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© RAKUS Co., Ltd. 出してみてわかったAIエージェントプロダクトの舞台裏 〜楽楽AIエージェント for 楽楽精算〜 #RAKUS AI Meetup 2026/1/21 ⽯⽥ 浩章 株式会社ラクス AIエージェント開発課 課⻑

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経歴とか - ⼊社前は、⼤⼿SIerにてPMやITコンサルやUXデザイナー 「Agile開発×Global開発 」(11年以上) - ベトナム(ハノイ)に3.5年移住 - 副業で⽇本やベトナムの⼤学/⼤学院での⾮常勤講師経験 - 情報⼯学やプロジェクトマネージメント - デザインシンキングを⽤いたビジネスデザイン講座 AIエージェント開発課 ⽯⽥ 浩章 Hiroaki ISHIDA   自己紹介 社歴 2024年 10⽉⼊社 ● 明細開発部 明細2課を担当 2025年 5⽉ ● AIエージェント開発課を担当

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© RAKUS Co., Ltd. ● 「楽楽AIエージェント」リリース ● 楽楽AIエージェントが提供する経費精算フロー ● 開発中に⽴ちはだかった「3つの壁」 ● 公開後のユーザーの声 ● 今後の展望 ⽬次

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4 今⽇お伝えしたい内容は AIプロダクトのあるある課題を どのように乗り越えたか というお話です

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© RAKUS Co., Ltd. 5 I.「楽楽AIエージェント」リリース 半年でゼロからリリースまで

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6 ラクスAIエージェント開発課発⾜! 2025年5⽉1⽇ AIエージェント開発の専⾨チームが⽴ち上げ 『年内リリース』が⽬標 「楽楽精算」が対象 「何を作るか」から開始 「RAKUS AI Meetup Vol.1」 でお伝えした内容

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7 楽楽AIエージェント for 楽楽精算 12⽉1⽇にリリース‧CM公開 楽楽精算「盛り上がる社員」篇 https://youtu.be/7UWPMHsZZwI?si=Q35iUlk2XgYOU0dE リリース後の反応 メディアへの掲載: 5 ※ ⽇経(電⼦版)やEnterpriseZineなど お問い合わせ数: 143件 希望社数: 数⼗社以上 → 随時提供開始 社内利⽤: 11⽉より開始

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© RAKUS Co., Ltd. 8 II. 楽楽AIエージェントが提供する経費精算フロー

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9 これまでの経費精算フロー ①事前申請選択 ②クレジット連携選択 ④各明細に紐づけ ⑥領収書を紐づけ 経費精算書に関連帳票を紐付け、経費の内容を手入力していく...😣 ①事前申請選択 ②クレジット連携選択 ③事前申請に紐づく明細選択 ④各明細に紐づけ ⑤編集をクリック ⑥領収書を紐づけ ⑦経費精算内容を入力

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楽楽AIエージェントの経費精算ワークフロー 10 (中略) ①領収書を選択 ②関連帳票を確認 ③一時保存完了 ④内容確認&申請

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関連帳票の紐付けの⾃動化 11 楽楽AIエージェント機能の特徴 申請者との対話的に進⾏ 過去申請情報も参考に 従来⽐ 30%〜50%短縮 領収書の内容を元に、意味的推論を⾏い ながら、紐づける事前申請やクレジット カード利⽤明細を提案 わずか3ステップで申請直前まで到達 (領収書選択 → 紐づけ結果の確認 → 内 容の最終確認と申請) 選択した領収書や紐づける関連帳表だけ でなく、過去申請の⼊⼒内容もコンテキ ストとして活⽤ 各段階(プランニング→帳票作成)ごと に、申請者の確認を⼊れながら進⾏

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12 ここまではスゴそうに⾒えるんですが、 こっからが本番です

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© RAKUS Co., Ltd. 13 III. 開発中に⽴ちはだかった「3つの壁」 精度 LLMコスト 応答速度

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LLM原価の試算: 約1000円/申請 ※ 2025年07⽉ごろの話 経営層を巻き込んだ⼤問題へ!!! なぜこのような試算になったのか? ‧全ての項⽬について丁寧に推論 ‧1申請あたり15~30回のAPI呼び出し ‧細かい粒度に分けて呼び出す ‧精算業務のコンテキストの⼊⼒ 14 ①コスト問題 14

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「類似伝票の探索」 数ヶ⽉前から極秘に進んでいた 『機械学習』を⽤いた機能を応⽤ 対象となる帳票群と似た過去の経費精算書 を利⽤し、LLMの推論量を⼤幅に削減 (数⼗分の⼀に削減) コスト問題への対策 15 ※ 本機能⾃体はサービスインしておりません

