要仮説戦略: 何をどうやってつくるのか?● 電動キックボードのシェアリングサービスをつくる(電動アシスト自転車と電動キックボードから始める)○ ラクに移動ができる「便利さ」○ 目線の高さや独特の走行感から来る「ワクワク」● ポート(駐輪場)を街にたくさん設置する○ どこにいてもどこにでも移動できる「便利さ」○ ミッションに反くような、道端に放置する世界はつくらない● 法令を遵守しつつ、規制の適正化を目指す○ ミッションに反くような、グレーゾーンには走らない日本でも移動を「気軽 = 便利 x ワクワク」にすることで、新しい移動が生まれる(はず)??
これからのLUUPの課題街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる新たな移動が生まれる人の生活が豊かになる街じゅうが豊かになる移動のハードルを下げる↑ まずやる
書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組企業への貢献Coreターゲットユーザー ペイン・ゲイン 市場分析 競合分析Whyユーザー体験 ビジネスモデル ロードマップWhat設計・実装 GTMHowUI「誰」を「どんな状態にしたいか」 なぜ自社がするのか指標 マイルストーンプロダクトの世界観ミッション ビジョンメンタルモデルカスタマージャーニーコスト構造 収益モデル事業戦略どのように実現するのかRefineひとつ上の階層の解像度を上げられないか?Fitひとつ上の階層と整合しているか?
書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組CoreWhyWhatHow街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる 移動のハードルを下げる?誰を、どんな状態にしたいか?
これからのLUUPの課題街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる新たな移動が生まれる人の生活が豊かになる街じゅうが豊かになる移動のハードルを下げる日々のルーティン移動を置き換えるルーティン以外の生活圏の移動を置き換えるLUUPの便利な初回体験を生み出す↑ まずやる
[試行錯誤]どの「日々の移動」をメインターゲットにしたか☓ ユースケース △ ユースケースの分解 ◯ 価値提案● 通勤● ジム● 習い事● カフェにいく● お散歩● 買い物特定の場所に移動したい✕行ったことがある場所へ✕到着時間の指定がない移動距離が徒歩2〜15分✕5分以上待ち時間や余分な時間がある✕同じ場所に週1回以上行く→ 30分電車に乗って会社に行くときはLUUPに乗って欲しいのだろうか?→ バス・電車・タクシーなどすべての移動と競合してしまい、戦略が曖昧になる→ 余計な時間を使わせない短距離の日々の移動であることが明瞭
書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組CoreWhyWhatHow街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる移動のハードルを下げる誰を、どんな状態にしたいか?日々のルーティン移動をするひと
Whyに紐付いたWhat街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる移動のハードルを下げる日々のルーティン移動を置き換えるルーティン以外の生活圏の移動を置き換えるLUUPの便利な初回体験を生み出す交通ルールとLUUPのルールを正しくつたえるインフラとして空気のように簡単なライドフローより便利で快適なハードウェアより分かりやすく使いやすいポートいつでも、どこでも、乗れる機体があることコストの低いオペレーションPMCPO↑ まずやる
Whyに紐付いたWhat 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる移動のハードルを下げる↑ まずやる日々のルーティン移動を置き換えるルーティン以外の生活圏の移動を置き換えるLUUPの便利な初回体験を生み出す交通ルールとLUUPのルールを正しくつたえるインフラとして空気のように簡単なライドフローより便利で快適なハードウェアより分かりやすく使いやすいポートいつでも、どこでも、乗れる機体があることコストの低いオペレーションPMCPO新たな価値を生み出す非連続なジャンプ・ユーザーの観察・アイディエーションすでに提案した仮説を磨き込むグロース・ユーザーの観察・定量的なデータ
書籍「プロダクトマネジメントのすべて」の骨組とLUUPCoreWhyWhatHow街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる移動のハードルを下げる誰を、どんな状態にしたいか?日々のルーティン移動をするひと交通ルールとLUUPのルールを正しくつたえるインフラとして空気のように簡単なライドフローより便利で快適なハードウェアより分かりやすく使いやすいポートいつでも、どこでも、乗れる機体があることコストの低いオペレーション
まとめ: まだ存在しない体験をミッションから逆算で社会実装する街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる新たな移動が生まれる人の生活が豊かになる街じゅうが豊かになる移動のハードルを下げる↑ まずやる