Slide 1

Slide 1 text

その「⼈間らしさ」、本当に必要ですか? 〜タスクにあわせた対話評価指標定義のススメ〜 べいえりあ @ 株式会社IVRy

Slide 2

Slide 2 text

⾃⼰紹介 名前:べいえりあ 肩書:Principal AI Engineer @ IVRy 専門:自然言語処理(10年くらいやってます) これまでの経歴: - 理論物理博士@ミシガン大学 - データサイエンス修士 @ニューヨーク大学 - Llama作ったチームでインターンやったり - Gemini作ってるチーム(の中の一チーム)でテックリードをやったり

Slide 3

Slide 3 text

IVRyって何やってるの? LLMを⽤いた電話の⾃動応答システムなどを作ってます

Slide 4

Slide 4 text

今回お話ししたいこと

Slide 5

Slide 5 text

UX的に良さげなAI ≠ ユーザーの役に⽴つAI (本番運⽤サービスを作るのはそんなに⽢くはない)

Slide 6

Slide 6 text

⼈間らしいAI ≠ ユーザーの役に⽴つAI (本番運⽤サービスを作るのはそんなに⽢くはない)

Slide 7

Slide 7 text

今回お話ししたいこと 今回のLTでは、 - 社内で作った⼈間らしい機能があまり使えなかった失敗談 - その機能が良いか悪いかを判別するためにどうすれば良いか? についてお話しします。

Slide 8

Slide 8 text

⼈間っぽいAIの機能:会話割り込み - GPT-4oのvoice modeでも実装される(された)機能 - ちなみに、⾒た⽬とは裏腹に割と簡単に実装できる ライブデモやります (…と思ったのですが、⽤意できなかったのでGPT-4oのデモ流します)

Slide 9

Slide 9 text

会話割り込み機能の良かった点 - ⼈間のような対話が実現できる - デモ受けはとても良い - AIの発話に被せるように話すユーザーは結 構存在する - 全体的な会話時間が短くなる - 会話時間の短さはUX上重要

Slide 10

Slide 10 text

会話割り込み機能の悪かった点 - 「呟き」で認識失敗する - 「AIすご!」みたいな呟きをする⼈は 実トラフィックでも結構いる - ノイズが乗った場合にリカバリが困難 - ノイズが永遠にカットインし続ける - 倍くらい⾳声認識API代がかかる 現状だと悪い点が勝ったため結局採⽤せず (ユースケースには依るはず)

Slide 11

Slide 11 text

実装した機能の良し悪しをどう評価するか →それを測るための評価指標が必要

Slide 12

Slide 12 text

タスクに応じて評価指標を正しく選択する タスク指向型対話 雑談(Cotomoなどはこっち) 電話の⾃動応答はタスク指向型対話 → タスク完了率を⽤いる VS タスクの完了が⽬的 タスクによってドメインが絞られる 短いほど良い タスク完了率がゴールドスタンダード 特に⽬的は無い オープンドメイン ⻑いほど良い ユーザーの印象が重要

Slide 13

Slide 13 text

タスク完了率(Task Success Rate) 予約したい 8⽉8⽇の11時に3⼈で空きがありま す。名前を教えてください 明⽇の11時で3⼈です ⽥中です ありがとうございます。 予約が確定しました ⽇時を教えてください ⭕ 予約したい 8⽉8⽇の11時に3⼈で空きがありま す。名前を教えてください 明⽇の11時で3⼈です ⽥中です ありがとうございます。 予約が確定しました ⽇時を教えてください 予約したい すみません、認識できませんでした えーと何だっけ? えー… ⽇時を教えてください ❌ 終話 ⭕な対話の割合がタスク完了率

Slide 14

Slide 14 text

タスク完了率以外の評価指標について タスク完了率以外にも⾒る指標はある(Deriu, et al. 2019 が詳しい) タスク完了率に上記を加味して、総合的にリリース判断を⾏うのが重要 電話転送に繋がるか? 「会話の⻑さ」 サブシステム評価

Slide 15

Slide 15 text

まとめ

Slide 16

Slide 16 text

まとめ - AIと⾔えども「(中途半端な)⼈間らしさ」が正ではない - タスクに合わせて適した評価指標を使うべし - タスク指向型対話についてはタスク完了率が⼀番重要 - 実際にはタスク完了率以外にも様々な指標を組み合わせて⽤いる