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16 ②精度問題 16 ⽣成したデータの品質もバラバラ 加えて、経費精算ルールもベツベツ AIで作成したデータの品質が不安定 顧客の経費精算パターンは多様 補⾜: 経費精算パターンの例 Case1: 事前申請と経費精算が1:N ● 1ヶ⽉分の予算を1回の事前申請で確保 ● 複数回の経費利⽤ → N回の経費精算 Case2:事前申請と経費精算がN:1 ● 複数回の経費を利⽤ → ⽉末に、1回にまとめて経費精算

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「規定違反チェック機能」 楽楽精算が持つ、会社ごとに設定可能 な柔軟なルールベースのチェック機能 ‧AIエージェントは「申請業務の効率化」 ‧本チェック機能が「申請の品質担保」 17 精度問題への対策 https://www.rakurakuseisan.jp/function/expenses.php

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1回の作成で最低2~5分 『経費精算書作成』時に、複数回の推論が 実⾏されるため、完了までに時間が掛かる それ以外にも以下のような課題が残る ● アクセスが集中するケース ● 帳票の数や明細が多いケース 18 ③速度問題 {code} 18

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「帳票紐付けと作成の分離」 当初の想定(右上図) 『作成指⽰』〜『経費申請』⼀気通貫 フローの修正後(右下図) 『作成指⽰(→ 精算書作成)』を並列実⾏可 より⼀層エージェンティックな流れへ変化 19 速度問題への対策 作業 終了 作業 開始 作成指⽰ 作成指⽰ 作成指⽰ 内容確認 内容確認 内容確認 経費申請 経費申請 経費申請 作業 終了 作業 開始 作成指⽰ 作成指⽰ 作成指⽰ 内容確認 内容確認 内容確認 経費申請 経費申請 経費申請 Before: 同期的に進める流れ After: ⾮同期化した流れ

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20 速度問題への対策 「帳票紐付けと作成の分離」 精算書作成パートを⾮同期処理へ 作成中に次々に経費精算書を作成できる ようにワークフロー⾃体を変更 作成依頼は⼀気にまとめて → 内容確認や申請はあとから1つずつ

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© RAKUS Co., Ltd. 21 IV. 公開後のユーザーの声 ● ポジティブな反応 ● ネガティブな反応

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22 ユーザーの率直なフィードバック ⾃分でやった⽅が早い(待 ち時間が無駄) 事前申請なしでは使えない の? 驚くほど早く終わった 気づいたら完了していた 複数明細の経費精算でも 正しく紐付けられ、 備考欄まで記載してくれた ⼀回ごとに経費精算を完了さ せたい (⾮同期処理に慣れない)

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© RAKUS Co., Ltd. 23 V. 今後の展望 ● 現状のプロダクト評価と課題 ● 経費精算エージェントのVISION

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事業継続性 (Viability) 実現可能性 (Feasibility) 複数の技術的や既存機能を活⽤することで、 原価削減や申請書の品質向上に繋げられた。 ただし、今後も継続的に改善に取り組む。 実現可能性のトレードオフとして妥協。 当初予定していたものと⽐べると、体験として使い 勝⼿が良いとは⾔えない状態になってしまった。 24 有⽤性 (Desirability) 3観点からみる現状のプロダクト評価 年内リリースの前提に、実装可能な⼿段を選択。 今後も、エージェントの実装技術やLLMの活⽤ナレッジ の蓄積を⾏い、⾼い要求にも応えられるようにする

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まだ⼈間が介在が多い → 次の様な体験を提供 ‧領収書を選択すれば ⼀時保存まで⼀気通貫へ ‧まとめて領収書を選択して も、⾃動的に分類し、複数の 精算書を作成 現在は経費精算だけ → 今後は以下の種別へ ‧交通費精算 ‧出張精算 ‧交際費精算 ①「事前申請 ✖ クレ カ」は利⽤ハードルが⾼ い → 必須情報を減らす ②スマホだけ対応 → PCでの利⽤も 25 いまはまだ25%程度の完成度 多様な精算種別への対応 利⽤条件の緩和 ⼈の⼿間を減らす

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26 SaaS ✖ AIエージェントの⼭場はこれから クローズド版を通して、より使いやすいケース突き詰める ⻑期的にSaaSとして提供し続けられる、有⽤性と事業継続性のバランスを取る 4段階12サイクルを想定 ● PoC版: プロトタイプによるAIエージェントのあるべき姿を⾒つけ出す # => Vol.1時 ● α版: 社内データ基盤との接続やAIエージェントフレームワークを⾒つけ出す ● β版: 既存データや顧客ごとの運⽤ルールに照らし合わせて価値を⾼める # => 今ここ ● γ版: 実際の顧客へ提供開始し、スケーラビリティを検証する

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前提: 経費精算をしたい⼈はいない ● 「経費精算は⾯倒くさい」 ● 「精算作業を始めるのも億劫」 ● 「私の代わりに、作ってくれない?」 これからの経費精算 起点: AIエージェントが状況を理解し主導 責任: ヒトが確認や承認だけを担当 27 経費精算エージェントのVISION ヒトが経費精算から解放される世界へ

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28 ご清聴ありがとうございました